南まゆさん(ロック所属)の、大阪東洋ショー劇場の令和元(2019)年12月中におけるステージ模様を、新作snowl」を題材に、「まゆんちゅが雪のロマンチックロードに連れていってくれた」(第二弾)という題名で語りたい。

 

2019年12月中の東洋ショーに二日目から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①上野綾(東洋)、②浜野蘭(ロック)、③夏目さゆり(東洋)、④涼宮ましろ(東洋)、⑤南まゆ(ロック) 〔敬称略〕。今週は夏目さゆりさんのデビュー週。

 

次に、今回の東洋で初出しとなる新作「snowl」を紹介する。「新作の『snowl』スノールはSnow crystalの略です」 雪の結晶かぁ~。

 最初に、淡いピンク色の着物姿で登場。

 頭は後ろにひとつ結びし、羽根が立ったような白地に銀のポチが混じった髪飾りを付ける。純金のイヤリングが垂れる。

 着物は淡いピンク色の中に銀の花びらが散在する。長い振袖に、白と銀の縦縞模様の帯を締める。袖口と裾には黄緑の線がある。着物の裏地は上部は赤で足元は銀、また帯の裏地はピンク。

 白いロングブーツを履いて、大きな白い羽根扇子を振り回して、音楽に合わせ踊る。

 一曲目は、globeの懐かしい名盤「DEPARTURES」(ディパーチャーズ)。globeの4枚目のシングル。1996年1月1日発売。本曲は累計228.8万枚(オリコン調べ)を売り上げて、現在まで発売されたglobeのシングルの中では最大の枚数である。また歴代シングルランキングでも15位となる売上を記録している。

 音楽が変わり、帯を解く。下の白い紐も解き、羽織りを脱ぐと、下には上下セパレートな白い軽装。

 頭には白と青の長い花飾りを付ける。上半身は肩出しで、首輪から下に流れる上着、下半身はベルト部の下にくちゃくちゃしたミニスカート、そして長い白いロングブーツとなる。上着とベルト部には、白地の中に青い斑点が見れる。雪の結晶である。

 音楽に合わせ、踊る。

 二曲目は、安田レイの「Let It Snow」。作詞:玉井健二/Asyu/安田レイ、作曲:巴川貴裕/玉井健二。

安田 レイ(やすだ レイ、1993年4月15日 – 現在26歳)は、日本の女性歌手。所属レコードレーベルはSME Records。アメリカ・ノースカロライナ州に生まれる。日米のハーフで、日本語と英語が話せるバイリンガル。小学校6年生まではアメリカンスクールに通うが、幼稚園と中学校・高校は日本の学校だった。10歳の頃、母が聴いていた宇多田ヒカルに衝撃を受けてシンガーを志す。13歳で玉井健二と水口哲也がプロデュースする音楽プロジェクト「元気ロケッツ」のオーディションに合格し、シンガーへの道を歩み始めた。2013年7月、「安田レイ」として念願のソロデビューを果たす。

冬のバラード曲「Let It Snow」ではミディアムテンポのトラックの上で切ない歌声を響かせる。別れてしまった大切な人との記憶に悲しみを呼び起こされる感情を描いた「Let It Snow」の歌詞は、聴き手にも大きな共感を与えてくれる。

Ken Arai のインスト曲「Rainbows」が続く。心が癒される、きれいなメロディだなぁ~。これはフジテレビ系ドラマ「失恋ショコラティエ」オリジナルサウンドトラックから。元々『失恋ショコラティエ』は、水城せとなによる日本の漫画。2014年1月から3月までテレビドラマが放送された。

このドラマの内容は・・・高校時代から憧れ続けていたサエコ(高橋紗絵子)と付き合っている小動爽太。バレンタインデーの前日、爽太は精魂込めて作ったチョコレートをプレゼントするが、サエコは受け取ってはくれなかった。そもそも、付き合っていると思っていたのは爽太だけだったのだ。

Ken Arai (ケン アライ、18degrees./ a lai.) は、日本のミュージシャン・音楽プロデューサー・DJ。 2003年、Kaori Okanoとのユニット「transluv」でデビュー。その後は音楽プロデュース・アレンジ・楽曲提供なども手掛け、ソロ名義で複数のアルバムをリリースし、ギタリストとしても活動している。

音楽が変わり、一旦袖に入り、着替える。

今度は、白い首飾りから吊るされた白いドレス姿。キラキラした生地だ。

盆に移動する。

ベッド曲は、Aimerのバラード曲「everlasting snow」。作詞:aimerrhythm,作曲:林奈津美。everlasting snow』は2016年に発売された12枚目のシングルCD『茜さす/everlasting snow』に収録されています。両A面シングルとなっています。オリコン最高位8位を記録。このうち、『茜さす』は私のお気に入りのアニメ『夏目友人帳 伍』のエンディング曲です。そして『everlasting snow』は情報番組『ひるおび!』で使用されました。

ステージにAimerの曲を使う踊り子さんは多い。南まゆさんもそうなのかと思い、この曲にこだわって、歌詞をじっくり読み、童話仕立てのMV(ミュージックビデオ)を観ていたら、冬の歌なのに心と体が温かくなってきて、なんか涙がこみあげてきた。Aimerにこんなファンタジックな曲があったなんて。それにしても、おっさんを泣かせるなんて大した曲だ。

ちょっと歌詞を解説させてほしい。

「everlasting snow」の歌い出しはこうだ。

♪ It's just arrived  今夜 奇跡は 空から舞い降りて ひとりぼっちの肩で羽を休めて こう呟いた “better not cry”

この部分は何を言っているかというと、MVの映像を見るとわかりやすいのだが、ここでの空から来た奇跡は、雪のこと。空から降ってきた雪がそっと肩に乗った。そして‘泣いちゃだめだよ’と言ってくれています。

ちなみにこの最後の英語のフレーズ“better not cry”がミソ。“better not cry”とは「泣かなようにね」という意味です。ここに洋楽好きなAimerらしさが出ている。それは、誰もが知っているクリスマスソング『サンタが街にやってくる』の原曲で登場するフレーズなんです。冬をテーマにしている楽曲なので意図的に取り入れたようだ。

「サンタが街にやってくる」Santa Claus is coming to town.の歌い出しはこうだ。

You better watch out       君、気をつけたほうがいいよ!

You better not cry        泣かない方がいい、

Better not pout         すねたりしないほうがいい。

I'm telling you why       なぜか、教えてあげる。

Santa Claus is coming to town  だって、サンタクロースが町に来るから!

これを知っただけでAimerの凄さに感動した・・・私は「everlasting snow」がAimerの曲の中で一番好きになりそうだ。

余談ではあるが、以前、雪を題材に童話「冬の贈り物」を書いたことがある。そのとき、雪って冷たいのになぜこんなに温かい気持ちにさせるのかなと考えた。雪はなにもかも全てのものを真っ白にしてしまう。ここにだけ降るなんてことはない。雪はつねに平等だ。雪は誰に対しても平等だから温かいのかなと思ったことがある。

タイトルにもなっている『everlasting snow』とは、永遠の雪といった意味でしょうか。

優しさや、奇跡を届けてくれるので、ずっと降り続いてほしいという想いも込められていそうです。私の童話「冬の贈り物」とも通じるものがあってキュンとなる。

 

そして、最後の立ち上がり曲は、桑田佳祐の名曲「白い恋人達」で締める。

この歌は私のカラオケ十八番として大好きな曲。そういえば今回の一連の選曲の中でも唯一の男性ボーカル曲だね。この曲で締めるのが嬉しくなる。

 

まさしく、雪の結晶のような珠玉の雪サウンドが次々と並んだ、素敵な作品ですね。 

さきほど、「まゆふゆ」に比べて「snowl」の方はまゆさんの味が落ちると話しちゃったけど取り消します。作品「snowl」もこうして解説しながら何度もステージを拝見すると、やっぱりまゆさんの味がよく出た、たまらなくいい作品です♡

 

 

2019年12月                          大阪東洋ショー劇場にて

 

 

 

 

                               2009(平成20)年11月

ファンタジー童話『冬の贈り物』

 

 

お空の高いところで、雪の粒たちがこれから地上に降りる準備をしてました。

こな雪たちは言います。「ぼくたちは寒い北の方に行くね」

ぼたん雪たちも言います。「それじゃ、わたしたちは南の方に行くわね」

 

風に運ばれたそんな雪たちの会話を聞きつけた地上のものたちは口々に叫びました。

紅葉盛りの山々たちは「まだ来るのは早すぎるよ。紅葉を楽しんでいる木々たちが悲しむよ。動物たちも冬眠に入って寂しくなるよ。ぼくのところは避けてくれないか」

魚が泳ぎまわる川たちも「君たちが来ると、舟も通れなくなり、魚たちも元気がなくなるよ。ぼくのところは避けてくれないか」

人間界の大人たちも叫びました。「雪が降ると交通が不便になり困るんだ。寒いと暖房代もかかるしね。ぼくのところは避けてくれないか」

しかし、大人たちの中にはこんなことを言う者もいます。「雪がないとスキー場が潤わないので、是非とも我々のところには降って欲しいな」「雪どけ水がなくなると農業に被害が出てしまうから、是非とも降ってほしいな」

 

雪たちは答えました。

「ぼくらには、どちらがいいとか悪いとか判断ができない。全てのものに平等に降り注ぐんだ。そして全てのものをいったん真っ白にする。それがぼくらの役目なんだ」

 

 雪は降り続け、地上の全てのものを真っ白におおい尽くしました。

 地上は静かになりました。

 

 いや、そんな中、にぎやかな声が聞こえてきました。

 子供たちが雪合戦を楽しんでいます。

傍らには、大きな雪だるまが子供たちの姿を微笑みながら見守っていました。

 

                                   おしまい

 

雪は冷たいけど、どこか暖かい感じがするのは全てに平等だからかなと思えます。