TSの踊り子、咲さんの観劇レポート「ストイックなストリッパー 咲」を語ります。
TSの咲さんが今年引退すると聞く。
H25年3月結、渋谷道劇で8日間通い、咲さんのステージをたっぷり拝見できた。お目当ては別の踊り子さんであったが、改めて咲ワールドの素晴らしさに感嘆した。
この週は4個ほどの出し物。なんといっても最新作「Doll」に目が釘つげになった。からくり人形のパントマイムっぽい動きが唸らせる。「『Doll』気に入ってくれて嬉しいよ。ありがとう。」以前拝見していたアラビアンやビジネスマンも改めて素晴らしいと再認識させられた。「アラビアンは二年前のお正月演目だよー♪ ちょっとアレンジと、二曲目はフリなし」
引退を前に、ステージが一皮むけたのか。いや、以前から彼女のステージは素晴らしかったのだ。もうすぐ引退すると聞いて、もっと早くから、彼女のステージに傾注すればよかったなぁ~と後悔の念が頭を過った。
咲さんは2008(H20)年7月1日にTSでデビュー。1987年11月1日生まれなので二十歳でデビューしている。
私はデビューから4カ月後の11月2日に初対面。T164 B82 W61 H86という抜群のスタイル。長身でスレンダーであり、しかも美人さん。容姿Good!で一目で気に入った。ただ、客に笑顔を振りまく愛嬌はなく、無表情で、斜に構える雰囲気。まさにcool beautyなタイプと言えそう。
私はいつものように手紙で彼女の心のドアをノックしてみた。しかし、反応がない。私の手紙には関心がないのかな。往往にして綺麗すぎる方は冷たい感じも受ける。残念ながら私の理想とするcool beauty with hot heartではないのかな。
私は手紙によるコミュニケーションを通じて踊り子さんと仲良くなるのが楽しみなので、咲さんの雰囲気には近づき難かった。・・私は客に迎合なんかしない、我が道を行くの。私のことを気に入ったら、勝手に好きになって下さい。・・そんな突き放す印象を受けた。ただ、ビジュアル感あふれるヌードは素敵だったので、ステージは楽しみだったし、いつもお付き合い程度にポラは買っていた。
私の手紙を全く読まないのかと言うと、そうではなく、時に嬉しい反応が返ってくる。「手紙・・うけた(笑)」「手紙読んで切なくなった。」「ストリップ本出したらいいのに! 売れるよ・・きっと・・ガンバロ!」 片言のコメントがすごく嬉しかった。
咲さんは私がホームにしているTSの踊り子さんだし、これだけ綺麗な方なんだから仲良くなりたいなぁ~とずっと想っていた。TS常連の中には咲さんの魅力にはまっている方も多く、その気持ちはよく理解できた。ただ私はそれ以上踏み込めず、距離を置いてお付き合いしてきた。
今さらながら、引退間近になって、咲ワールドにはまるとは・・・これも巡り会わせかな。
TS2008年組として、咲さんと仲良しの愛さんがいる。二人とも長身でスレンダーなタイプなので二人のチーム・ショー「帝威永守(テイエス)」は最高だった。ただ、愛さんが笑顔を振りまくタイプに対して、相対的に咲さんはクールなイメージが強かった。明暗というか、二人一組でチームの表裏を演じていた。二人の個々の魅力が相乗的に絡み合い、素晴らしいチームとなり、ファンの間で人気が高かった。
先日、私が、愛さんに、最近の咲さんのステージを絶賛したら「咲さんはストイックにステージに打ち込むタイプ」と評してくれました。高い目標を持って、自分を追い込みながらステージを作り上げていくんですね。咲さんは自分に厳しい性格なんだ。ストリッパーがストイックだなんて語呂がいいね。(茶化してゴメン!)
ストイックとは、元々ストア学派の哲学者のことを指し、彼らの禁欲主義的な幸福論は「自分の欲望を抑え情念に動かされることなく幸せを得ようとするさま」を意味する。
そう考えれば、彼女の表情の奥には、静かな炎が燃えているように思えてきた。
とはいうものの、咲さんのブログは「咲のきまぐれ日記」というネーミングであり、実際の彼女はきまぐれなのかもしれない。きまぐれとストイックの二面性を持つところが、彼女の面白い魅力のような気がしている。
私は、仲良くしてくれた踊り子さんを自分の中にしっかりメモリーしたくて、自分のストリップ日記に記録している。その一部をこうして披露したりする。
咲さんのことは、私の前を素通りしていく踊り子さんと思っていたが、私の心の中にしっかり残った。そして、今こうしてレポートを書いている。
私の次の課題は、仲良しの愛さんのレポートを書くことです(笑)。
平成25年3月 渋谷道劇にて
『ストリップ・タイムトラベル』 ~咲さん(TS所属)に捧げる~
咲さんはストイックなストリッパー。
とても綺麗でクール・ビューティな踊り子なのだが、なかなか人気がブレイクしない。本人は客対応やポラ対応が苦手と言う。「踊りは大好きなんだけど、ポラ対応が大変。昔はポラがなかったのにねぇ~」とこぼす。
僕は咲さんに「昔のストリップにタイムトラベルしてみようか!」と誘った。
咲さんの手を掴んで、過去のストリップ劇場の扉を開けた。その舞台の上には、大勢の客の歓声を受けて、水着を付けた踊り子さんが「額縁ショー」を演じていた。まさにストリップ初期の頃だ。昔はヌードにならなくても客は満足していたんだね。
遡り過ぎたので、もう少し時間を戻そう。
今度は有名な愛染恭子さんがステージにいた。立ち見がいっぱいで、劇場に客が溢れている。まさにストリップ全盛の頃だ。この頃は風俗と言えばストリップが代表格で全国津々浦々に劇場がたくさんあった。年配の踊り子さんも多く、全国を回って歩く特殊な世界を形成していた。たまに愛染恭子さんのような有名な人がのると大盛況になった。
ストリップはどんどん過激になっていった。SMショ―、白黒ショー、出産ショー、さらには獣姦ショーまであった。最後に犬が果てるときのうぉ~と吠える声が物悲しかった。お客が求めるものなら何でもありという感じでエログロ路線が進む。そして本番まな板ショーが全盛になる。踊り子さんの半数以上が本番をこなした。
咲さんは、「私はこの時代じゃなくて本当に良かったわ」としみじみ言う。
ポラロイドが導入されたのは30年ほど前。当時は一枚200円位からスタート。最初はポラサインなんてない。
そして、この頃から、ストリップがアイドル路線になっていく。風営法改正で、AV嬢や素人からストリップの世界へ流れてくる。まだポラをやる踊り子は少なかった。
「私、この時代がいいわ。」 少し、この時代で稼いでいこうかしら!と、咲はストリップ・デビューしてみた。
ところが、この時代の踊り子さんはすごく綺麗な人が多いのに驚く。というか、化粧の仕方が半端じゃない。人前に出るとき厚化粧するのは当たり前という感じ。だからこそ、咲はすっぴん美人として人気が出た。彼女の美しさは当時の男性にも大いに受けた。
ところが、咲は、今の時代にもう一度戻りたいと思い始めた。厚化粧に違和感を感じてもいたし、仲良しの愛さんを始め劇場の仲間やファンのみんなにも会いたかった。また愛さんと一緒にチームショーをやりたいとも思った。
そして、戻ってきた咲は、真摯にステージに取り組み、クール・ビューティNo1の踊り子としてブレイクした。
おしまい

