宇佐美なつさん(道劇所属)について、2019年12月頭の渋谷道頓堀劇場での公演模様を、四作目「黒煙」を題材にして、「衣装カラーと選曲の中に宇佐美なつを見つける」という題名で語りたい。

 

 

2019年12月頭の渋谷道頓堀劇場に二日目から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①(TS)、②楠かほ(道劇)、③夢乃うさぎ(晃生)、④MINAMI(まさご座)、⑤Kuu(フリー)、⑥宇佐美なつ(道劇)〔敬称略〕。今週はベテランのKuuさんを除き、全て三年内の若手でそろえている。私としては楽しみな香盤で五日間通った。

 

今週もいくつかトピックスがあった。

まずは、宇佐美なつさんが初トリとなったこと。一年内の新人で、これだけ早くトリをまかされることはない。それだけ劇場側から期待されている証拠だ。渋谷のベテラン常連が「宇佐美なつは石原さゆみを越える」と明言していたくらい。

実際、今や宇佐美なつ人気は凄まじい。匠悠那や石原さゆみ以来、ようやく渋谷に、劇場を満杯にできる新人さんが登場した感じだ。だから、宇佐美なつさんのトリは納得である。

初トリではあるが当の本人はいたって平然としている。「初のトリ、緊張していますが良い意味でいつもどおり楽しみます」やはり大物である。

宇佐美なつは美人でスタイルがいいだけではない。非常にハイセンスで、インテリジェンスなイメージがある。ファンの間では「彼女は外資系コンサルタント会社で働いていた女性総合職だった。バリバリで仕事をしていて、年収は今のストリッパーよりもはるかに良かった。それでもストリップに憧れて入ってきた逸材である」と噂されている。人気が出るのも当然である。

スト女から入ってきたのでダンスは未経験であるが、ダンスセンスは最高である。

7月11日のデビュー以来、わずか半年弱で四作目を出すことになる。すでに彼女の頭の中には先々までの作品イメージがいくつか出来上がっているのだと感じた。中日から新作を出すと聞いて楽しみにしていたが、私の想像以上の作品だった。「新作、これまでと違う表情をお見せしたいです~」

 

これまでの三作品は新人らしさがあった。しかし、四作品目は新人らしさから脱皮したアダルトな印象を与えてくれた。

私の感じた最初の印象ポイント三点を羅列してみる。

ひとつは選曲が全て男性曲であること。二作目「ユキちゃん」もそうだった。でもセーラー服ものの「ユキちゃん」とは全く違う渋めの音楽である。この点については後で詳しく触れたい。

次に、衣装のカラー。踊り子の心理として衣装のカラーは重要である。無意識の中にも踊り子の深層心理が表れるからね。

今回は、赤と黒で統一している。ネットで調べてみるとこう記載されている。・・・

黒色(black)は、白色・グレイと共に色合いのない「無彩色」を構成する色。色の雰囲気・印象はクールで落ち着きのある色の代表格である。

黒は無彩色だから、どんな色とも合わせられ、当然、赤ともマッチします。

【赤】の性質・・・ドラマチック、スピード、決断力、目立ちたがり、負けず嫌い、行動力、情熱

【黒】の性質・・・孤独、独立心旺盛、完璧主義、粘り強い、ポーカーフェース

<色調にもよりますが、いわゆる原色としての赤・黒の直接的な組み合わせは、赤の華やかさと黒の重量感が組み合わせれることによって、ゴージャスなイメージを表出することができるのです。また、赤のビビッドさ黒のシックさが、心理的なコントラストを形成して、とても人の目を引きます。

服の色としては、そのアピール度の強さを利用して、ユニフォームやスポーツウエアなどに使われることは珍しくありません。しかし、一般の服装における赤黒のダイレクトな組み合わせは、過度な妖艶さを醸し出してしまう場合もあり、ときに下品な印象を与えかねない難しい配色の一つだと思います。> byヤフージャパン知恵袋から

そう、本作品のポイントのひとつは、この妖艶さにある。新人の女の子から大人の女性への脱皮を表現したいと思ったら、赤と黒というカラーがぴったしなんだ。

最後に、タイトル名「黒煙」について。

最初は一曲目の「火炎」とリンクしているのかなとも思った。

一応ネットで黒煙を検索してみる。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

すると「黒煙(こくえん)とは、石油、菜種油などの燃料が不完全燃焼の際に発生する煙である。その主成分は炭素である。」という一般的な説明がある。私は‘不完全燃焼’というワードが気になった。なつさんは今までのアイドル路線で飽き足らず、アダルト路線に切り替えることを意図しているのだろう。今回の第四作目を「黒煙」としたのも、今回はまだアダルト第一作目なのでまだまだ不完全燃焼であり、これから完全を目指して頑張りたいという意思表示なのかもしれないと感じた。

 

さっそく、ステージ内容について紹介する。

最初に、赤をベースにして黒をポイントに置いている衣装で登場。制服のワンピースであり、上着はハーフコートぽくもある。

左側の髪には赤い花飾り。上着は、長袖で、襟を立て、胸に四つのボタンが四角に並んでいる。ベルトをリボン結びし、膝上丈のスカートにつながる。足元は、黒い網タイツの下に黒と銀の混じったハイヒールを履く。他にも黒のポイントがあり、胸元に黒と銀の旋回模様、黒いボタン、腰の赤いリボンにも黒い線が入っている。スカートの裾にも黒い線が入る(下の黒いスカートが見えていたのかな?)。

音楽に合わせて、かっこよく踊る。

一曲目は、女王蜂の「火炎」。かなりインパクトのあるサウンドだ。作詞・作曲を手掛けたのは、女王蜂のフロントマン、アヴちゃん。

音楽が変わり、赤い上着を脱ぐと、下には黒いスケスケ衣装。そして、その下には赤い下着が透けている。赤→黒→赤の色彩コントラスト。

ベビードール風の黒い衣装をふんわり着る。網網の生地で透け透けである。首には細くて黒い首輪をする。足元は同じ。 

二曲目は、凛として時雨の「DIE meets HARD」。2017年8月23日にリリースした7thシングル。作詞:TK、 作曲:Fumiaki Unehara・TK at ONKIO HAUS & Studio 4。遊び心とダークでハードな歌詞や音楽が混ざり合って独特な魅力を醸し出している。

また音楽が変わる。一旦、盆に移動する。赤い髪飾りを取って、左足の黒いストッキングに付ける。そして舞台に戻り、上着の衣装を脱ぐ。赤いブラとパンティを黒い布でつないだハイセンスな下着が表れる。

三曲目は、Tempalay(テンパレイ)の「革命前夜」。ゆるめのサイケポップで人気の脱力系バンドTempalay。作詞:小原綾斗、作曲:小原綾斗。

 そのまま、ベッドショーへ。黒いストッキングとハイヒールをはいたまま。

 盆の上で下着を脱ぐ。長い下着なので、脱いだ下着は花道にポイする。

 アクセサリーとしてはヘソピアス。

 ベッド曲は、King Gnu(キング・ヌー)の「Vinyl」。作詞:常田大希、作曲:常田大希。

King Gnuは鬼才・常田大希(Vo.、Gt.)を中心に結成された4人組バンドである。

 

 二作目「ユキちゃん」で選曲された男性曲四つはいずれも知らない曲で知らないバンドばかりだった。

 ところが、今回は知らない曲ではあったが、演奏しているのは既にメジャーなバンドである。あ~聴いたことのある歌声だなぁと思った。それもそのはず、ひとつの理由は他の踊り子さんも別の曲ではあるがステージで使用していること。もうひとつの理由が、これらのバンドは私が最近はまっているダークファンタジーのアニメ主題歌をたくさん作っているから。バンド名を聞いて、アニメを思い出しハッとすることが多かった次第。

 これらのバンドのことを少し詳しく話したい。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』参照)

 

■まずは一曲目の「火炎」を演奏している女王蜂について。

 彼らが私が最近はまって観ていたダークファンタジーなアニメ「東京喰種」の主題歌のひとつを提供していた。あっ! そーだ!! これに気づいて驚嘆。

女王蜂のプロフィールは次の通り。

2009年結成。アヴちゃん(Vo)、やしちゃん(Ba)、ルリちゃん(Dr)、ひばりくん(Gt)の4人からなるバンド。ちなみに、ルリちゃんはアヴちゃんの実妹。2009年に兵庫県神戸市で結成され、2011年メジャーデビュー。高音と低音を使い分ける個性的なヴォーカル、独創的かつ衝撃的なパフォーマンスが音楽業界のみならず各方面で話題騒然となる。圧倒的なステージによって、話題・実力共に音楽シーンを席巻。2019年には結成10周年を迎え、リリース、LIVEともに精力的に活動中。

もう少し来歴を詳しく言うと、・・・

2009年3月31日に兵庫県神戸市で、アヴちゃん、やしちゃん、ルリちゃんの3人で結成し、のちにギギちゃんが加入する。地元のライブハウス、神戸マージービートを中心に活動し、自主制作CD「姫様御乱心」「王族大逆鱗」をそれぞれ発表したが現在は廃盤である。2010年3月31日に活動一周年を記念して初の単独自主企画「乱交風俗女王蜂」をマージービートで開催した。2010年7月、FUJI ROCK FESTIVAL 2010「ROOKIE A GO-GO」枠に選出されて出演した。20109月に映像やファッション、ダンス、音楽やすべてのアートを取り入れた「美のテロ」を企画した。

2011年2月に楽曲「フランス人形の呪い」をiTunes Storeで先行配信し、3月に初の全国流通盤となるアルバム『魔女狩り』を発表した。6月にSony Music Associated Recordsからメジャーデビューし、映画『モテキ』のテーマソングと出演バンドへ抜擢されたことを発表した。8月に第二回「美のテロ」を神戸スタークラブで開催した。

メンバーは全員、本名、生年、性別、国籍などもすべて未公表だが、2011年に書かれた一部記事に「まだ10代という噂もある」の記載がある。楽曲、プロモーションビデオは一部職務を除きコンテ切りまで全て制作し、写真撮影時のメイク、スタイリングなど全てをメンバー本人が行い、アクセサリーも自作している。

2012年5月23日にメジャー第二弾となるアルバム『蛇姫様』を発表したが、30日にギター担当のギギちゃんが、3月の全国ツアー以来抱えていた利き腕の原因不明の強い痛みの治療のために女王蜂から「降板」することを発表した。以後、バンドは「新たに増殖した不特定多数の演者を加えた編成」で活動した。

2012年12月30日に活動休止を発表し、2013年2月22日にSHIBUYA-AXで開催された単独公演「白兵戦」で活動を休止した。当時、ベースのやしちゃんがバンド脱退をメンバーに伝えるとバンドが崩壊寸前に至ったと、活動再開後のインタビューで語っている。

約1年間の活動休止期間を経て、2014年2月22日にSHIBUYA-AXで行われた単独公演「白熱戦」で活動を再開した。

2015年1月にサポートメンバーとして活動していたギター担当のひばりくんが正式にメンバー加入した。2月25日に初のシングル「ヴィーナス」を発売し、3月25日に4thアルバム『奇麗』を発売した。

2017年4月5日に5thアルバム『Q』を発売した。

20184月に放送を開始するテレビアニメ『東京喰種:re』のエンディングテーマに新曲『HALF』を提供し、『HALF』は425日に3枚目のシングルとしてリリースされた。

2018年10月3日、4枚目のシングル『催眠術』を発売した。

2019130日、5枚目のシングル『火炎』を発売。タイトル曲はテレビアニメ『どろろ』のオープニングテーマとして書き下ろされた。

2019年5月22日、6枚目のアルバム『十』を発売。収録曲である『聖戦』が、映画『貞子』の主題歌、Introduction』が映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』の主題歌にそれぞれ起用された。

 

女王蜂のフロントマンであるアヴちゃんの存在がすごい。「ボーカル・ギター担当。作詞作曲時のクレジットは薔薇園アヴ(ばらぞのアヴ)名義。別ユニット「獄門島一家」でもボーカルを務める。」

ネットで彼のインタビュー記事があり、読んでいたら私の琴線に触れてきた。

そのひとつが音楽との出会いについて。「私は神戸出身で混血児なんですけど、阪神大震災を経験したり、(どろろの主人公)百鬼丸とタイマン張れるくらい大変なことがありすぎて『人生、終わってんじゃん、あっちゃ~』って絶望していたんです。でも、なぜ、女王蜂を始めたんだろうって考えたときに、人生終わってたしパーティは終わってたけど、それでも踊りたかったし、歌いたかった、下手でもいいから、曲を書きたかった。諦めきれなかったんですよね。折り合いがつけられなかった。もはや、諦めることを諦めた。

バンドというアウトプットに出会わなかったらと思うと、ゾッとします。私の内包する灼熱のエンジンと熱量をそのまま置けたのがバンドという表現方法だったから。

破壊力もあって格好良くて、なにしでかすか分からない危ない感じも残せるグループって、バンドかヤンキーくらいだと思うし。勇気がいることだったけど、バンドをやることを選んだのは英断だったと思います。」

彼の「パーティは終わってたけど、それでも踊りたかったし、歌いたかった」という言葉が印象に残る。人生を諦められない気持ちが「Party is over それでも踊りたかった」という言葉であり、それがバンドを続けてこられた原動力となった。

私のなかで火のメタファーって、踊ることなんですよね。10代の頃、エネルギーがあまりすぎて、極限まで疲れないと眠れなかった時期があって。ある夜、眠れなくてじっとロウソクを見つめていたら、だんだん炎のなかに人間の影が2人見えてきて、ずっとくるくる踊っているんですよ。最後はロウソクが尽きて、ジュッと消えて。そのときに、ああ、火は踊り続けているんだって。宿した命の熱が冷めた瞬間、終わっちゃうんだなって痛感したんです。それから、炎をモチーフにした曲を書くことが多くなって。その最古参の子が『火炎』の雛形だったりします。

本当、不思議なんですけど、『火炎』というタイトルもお話をいただく3,4日前に決まったんですよ。あと、設定資料をいただいて『百鬼丸には魂が炎として見える、嫌なやつは炎の色で分かる』と知って、本当に驚きました。」

私は60歳を越え、仕事も家族も喪ったが、生きることを諦めきれない気持ちからストリップと童話執筆に向かった。この先、なにも芽が出ず、野垂れ死ぬのかもしれない。しかし、今はストリップを観つづけ、童話を書き続けたいと思っている。アヴちゃん流に言うと「人生は終わったけど、それでも書きたかった」と。

アヴちゃんは言う。「表現においては『今これがベストです』って思ってやることがすごく大事な気がする」と。私にはこの言葉がすごく励みになった。全てを失ってしまったとしても、ストリップの中に何か生きる元気になるものを見出し、それをネタに童話を書いてみる。感じたことを面白いカタチにしてみる。ステージを観ているとどんどんイマジネーションが膨らんでいく。好きなことしか書かないし、それが楽しいんだから、今はそれでいい。そう思えてくる。

 

ちなみに、今回の曲「火炎」はTVアニメ「どろろ」のオープニング・テーマである。手塚治虫の名作「どろろ」は幼い時に漫画で読んで心酔していた。これがアニメ化されていることを知って驚いた次第。ネットで観ていて懐かしさに涙が込み上げてくる。

 どろろとは、こんな内容だ。戦国時代、醍醐の国の領主に上りつめた醍醐景光は自分の領土と権力を護るために、地獄堂の十二の鬼神に祈祷する。そして、領土の守護と権力を願う代わりに、もうすぐ生まれる自分の子供の身体から次々と部位を与えると約束した。

生まれてきた赤ん坊は、手足が無く、目や耳が不自由であった。その醜い赤ん坊はすぐに川に流された。それを医師の寿海が拾い保護した。彼は百鬼丸と名付けられ、義手と義足をつけて育てられた後、失った体を求めて旅をする。鬼神を倒す毎に身体が元に戻っていく。最後に、百鬼丸は父である醍醐景光と弟にあたる多宝丸と対立していく。そんなストーリーである。今でいうダークファンタジーの先駆的な漫画だね。当時、すごく興奮して読んでいたのを鮮明に記憶している。

 

 一曲目だけでずいぶんと紙面を割いてしまったが、次にいく。

■次は、二曲目「DIE meets HARD」の凛として時雨について。

 これまた聞き覚えのある歌声とサウンドだと思ったら、私自身でストリップ童話まで書くほどはまったアニメ「サイコパス」の主題歌を歌っているグループと知り驚嘆。

2012年11月14日にリリースされたシングル曲「abnormalize」同楽曲は同年10月からフジテレビ系列で放送が開始されたテレビアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」の主題歌に起用。

2014年11月5日にアルバム『i'mperfect』から作品「Enigmatic Feeling」がリリースされ、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 2」の主題歌として起用された。

2015年1月14日にシングル「Who What Who What」がリリースされ、「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」の主題歌として起用された。

アニメ「サイコパス」シリーズは全て観ているので聞き覚えがあって当然だった。

 

 改めて、凛として時雨というグループをネットで調べてみる。

凛として時雨(りんとしてしぐれ、Ling tosite sigure)は、日本のスリーピースロックバンド。所属事務所はムーヴィング・オン。所属レコード会社はソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ。略称は主に「時雨」。

<メンバー>

TK   本名は北嶋 徹(きたじま とおる)。1982年12月23日生まれ。ボーカル、ギター、ピアノ担当。時雨の楽曲は全てTKによって作詞、作曲されており、曲のエンジニアリング、ミックス、マスタリングにも参加している。TK from 凛として時雨名義でソロ活動も行っており、2014年までに『flowering』、『Fantastic Magic』と2枚のアルバムをリリースしている。エレキギターに出会ったのは高校生の時。洋楽も聴いていたが、ルーツは誰もが聞くような王道のJ-POPやJ-ROCK。

345   本名は中村 美代子(なかむら みよこ)。1983年4月1日生まれ。ベース、ボーカル担当。時雨以前のパートはギターボーカルだったが、前バンドの解散に伴い未体験のベースになった。もともとはピアノを習っていて、高校ぐらいからギターを始め、バンドでJUDY AND MARYのコピーをやったりしていた。椎名林檎(東京事変)や中島みゆき、小谷美紗子などの女性ボーカルを好む。落書きが好きで、345が描いたネコの絵がデザインされたピックも販売されている。2012年4月には自身プロデュースのTシャツがARTIST DELI SHOPPINGにて発売された。MO'SOME TONEBENDERの百々和宏、L'Arc〜en〜Cielのyukihiroとともにロックバンドgeek sleep sheep[9]、もらんのなるけしんごとのアコースティックユニットti-ti.uuとしても活動している。

ピエール中野   本名は中野 正敏(なかの まさとし)。1980年7月18日生まれ。ドラムス、ギター担当。影響を受けたバンドにLUNA SEA、Slipknot、X JAPAN等を挙げている。特にX JAPANのYOSHIKIからはかなり大きい衝撃を受けたと語っており、X JAPANのライブビデオでYOSHIKIを見たことがきっかけで、高校に入る前くらいからドラムを始めた。小学校5年生から中学時代にかけてはまっていたのは尾崎豊、電気グルーヴ、LUNA SEAで、それらは今でも聴くという。その他にもミニマル音響系の音楽をやっている池田亮司などを聴いている。「DJピエール中野」名義でDJとしても活動している。

<来歴>

2002年に埼玉県で結成。もともとTK345は東洋大学時代にコピーやオリジナルを演奏する遊びのバンドをやっていたが、二人以外のメンバーの就職のためにそのバンドは解散した。まだ音楽を続けたかったギター・ボーカルの345とギターのTKはドラマーを募り、バンド名を「凛として時雨」として始動する。結成から1年半ほど経った2004年、当時のドラムが脱退し、もともと凛として時雨のホームページを通してメールで交流のあったピエールが加入して現在の編成となった。

2005年11月、自主レーベルの中野レコーズより1stアルバム『#4』をリリース。その後はフルアルバム2枚とミニアルバム1枚をリリースする。

2008年12月24日に発売されたシングル「moment A rhythm」をもってソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズに移籍、メジャーデビューする。

2010年9月22日に発売された4枚目のスタジオアルバム『still a Sigure virgin?』が自身初となるオリコンアルバムチャートで1位を獲得した。

2017823日、シングル『DIE meets HARD』をリリース。表題曲はテレビ東京系ドラマ『下北沢ダイハード』のエンディングテーマとして書き下ろされた。

『下北沢ダイハード』(しもきたざわダイハード)は、テレビ東京系列のドラマ24枠(毎週土曜日0:12 - 0:52〈金曜日深夜〉、JST)で、2017年7月22日(21日深夜)から9月30日(30日深夜)まで放送されたテレビドラマ。

<概要>

演劇の街として知られる下北沢を舞台に、小劇場で活躍する11人の劇作家が書き下ろす基本一話完結もの。下北沢に住んだり、劇場で活躍する様々な人たちを個性豊かな俳優陣が演じ、「人生で最も最悪な1日」の風景を描く。

題名はアメリカ合衆国の映画『ダイハードシリーズ』にあやかったパロディーであり、下北沢のスナックの常連客・ジョン・幕練(古田新太)と、そのママ(小池栄子)が冒頭と終盤にストーリーテラーとして登場し、これらの作品についての解説・感想を述べる。

 

■次は、三曲目「革命前夜」のTempalayについて。

タイトルから強烈なメッセージソングと思い気や、完全なる恋愛ソング。この楽曲における革命とは告白のこと。革命前夜とは告白前夜を意味します。恋人未満の女性にいよいよ愛の告白をしようと決意した夜。男性の心情はどのように変化していくのかを楽しめる。

ゆるめのローファイサウンドとちょっぴり不思議な言葉のチョイスが耳に心地いい楽曲。

 

Tempalay(テンパレイ)は2014年6月に結成され2018年7月に新体制となった3ピースの脱力系バンド。

・小原 綾斗(オハラ・リョート/ Gt&Vo)

・藤本 夏樹(フジモト・ナツキ / Dr)

・AAAMYYY (エイミー / Cho&Syn)

結成後まもなくフジロックやアメリカの大型フェスに出演した逆輸入バンドでもあります。

「革命前夜」は2017年6月に配信限定でリリースされたシングルで、GAPの「1969 RECORDS」という音楽プロジェクトのために書き下ろされたコラボ曲です。テーマは「アポロ11号の月面着陸」。GAPが創業した1969年の出来事にちなんだそう。2017年8月にリリースされたTempalay2枚目のアルバム『from JAPAN 2』にも収録されています。

 このTempalayとしばしば共演しているのが次のKing Gnuです。

 

■さいごに、ラスト曲になるKing Gnuの「Vinylについて。

 King Gnu(キングヌー)は2019年一番ブレイクしたバンドだ。2019年1月16日にアルバム「Sympa」(シンパ)を発売。これがキングヌーのメジャーデビューアルバムになる。そして、今年11月16日、アルバム『Sympa』が『第61回日本レコード大賞』で優秀アルバム賞を受賞。この中の新曲『白日』は1月19日からスタートした、日本テレビ系 土曜ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」の主題歌として書き下ろしたもので、これが大ヒット。YouTubeにて公開されている「白日」のミュージックビデオが再生回数が1億回を突破している。そして、今年2019年の大みそかに『第70回NHK紅白歌合戦』に出場します。

私も、YouTubeで「白日」のミュージックビデオを何度も観たクチです(笑)。ついでに、YouTubeで他の曲や、メンバーの井口理さんが木曜日パーソナリティーをやっている『オールナイトニッポン0』(ニッポン放送)を聞いて、その語り口にはまった。

彼らのことを詳しく書かせて頂きたい。

King Gnu(キングヌー)は、日本の4人組ミクスチャーバンド。

<概要>

2015年、常田大希を中心にSrv.Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)という名前で活動を開始。その後、メンバーチェンジを経て現在の4人体勢となった。2017年、King Gnuへ改名。20191月にメジャーデビュー。

バンド名は、由来である動物の“Gnu=ヌー”が、春から少しずつ合流してやがて巨大な群れになる習性を持っており、自分たちも老若男女を巻き込み大きな群れになりたいという思いから名づけられた。

メンバーそれぞれが多方向の音楽から影響を受け、そこから新しい音楽を作り上げたことから、自身らの音楽を「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」と称している。バンドロゴには「JAPAN MADE」という言葉が入っている。

音楽面においてはオルタナティヴ・ロックのみならずジャズやヒップホップ、クラシックなど幅広いジャンルの要素を取り入れながら、歌謡曲然とした親しみやすいメロディーや日本語による歌詞を乗せることを重視しており、J-POPをやる」ということがKing Gnuの大きなコンセプトの一つとなっている。同世代の他のバンドと比べ、曲中で転調が行われることが非常に多く、また常田がチェリストのためアレンジにストリングスが使用される事も多い。

ミュージックビデオの制作や、ロゴタイプをはじめとするビジュアルデザインは、常田が立ち上げたクリエイティブチーム「 PERIMETRON 」が担っている。

<メンバー>

常田 大希(つねた だいき)

ギター、ボーカル、チェロ、キーボード、トラックメイキング担当。1992年(平成4年)5月15日生まれ、27長野県伊那市出身。伊那市立東部中学校、長野県伊那北高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部器楽科チェロ専攻に進学するが1年足らずで中退。

小澤征爾の率いる小澤国際室内楽アカデミーにチェロ奏者として在籍していたことがある。

King Gnuにおける全ての楽曲の作詞作曲と、アートワークの統括をしており、バンドのリーダー兼プロデューサーでもある。

King Gnuとは別にソロプロジェクト「millennium parade(ミレニアム・パレード)」としての音楽活動も行っている。

クリエイター集団「PERIMETRON(ペリメトロン)」を主宰している。

アニメ「血界戦線」のサウンドトラックにチェロ演奏、アメリカ版「ポケットモンスター」、映画「リバーズ・エッジ」、映画「ママは日本へ嫁に行っちゃダメというけれど。」、ドラマ「拝啓、民泊様。」の音楽などへ参加している。他に、俳優 中野裕太らとの「Gas Law」(ドラムも演奏)、人力ミニマル楽団「東京塩麹」(チェロを演奏)、スガダイローらとの「blacksheep」、Numero×Emporio Armani、Adidas、New Balance×Chari Co、Beamsなどの有名ブランドへの楽曲提供も複数行っている。

第20回日本クラシック音楽コンクール チェロ部門 高校の部、第3位。

リットーミュージック最強プレイヤーズコンテスト2009 ベース部門、準グランプリ。

ストラヴィンスキーやプロコフィエフといったクラシック、ケンドリック・ラマーやフライング・ロータス、TABOO1といったヒップホップ、セロニアス・モンクやマイルス・ディビス、ロバート・グラスパーといったジャズや、NIRVANA、ゴリラズ、アークティック・モンキーズやレディオヘッドからの影響をインタビュー等で公言しているが、BLANKEY JET CITYや、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTなどのバンドも好んでいる。井上陽水のような歌詞を書きたいと述べている。

 

勢喜 遊(せき ゆう)

ドラムス、サンプラー、コーラス担当。1992年(平成4年)9月2日生まれ、27。徳島県阿南市出身。

プロミュージシャンの両親を持ち、幼少期から家にあった電子ドラムを叩いていた。小、中学生時代にはダンススクールに通い、ダンサーを志望していた。

高校からドラムにシフトした。上京後、セッションバーに通い新井と出会い、三味線デュオのいる輝&輝バンド初期メンバーとして参加。その後また別のミュージックバーで、当時Srv.Vinciのドラムを探していた常田と出会う。

サンプラーは常田の提案で始めている。

ブラックミュージックをルーツとし、ファンクを好み、ラテンを聴いていた時代もあった。また、The Mars Voltaなども好んで聞く。skillkillsや踊Foot Worksらとも親交がある。

常田のプロジェクトであるmillenium paradeにもバンドメンバーとして参加している。

2019年10月30日、三味線奏者の白藤ひかりと結婚したことを自身のInstagramアカウントにて報告した。なお、婚姻届の証人には同じバンドのメンバーであり、二人の出会いのキッカケを作った新井が担当した。

 

新井 和輝(あらい かずき)

ベース、シンセベース、コントラバス、コーラス担当。1992年(平成4年)10月29日生まれ、27。東京都福生市出身。東京都立青梅総合高等学校を経て、東京経済大学卒業

14歳よりベースを始める。きっかけはバンドに誘われた際、ベースパートしか空いていなかったことから。当時はASIAN KUNG-FU GENERATIONのコピーをしていた。高校入学後、日野賢二に師事。大学時代も音楽に没頭し、友人のいる国立音楽大学に通って授業を受け、音楽の知識を得る。そこでドラムの勢喜遊と出会う。国立音大公認の名門学生ジャズバンド、「NEWTIDE JAZZ ORCHESTRA」に参加(ギターとベースは外部から参加するのが通例になっていた)。大学4年よりジャズベーシスト河上修宅に住み込み修行を積んだ。King Gnuと並行して他アーティストのサポートや、ジャズのセッションマンとしても活動しており、元・椿屋四重奏の中田裕二のアルバムやDef Jam Recordingsからアルバムを出しているIO(KANDYTOWN)の音源にも参加している。また常田のプロジェクトであるmillenium paradeにも勢喜と同様バンドメンバーとして参加している。

 

 

井口 理(いぐち さとる)

ボーカル、キーボード担当。1993年(平成5年)10月5日生まれ、26長野県伊那市出身。伊那市立東部中学校、長野県伊那弥生ヶ丘高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部声楽科卒業テノール。兄は声楽家の井口達。Srv.vinci時代の名義は191(いぐち)。メンバー最年少。

常田とは小学校、中学校が一緒の幼馴染。中学時代合唱部に所属し、常田と共にNHK全国学校音楽コンクールの全国大会に出場している(常田はマリンバ演奏)。常田曰く「嫌われない声」の持ち主で、多くの人に届く声と評価している。最も好んでいるミュージシャンは七尾旅人。他にも、親の影響から井上陽水、チューリップ、オフコース、布施明、尾崎紀世彦、ポルノグラフィティなどの日本出身のアーティストを好んでいる。少年時代に漫画『BANANA FISH』を読んでいた(2018年にこの作品のテレビアニメのエンディングテーマに「Prayer X」が使用される)。

ハモネプリーグ出演経験がある。バンドと並行して舞台俳優としても活動している。

Twitterにネタ写真や動画を多数投稿する、面識のない著名人(後藤正文、ジャミロクワイ、ジャスティン・ビーバーなどと言ったミュージシャンは勿論のこと、NASAやローマ法王に至るまで)のアカウントにクソリプやKing Gnuのミュージックビデオなどを送り付ける、シュールな一発芸を披露する、大の下ネタ好きであるなどメンバーの中では最も芸人気質が強く、ファンからはお笑い担当、ムードメーカーとしても認知されている。Mステ初登場の際は一人だけ酩酊したように全身を振り乱しながら階段を駆け下りる、演奏中にずっと変顔をするなどのパフォーマンスの結果、当日のTwitterトレンドに井口に関するツイートが多数ランクインする事態となった。

2019313日から『オールナイトニッポン0』(ニッポン放送)の木曜日パーソナリティーに就任している。

新井とルームシェアしている。

<Mrs.Vinci、Srv.Vinci時代の元メンバー>

固定メンバーは常田のみで、他メンバーは流動的だった。徐々に勢喜、新井、井口が加わり現在の形となる。

石若駿(いしわか しゅん)

ドラムス、シンセベース担当。北海道斜里郡清里町出身。1992年(平成4年)8月16日生まれ。東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京芸術大学音楽学部器楽科打楽器専攻を首席で卒業。

常田とは大学の同級生。常田が主宰するmillennium paradeにも初期から参加するなど現在でも親交は続いており、盟友ともいえる存在である。勢喜や新井ともmillennium paradeなどでの親交がある。

 

以上、メンバーの経歴を見て驚くのが、これだけの音楽をやっているのに全員がまだ20代と若いこと。学卒が多く、メンバーの中心の常田大希と井口理がなんと東京藝術大学に入っている。ボーカルの井口理は声楽科卒業だからボーカルは筋金入りである。特に、メンバーの中心である常田大希は若いが天才だね。

「ビニール」はキングヌー最初期の代表曲。キングヌー名義の1枚目のアルバム「Tokyo Rendez-Vous」に収録されています。このアルバムはインディーズ時代のものです。

歌詞を聴いていると、ビニールというのはコンドームを連想させられる。そう匂わせておいて、ビニールは「自分を覆っている殻」や「偽りの仮面」と解釈し、「ビニールを脱ぐ」とは「自分らしさを取り戻す」ということになりそう。

こんな感じで、キングヌーは愛嬌たっぷりの冗談が好き。その中で本気の音遊びをしているところがある。

こんな楽曲を見つけてきてステージに使っている宇佐美なつさんもキングヌーにかぶって見えてきた。同じく2019年デビューで既に大ブレイクしているんだからね。

 

ひとつひとつの選曲を丁寧に調べていくと、それらがまるで宇佐美なつさんの分身のように思えてきた。

 

 

2019年12月                                渋谷道劇にて

 

 

 

【宇佐美なつさんからのポラコメ】

いつもレビュー、楽しく読んでます。路線の切り替えというよりは、できることを増やしていきたいなと思ってます