H24年10月頭のTS、九条OSの天羽夏月さんのレポート「ストリップ界のBIGな存在 天羽夏月」を綴ってみた。

 

 天羽さんはストリップ界で特別な輝きを放っている。その存在感はとてもBIGなもので、私は天羽さんのことを勝手に‘ストリップ界の矢沢永吉’と称している(笑)。彼女自身、ステージのことをLIVEと言っていたから強(あなが)ち可笑しくはない。

 夏月さんは今年11月結の若松劇場を最後に長期休暇に入る。彼女から「もう戻ってくるのは無理かも」とのコメントを頂いているので、これが実質の引退になりそう。七年前から親しくさせてもらっているので今週のTSではすごく感傷的な想いでステージを拝見させてもらった。

 

 TS初日10/11(木)に会いに行く。

 今週のTS香盤は次のとおり。①川中理紗子(渋谷道劇)、②北川れん(渋谷道劇)、③渚あおい(東洋)、④愛(TS)、⑤山口桃華(TS)、⑥天羽夏月(九条)、⑦上野綾(東洋)〔敬称略〕。

 今週の目玉は、山口桃華さんと天羽夏月さんのポールダンス・チームショー「ファンキーSP」。Sは夏(Summer)、Pは桃(Peach)の頭文字。

 

 夏月さんのポールダンスはほんま凄い!

 今回は、チームショーではあるが、夏月さんのポールダンスの迫力も最大限発揮。ポールに飛びついて回転するときには、TS正面のポール周りの客は身をそらす。顔を乗り出して見ていたら、頭を吹っ飛ばされる(笑)。身体が大きいのに、全く体重を感じさせない。特に上半身の鍛え方は半端じゃない。

 後半のリングでの空中ショーも凄い!なんといっても、回転するスピードが半端ではない。彼女の汗が飛び散る。私は何回も汗かぶりの席で拝見でき幸せだった。

 このように、スピード、迫力で他の人を寄せ付けない。それもそのはず、夏月さんは他の踊り子さんにポールダンスを指導する先生役らしい。

 天羽さんは完全にストリッパーを超越している。彼女の身体は鍛えられて筋骨隆々。近くで見ていると、まるで女子プロレスラーみたい。私は女子プロレスを実際に観戦したことがないが、こんな迫力なんだろうなと思った。そのことを手紙で書いたら「私も女子プロレス、大好き。観戦したことありますよ。」とコメントしてくれた。「ポールダンスやリングを使った空中ショーに夢中になっていると、すぐに筋肉がついちゃう!」と苦笑いする。ストリップ劇場というのは女性らしい丸みのあるヌードを鑑賞に来るものだから、ボディビルされたヌードは馴染まないと自覚しているのだろう。彼女はあくまでステージでショーを魅せるのがメインで、裸は付録みたいなところなんだろうな。

 

 天羽さんのレポートなので彼女のことを中心に述べてきたが、今回のチームショーで山口桃華さんの存在も際立った。ファンキーでロックな楽しいダンスと、桃華さんのかわいらしい笑顔とむちっとしたセクシーなヌードが、このチームショーにまさに華を添える。

 そして、桃華さん自身、ポールダンスに凝っているだけあって、今回のチームショーで天羽さんと接することによって凄く腕を上げた。天羽さんに引けを取らないほどのポールダンスを魅せてくれた。

 今回が最初で最後のチームショーと思うと惜しまれる。

 

 最後に、天羽さんとの個人的なお付き合いについて記録しておきたい。

 天羽さんは2005(H17)年2月1日大阪の九条OSからデビュー。芸暦の長い大ベテランのイメージが強いが、実はまだデビューして七年。

 私が初顔合わせしたのは、デビュー直後のH17年4月6日の渋谷道劇。その後、四カ月後の8月21日の若松劇場で再会。このときのステージが鮮明に記憶に残っている。ワイングラスにチェリーを入れ、そのひとつを口に含み、それを盆センター席で観ていた私の口へ。この初間接キッスには感激&興奮。最近のストリップはアイドル路線全盛であるが、彼女のステージには昔ながらの懐かしいストリップを覚えた。

 その後、何度かお会いするが、印象的だったのが、昨年H23年3月中の東日本大震災の週の池袋ミカド劇場。あの揺れの中で立派にステージを努めたらしい。さすが、天羽さん。地震の翌日お会いしたとき「お手紙、読みましたよ。そーなのよー。しかも天狗やってるトキで。音が止まらない以上は踊るのが当たり前と思いつつもやっぱり怖かったですー」 この週は地震で大変だったが、東洋の藤森由夏さん目当てで私はミカドに三日通った。

 天羽さんは当初から私の手紙を読んでくれていたものの、あまり手紙のコミュニケーションは弾まなかった。ただ最初の印象が良かったこともあり、会うときにはいつも手紙を差し入れた。ところが昨年から手紙でのコミュニケーションが弾みだした。私の童話やポエムが彼女の琴線に触れた。私の創作童話『恋のぼり』に対しての感想「童話、読みました。すごく浪漫があるし、話の流れも元からある話の様にするっと入ってきました。太郎さんはこういう文才が普通の人よりも長けているんですね。うちの母も物書きをしているので、そういう才能の人に出逢うと親近感がわきます。」

 夏月さんは私のことを‘太郎先生’と呼ぶ。長い私の手紙に対して「私は仕事のできる子だから」と茶目っ気たっぷりに、いつも早く返事を返してくる。今週のTSでは一日二回、毎回二通ずつ差し入れ、楽しくコミュニケーションをとらせて頂いた。もっと早くこういう関係になれたら良かったのになぁと思うも、最後にこういう間柄になれたことにストリップの神様に深く感謝している。

 

 天羽さんがストリップを辞めて、次に何をやるのかわからないが、彼女ならどんなことも果敢に乗り越えていける、そういうパワフルさを感じる。天羽さんとの出会いの縁に感謝しつつ、今は、天羽さんの人生に幸あれと願うのみである。

 

平成24年10月                                TSにて