今回は、H29年10月頭のシアター上野公演の模様を、「信じられないほど楽しかった上野公演」という題名で語りたい。

 

H29年10月頭のシアター上野に顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①左野しおん(道後)、②悠木美雪(TS)、③箱館エリィ(TS)、④羽音芽美(晃生、以下メイミンと呼ぶ)、⑤中谷ののか(TS) 〔敬称略〕。今週は、悠木美雪さんのデビュー週。

とうとう十日間皆勤した。実は事前に近くの定宿(上野ダンディ)を十日間予約していた。だから予定通りの皆勤となる。

新人好きの私であるから今週デビューの悠木美雪さんを楽しみにしていた。ところが体調不良ということで初日、二日目は山咲みみさんが代演。新人さん目当てだけなら初日でくじけるところだが今週のメンバーは新人一人飛んだくらいではびくともしないいいメンバーであった。

十日間、楽しくてたまらない状態が続き、あっという間に皆勤していた。まさにタイトル通り「信じられないほど楽しい週」であった。

その模様をストリップ日記に書き留めておきたい。

 

トップは左野しおんさん。

しおんさんとは先週、広島に遠征して会ったばかり。広島に遠征することもこれが最後かなと思って遠征した。そのときのレポート「最後の広島かな」を初日にプレゼントする。「広島でも、どうもありがとう。レポート、タイムリーで嬉しかったです。(あれが最後の広島かと思うと)今も、ちょっと寂しいです・・。」

今週は最初一個出し。演目名「フォレストスノウ」。衣装と小道具であっ!と思ったのだが、羽音芽美さんの一周年作のもの。内容は、浜崎あゆみの曲から始まったため完全に別物と分かる。ともあれ、しおんさんとメイミンがこれほど仲良しになっているのを今回初めて知った。

今回の楽しい上野は彼女から火が付いた。二日目に渡した私のエロ童話が彼女のハートにヒットした。「ちょっとー!! 今日の童話超楽しいんだけどー! エロ童話最高!!!」それがメイミンに伝わって童話「うさぎとカメのかけっこ」がマンガ化されることになる。

四日目に、しおんさんから童話「うさぎとカメのかけっこ」続編を書いてほしいと依頼される。「昨日、ちょうど帰宅したら、TVでうさぎとカメの話のことがやっていて『何てタイムリーなの!』と感激してしまいました↑」なんとTVでウサギとカメの続編をやっていたとのこと。そこで私のエロ童話にも続きをリクエストされたわけだ。私は喜んで引き受けた。

すぐに五日目に続編を渡す。うさぎの感情(喜怒哀楽)に分けて四パターンを作る。しおんさんは「個人的に『喜ぶ』がツボだったけど、『楽しむ』が太郎さんっぽくて良かったよー。」との感想。メイミンも同じく『喜ぶ』が良かったと話していたがマンガ化されたのは『楽しむ』だった。

さて、その翌日の六日目、しおんさんから個人的に童話の依頼をされる。「しおん『ハメルーンの笛吹男』の話が好きなんだけど、そのお題で何か書いてほしい。」私は喜んで引き受ける。私は最初『ブレーメンの音楽隊』と話がごっちゃになっていた。改めて、このグリム童話を読んで怖い内容だと思い出した。実際にグリム童話には怖い話が多い。早速、ストリップ童話化して翌日プレゼントする。「リクエストにお応えしてくれて、どうもありがとう。『ハーメルンの笛吹男』はデビュー前に見に行った浅草ロック座でもやってましたー。怖いんだけど好きなんだよねー。」ちなみに、この童話は横溝正史さんの推理小説の題名『悪魔が来たりて、笛を吹く』の雛形になったもの。笛吹男が130人の子供を連れ去ったというのは実話らしい。物語によっては、足が不自由なため他の子供達よりも遅れた1人の子供、そして盲目と聾唖の2人の子供だけが残されたと伝えられ、これも不気味な印象を醸している。

私はこれに気をよくして、今週立て続けにエロ童話を書いてしおんさんとメイミンに渡した。お陰で童話だけでも今週書いたのは、「うさぎとカメ」シリーズで六編、それ以外で六編になる。「話がどんどん湧いてくるよ」と言う私に対して、しおんさんが驚いて「出版社にもって行ったら」と言ってくれるし、今週から私のことを‘作家先生’を呼んでくれる(笑)。素直に嬉しかった。

今週はしおんさんとも楽しい時間を過ごす。「いっぱい笑わせてくれてありがとう。」

メイミン漫画の起爆剤はしおんさんである。とても感謝している。

 

次に順番を変えて、四番目の羽音芽美さん(メイミンと呼ぶ)。

先月9月中、メイミンの8周年週に晃生に遠征する。そこで8周年作「はち」の観劇レポートを渡していた。私は引き続き、この作品に興味が湧き、アニメ「みなしごハッチ」を題材にした童話「女王蜂と呼ばれた踊り子」を書いていた。かなり時間をかけて練っていく。昆虫の話を読み漁ったので話がどんどん膨れていった。これを上野三日目に渡す。「さっそく読みまちた!!」「ゴキブリが笑えた!!まさに!(笑)」「そして、みなしごハッチ。これ、小さい頃、毎日30分放送されていて、子供の頃に見てました!!!実は、この作品をつくるときに、ハッチの画像やお話を見返したのよー。百点満点♡」「なんだか、私のために、蜂についてたくさん調べてくれてすごく嬉しかったよ。」

上野が始まる前は、この童話を渡すのが一番の目的だった。ところが事態はもっともっと面白く発展する。メイミン漫画が登場する!

童話「うさぎとカメのかけっこ」は六年前に作ったもの。既にメイミンに渡していたかと思ったが渡しておらず今回初めて目に触れたらしい。二日目の一回目ステージ、メイミンからポラタイムで「今、マンガ描いてるの。楽しみにしていて!」と言われたが何のことか分からなかった。二回目のポラ時、メイミンから童話「うさぎとカメのかけっこ」が漫画化された原稿をそのまま頂いた。デザイナー学校出身のメイミンに絵心があるのは知っていた(※)がこれほど漫画やイラストが上手とは・・大感激。この夜、家で沢山プリントしてきた。(※、以前、メイミンに最初にプレゼントした書き下ろし童話「王子とサボテン娘」の一場面をポラ裏に絵を描いてもらったことがある。あまりに上手くて驚いた。ちなみに、この童話を機に、メイミンがその後私のことを‘王子’と呼び始め、これが他の晃生メンバーに広まった。)

私がプリントしたコピーをお客さんに配り始めた。「私、漫画家に転職するの。コロコロコミックに掲載するからね。これサンプルだからあげるね。」と話して、お客に渡す。話の内容よりもメイミンのかわいい絵に萌え萌えする。

話はこの一枚に終わらなかった。

続編を書いてトップの左野しおんさんに渡したら、さっそく続編の漫画化が進んでいた。「頑張ってマンガ描いてるよー!!待ってて!!!」と言われ、二回目のポラ時に完成した。一作目より内容が充実していた。コマ割りが良く、絵もかわいく、他の描写も細部にわたって丁寧に描かれてあって最高の作品に仕上げていた。メイミンの絵心に感心した。「うさぎちゃんのマンガ、気に入ってもらえて良かったー。めっちゃ頑張ったよぉ~。初めて描いてあんまり自信がないけど、太郎ちゃんのためだからね。」

漫画はメイミン客の中で好評だった。中には塗り絵をしてくれるファンもいた。

「漫画けっこう好評で、うれしいね~。また時間があるときは描いてみようかしら。」

 嬉しいことに、メイミンがその気になった。「ストリップ関連のマンガを描いていけたらいいよね。頑張ってみようかな・・・」「次の栗橋で、頑張って漫画描くね¡¡ 太郎ちゃんもいろいろ考えてみて!!いい作品にしようね。」

私もこの「うさぎとカメ」シリーズなら、ストリップ展開させて、どんどん書けそう。

「今週はマンガで一番盛り上がりましたね。楽しかったぁ~。栗橋でも流行らせてくるね。」

これからメイミンと楽しいタッグを組めそうな予感がする。

 

次に、三番目の箱館エリィさん。

私のお目当ての一人。ただ今、私のスト仲間の間でも人気急上昇中。お陰でストキャバは楽しかった。「ストキャバ、楽しんでもらえたかな?? こんなにたくさん太郎さんとお話することってないから、私も楽しかったよ~」

今週は二個出し。その中の新作について観劇レポートを書いた。「くりいむレモン」シリーズにはまってかなり調べた。「レポートありがとう。くりいむレモンのこと、調べてくれて嬉しいよ~♪ 気に入ってもらえて良かった!実は『媚・妹・baby』通しで観たことないの。DVDになったらいいんだけどー。」「レポート読み返していました。太郎さんの感想読んで、私も色々発見があったよ。もっと演目が深まりそう。」エリィさんに喜んでもらえて嬉しい。

今週、エリィさんはメイミンと仲良しになった。メイミンはしきりにエリィさんの演目の声を真似して「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と呼ぶ。メイミンのお客さん全員が「お兄ちゃん」と呼ばれる始末。(笑)

更に、エリィさんがメイミンの漫画を自分のツイッターで取り上げる。これが評判を呼ぶ。続編も載せている。

メイミン人気にのって、メイミン漫画そして私の童話が評判になってほしい。

 

次に、ラストの中谷ののかさん。

今週は二個出し。1,3回目は前作「Rush」、2,4回目は新作「Dreamer」。

前作「Rush」については前週の大和で「ストリート系女子に新たな中谷ののかを見る」という題名でレポートしたばかり。今週はその演目を観ながら童話「路上で踊る少女たち」を書いて渡す。気に入ってくれて良かった。

肝心の新作「Dreamer」については、本人も「私もこんなに苦戦した演目は初めてです(笑)」と言うくらい中々レポートに書きづらかった。私も苦心して「ストリップは夢」という観劇レポートを仕上げた。ののかさんの心に響くものがあったらしく気に入ってくれたようだ。

 

最後に、二番手の悠木美雪さん。お目当ての新人さんである。

初日、二日目と体調不良でお休みし、三日目がデビュー日となる。よく新人が飛ぶことがあるが、彼女の場合は素人出身ではなくAV事務所経由なので大丈夫そうだという情報は入っていた。

三日目に舞台に立ってくれた。いやー嬉しかった。しかも若くて美人さん♡

平日の火曜日であったが、朝から新人好きがたくさん集まっていた。

デビュー日はさすがに劇場側も気を遣う。新人で、しかも体調不良ということもあって、ポラサインなし、ポーズ制限でスタートさせた。箱館エリィさんが先輩として世話役になり、最初の1,2回目はポラとオープンショーを二人のダブル進行とした。ポラ時は新人に中谷ののかさんが付き添う。久々の新人を大切に育てようとの表れ。

ところが美雪さんの方は劇場側の心配をよそに「三回目からポラサインしまーす。」「ポラのポーズはオープンも接写も平気ですよ~」とどんどん積極的に対応する。お客さんは大喜びで、ポラは爆発的に売れる売れる。

三日目からよく頑張ってくれた。評判が評判を呼び、ふだん見ないロック客まで来ていたほど。ポラ売上は新人の記録を作ったんじゃないかな。

彼女のひとつの特徴が、仕事がさばけること。ポラ対応がとてもてきぱきしている。ポラサインでのコメントもどんどん増えていく。

私は満を持して、八日目の夜にデビュー・レポートを書きあげて、楽日前日にプレゼントした。

ところが、さすがに疲れがでたのだろう。楽日前日に熱が出たようだ。一回目のステージはふつうにこなしたが、二回目からはダンスを抜きベッドからのスタートになり、ポラサインも止めた。私のレポートどころではなくなった。本人が一番ショックだったと思う。

かなり体調が悪そうに見えたので、私は楽日に休むかと思っていたら、楽日は元気になっていた。若いので回復が早いね。「昨日はすみません泣。今日は頑張りますので・・」

一日遅れでレポートを読んでくれたようで返事がきた。素直に嬉しかった。

やはり楽日に休むと、自信がなくなって辞めてしまう惧れがあったが、その心配はなくなった。次の11月頭のミカドに元気で出演してくれることだろう。

 

こんなに楽しかった週も久しぶりである。お陰でレポートや童話も書きまくった。ストリップの神様に感謝あるのみ。

 

平成29年10月頭                       シアター上野にて