今回は、TSさよなら興行としてのH28年12月中の公演模様について、「さよなら公演から見えた新しいストリップの幕開け」と題して語ります。
H28年12月中のTS公演が始まる。TSは翌年早々1月15日で閉館するため、11月1日からTSさよなら興行が始まっていた。
今週のTSの香盤は次の通り。①新條希(道劇)、②RUI(栗橋)、③春野いちじく(TS)、④川越ゆい(東洋)、⑤京はるな(フリー)、⑥栗鳥巣(フリー)、⑦渚あおい(東洋)〔敬称略〕。
私にとってTSさよなら興行における最高の公演週になった。今週は目玉がたくさん。前半はアイドル系で、後半がチーム・パフォーマンス系に分かれる。
内容を話す前に、公演が始まる前の席取り合戦について述べたい。
本興行の初日12/11は日曜日になった。そのため、土曜日の深夜から激しい席取り合戦が始まった。TSの場合、土曜日の公演が終演し掃除が終わった後から、場所取りが可能になる。私の場合、常連なので、事前にTS従業員に掃除が終わったらすぐに荷物を置かせてほしいと頼んでいる。荷物と言っても盗まれてもかまわないように、新聞紙や雑誌をビニール袋で包んだ簡易なもの。
私は、前公演の最終日(土曜日)、最終ステージ4回目、お目当ての5番手が終わった時点、23時頃に並んだ。そうしたら、既に階段のところに先客がいてびっくりした。春野いちじくファンの方でTさんという50代後半位の人。話したら私と狙っている席はかぶらないようだ。当日最終公演を一緒に観ていたスト仲間も終演後24時位から次々と並んだ。これで計四人になる。
次に、終演を外で待っていた二人組が、我々四人が待機している三階の階段上り場まで上がってきた。私の知っているスト仲間ではない。パフォーマンス系のファンだ。女性客も一人加わった。
その直後、顔見知りのスト仲間が二人次々と現れた。総勢九人になった。
これには驚いた。私も長年ストリップ通いをしているが、TSにこれだけ多くの人が深夜から集まったことはない。顔見知りの仲間が多かったお陰で、雑談していたから長時間待っていても苦痛は感じなかった。しかし12月だからかなり寒かった。しかも、公演初日のため踊り子の荷物の搬入もあり一時間程遅くなる。深夜1時半過ぎにTS社長からOKが出て、順番通りに粛々と荷物を置いた。私は二番目。一人が携帯カメラで順番の証拠写真を撮る。たまに浮浪者など変な人が来て荷物をバラバラにするため。今回は九人がお互いの証人になるため安心ではある。
翌朝、かなり早朝から続々とお客さんが並び始める。我々先客はゆっくり9時過ぎに集まり始めた。順番取りの荷物はしっかり確保されてあった。10時の開場までに表の階段下まで客が列を作った。その時点で殆ど席が埋まる人数になる。
こりゃ大変な客入りが予想される。案の定、日曜日初日は立ち見で身動きがとれない状況。これだけ混んだのも久しぶりだね。昔は劇場に入りきれないほどの混雑は頻繁にあったというから、ストリップ人気が落ちてきた今としては久しぶりの活況だ。激混みは困るものの、大入りはストリップファンとしては嬉しい限りだ。
この客入り状況は、平日になっても普段の土日以上に続いた。特に、抽選会のあった12/16(金)は初日以上に客が多かった。土日は一体どうなることかと思わせられる。
また、深夜の席取り合戦が始まった。
私のスト仲間が、仕事帰りにTSに21時前に来て、入場せず、そのまま三階の階段上り場に並んだ。その連絡を受けて、私もトップを観た段階で一緒に並んだ。また、そのすぐ後に、当日観劇していた別のスト仲間も並ぶ。この寒空の中で、三人が三時間以上立ったまま時間を過ごす。仲間と喋っていて気が紛れたが寒さがかなり身に染みた。気合いを入れて早々と並んだものの後続は来ない。肩透かしを食った感じ。無理せず23時くらいから並べばよかったねと三人で愚痴る始末。よく風邪をひかなかったと思う。24時に終演とともに、観劇していた客が一人加わる。劇場の外に女性客が一人待っていた。結果的に、総勢五人が深夜24時半頃に掃除が終わって荷物を並べる。なお、私はこの日も二番目。
翌朝、大勢の客が行列をなし、10時の開場とともに、満席となる。その後も客がどんどん増えて立ち見客でトイレにも移動できない状態になる。早朝の席取りをしていなければ、とてもゆっくり観劇できなかったので結果は正解であった。
その翌日も、土曜日の夜から席取り合戦が始まる。前日のこともあり、ゆっくり五番目まで観劇してから並ぶ。23時過ぎになる。もう先客が並んでいた。先週のTさんだった。顔を合わせて笑う。「お互い好き者同士、頑張りますねぇ~」ストリップのほほえましい風景である。
その後、当日観劇していた客を中心に続々と並びだす。先日と同じ女性もいた。総勢10人以上になる。
席取りの話だけでずいぶん紙面を割いてしまったね。これだけ激混みした要因は、アイドル好きなファンと女性を含めたチーム・パフォーマンス系のファンという全く違う客層が詰めかけ、お客が二倍になったため。
ともかく、お客も気合いが入ってますよ。それだけ今回の公演は素晴らしかったわけだ。
さて、香盤順に、今回の公演内容について紹介しよう。
トップの新條希さん。渋谷道劇のアイドル。今年二月にデビューの新人さん。
二個出し。最新作「命短し恋せよ のぞみん」と「School idol project」(改訂版)。後者は一瞬新作かと思ったら改訂版だった。希さんは意欲的に作品を改訂してくるね~。
二番手のRUIさんはTS初乗り。栗橋のアイドル。私とはH27年4月の栗橋以来なので一年半ぶり。ちゃんと名前を憶えてくれていて嬉しかったよ~。
三番手の春野いちじくさん。TSのアイドル。今年三月にデビューの新人さん。
新作を二個出し。うさぎと和もの。
今回初めて、いちじくさんに観劇レポートを書いて渡した。私からいちじくさんへのBDプレゼント。丁寧なお返事をもらい感激。私にとっても最高にうれしいBDプレゼントになったよ。
四番手の川越ゆいさん。愛称「ごえちゃん」。東洋のアイドル。10月に二周年を迎えた。
今週は二個出し。1,3回目は一周年作ディズニーもの、2,4回目は二周年作ジブリもの。
広い東洋から狭いTSに初乗りしてどうなるかと思ったら、東洋の一線級はさすがというステージを演じてくれた。ステージから放つオーラの輝きが違う。もっと早く乗ってほしかったけど~まぁラストTSに間に合って本当によかった。
今回、ごえちゃんの関東初乗りという私の夢が二年越しに叶った。デビューからこの二年間、東洋以外に乗ったことがなく、関東に是非来て下さい!とお願いするも、なかなか首を縦に振ってくれなかった。この度、同じ東洋所属の渚あおいさんが強く勧誘してくれて、初関東が実現した。あおいさんには感謝×2である。しかし、ごえちゃんは「今回が最初で最後の関東です」と言う。
東洋のお姐さん達から「太郎さん、ごえちゃんのことくれぐれも宜しくね」と言われる。先週の東洋で坂上友香さんからも、先月の栗橋でも仲間直緒さんからも・・・「太郎さんのことだから言われなくてもちゃんとやるわよね」とまで言われる(笑)。はい、しっかり皆勤ペースで応援しています。ごえちゃんから「次も関東にのりたい!」という返事を戴けるまで熱烈に応援するつもりでいた。七日目に「関東はね、ずーっと後に乗るかもだけど、予定はないの」という返事をもらえて私はひとまず安心。
後半の京はるなさん、栗鳥巣さん、渚あおいさんの三人はチーム・パフォーマンスを演ずる。この三人のチーム「TEAM BOYS LOVE」は女性でありながら男装してホモ(レズ?)ショーを演ずる。今年の二月頃TSでSMパフォーマンス系の栗鳥巣さんと京はるなさん、そして渚あおいさん(東洋)と美月春さん(渋谷道劇)とが一緒にチームショーを演じた。それがTwitterで漫画家(たなかときみ)に紹介され、人気が爆発した。彼女たちの男装がかわいい&かっこよく、特に女の子の心を激しく掴んだようだ。今や熱心なストリップ女子が連日劇場に顔を出すようになってきた。
今週のチームショーの構成は次の通り。
平日は、一回目が、京はるなさん、栗鳥巣さん、渚あおいさんのソロ・ステージ。
京はるなさんのソロ演目は「クリスマス? なにそれおいしいの?」。
栗鳥巣さんのソロ演目は、放射能汚染もの、吊り縄と花電車(似顔絵)の二個出し。
渚あおいさんのソロ演目は、「ナギー・クリスマス」と5周年作「ナギー・ブープ」。
二回目以降のステージは、二人ずつの組み合わせでそれぞれ別々の三演目を行う。しかも、十日間を通じて順番を変え、二回目までしか見れない人とか会社帰りに四回目だけ観る人も三演目を観れるように細やかに配慮しているのが嬉しい。お陰で平日夜からも客が大入り。
土日は一回目からチームショーで、京はるなさんと栗鳥巣さんが二つの演目を披露。
チームショーの演目は次のとおり。
栗&京は『コウシン』。「エッチな動画でひと儲け」、土日はもうひとつ「パンチラ高校生」。
栗&渚は、『コウヒロ』。
京&渚は、『天使』。渚が男の子の守り神のような天使を演ずる。
コウシンとかコウヒロって何? アニメのキャラクターで、コウ役は栗、シン役は京、ヒロ役は渚、そして前者がタチ(攻め役)で後者がネコ(受け役)とファンが説明してくれた。
今週も、たくさんの男性ファンに混ざって、多くのストリップ女子が通っている。毎日一人で来てかぶりに座っている熱心な女子もいれば、土日にはたくさんの女子仲間が連れ立ってきている。
このチーム「TEAM BOYS LOVE」の男女ファン達がペンライトを片手に熱く声援をおくる。場内が異常な盛り上がりをみせる。中には感動で涙する人までいる。東洋所属の渚あおいさんがメンバーなことから、是非この公演を広くて照明のきれいな大阪東洋ショー劇場でやってほしいと話しているファンもいた。女性客たちが好奇心で頷いていた。
こうしたチームショーと合わせて女子パワーの台頭が今のストリップ界の一大ムーブメントである。
もうひとつ、今週の目玉企画として、12/17(土)の二回目終了後に、新條希さんと春野いちじくさんの合同バースディ・イベントが催された。二人とも今年デビューのきらきらの新人さん。
希さんは12/12で22歳、本人は永遠の16歳と言っている(笑)。そして、春野いちじくさんは12/20でなんと20歳になる。シャンペンで乾杯のとき、12/17時点でお酒を飲むとフライングだと誰かがからかっていたが、いちじくさんの飲み物はりんごジュースだったらしい。
たくさんのファンがお祝いに駆け付けた。プレゼントやお花が山積みになる。
若い二人に乾杯! 二人の笑顔が輝いている。二人の力で是非ともこれからのストリップを盛り上げてほしいと思う。TSさよなら公演ではあるが、この若い二人の踊り子の姿にストリップの未来は明るいと確信した。
チーム公演と女性パワーの台頭、そして若き二人の活躍を観て、新しいストリップが幕開けしていく予感がする。
TSさよなら興行、TSからの最高のプレゼントになった。忘れられない素敵な思い出をありがとう。
平成28年12月中 TSミュージックにて