今回は、H29年8月結の大阪晃生ショー劇場での、渋谷道劇の踊り子・新條希さんのステージ模様を、新作「恋」を題材にしてレポートします。

 

 H29年8月結の大阪晃生に初日から顔を出す。お目当ては新條希さん。

今週のメンバーは次の通り。①花音芽(道劇)、②神崎雪乃(晃生)、③はな(フリー)、④新條希(道劇)、⑤浜崎るり(晃生)〔敬称略〕。当初トリに予定されていた浅葱アゲハさんが体調不良ということで、神崎雪乃さんが先週から引き続き8/21~23、蘭あきらさんが8/24に入り、アゲハさんは8/25から出演予定。浜崎るりさんがトリを任され必死で頑張っていた。

のぞみんは新人の花音芽さんと同室で楽しくやっている様子。人生ゲームをやっていると話している。「つぼみちゃん、すっごく面白いんだよね!! ずっと楽屋で笑ってるww」楽屋が楽しいことが何より。TVがないというのが今ひとつだね。

 

今週ののぞみんの出し物は、1,3回目に新作「恋」、2,4回目に「子種」の二個出し。

今回は新作の「恋」について話そう。本作は前回7月結の渋谷道劇で7月28日に初披露された。今回ここ晃生で、のぞみんに解説してもらったので、それをネタに私なりに紹介しよう。

今回の演目は、園田しほり姐さんの振付とのこと。

最初に懐かしい曲が流れる。シモンズの曲「ひとつぶの涙」。二人の澄んだ歌声と綺麗なハーモニーが、すーっとステージの世界に誘(いざな)う。

のぞみんが少女の清楚な出で立ちで現れる。肩だしの花柄ワンピース。白い帽子状の髪飾りを粋に付ける。上着は肩紐で吊るし、白い胸元に黒いリボンを置く。短いスカート部は華やかに水色とピンク色が絡み、ピアノ鍵盤模様が描かれ、裾は白いフリル状。すらりとした脚線に白いブーツを履き、爽やかに踊る。恋する乙女の舞。のぞみんの可愛さがキラキラと輝いて眩しい。

二曲目は石川ひとみの名曲「まちぶせ」。知っている曲が続き安心してステージを眺める。

衣装が変わり、黒地にオレンジの花柄が描かれたワンピースに。長い黒髪を背中に垂らし、黒と白のリボンを髪に飾り付けている。恋の切なさ、やるせなさを表現。

次に一曲知らない歌が入った。アニメ「機動戦艦ナデシコ」の挿入歌でホシノルリ(声優の南央美)の『あなたの一番になりたい』。これは間違いなくのぞみんの選曲だね。懐メロが続く中でのただ一曲のアニソンだが、歌詞が今回の恋というテーマにマッチしていて全く違和感がない。あなたの一番になりたいという題名が示す通り、切々と乙女心が伝わる。

ここで、白いシュミーズに着替え、そのままベッドショーへ。

ベッド曲は、これまた懐かしのアイドル伊藤咲子の「乙女のワルツ」。TVスター誕生からデビューした伊藤咲子は我々世代にはキュンと来る存在。そして立ち上がりは松任谷由実の曲「Hello.my friend」でノリノリで締める。

今回の演目は、我々おじさん世代を強く意識した恋ソングでまとめている。初めてこの演目を観た、のぞみん一番客の松本さんが知っている曲が多いと嬉しそうな顔をしていたのが印象的だった。

最近の若いアイドルさんは、我々おじさんが知らないアニソン等を始めとした曲をよく使う。のぞみんも春野いちじくさんも同様。アイドル好きのおじさん達がなかなか付いていってないなぁ~と感ずることが多い。私はレポを書きたいので必死で付いていくが、もう諦めているおじさんも多い。(笑)

引退した石原さゆみさんがおじさんにウケたひとつの要因が選曲にあった。いつも選曲で勝負と話していた。彼女はおじさん達が涙を流して喜ぶ歌をよく知っていた。おそらく父親が聴いていた曲をしっかり覚えていたんだね。

今回ののぞみんの演目「恋」は選曲が成功している。耳障りが良く、すごく安心して観ていられる。

最初の曲「ひとつぶの涙」は1972年の唄で、私自身聞いたことがあるものの、シモンズのことはよく知らなかった。興味を引かれネットで調べてみた。歌っているフォークデュオ、シモンズの活躍時期は1971~1974年という短期間だったがたくさんの名曲がある。

シモンズは田中ユミ、玉井タエの女性デュオ。ともに大阪府出身で、いわゆる関西フォーク系に属する。シモンズの名前は二人がファンであった「サイモン&ガーファンクル」のサイモン(Simon)をローマ字読みしたもの。二人は高校時代からベッツィ&クリスのカバーなどを歌ってライブ活動をしていた。毎日放送ラジオの『ヤングタウン』のオーディションで合格。高校卒業後に上京しRCAレコードから「恋人もいないのに」でデビュー。この曲は60万枚を超える大ヒットとなった。しかし人気絶頂の1974年、玉井タエの後藤次利(作曲家)との結婚を機に解散している。

今更ながら、古くて新しい知識に触れ興奮し、なによりも懐かしい名曲に触れたことが嬉しくてたまらない。のぞみんに確認したら、今回の選曲は「あなたの一番になりたい」と「Hello.my friend」以外は藤波社長に協力してもらったらしい。

毎回でなくていいので、今後もこういう演目に是非取り組んでほしいと思った。

 

ステージを作る上で一番大切なのはテーマだと私は考えている。自分が表現したいものは何か、観客に感じてほしいメッセージは何かがしっかりしていないといけない。それはジャズやフラメンコなどの古典的なダンスでもいいし、物語や映画などをモチーフにしてもいい。単にアイドルとしての自分の可愛さを表現することでも構わない。そうしたテーマが決まったら、それをどのように表現するかということで選曲と衣装が重要になっていく。

そういう観点から今回の作品を鑑賞すると、‘恋’というテーマが明確。誰しも恋のときめきや切なさは経験があるはず。ノスタルジーに浸ってほしい。とくにストリップ客が多い50~60代の人に懐かしく思い出してほしい。

そうしたのぞみんの気持ちが今回の選曲によりストレートに伝わってくる。

 

平成29年8月                         大阪晃生ショー劇場にて