今回は、「幻の踊り子」と題して、ロックの伊藤真理子さんとの思い出を語ります。

 

 

 H25年4月頭の仙台ロックで、伊藤真理子さんという素敵な新人さんに出逢ったことは既に仙台ロック観劇レポートで話した。

 翌月5月結の若松劇場の香盤情報に真理子さんの名前が載った。しかも、ロック若手のホープ叶咲ゆめさんや仲良しの西園寺瞳さん、更に晃生の目黒あいらさんまで一緒という豪華メンバー☆

私は初日から喜び勇んで通い始めた。

 

 真理子さんは私の顔を見つけて喜んでくれた。「超×100お久しぶりです。うれしー!!!」「仙台以来、初めてのロック館じゃない若松で早速会いに来てくれて、ビックリ&嬉しかったです。」

 私はまず、仙台ロックのときの観劇レポート、というより真理子さんへのラブレター(?)を渡す。真理子さんのことがたくさん書いてあり驚いたことだろう。「お手紙、私の書いた内容がたくさん引用されていて少し恥ずかしいですが、とても心がこもっていて、支えられます。」

 初日に「ふいうちでレターセットない泣。明日から持ってきます。」「かわいいレターセットGETしたのでお手紙書くね!!」と言っていたので楽しみにしていた。翌二日目に動物の絵柄が入ったステキなレターセットでお手紙を頂いた。私は張り切ってすぐに返事を書いたが、思わず素敵なレターセットのことまで褒めた(笑)。

 真理子さんの出し物は、仙台ロックのときと同じ秘書ものだったが、ベッドが変わっていた。「今の演目は、仙台と同じデビュー作ですが(ごめんね)、仙台と浜劇限定でベッドを桜ver.にしていたので、今のベッドが完成版です☆」こちらの方が色気たっぷり。

最初は「6頭のSNAから新作するので、太郎さんにはいつお披露目できるかな~。」と言っていたが、中日に「実は、今日新作もってきていて、今週出そうか迷いチュー」とあり、私が是非とも観たいと話したら、5/28に初披露してくれ大感激。「2.4回目で新作、今日初出ししてます。ボロボロw優しく観てね。」新作は猫もので、真理子さんのエロさがよく出ていて一発で気に入った。

 

そうそう、今回、真理子さんの新たな真実を知る。

中日に、知っているスト仲間から、真理子さんは九年前に‘水野ちか’という名前でデビューしていたことを教えてもらう。私はハッと思い出した。新人好きの私は当時ロックの新人さんを全て網羅していたはずなので、彼女を見落としていたはずがない。ようやく納得できた。しかも私は「ステージから落ちる」というエッセイで彼女のことを書いていた。もちろん名前は書いていないが、水野ちかという名前にピンときた!私は、翌日、そのエッセイと一緒に手紙を書いた。「あれ?そうです。水野でした。あのあと浅草のってます。お騒がせしました。」真理子さんは私が知っているものと思っていたようだ。ということは、以前お手紙を出していた私のことをおぼえていたのだろうか。手紙の中に「2004.2結にデビューしての戻ってきちゃいました。大人になったので、まだ2どん2色っぽくエローくなるから見ててね。」とあるから、おぼえていたのかもしれない。むしろ、完全に忘れていた私の方が情けない。

それにしても、名前が違っていたため、同じ人を二度好きになったというのも不思議な縁と感覚をおぼえるなぁ~。

まるで、ストリップのゴーストに出逢ったような気分になる。真理子さんのことをリアルな童話に仕立てあげてみよう。それは次の「ストリップ・ゴースト」という形になった。

 

 

平成25年5月                             若松劇場にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ストリップ・ゴースト』 ~伊藤真理子さん(ロック所属)に捧げる~

 

 

 H25(2013)年4月、私は仙台ロックというストリップ劇場で素敵な新人の踊り子さんと出逢った。彼女の名前は伊藤真理子と云った。

 まさに美人タイプで、ロックのトップスターである灘ジュンさんや昨年引退した京本かえでさんを彷彿させるイメージ。さすがロックはいい新人さんをデビューさせるなぁ~。

 二ケ月前のH25年2月に新宿ニューアートでデビューしたばかりなので、ダンスはまだ慣れていないようだ。でも、きびきびした動きからダンスセンスの良さは窺える。

 彼女はとても若く見える。プロフィールを見ると、1983年2月26日生まれというからまだ二十歳か・・・えっ!10年間違えた!もう30歳なんだ!いやぁ~女性の年齢は分からないねー!!まぁ~若く見えることが重要だね。

 

 私は真理子さんを一目で気に入って、ポラを買い、いつものように手紙を差し入れた。

 彼女は喜んで手紙を受け取り、「お返事書くからね!」と笑顔で応えてくれた。彼女とは仲良くなれるかもしれない!私はまた新たな恋のときめきを感じ有頂天になった。

 出会った1日目は客入りも多く、ポラもたくさん売れていたのでポラサインに忙しく、私への手紙どころではなかったようだ。

 私は次の日も仙台ロックに行く予定にしていたので、返事は次の日でいいよと真理子さんに伝えてあった。私は翌朝、喜び勇んで劇場に向かった。

「急病のため、本日より伊藤真理子は出演しません」との張り紙。

 驚いている私に向かって、受付の女性から「太郎さんに真理子さんから預かりものをしているわよ」と一通の封筒を渡された。中には、昨日撮ったポラと長い手紙が同封されてあった。

 手紙には、丁寧な綺麗な字体でびっしり書いてあった。手紙を読んで、私は不思議な感覚に襲われた。真理子さんが私に書いている手紙の内容が、私が昨日渡した手紙の内容に対するものではないのだ。たしかに私への手紙であることは間違いないのだが、これは私が10年ほど前に書いたものに対する返事なのだ。ちょうど私が踊り子さんに手紙を書き始めた頃が10年前で、今のように話すネタもたくさん持ちあわせてなく、私が初めてストリップ劇場に行ったときの体験談や、極端な話が昨日の会社の行事、ソフトボールで打席に立った身近な話などを書いていた。真理子さんからの返事はそうした内容に触れていた。なんで、そんなことを知っているんだろう。私の頭は混乱した。

 

 ふと、9年前のある事件を思い出した。

 私はストリップ日記を辿った。H16(2004)年2月に、水野ちかという新人が新宿ニューアートでデビューし、私は早速2月21日の休日、朝から観劇に行った。20歳そこそこの若くて可愛らしい新人さんで、新人好きの私は一目で気に入り、1回目ステージ時にポラを買い手紙を添えた。

 2回目のポラ時、彼女が「お手紙の返事を書きたいので次の回まで待って下さいね」とかわいい笑顔で言われ、私は喜んで次の回に手紙を頂くのを楽しみにしていた。

 二回目のポラ時、「ポラサインがたくさんあって、手紙を書く時間がなかったので、次の三回目でもいいですか。」と言われ、私は「今日はラストまで観ていくので、ゆっくりでいいですよ」と答えた。そして、二回目のポラも彼女に預けた。

 事件は3回目ステージで発生。彼女がステージに登場し、踊り始めてすぐにステージ前方で足を踏み外し、ステージから落ちた。「あっ!」と思った瞬間の出来事。

彼女はどうしたか!?・・・彼女の姿が見えない・・・消えた!?

 私は目の前の出来事が信じられなかった。確かに彼女は目の前で消えた。劇場側もその事件を公にせず、彼女はそれ以降二度とステージに現れることがなかった。結局、私はちかさんのポラを一枚も持ちあわせていないので、私のポラ・アルバムには収録されておらず、今まで彼女のことを思い出すこともなかった。

 

 そうだ!真理子さんはあの時のちかさんだ!

 ようやく思い出した。名前が違っていたので気づかなかったが、真理子さんがちかさんであるのは間違いない!

 真理子さんが若く見えるのは、あの時のちかさんの年齢のままだからだ・・・そう、彼女は歳をとっていないんだ!では、昨日の真理子さんはちかさんのゴーストなのか!?

 ちかさんはステージから落ちた瞬間に、時間の隙間にはまり、タイム・スリップしたんだ。

いま伊藤真理子という名前でまたステージに現れた。真理子さんはデビューしたときの水野ちかのままなんだ。そして、この返事は、あの時、ちかさんが私に書いてくれていた手紙だったのか。ちかさんはどうしても私に手紙を渡したかったんだな。ちかさんのゴーストは、私に再会し、私に手紙を返却することで想いを果たすことができたんだ。

 

 それ以降、伊藤真理子さんがストリップ界に現れることはなかった。

 

                                    おしまい