今回は、ロックの踊り子、加瀬あゆむさんのステージを「セクシー・アーティスト」と題してレポートします。

 

 

H26(2014)年3月21日(金、春分の日)~23日の三日間、仙台ロックに遠征した。

その週の香盤は次の通り。①聖京香、②白砂ゆの、③友坂麗、④HIRO、⑤加瀬あゆむ〔敬称略〕。全員ロック。

 

トリを務めたのが加瀬あゆむさん。

仙台ロックにのるのが三年八カ月ぶりと言っていた。そのため、たくさんの作品を仙台で披露したいと今回四作品を持ってきた。従業員の川田さんが加瀬さんの荷物がなんと13箱も届いて驚いていたほど。それだけでも仙台のファンに対する熱い気持ちが伝わる。

私も昨年の夏以来なので、新しい作品を拝見するのが楽しみ。

 

あゆむさんはH17(2005)年8月1日浜劇でデビュー。大物AV女優のストリップデビューとして注目され、私は初日に初顔合わせ。あれから八年半が経つのかぁ~早いなぁ~。

今だから笑い話になるが、加瀬さんはデビュー作をかなり長くやっていた。AVの仕事が忙しかったと思うが、なかなか二作目が出なかったので、加瀬さんは新しい作品を作ったり、踊りがあまり好きじゃないのかなと勝手に思っていた。ところがところが、その後に発表する作品や踊りは素晴らしく、今や誰もが認めるストリップ界のスーパーダンサーと評されている。特に浅草ロックで演ずる作品を拝見するとロックを代表する踊り子であることは一目瞭然である。

今回初めて、彼女のレポートを書くことになったが、素晴らし過ぎて、何をどう褒めたらいいか迷ってしまう。

 

まずは、今回の作品を私なりに紹介しよう。

初日は二作品を披露。翌日また別の二作品を、三日目はその四作品で四個出しする。

初日の1,3番目の出し物は「桜」。

華やかな着物姿で登場。着物にはたくさんの花が刺繍されて鮮やかなうえに、なんといっても金銀模様の帯が腹部に大きく迫(せ)り出していて豪華絢爛。着物の裏地も花柄で綺麗。なんて高価な着物なんだろう。髪は簪(かんざし)で後ろにひとつ結びにしている。夜桜お七♪の曲にのって、黒地に桜模様の入った扇子を操りながら、裸足で、軽快に踊る。

次に、赤い長襦袢姿に着替える。襟元に銀色の桜が刺繍されているのがポイント。また銀の帯が鮮やか。桜の小枝をもって踊る。

最後は、ピンクの腰巻姿になり、コブクロの曲「風」にのりベッドショーを演ずる。

久しぶりに見る加瀬さんのヌードに見惚れる。相変わらず均整のとれたプロポーション、引き締まった裸体。彼女にはカモシカというか女豹というか、そんな動物的なエロスを感ずる。

 

2,4番目の出し物は「バーレスク」。

最新の映画『バーレスク』がベースになっている。歌手になることを夢見るアリは、アイオワからロスアンゼルスに出てきて、テスが経営するバーレスク・クラブで才能を開花させていくというストーリー。これをイメージしてステージを拝見すると理解しやすい。

最初に、これから舞台に立つ準備として化粧台の前にいるところから始まる。斬新なドレス姿に身を纏う。その様相は次の通り。下地は黒い生地に赤い斑点が見える衣装で、その下地の上を右肩から斜めに腰まで赤いフリフリが降り、スカート部に繋がる感じ。髪は後ろにポニーテール風にまとめ、白い縁取りのある黒いリボンを頭の上に付ける。首にも赤いリボン。赤い長手袋。足には黒い網タイツ、そして黒いハイヒール。

その恰好で、マイクを持って歌い、杖を使ってダンス。

次に、髪を解いて、ドレスを脱いだかと思うと、黒い下着姿へ。腰には黒いガーター、そして黒い網タイツ、黒いハイヒールと続く。十字架の純金ネックレスがキラリ。

その恰好で、椅子を使った仮想セックスの演技。艶めかしい。特に、椅子を使うことで加瀬さんの大きなヒップが強調される。思わず涎が垂れそうー。最近、おしり星人の童話を書いて、いおりんorかんなちゃんがおしり星人代表かと話していたが、いやいや、加瀬さんこそ真に最強のおしり星人だ!と改めて感じた。仙台スト仲間のタッキーがそれに賛同していた。(笑)

 

二日目の1,3番目の出し物は「サンバ」。

今度は古典的なダンスで来たかー!

最初に、大きな色柄の布を括り付けた棒で旗振りしながら登場。

なんて華やかな衣装なんだろう。赤と白を基調とした明るい色彩が眩しい。頭には大きな赤い羽根。赤と白のマラボーを組み合わせたものを背負う。白い上下の下着には、赤い羽毛が付いている。赤いハイヒールを履き、足首にも黄色い花を巻く。サンバのリズムに合わせて楽しく踊る。

そして、徐々に衣装を脱いでいく。

次に、シュミーズのような黄色いドレス姿になる。胸元がオレンジで縁どられ、オレンジ色のリボンがかわいい。ドレスにも黄色の中に光るオレンジ色が散在している。よく見たら、オレンジ色の小さなリングが円状に付いている。

首から大きな笛を下げ、軽快に踊りながら笛を吹き鳴らず。

 

二日目の2,4番目の出し物は「昭和ノスタルジア」。

先ほどの「洋」に対し今度は「和」であり、また「明」に対する「暗」ということか。観ている客を飽きさせない多彩な組み合わせである。

最初に、大きな青い和傘をさし、着物の後姿で登場。インパクトのある場面。

着物は薄い紺地に、牡丹の花がさくさんプリントされている。赤い帯。胸元にある真っ赤な薔薇を取り、口に咥える。垂れていた長い髪を簪で結いあげる。漂う色香がたまらない。

ステージの横に、小箱が置いてある。線香の香りが漂う。

その小箱を盆の上に移動する。中から煙管を取り出し、火をつけて、ゆっくり二度煙を吐く。

売春宿の情景がイメージされる。線香の香りが昭和のかなしい哀愁を醸し出す。

全裸になり赤い目隠しをする。目隠しは、お客が変な趣味を要求しているのか、あるいは、世の中を見たくないという意思表示か。妖しい性が流れる。

 

四作を通して拝見して、加瀬さんの多彩な演技に脱帽。まさに加瀬ワールドに酔わせてもらった。三日間、加瀬ワールドを堪能できた喜びに、仙台に遠征してきて本当に良かったと思った。

加瀬さんが八年半前にデビューしたときは可憐な美少女だった。目の前にこれだけ素敵なストリッパーに成長した姿に感慨深くなる。加瀬さんが単なる美少女でなかったことがよく分かる。先ほどダンスの話をしたが、ストリッパーとしての色香が半端でない。稀有な美貌を武器にエロスが全身から溢れている。

初日たまたま、ポラの時に加瀬さんがお客と話をしているのが耳に入った。話の前後は分からないが「私、見せたがりなのよ!」という加瀬さんの言葉にはっとした。

そうか、ストリッパーの本質は「見せたがり屋」なのかもしれない。加瀬さんは本物の見せたがり屋 ⇒ 本物のエロスの表現者 ⇒そして‘セクシー・アーティスト’という言葉が浮かんできた。

エロスに限界はない!それを知っている彼女はとことんエロスを追求する‘セクシー・アーティスト’なんだと強烈に感じた。

 

平成26年3月                            仙台ロックにて