今回は、ロックの踊り子・南まゆさんについて、H31年2月中の大阪東洋ショー劇場

の模様を語ります。

 

 

H31年2月中の大阪東洋ショー劇場に初日から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①上野綾(東洋)、②青山ゆい(東洋)、③ゆきな(ロック)、④春野いちじく(TS)、⑤南まゆ(ロック) 〔敬称略〕。

 

南まゆさんとは前回10月中の東洋から四カ月ぶりになる。今回の出し物は、新作一本。特筆したいのは、今回も東洋にて新作初出しであること。東洋ファンとして感激である。次の3月頭には三周年作を出す予定のところ、東洋のために新作を出してくれるなんて。

と同時に、前回の東洋以降に出した作品、まだ拝見していない作品も観たいなぁ~と思う。実は前回、みおり舞さんが東洋にのった時、みおり舞さんが提供した中条綾乃さんの周年作二つについての観劇レポートを渡したら感激してくれて、是非他の方に作った作品も観てほしいと言われた。その時、南まゆさんや前田ののさんの名前を挙げていたので沢山の作品を提供しているものと勘違いした。今回、まゆさんに確認して演目「まゆふゆ」の振付のみと聞いておいて良かった。いずれにせよ、演目「まゆふゆ」を今回観れるかなと楽しみにしていたので正直残念だった。「今年の冬またしますよ」待ち遠しいなぁ~。他にも、うさぎの演目も観てないし~。まゆさんの作品は全部見て私の手でレポートしたいなーと心から思う。

 

さてさて、さっそく今回の新作「Sprindol」を紹介しよう。

まゆさんから「新作は春のアイドルをテーマに作りました。」とコメントを頂く。今回は殆ど聴いたことのある曲ばかり。なぜなら松田聖子やキャンディーズ、石野真子という我々おじさん世代のアイドルなので、それだけで嬉しくなる。

最初の曲「春の風誘われて~Spring has come again~」だけ聴いたことがなかった。本演目のタイトルのような曲で、まさしく松田聖子らしい曲調である。この曲をネット検索して驚いた。

松田聖子さん自身が作詞作曲しているのである。この曲は、2017年6月7日発売の松田聖子通算51枚目のオリジナルアルバム『Daisy』(デイジー)のトップに入っている。前作『SEIKO JAZZ』で往年のジャズナンバーをカバーした松田聖子が、本作は一転してポップスに回帰。X JAPANのYOSHIKIが楽曲を手がけ、TBS系ドラマ「せいせいするほど、愛してる」の主題歌となった『薔薇のように咲いて 桜のように散って』、「HILLS AVENUE」のCMソング『今を愛したい』を収録している。私はこの『薔薇のように咲いて 桜のように散って』が初のYOSHIKIとのコラボとして注目されたのは知っていたが、アルバム全作詞・作曲:松田聖子(ラスト10曲目『薔薇のように咲いて 桜のように散って』のみ作詞・作曲:YOSHIKI)というのを知って驚愕した。

松田聖子は言うまでもなく1980年代トップアイドル。1962年3月10日生まれなので現在56歳。彼女はアイドルでありながら、歌い手として超一流であった。だから現在まで歌手として活躍している。そんな彼女がいつの間にか立派なシンガーソングライターに成長していることを知って、同じ世代を生きたファンの一人として誇らしくなった。あれだけのビックアーティストたちに最高の楽曲を提供されているうちに別の才能に目覚めてきたわけだ。自然な流れでもあるが、相当の意識がなければこの域には達成できない。

 そんなことを考えながら、作品模様を話していく。

 

 最初に、天井から吊るされたピンクの丸いテントの中から、ピンクのドレスを着た春の妖精が現れる。頭にピンクの花輪。肩出し。胸元にもピンクの花々で、腹部は濃いピンク地。スカート部はふわふわしたピンク地で白と赤の花が点在して縫い付けてある。手首に白い布を巻く。足元は白いブーツ。

 一曲目に合わせて、楽しく軽快に踊る。一曲目の途中で、軽装に着替える。

 肩出しで胸から下の白い衣装を吊るしている。スカートは薄いピンクのミニスカート。よく見るとアクセサリーがたくさん。黄色いヘアバンド。白いイヤリング。きらきらした真珠のネックレス。手首の白い布には銀の線が入っている。左手小指にきらきらのリング。

 音楽が途中から、キャンディーズの「春一番」。懐かしの楽曲に嬉しくなる。「春一番」は、キャンディーズ9枚目のシングル。1976年3月1日にCBSソニーから発売。1978年解散コンサート時点でのシングル売上は累計49万枚(CBS・ソニー調べ)。作詞作曲:穂口雄右。

 音楽に合わせて楽しく踊る。盆前にも手を振りながら移動してくる。

 音楽が変わる。次は、石野真子の「春ラ!ラ!ラ!」。作詞:伊藤アキラ 作曲:森田公一。石野真子通算8枚目のシングル。この曲で、石野自身自己最大となる16万枚のセールスを記録する代表曲である。

 この後、暗転し、幕が閉まる。

 鳥の声が聞こえる。そして音楽が松田聖子の名曲「赤いスイートピー」に変わる。この曲は、1982年1月にリリースされた松田聖子8枚目のシングル。彼女の楽曲の中で特に人気の高い曲の一つであり、松田自身も好きな曲として挙げる事が多い。また、この曲を境に同性(女性)のファンの比率が上がったと語っている。これは松任谷由実作曲による聖子への最初の提供曲。当時女性に影響力があったユーミンが楽曲を提供したことで、聖子自身も女性ファンの獲得に成功した。

 ここで白いドレスに着替える。頭の後ろに白いリボン。肩つなぎの白いロングドレスで、白い刺繍入りで品がある。足元まで流れ、足元はフリルで、裸足で踊る。

 そのまま盆に移動する。

 ドレスを脱ぐ。ブラを取るとトップレスブラへ。そしてスカートを脱ぐ。白いパンティを左手首に巻く。アクセサリー群がまゆさんを輝かせる。純金のイヤリング。真珠のネックリス。右手中指のリング。左手人差し指のリング。そしてホワイトのマニキュア。

 ラスト曲も、松田聖子で「Strawberry Time」。作詞:松本隆 作曲:土橋安騎夫。この曲は、1987年4月にリリースされた松田聖子23枚目のシングルである。神田正輝と結婚して長女の沙也加を産んだ松田が、1985年の「DANCING SHOES」より1年10ヶ月ぶりにリリースしたシングルになる。

 

 まるで、アイドルである松田聖子の一生を眺めている気分になる。

アイドルというのは最初の入り口だけ周りのスタッフがお膳立てしてくれるもので、後は自分の力で自分のカラーを作っていくものかもしれない。

踊り子も同じで、最初に振付の先生から作品を提供されていくうちに、自分で選曲し、テーマの構成や振付まで自分で手掛けていくようになる。新しい踊りに挑戦したり、創造的なストーリー、内面の感情まで自己表現しようと試行錯誤していく。それが本物の踊り子なんだと思う。そして、南まゆはまさしく本物の踊り子の一人である。

 

 

今は一年で一番寒い季節です。じっと我慢の時期です。しかし、春は必ずやってきます。来るべき春を迎えるために今を耐えているのです。

 今回のまゆさんの演目は、そんな春を思い出させてくれる作品です。

 そんな気分で、今週まゆさんの観劇レポートを書いているときに、大変なニュースが飛び込んできた。TVで水泳の池江璃花子さん(18)が自身のツイッターで白血病に罹ったことを公表した(2019年2月12日)。2020年の東京オリンピックの顔になるべき期待の選手が、晴れ舞台を前に大変な病気にかかってしまった。神様はなんて酷い運命を彼女に与えたのだろうか。

私は、フリースタイルモーグルのスキー選手である伊藤みきさん(1987年7月20日生 -現在31歳)を思い出していた。彼女は、2006年トリノオリンピック20位・2010年バンクーバーオリンピック12位で、2014年ソチオリンピックも日本代表としてメダルを期待されていた。ところが直前の練習で怪我をしてしまい、オリンピックに強行出場したものの、やはり無理できずに予選棄権という悲しい結果になってしまった。私はそのときの彼女の悔しい気持ちを想い、童話「冬から春へ」を書いていたのを思い出した。このときの童話を読み返し、そして今回まゆさんの作品に合わせて童話「精華」を書き上げてみた。

 

歌の世界のアイドルも、スポーツ界のアイドルも、そしてストリップ界のアイドルも、そのアイドルを維持するために人知れず大変な努力をしている。また、いつ何時、どんな不慮の災難が身に降りかかりアイドルの道を歩めなくなるかもしれない。だからこそ精一杯今を生きて輝いているのだと思う。

 今はどんなに辛かろうが、必ず、来るべき春が待っていることを信じて今を耐えたい。

 

 

平成31年2月                           大阪東洋ショーにて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『精華』 

~南まゆさんの演目「sprindol」を記念して~

 

 

 深々と雪の降る日。

 空高い雲の上で、雪の聖霊が高笑いしていました。

「今年は寒い冬だったので、思う存分、雪を降らせることができた。大満足!大満足!

やっぱり冬はこうでなくっちゃね。

もうすぐ冬も終わるから、私もそろそろ店じまいか。みんなにご挨拶しておこうかな。」

雪の精霊は、白い雪でお手紙を作り、白い雪と一緒に降らせました。

 

手紙のひとつは、お日様の精霊に届きました。

「今年の冬は、お日様がおとなしくしてくれたんで暖冬じゃなかったよ。お蔭で私の活躍しがいがありました。感謝しています。」

 手紙のひとつは、風の精霊に届きました。

「雪を降らせる際に、いつもご協力ありがとう。豪雪には風がないと迫力がありませんからね。」

 手紙は草木にも届きました。

「もうすぐ冬が終わります。長い間、辛抱ご苦労様。ようやく蕾を咲かせることができますよ。」

 

 雪の精霊は、桜の木々に向かって囁きました。

「今から、精華を降らせます。精華は雪の結晶の形ではなく、花の結晶なんです。」

 たくさんの白い精華が空から降り注ぎ、木々の枝に積もりました。

 そこに、お日様の精霊が優しく微笑みました。お日様の日差しのお蔭で、精華はすぐに溶け始めました。すると、たくさんの白い花びらに変わりました。

 すると、風の精霊が「今度はぼくが春一番を吹かせてあげよう」と言って、爽やかな風を起こしました。白い花びらが風になびき、春の匂いを漂わせました。

                                    おしまい  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『冬から春へ』 

~モーグルの伊藤みき選手に捧げる~

 

 

寒さも厳しい二月下旬。

ある山の麓に、たくさんの精霊が集まって来ました。

 

今年の冬は例年に増して雪が多く、厳しい寒さを迎えていた。

フリースタイルスキー女子モーグル界のオリンピック代表であったミキが、大雪と突風のため大怪我をしたというニュースが流れていた。ミキは自然を愛し、草花を大切にする、心の優しい娘だった。そのため、たくさんの精霊が彼女のことを愛していた。

精霊たちはミキのことを心配して集まってきたのでした。

 

花の精霊が言った。「私の大切なミキに怪我をさせるなんて、雪の精霊と風の精霊は何を考えているのかしら。オリンピックでの活躍を楽しみにしていたのに、棄権する羽目になっちゃったじゃないの。四年に一回のチャンスなのに、どうしてくれるのよ。今年は寒い冬だからと、雪の精霊さん、少し調子にのっているんじゃない」とすごい剣幕で詰め寄った。

風の精霊は「つい風を起こしたけれど、決してミキに怪我をさせるつもりなんかなかったんだよ」とたじたじになる。

雪の精霊も「スキーシーズンが始まった頃は、雪が多くて練習しやすいとミキも喜んでくれていたんだ。たしかに調子にのって少し雪を降らせすぎたかもしれない。今年はもう、雪も店閉まいするよ。だから、ミキの怪我のことは許してほしい。」

花の精霊が言う。「分かったわ。ミキを元気付けてあげたいので、みんな協力してくれるわよね!」

周りの精霊たちがみな頷いた。

 

ミキはオリンピックを棄権して傷心の日々を送っていました。

もうすぐ四月になろうとする頃に、靭帯損傷もだいぶ癒えてきて、ミキは雪の残った春山に向かいました。

久しぶりの雪の感触を楽しんでいたら、空から雪がちらちらと降ってきました。まるで、冬の忘れもののよう。

 

 雪の精霊が、山々の木々に向かって囁きました。

「今から、精華を降らせます。精華は雪のように見えますが、実は雪の結晶ではなく、花の結晶なんです。」

 たくさんの白い精華が空から降り注ぎ、木々の枝に積もりました。

 そこに、お日様の精霊が優しく微笑みました。お日様の日差しのお蔭で、精華はすぐに溶け始めました。すると、たくさんの白い花びらに変わりました。

 すると、風の精霊が「今度はぼくが春一番を吹かせてあげよう」と言って、爽やかな風を起こしました。白い花びらが風になびき、あたり一面に春の匂いを漂わせました。

 

 ミキは歓喜の声をあげました。

「いつまでも冬は続かない。必ず春が来るのよね。」

 

山々の草木が、精華に呼応するかのように、一斉に蕾を芽吹かせました。

                                    おしまい