藤川菜緒さん(ロック所属)の、大阪東洋ショー劇場の令和2(2020)年7月結におけるステージ模様を、4作目Galaxy Express」を題材に、「東洋で更なるブレイク」という題名で語りたい。

 

2020年4月結の東洋ショーに7/24から三日間顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①松本なな(東洋)、②上野綾(東洋)、③雨宮依織(ロック)、④mico(ロック)、⑤藤川菜緒(ロック) 〔敬称略〕。今週はmicoさんの東洋初乗り。

 

藤川菜緒さんは、3月頭以来で、コロナ明けで早めに東洋にのってくれた。彼女は東洋で人気に火が付き、既に準東洋所属タレント扱いだ。今週も東洋の親衛隊が立ち見でステージやOPショーを盛り上げていた。

さて、今回の東洋では新作Galaxy Express」と3作目「Lupin」の二個出し。

さっそく新作「Galaxy Express」について触れていきたい。

 タイトルの「Galaxy Express(銀河鉄道)」はゴダイゴの曲「銀河鉄道999」の英語名 「The Galaxy Express 999」から来ている。このタイトルに向かい、ラスト二曲が盛り上がる。

 そして、最初の二曲が、タイトルの「Galaxy Express」をイメージできる星野源の曲を持ってきているところがミソである。

 私はたまたま最近、星野源主役の「引っ越し大名!」を観たばかり。『引っ越し大名!』は、2019年8月30日公開で、生涯に7回もの国替えをさせられ、“引っ越し大名”とあだ名された実在の大名・松平直矩をモチーフにした土橋章宏原作の小説「引っ越し大名三千里」の映画化で、土橋が脚本も担当した。監督は犬童一心、主演は星野源。高橋一生、高畑充希、さらにピエール瀧など配役の演技が良かった。引きこもりだった主人公が、引っ越し奉行に抜擢され、仲間達と共に理不尽な国替えに立ち向かっていく姿が、どんぴしゃ星野源にはまっていた。

 もともと、私は御多分にもれず、2016年に星野源も出演して大ヒットしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌である「恋」という曲で彼を知った。彼の歌声を聴いてると、なんかほっこりする。今回レポートするにあたり星野源をネットで調べた。

名前:星野 源(ほしの げん)※本名

生年月日:1981年〈昭和56年〉1月28日 - 現在39歳。埼玉県出身。

所属事務所:アミューズ(音楽)、大人計画(俳優)

星野源さんといえば、ミュージシャン・俳優・文筆家の3足の草鞋を履き、各方面でその才能を高く評価されています。

彼の実家は八百屋で、後にジャズバー「signal」を経営したが、2016年10月22日に閉店している。中学生の時、ギターと演劇を始める。高校生の時、劇団大人計画の舞台を見て、同劇団のワークショップに参加する。2000年10月、同じ高校出身の同級生らを誘い、インストゥルメンタルバンドSAKEROCKを結成し、そのリーダーとして、主にギターとマリンバを担当していた。2015年に解散。

しかし、31歳のときにくも膜下出血で倒れ、その後も再手術などをして療養していた期間があった。重い病気を無事に克服した2014年に日本武道館のライブで無事復帰を果たし、その後の活躍はみなさんのご存知の通り。特に大河ドラマ『真田丸』や『逃げ恥』への出演で世間から大きな注目を集め、一気に時の人なった!

その後も、音楽やドラマだけでなくコント番組でのコミカルな演技やバラエティ番組での巧みな話術により彼の明るく面白い人柄が認知され、テレビでも活躍の場をさらに広げる。テレビ以外にもラジオ・オールナイトニッポンでのトークや、CDに付いている特典映像などでも星野源さんのふざけた一面を垣間見ることができ、ミュージシャンや役者以外のときに見せる"素の星野源さんが好き"というファンも多いようです。

 

前振りはこのくらいにして、ステージ内容をご紹介する。

最初に、スチュワーデスの恰好で登場。大きな紺の制帽に、紺の制服。白い半そでブラウスの上に紺のベストを羽織り、三つの金ボタンを締める。膝上丈の短いスカート。帽子の縁と胸元のリボンに赤をポイントとして置く。足元は黒いブーツ。

音楽に合わせて、スタンディングにて踊る。

一曲目は、星野源の「時よ」。作詞作曲:星野源。2015年12月2日リリースの星野源の4枚目のアルバム『YELLOW DANCER』(イエローダンサー)に収録。2016ユーキャン通信講座 CMテーマソング。私は全ての楽曲を星乃源が自作していることを初めて知り、彼のマルチ才能ぶりに改めて驚愕する。

(歌い出し)♪「動き出せ 針を回せ次の君に繋がれ時よ 僕ら乗せて続いてく 意味もなく 結んで開く 朝顔の色茜の空に帰る鳥の色月も朝日も この顔の色子供の心今も ここに あるの 動き出せ 針を回せ次の君に繋がれ時よ 今を乗せて ...」

 二曲目も、星野源の「ある車掌」。作詞作曲:星野源。NHK教育アニメ「おじゃる丸スペシャル「銀河がまろを呼んでいる~ふたりのねがい星~」」エンディングテーマ。

(歌い出し)♪「ただ流れる窓の外を観るだけのお仕事ですどこに行くのか わからないのは僕も同じさ ただ流れる窓の外の思い出を潰しながらどこに着くのか わからないのは僕も同じさ 僕も同じさ 空を走る 夜を翔るそれは ...」

 黒い椅子に座り、座ったままの手振りが特徴的。途中で長いマジックハンドを使う。これはコロナ対策用の切符切りということか。

 音楽が変わり、ここで一旦暗転し、着替える。

 きらきらとした銀のバニーガール風の恰好で登場。月のうさぎイメージかな。長い銀色のうさぎの耳を頭に付ける。銀のレオタードを着る。足元は銀のハイヒール。銀の裏地はピンク色。音楽に合わせて踊る。

 三曲目は、Electric Light Orchestra の「Twilight」。ドラマ電車男オープニング曲。

 そのままベッドショーへ。レオタードを胴回りに捲し上げ、かわいいヘアがこんにちは。

 立ち上がり曲は、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの「銀河鉄道999 (三代目 J Soul Brothers ver.)」。場内が大いに盛り上がる。

そして、OPショーは本家ゴダイゴver.で更にヒートアップ。 

 

2020年7月                          大阪東洋ショー劇場にて

 

 

 

ストリップ童話『銀河鉄道999』 

~藤川菜緒さんの演目「Galaxy Express」を記念して~

 

 

鉄郎は、女に縁のない野暮ったい青年だった。三畳一間の汚いアパートに一人住まい。布団を年中敷きっぱなしにしているので、サルマタケと呼ばれるきのこが生えてくるほどだった。めっぽう細菌に強いのか病気も近づかない。ただ不潔だから女に縁がない。毎夜、週刊誌のグラビアを見ながらオナニーに耽るのが彼の日課であった。

そんな彼が場末のストリップ劇場にふらりと入った。劇場の受付嬢が、彼の汚い身なりを見て一瞬顔を歪めた。しかし、鉄郎が入場料3000円を払ったので黙って入れてくれた。

受付横の階段を上って二階の分厚い扉を開けた。大きな音量が耳をつんざく。

ピンクの照明を浴びた一人の踊り子がステージの上にいた。「なんて綺麗なんだろう~」鉄郎は彼女の姿を一目見た瞬間に身体が凍り付いた。

鉄郎は吸い込まれるように、空いているかぶりの席に座った。彼女がチラッと鉄郎を見たが、何事もないかのごとく踊り続けた。

踊り子は黒い衣装を着ていた。まるでロシアの女性が防寒着のコートを羽織っている感じであったが、外国の喪服姿のようにも見えた。

彼女の最大の魅力は流し目だった。鉄郎は彼女の視線に釘付けになった。

踊り子の名前はメーテル。

そして演じているのは「銀河鉄道」という作品だった。

彼女は途中から車掌の恰好に着替えた。車掌の帽子を小粋にかぶり、黒い上下の制服を着て、胸には金のボタンが整然と並んでいた。車掌はおもむろに切符を取り出し、かぶり席の客に配りだした。

メーテルは鉄郎の前に来て、彼にも切符を渡した。そのとき彼の耳元で「この切符は実際に使えますよ」と囁いた。鉄郎は一瞬「えっ!」という顔をした。切符を見ると‘アンドロメダ行き’と書いてあった。

鉄郎はストリップ劇場を出て、自分のアパートに戻った。そして、いつものように布団の上でオナニーに耽った。今夜は劇場で出会ったメーテルのことを思い浮かべていた。彼は、ふと渡された切符を取り出して眺めた。「メーテルと一緒にアンドロメダまで旅をしたいな」と思った。彼は布団の上で果てて、そのまま寝入った。

夢の中にメーテルが現れた。彼の手をとって、じっと視線を合わせて「これから、私と一緒にストリップの旅に出掛けましょう!」と誘ってくれた。鉄郎は黙って頷いた。

 

鉄郎は翌日からメーテル目当てでストリップ劇場通いが始まった。

メーテルは全てが分かっているかのように、鉄郎を受け入れた。

「あなたを、どんな女性を前にしても動揺しないで相手ができるような、機械のように強い精神構造にしてあげる!」とメーテルは鉄郎に言いました。メーテルは身体の隅から隅まで鉄郎に見せてくれた。最初のうちメーテルが鉄郎の目の前でオープンした時には、後ろにひっくり返るほどに興奮していた鉄郎でしたが、次第にメーテルの性器に目が慣れるようになりました。「この世にこれほど綺麗なものはない♡」そう思って鉄郎はメーテルの性器を眺めていました。

 メーテルは頃合いを見て、鉄郎に言いました。

「そろそろ、私以外の女性も経験した方がいいわね。鉄郎は若いのだから、デビューしたばかりの初々しい女性の性器も見てきなさい。私よりも素敵な子がいたら鞍替えしてもいいわよ。」とメーテルは言いました。

「いやだ!ぼくはメーテルがいい。メーテルの側にずっと居たい!」と鉄郎は言いました。

 それに対して、「あなたは機械のように強い精神構造を持たないといけない。そのためには新しい女性をも経験しておく必要があるのよ。」とメーテルはきっぱりと言った。

 鉄郎には「自分はもっともっと強い男になりたい。そのためにもメーテルが言う‘機械のように強い精神構造’が絶対に必要なのだ。」という目標があった。

 メーテルは優しく鉄郎に言った。「たくさんの女性を経験してらっしゃい。そして私のことを思い出したらいつでも帰ってらっしゃい。私はあなたの古女房でいてあげる。新しい女房に飽きたら、いつでも私が迎えてあげるからね。」

 鉄郎はそのメーテルの言葉を胸に抱き、新たなストリップの旅に出掛けることにした。

 

 それから数年の月日が経った。

 鉄郎は新人の踊り子たちから慕われ、いつしか‘ストリップのお父さん’と呼ばれるようになった。もちろん、いろんな踊り子さんがいた。鉄郎と楽しいストリップLIFEを送り成長していく子がほとんどだったが、なかには鉄郎の足をひっぱるような恩知らずもいた。いろんなことを経験して鉄郎自身も強い男に成長していった。

 楽しいストリップLIFEではあったが、鉄郎の心の中にはいつもメーテルがいた。「やはり、ぼくにはメーテルが必要だ!」

そう決心して鉄郎はメーテルに会いに行った。

 メーテルは優しく鉄郎を迎えてくれた。以前は絶対的な美貌を誇ったメーテルも、今では美しさが影を潜めてきていた。

 メーテルは逞しくなった鉄郎の顔をじっと見つめて囁いた。「機械のように強い精神構造になったのね。」 それに対して、鉄郎は答えた。「いや、ぼくは機械になんかなりたくない。生身の人間の感情をもって、メーテルのことを愛したいんだ。」

鉄郎は以前メーテルにもらった切符を取り出した。彼はずっとその切符をお守り代わりに財布に入れて大切に持っていたのだ。「ぼくにとってのアンドロメダは、メーテル、君だったんだ!」そう言って、鉄郎はメーテルを抱きしめた。

メーテルの目から涙がこぼれ落ちた。

 

                                   おしまい