今回は、TSの踊り子・春野いちじくさんについて、H31年2月中の大阪東洋ショー劇場の模様を、バレンタインの演目(正式名「シークレット(バレンタイン)」に決定!!)を題材に語ります。

 

 

H31年2月中の大阪東洋ショー劇場に初日から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①上野綾(東洋)、②青山ゆい(東洋)、③ゆきな(ロック)、④春野いちじく(TS)、⑤南まゆ(ロック) 〔敬称略〕。

 

今週の春野いちじくさんの出し物は、1,3回目はバレンタインの演目、2,4回目は着物の演目(いちじく客は「はんなり着物」とか「おふくろさん」と呼んでいる)。どちらも先月1月中の大和で初出しされた新作だが、まだ正式なタイトルは決まっていない模様。

 

ともあれ、バレンタイン週にバレンタインの演目を見れて、それだけでハッピー気分♪

いやはや、このバレンタインの演目、どれひとつ知っている曲はない。だからこそ、いちじくオリジナリティ満載☆ 私の力量ではとても内容を解説できない。ただただ、いちじくオリジナリティを味わい、いちじくちゃんの魅力に溺れたい。

 

はい、表面ずらだけ内容を紹介します。

最初に、ピンクのもふもふ姿で登場。頭は両サイドにかわいく三つ編みしている。銀の首飾り。肩出しで、ピンクのワンピース衣装を肩紐で吊るしている。上半身はきらきら宝石の散りばめたピンクのもふもふ衣装。背中に、うさぎの耳のようなものがぶら下がる。スカートの後ろには、うさぎの尻尾(?)のように布が垂れている。

銀のハイヒールを履いて、音楽に合わせ軽快に踊る。

一曲目は知らない曲だが声に聞覚えがある。あっ!大ヒット曲「打ち上げ花火」のDAOKOだ。「打ち上げ花火」は米津玄師作詞作曲だが、この曲「かけてあげる」はDAOKO本人の作詞。だからこそ、こちらの曲の方がDAOKOらしさがよく出ている。すごく味わい深い歌詞を書くんだね。最初の掛け声hu hu hu huもいいねぇ~♪

最初の歌いだし「この世界に生まれたからには 形がちょっとだけ違うものが 混ざりあって重なりあって また違うものが生まれるから それってなんだか面白い それってなんだか難しい」に始まり、途中「はずかしいな わたし でもたのしいな 毎日 むずかしいな 正直 あいたいな 毎日 正直」はいちじくさんの本音かな。「魔法にかけてあげる きらめくステッキ振りかざし 魔法にかけてあげる 変身コンパクトきらきらり」私は魔法をかけてもらって、いちじくワールドを彷徨う。

作詞:DAOKO 作曲:小島英也(ORESAMA)・DAOKO。

DAOKO(だをこ、1997年3月4日 – 現在21歳)は、日本の女性ラップシンガー、ヒップホップMC、作詞家。彼女のプロフィールを見ると、わずか16歳にして、m-floに見出され2013年公開の映画主題歌に起用。さらに、中島哲也監督の目に止まり、2014年公開映画「渇き。」では挿入歌に抜擢。同年11月には庵野秀明監督率いるスタジオカラーによる短編映像シリーズ「 日本アニメ( ーター )見本市 」の楽曲にも抜擢される。 インターネットというベールに包まれたミステリアスな超大型新人であり、現役女子高生シンガーDAOKOが始動!2015年3月25日発売の1stアルバム『DAOKO』から第二弾ミュージックビデオ「かけてあげる」を公開!全カットノーCGで制作されたこのPVは、DAOKO本人のミステリアスな世界観と映像が見出す世界観が見事に融合された作品となった。

ここで一旦暗転。音楽が変わり、着替える。

もふもふな衣装を脱ぐと、またピンクの衣装が現れる。肩紐がチョコレート色。首輪とブラの上部が銀の縁。チョコレートの銀紙みたい。ブラの下に、コルセットぽい模様の布、そしてピンクのスカート。スカートには白いベールをかぶせる。先ほどの尻尾がそのまま付いている。

バレンタインを意識し、チョコレートをイメージした音楽に合わせて、銀のボウルと泡だて器を持って踊る。

二曲目は、RIP SLYMEの「Hot chocolate」。この曲はRIP SLYMEの11枚目のシングル。2006年1月25日発売。ナイスなヒップホップナンバー。作詞:RYO-Z・ILMARI・PES・SU 作曲:PES Love someone。RIP SLYME(リップスライム)は、4MC+1DJで構成される日本のヒップホップグループ。所属事務所は田辺エージェンシー。所属レコード会社はワーナーミュージック・ジャパン。ヒップホップ・クルーFUNKY GRAMMAR UNITに所属。活動期間1994年 - 2018年。2018年10月30日をもって活動休止した。

 ここでまた暗転。音楽が変わって着替える。

 チョコ色の下着。その上に花柄模様の薄いガウンを羽織る。左太ももに布を巻いている。

 音楽は、暗黒大陸じゃがたらの「Tango」。この曲は、筋肉少女帯のボーカル、大槻ケンヂがカバーしている。こんな曲をよく知ってるねぇ~感心!!!

 ベッドでは、時計の音とともに、ピアノ曲が流れる。

立ち上がり曲は、相対性理論の「YOU & IDOL」。作詞:ティカ・α 作曲:ティカ・α

相対性理論(そうたいせいりろん)は、2006年9月に結成された日本の音楽プロジェクト。東京都を基点として活動している。インディーズのレーベルであるみらいrecordsに所属。『ポストYouTube時代のポップ・マエストロ』、『全天候型ポップ・ユニット』、『ポップ・シークレット・プロジェクト』を名乗る。実験的なサウンドが特徴である。初期はライブ以外ではジャケットやプロモーション・ビデオでも姿を見せておらず、インタビューも受けずメンバーの写真も公開されず個々人のプロフィールは曖昧で、その音楽に対する注目度に比するとメディアへの露出が極端に制限されたバンドであった。現在ではメンバーは並行して多くの活動を行っている。コンセプターであるやくしまるえつこは、「相対性理論はソフトウェア」と語っている。やくしまるえつこはボーカル担当。作詞・作曲を行う際の別名義は「ティカ・α」。バンド以外でもイラスト、朗読、ナレーション、CM音楽などの幅広い活動を行っている。

 

 これ以上、この作品を深く掘り下げることは諦めた。

 ストリップ界のアイドル、春野いちじくさんがこうして我々ストリップファンの目を癒してくれることに至福の幸せを感ずる。というのは、このバレンタイン週に、スポーツ界のまさにアイドルである水泳の池江璃花子さん(18)が白血病に罹ったという悲しいニュースが飛び込んできた(2019年2月12日)。唖然とするばかり。2020年の東京オリンピックの顔になるべき期待の選手が、晴れ舞台を前に大変な病気にかかってしまった。神様はなんて酷い運命を彼女に与えたのだろうか。

 アイドルというのは、いつ、その位置づけが奪われるか分からない。だからこそ必死で生きるしかないのだろう。人知れない苦労と努力があるのだろう。私はいつまでもアイドルを愛したい。

 

 

平成31年2月                           大阪東洋ショーにて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

童話『ホワイト・バレンタイン』

           ~春野いちじくさんの演目「バレンタイン」を記念して~

 

 

 人里離れた山の片隅に一軒のお家がありました。その家には、おじいさんとおばあさん、そして幼い二人の兄妹ジュンジュンとチーチーが住んでいました。

 二人の兄妹は、空気がきらきら輝き、花々が笑っている中を、いつも元気に遊んでいました。

 

 この山にもうすぐ冬がやってきます。

 最近は暖冬続きで、冬になっても雪が積もらないことが多い。

 でも今年は雪がかなり降って、ホワイト・クリスマスになりました。ジュンジュンとチーチーは喜び勇んで外に出て、二人で大きな雪だるまを作る。出来上がった雪だるまに木の枝を差し込んで腕にする。お顔には木炭を付け、目と口にする。優しい二人は、さらに、雪だるまさんが寒くないようにと、赤い帽子をかぶせ、腕の先に赤の手袋を付けました。

 二人は、毎朝起きては「雪だるまさん、おはよう」と声をかけ、朝から晩まで雪だるまの周りで遊び回りました。

 

 その冬は雪が多かったせいで、動物たちも食料を求めて移動していました。

 しんしんと雪が降りしきる、ある夜のこと。

 たくさんの狼たちがエサを求めて、お家の周りに集まりました。鋭い目つきでじっと家の中をうかがっています。

 そのとき、雪だるまの目がキラリと光りました。雪だるまのたましいの声が、家の中で寝ているジュンジュンとチーチーに届きました。「狼が来た! 急いで家の戸締りをして!」

 すると突然、雪が雪だるまの周りをうずまき状に舞い始めました。雪だるまがどんどん大きくなります。その上、回転を始め、狼たちを蹴散らし始めました。大きな腕が狼たちをバシバシと弾く。狼たちは怯え、お家から去っていきました。

 ジュンジュンとチーチーは、窓からその一部始終を見ていました。

 狼が去ったのを確認して、雪だるまのもとへ走り寄りました。二人は雪だるまに抱きつき叫びました。「助けてくれて、ありがとう!」

  雪だるまの目は二人を優しく見守っていました。

 

 その冬は寒かったので、長い間、雪が解けずにいました。

 いずれ暖かい春が来ると、二人は雪だるまとお別れになります。だからジュンジュンとチーチーは暖かくならないようにとお空の神様にお祈りをしました。

 でも、お正月が過ぎ、どんどん春の訪れが近づいてきます。冬とはいえ、お日様の光が強いと、雪だるまは解け始めます。二人は雪だるまが解けないように、家からもってきたお砂糖をふりかけたりしました。でも、雪だるまはどんどん形を崩してきました。

 

 二月の半ば、しばらく忘れかけた雪がまた降り始めました。雪を浴びて、雪だるまはまた元気になりました。もちろんジュンジュンとチーチーも元気に雪だるまと遊びました。

「このままバレンタインまで雪が降ってくれたらいいね。そうすれば、ホワイト・バレンタインだね」とジュンジュンは言いました。

 

 バレンタイン前日の夜。雪だるまのたましいは、ジュンジュンとチーチーが寝ている枕元に行き、優しく囁きました。

「春の神様が私のところに来て、明日からここに居座るよ、って挨拶をされた。だから、ぼくたちはもうお別れだ。この冬は最高の思い出になった。すべて二人のお陰だよ。心からありがとうね。明日の朝、二人にお礼のプレゼントをあげるから楽しみにしていてね。」

 

 ジュンジュンとチーチーは翌朝ベッドから飛び起きて、雪だるまのもとに走りました。ところが雪だるまが見当たりません。

 春の暖かい陽気を浴びていた花のつぼみがそっと教えてくれました。「ほら、雪だるまさんは二人の足元にいるよ」

 下に目を落とすと、きらきら輝くものがあります。なんと、雪だるまは手のひらに乗るほど小さく小さくなっていました。しかも、二人がふりかけたお砂糖のせいか、全体がホワイト・チョコレートになっていたのです。目はマーブル、口は板チョコ。それが雪だるまから二人へのバレンタイン・プレゼントでした。

 チーチーは雪だるまを手にとり、舌先で少しなめました。とても甘い味がします。でも、ちょっぴり涙の味も交じってます。

 

 ジュンジュンとチーチーは、このあま~いホワイト・バレンタインの思い出を一生忘れることができませんでした。                                 

                                    おしまい