今回は、ロックの踊り子・武藤つぐみさんについて、H30年2月中のDX歌舞伎公演の模様を、演目「セマー」を題材にして語ります。
H30年2月中のDX歌舞伎に顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①美月春(道劇)、②葉月凛(DX歌舞伎)、③mei(ロック)、④木村彩(ロック)、⑤赤西涼(ロック)、⑥武藤つぐみ(ロック)〔敬称略〕。ロックのmeiさん、武藤つぐみさんがDX歌舞伎に初乗り。
今回、H27年8月結の大阪東洋以来で二年半ぶりに武藤つぐみさんに会うことになる。当時、H26年5月デビューして殆ど浅草ロックしか乗っていない武藤つぐみさんが初の他劇ということで話題になった。関東からも大勢のつぐみファンが押しかけていた。
東洋常連は、つぐみさんの可愛さと踊りの上手さは納得したものの、かまってちゃんの多い東洋常連にはつぐみさんの塩対応がウケなかった記憶がある。顔見知りの関東ロック客から、事前につぐみさんの評判は聞いていた私自身、正直言って、他の東洋常連と同じ気持ちであった。
その後、他のロック客からも、つぐみさんの好評判はよく聞くものの、なかなか会う機会がないままでいた。今週は二年半ぶりの再会を楽しみにしていた。
朝早くから劇場前に並んでいたので、顔見知りのロック客から、つぐみ情報を頂いた。今週は三個出し。一回目は東洋で拝見した「Konstantine」、二回目は浅草で出したもののアレンジ「セマー」、三回目は可愛い演目「ピュアなハート」、四回目は「セマ」の別バージョンが続く、と説明を受ける。彼の話によると、つぐみさんは最近ポラ館にもよく乗るようになり、客対応でもよく喋るようになった。藤月ちはるさんの引退で影響を受けた様子。オープンショーも楽しいよ。だから以前の大阪東洋とはイメージが違っているよ、とのこと。それを聞いて、開演前から期待でそわそわする私。
さて、開演。なお、当日つぐみさんの腰の具合が悪いため、演目の順番が変わる。「三個出ししてたけど今日は腰がやばいので一個か二個出しですん。①セマー、②Konstantine(ポラ館デビュー作のアレンジver.)、③ピュアなハート(通称ラーメン)←③これもうできないかも、いたた・・・」との本人コメント。
一回目ステージが新作の「セマー」になる。
白いドレス姿でランプを持って登場。白いベールを頭を包むようにかぶる。暗闇の中をランプをかざして舞台から降り場内を一周する。
鳥の声が入った音楽が流れる。
ベールを脱いで、盆の上で足を高く上げて二周回る。
一旦座って祈りのポーズ、立って肩を揺らし、手振りをしながら回り出す。回りながら徐々に上から脱いでいく。また上の衣装を着る。どんどん回る速さが増す。
音楽が終わると共にダンスも終わる。「ありがとうございました」の声で拍手。
トルコ舞踊「セマ」というのを初めて観た。(ちなみにネットでは「セマ」とあるが、つぐみさんは「セマー」と言っているので本レポートではこちらに合わせる。)
ネットで検索すると次のようある。
「コマのように舞う踊りセマとは? イスラム神秘宗教儀式だった。トルコの秘宝、伝統芸能 旋回の踊りセマ. トルコの中南部アナトリア地方の都市、コンヤ(Konya )に伝わる宗教舞踊セマ(Sema)。セマは、メブラーナ教の宗教儀式の際に踊られる旋回舞踊。スカートをはいた信者が伝統音楽に合わせて旋回する。回転は、天体の宇宙における運行を表している。回転することで、神との一体を図る。祈りの一種である宗教儀式。)
まさしくコマのように回るだけの踊り。ところが、ずっと目が釘付けになる。観ているだけで不思議と癒される。それが祈りの儀式であるが故の厳かさなのか。
武藤つぐみさんの鍛えられた肉体美、バレエの素養、コンテンポラリーダンスの習得、そうした要素が我々観客の目を離さないのだろう。他の踊り子では絶対出来ない。
回るだけでこれだけ客を惹き付ける「踊りの奥深さ」を感ぜずにいられない。バレエの旋回に通じるものがあるのだろう。「セマーは本当は回るだけやりたいけど自分流に楽しさ増しでやってみました(笑)。やればやるほどのめり込むのはセマーぐらいだ。」とのつぐみさんのコメント。
オープンショーでは、プロレスの武藤敬司の決めポーズを出す。やんやの歓声。ステージとは全く違うユニークなキャラを楽しめる。
改めて、武藤つぐみさんの魅力は、美少女アイドルなルックス、シリアスなステージ、OPショーでのユニークなキャラ、一粒で違う三つの味を持っている。武藤つぐみさんに夢中になっているファンの気持ちがよく理解できた。ロックファンが羨ましい限りである。また大阪東洋にも是非乗ってほしい。
平成30年2月 DX歌舞伎にて
