ロックの踊り子・楓彩さんについて、2020年1月中の大阪東洋ショー劇場での公演模様を、三作目「I HATE YOU」を題材に、「赤裸々なステージ」という題名で語ります。

 

 

2020年1月中の大阪東洋ショー劇場に初日から通う。

今週の香盤は次の通り。①桜庭うれあ(ロック)、②涼宮ましろ(東洋)、③楓彩(ロック)、④木葉ちひろ(ロック)、⑤白鳥すず(東洋) 〔敬称略〕。

 

 楓彩さんとは9月頭の東洋以来なので約四か月ぶりの再会。久しぶりにお会いできて心から嬉しかった。張り切って初日から顔を出す。初日に「お久しぶりです!! ずーっとまた東洋にのりたかったから今回のれて嬉し過ぎるー♡ また東洋で太郎さんにも会えたこと嬉し過ぎるー♡ 今週も仲良くしてね」とお手紙を頂き、今週も楽しい日々が続きそうな予感がして楽しくなる。

 先週の伊東紅蘭さんに引き続き、私はルんルん気分で東洋に通う♪

 

 久しぶりの彩さんを見て驚いたのが髪の毛の色が変わったこと。彩さんは長い黒髪のイメージがあったので、金髪になっていてビックリ☆(正確には「金髪にピンク入ってるー」とのこと) 浅草に出演したときに演目に合わせて変えたようだとスト仲間から聞く。金髪ぽいので頭が軽くなったような気分がするね。(笑)

 そして、新作の披露。これまた、以前拝見した二作品(宝塚をモチーフにしたデビュー作とK-POPな演目「エストレージャズ」)とは全く趣が違う。妖艶な雰囲気を漂わせる。新しい楓彩さんの顔が観れて、あやらーファンとしては嬉しくなる♡

 

 今週は、新作I HATE YOU」を一個出し。「今回の東洋が初出しだよ!!!」たっぷり味わいたい♡

 綾さんから作品解説してもらう。<今回の新作は「I HATE YOU」(アイヘイトユー)と言います。意味は「憎しみ」「嫌い」って意味で、少し暗い、病みが深い(笑) 本当にキライってことじゃなく、大好き過ぎて、憎しみに変わった感じです。ベッドを今回はドエロくしたくて、まだまだ考えてます・・・。難しい。。。ポイントは、自分で汚したウエディングドレス!!! お気に入りの新作です。もっと上手くできるように頑張るー♡>

 選曲は自分でやったようだ。「加藤ミリヤは若いときによく聴いてた。2曲目はGACKTなんだけど彩はGACKTが好きです。」また、「今回の振付は浅草の振付とかしているリセ先生って方です。」これまでの仙葉先生とは違った振付の味が出ているね。

 題名「I HATE YOU」はラストの曲名から採っている。というか、今回の選曲にはトップとラストに加藤ミリヤの曲が入っている。おのずと加藤ミリヤ色の強い作品となる。加藤ミリヤと楓彩さんは同じ世代(ジェネレーション)を生きてきたわけで、加藤ミリの曲は自然と楓彩さんの身体の中に沁み込んでいることだろう。当然のごとく、彩さん自身、加藤ミリヤに強い憧れを抱いていることが窺われる。今回の作品に近づくには加藤ミリヤを知らないといけないと感じた。私は加藤ミリヤの曲をたまに耳にする程度しか知らないので改めて加藤ミリヤのことをネットで調べて、彼女の曲を片っ端から聴いてみた。

加藤 ミリヤ(かとう ミリヤ、1988年6月22日 - 現在31)は、日本の女性シンガーソングライターファッションデザイナー小説家。愛知県豊田市出身。所属レーベルはMASTERSIX FOUNDATION、所属事務所はYARD。

 私が感じた加藤ミリヤ像を少し述べてみたい。

 まずひとつは、時代のアイコンを目指した早熟な天才少女であること

 「ミリヤ」という名前は、自分の本名と母親、弟、3人のそれぞれの頭文字をつなげて命名した。早くに父を亡くし母子家庭で育ったこともあり、思春期のもやもやした気持ちを母親にも誰にも迷惑をかけずに発散するために、10歳の頃から作詞を始める。その背景には、安室奈美恵への憧れがあった。1996年、小学二年生の時に起きた“アムラー現象”で安室奈美恵に憧れ、ファッションやメイクを真似していた。そして彼女のようになりたいと思い、歌手になることを意識した。作詞には浜崎あゆみが強く影響した。そのため、早くから、将来的な目標として、安室奈美恵、浜崎あゆみのような女性アーティストとして時代を象徴するアイコンになることを目指す。

2001年、中学生になると書き溜めた詞を携えて上京、ソニーミュージック・オーディションを受ける。宇多田ヒカルの「Automatic」を歌い、13歳で合格。14歳から曲作りを始め、ライバルたちより一歩先を行くために貪るように音楽を聞くようになる。中学時代の3年間、週末になると名古屋から上京して歌のレッスンを受ける日々を送る。天才少女はまた努力少女でもあった。

 2004年9月、高校一年生の時にシングル「Never let go/夜空」でメジャーデビュー。2004年のデビュー当時、オリコンのウイークリー・アルバムランキングで1位を獲得して宇多田ヒカルの最年少記録を破り、“ポスト宇多田”として注目を集めた。当初は「現役高校生」であることを強調されることが多く、その共感を呼ぶ歌詞から「女子高生のカリスマ」と呼ばれた。

 またひとつは、時代の先端を行くマルチな才能を持つこと。

 日本の安室奈美恵、浜崎あゆみ、そして海外のレディーガガなど、時代のアイコンになるスーパースターは、音楽だけでなく、ファッションや言動にも影響力を持つ。加藤ミリヤも、シンガーソングライターであるとともにファッションデザイナー、小説家でもある。

こうした加藤の音楽、ファッション、言動に影響される人を「ミリヤー」と呼ぶ。

 ちなみに、楓彩さんのファンを‘あやらー’と呼ぶのも、アムラーやミリヤーを意識してのものなんだね。思えば、彩さんもミリヤと同じ世代だよね。AVを経て今はストリッパーとして自己表現している。同じ表現者として相通じるものがあるんだろうね。

 最後に、インパクトのある歌詞の赤裸々さ

 今回の演目で使われている曲「貴方はまだ愛を知らない」「I HATE YOU」を聴きこむと、その歌詞の強さに衝撃を受ける。たとえば「I HATE YOU」の最後のフレーズ‘愛の奴隷’が後を引く。

 加藤ミリヤが歌詞の面で影響を受けたのはCocco、宇多田ヒカル、aiko、椎名林檎、浜崎あゆみなどの1998年前後にデビューした女性歌手たちであり、特に浜崎あゆみについては、時代のアイコンとして、皆が抱えている孤独を初めて代弁してくれた感覚があったという。

ネットに次のような記事があった。関西学院大学の鈴木謙介准教授は、ケータイ文化と密接な関係を持ち、ギャルと呼ばれる若い女性たちに支持されるような「男性に対して『嫌われたくない』『こんな自分が嫌い』と言いながら『いつまでも思って待っています』」というパターンの歌詞を演歌と共通するフォーマットを持つとして「ギャル演歌」と命名し、西野カナらとともに加藤をその代表的存在として挙げた。加藤自身もそれを認めている。

 ふと、加藤ミリヤの愛読書に太宰治の「人間失格」があげられていたことが私の興味をひいた。作詞家でもあり小説家でもある加藤ミリヤが最も影響を受けているのは間違いなく太宰治の「人間失格」であると強く納得できた。有名な一文「恥の多い人生を送って来ました」の書き出しで始まる自伝的小説「人間失格」では太宰治の赤裸々な女性遍歴が語られています。加藤ミリヤの歌詞は太宰治の「人間失格」に通じている。もしかしたら、ミリヤ自身が憧れの太宰治が愛した女性たちになりたがっているのかもしれないなと感じた。だから‘愛の奴隷’というフレーズが出てくるのだ。太宰のような男性が出てきたら一緒に心中してもかまわないのだと。

 といいながら、「2019年4月4日、一般男性と結婚し、妊娠中であることを報告。6月12日、第1子男児出産を報告した。」という経歴を見て、私自身ホッとする。私の長女と同じ時期に一児の母になったんだね。私にとっては、我が長女も加藤ミリヤも、そして楓彩さんも同じ世代でみんな娘のような気がする。

 

 

 さて、前置きが長くなりましたが、これを踏まえて、作品内容を観てみよう。

 最初に、ロングドレスで登場。肩出しで、胸から下にドレスが流れる。スカート部は前上がり後ろ下がりで、すらりとした脚が見える。色は白地に赤と草色が入っている。彩さん曰く「自分で汚したウエディングドレス」というイメージ。

 音楽に合わせ、裸足で舞い踊る。長身で、バレエで鍛えられた長い手足を伸ばして演ずる姿はそれだけで絵になっている。

 赤い花を緑の葉で覆った花束をひとつ持って、物憂いな表情で、妖艶に踊る。今回の演目のキーワードはまさしく‘妖艶さ’である。

 一曲目は、加藤ミリヤの「貴方はまだ愛を知らない」。 発売日2018年06月20日。作詞作曲:MILIYAH.(作詞・作曲のクレジットは「Miliyah」と表記される)。2018年6月に10枚目のアルバム「Femme Fatale」をリリースし、「I HATE YOU」「貴方はまだ愛を知らない」を収録。

 曲が変わり、一旦盆に移動し、また舞台に戻る。

 二曲目は、GACKTの「GHOST」(ゴースト)。2009年1月リリースで、Gackt通算29枚目のシングルである。作詞作曲:Gackt.C。海外ドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』主題歌。男性ボーカルはこの一曲だけだが、GACKTのセクシーな歌声が本作のテーマである妖艶さを強調している。「彩はGACKTが好きです。」

 また、曲が変わり、赤い照明になることで、一層の赤裸々感、妖艶さを強調してくる。

 ドレス衣装を脱ぎ、下着姿になる。上着は白いコルセット状で、トップレスなので形のいい乳房が見える。下着は白いパンティ。左足の付け根に白いフリルを巻く。肢体の美しい色白のヌードが輝く。

 三曲目は、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ) の「bury a friend(ベリー・ア・フレンド)」。か細く、ささやくような声だ。あ、彩さんが今回の作品を「少し暗い、病みが深い」と評していたのは、この歌が原因のひとつだなと思えた。

ところがところが、ビリー・アイリッシュは2019年最も話題の新人で、なんと17歳の歌姫。2019年3月29日にリリースされたデビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』は全米・全英アルバム・チャート初登場1位獲得!アメリカでは2000年代生まれでアルバム1位を獲得する初めてのアーティストとなり、イギリスではアルバム1位を取った最年少の女性となった。

ビリー・アイリッシュ・パイレート・ベアード・オコンネル(Billie Eilish Pirate Baird O'Connell、2001年12月18日 – 現在18歳)は、アメリカ合衆国の女性シンガーソングライター、モデル。

アイリッシュは2001年12月18日にカリフォルニア州、ロサンゼルスで生まれた。父のパトリック・オコネルは過去に「アイアンマン」に出演したこともある俳優、母のマギー・ベアードは俳優兼作曲家であり 、両方ともエンターテインメント業界にいる。彼女は、主にスコットランド人とアイルランド人を祖先に持つ。ロサンゼルスのハイランド・パークで生まれ育った。アイリッシュはホームスクールで育ち、8歳でロサンゼルス児童合唱団に参加。すでに自身のバンドで作曲、演奏やプロデュースをしていた兄のフィネアス・オコネルを追いかけるようにアイリッシュも11歳から作曲をし、歌っていた。

2015年の10月に、まだ14歳のアイリッシュが「Ocean Eyes」を録音。兄のフィネアスが元々、自身のバンドのために書いた曲で、アイリッシュのダンス講師が振り付けを考えた。 2016年にアイリッシュのデビュー・シングルとして「Ocean Eyes」をサウンドクラウドで配信すると瞬く間に注目され、若くしてメジャーデビューを果たす。

こうした経歴を眺めると、加藤ミリヤとよく似ている。彼女も早熟な天才少女である。

アイリッシュは兄フィネアスと共同で楽曲を作っている。今回の曲「bury a friend」も、とても17歳の少女の歌とは思われない。MVが奥深い内容だ。彼女の中に存在する”モンスター“がリリック(歌詞)のメインテーマとして語られる。このモンスターは彼女の欲や弱さといったものを比喩で表現したもので、常に自分の中に潜んでいるものだとされていて、曲のタイトルにもあるように、”友人“とも言い表されています。” bury a friend – 友人を埋葬する”。つまり、このモンスターとの決別がテーマになっている。しかし、そのモンスターは自分の一部であり、そのモンスターを埋葬することは、自分を葬ることでもあるという葛藤に苛まれる様子が描かれている。

赤裸々感は加藤ミリヤに通じる。彩さんがこの曲を選んだ気持ちがわかるような気がする。しかも、アイリッシュのささやく歌声にはどこか中毒性を覚える。ハマっちゃう♪

一見してアイリッシュは美人顔ではあるが、どこか不思議ちゃんだ。余談ではあるが、アイリッシュは顔面けいれんを引き起こすトゥレット障害の他にも、夜驚症や抑うつ・共感覚・聴覚情報処理障害など様々な精神障害の発症を明らかにしている。2019年3月のインタビューでは、麻薬使用ついて「私は麻薬をやったことがない、私は私の人生の中で何かを吸ったことがない。それは私にとって面白くない」と無関心を強く表している。また、家族とともにヴィーガン(絶対菜食主義者、肉や魚を食べないベジタリアンより更に加えて、卵・乳製品・はちみつも口にしない)である。

 

 盆に移動して、白いパンティを左手首に巻く。パイパンが眩しい。

 手足に金銀のマニキュアが見える。

 ベッドショーは彩さん自身が言うようにドエロい。涎垂もの、おもわず鼻血が出そうになるほどに、たまりません♡

 ベッド曲は、Lana Del Rey(ラナ・デル・レイ)の「Fuck It Love you」。

 これまた、先ほどのビリー・アイリッシュと同じく、官能的な癒される歌声である。二人とも麻薬のような歌声を持っている。それもそのはず、驚くなかれ、ビリー・アイリッシュ自身が、ラナ・デル・レイから大きな影響力を得たと主張している。

ラナ・デル・レイ (Lana Del Rey)は、本名をエリザベス・ウールリッジ・グラント (Elizabeth Woolridge Grant、1985年6月21日 - 現在34歳) という。ラナ・デル・レイ(Lana Del Rey)は芸名。アメリカ合衆国ニューヨーク州、ニューヨーク・シティ出身のシンガーソングライターである。 自らを「ギャングスタスタイルのナンシー・シナトラ」だと名乗っており、彼女がリリースする曲には全体的に悲しみを表現している物が多い。そのため、自身のジャンルは「サッドコア」だと公言している。2012年1月30日には、メジャーデビューアルバム『Born to Die』がリリースされており、アメリカ合衆国やイギリスを初めとした世界各国でアルバムチャート上位を獲得した。その後が凄い。

2014年6月13日、セカンド・アルバム『ウルトラヴァイオレンス(Ultraviolence)』をリリース。自身初の全米アルバムチャート1位を記録した。

2015年9月、3rdアルバム『ハネムーン(Honeymoon)』をリリース。

2017年7月、4thアルバム『ラスト・フォー・ライフ(Lust For Life)』を発表。自身2度目となる全米アルバムチャート1位を記録。

 この二人の曲が、本作「I HATE YOU」で極めて奥深く渋い役割を果たしている。

 最後の立ち上がりは、加藤ミリヤの「I HATE YOU」で締める。発売日:2018 03 21。作詞作曲:MILIYAH。

 ひとつひとつの楽曲がまるで楓彩さんの分身のように感じさせられる。

 

 ちなみに、オープン曲は、ピコの「Make my Day!」である。

     

 

2020年1月                             大阪東洋ショーにて