8月16日、日曜日の朝、ネカフェでこれを書いています。

今日で六日目、ちゃくちゃくと皆勤に向かって進んでいます。

お盆興行は、毎年大入りなので今回のような混雑は予想していました。場内がごった返す中、あまり落ち着いて観劇できないかなと思っていました。だから、夏休みはお盆にとらずに帰省予定の八月後半にとっています。しかし、さゆみちゃんに会いたくて毎日劇場に通っていると、お盆にもっと休暇をとっておけばよかったと後悔しています。(笑)

今週は、8/12(水)の一日のみ休暇をとり、あとは通常の土日8/15.16に、一日フルで観劇できるのを楽しみにしていました。そして、とうとう8/16になってしまいました。

 

実は、劇場の席取りには苦労しています。苦労談を書き出したら止まらないほど。ともかく、運よく、毎日かぶりで拝見できています。平日は狙い通りにたまたまかぶり席が空きます。また顔見知りの客が多く、私に気を使ってくれることもあります。いずれにせよ、私はストリップの席取りには昔からほんと運がいいのです。というか、自分の運をストリップの席取りに全部使い切っているのかもしれません。(笑)

 

今年の夏は暑かったし、今もかなり暑いです。まったく夏バテせず、元気に過ごせています。これはひとえにストリップのお蔭。今年はさゆみちゃんの存在が滅茶苦茶大きい。さゆみちゃんとの出会いにはストリップの神様に感謝しても感謝しきれません。

夏バテだけでなく、かなり若返っている実感があります。

実は、今日8月16日は私の誕生日なんです。この歳になると、また歳をとってしまったか!てな感じで全然めでたくありませんが・・・(笑)

ただ、今年の誕生日を大好きなさゆみちゃんと一緒に過ごせることを考えると感無量です。一生忘れられない日になることでしょう。まぁ、私の誕生日は気にしないで下さい。あれっ!? ちなみにさゆみちゃんの誕生日はいつだっけ?

 

「私も10年近くはたぶん続けないと思うな~5年くらいかな? パン屋さんになりたいから。それまで全力でやるよ! ラストポラは太郎さんがいいな☆」

 TS看板娘・あいかわ優衣さんが踊り子歴を5年と決めていて、先日予定通りに引退した話をしたら、こんな嬉しい返事を頂けた。親バレでいつ辞めてしまうかと心配をしていたので、かなりホッとしました。

 振付を始め、全部自分でステージを創り上げる才能を知り、踊り子への心意気を感じて、ストリップの父としてはこんな嬉しいことはありません。「(新作)一生懸命考えたから気に入ってもらえて嬉しい。森昌子は古すぎて逆にみんな知らないかな?と心配だったけど良かった。」「前太郎さんが手紙に書いていたとおり東洋にのったら少し余裕が出て来た気がするよ~。何事も経験だね~。」踊り子人生を邁進していますね。嬉しい限りです。

 もうひとつ驚いたのは、パン屋になる!という人生設計をしっかり持っていること。なかなか先のことをイメージできている方は少ない。こうして、しっかりと夢をもてることは素晴らしいことです。

 パン屋になりたい!という夢はけっこう周知なんですね。Tも知っていたし。昨日、ラウンジで、あるお客さんが美味しいパンをもってきて皆におすそ分けしていました。そうしたら従業員さん(藤波さん)が「このパン、美味しいから、さゆみちゃんに食べさせたいな。さゆみちゃん、パン屋さんになりたいと言っているからね。」と話していました。

 夢は願えば叶います。それを言葉にして発すれば、より実現は大きくなります。

 ストリップの父としては、踊り子としての夢、パン屋さんとしての夢に、微力ながらも全面協力します。誓います。

 

 今日から、公演後半に入ります。お盆休みが終わるので、前半の賑わいは幾分やわらぐかと思います。私も会社帰りになりますが必ず皆勤します。

 今週は、Tとたくさん食事や呑みに行けました。実は、Tとは五六年前から挨拶程度しか知らず、先日の大阪東洋で初めて呑んだのです。さゆみさんの応援を通じて急激に仲良くなりました。これもさゆみさんからの副産物です。

 

 みんなで楽しい夏の思い出を作ろうね。

 

 

平成27年8月16日                         渋谷道劇にて

 

 

 

 

【童話の感想】

「パン屋の手紙ちょ~よかった! 感動した~! ストリップの経験がいろいろ活かせるといいな。究極のサービス業だもんね~。」

 

 

 

 

 

 

 

『パン屋になった踊り子』  

~石原さゆみさん(道劇所属)に捧げる~

 

 

 

 さゆは小さい頃からパン屋になりたいという夢をもっていた。

 毎朝、パンのほどよく焼け焦げた香りが漂う。家族で食べる食パンが幸せの原点だった。さゆはパン屋になって、愛情がたっぷり詰まったパンを作り、日本中の人々に幸せを届けたいと考えた。

 

 高校を卒業したさゆは、横浜にある有名なパン工房に弟子入りした。そのパン工房にはイタリアで長年修業した著名な師匠がいた。ところが、非常に気難しい性質(たち)。

「なんだ!おまえのパンは小学生が作ったお菓子か。まずくて食べられない。」

 師匠の厳しい言葉に落ち込む。さゆ自身も自分のパンには大切な何かが不足しているのが分かっていた。

 しかし、師匠が主張する「愛情のこもった大人の味」をどうやったら出せるのだろうか。ずっと悩んだ。そして、自分には人生経験が足りないのだと感じた。回り道になっても、人生経験を積んでから、もう一度パン作りに挑戦してみようと決意した。

 

 パン工房を辞め、次に何をやったらいいのか迷いつつ、さゆは同郷で知り合いの先輩のところを尋ねた。彼女は踊り子をやっていた。

 先輩のステージを一目見て「なんてキレイなステージでしょう。先輩、たまらなくかっこいい~♪」踊り子という仕事に憧れた。さゆは昔から好きな音楽を聴いてダンスをするのが大好きだった。自由自在に振付ができた。自分で好きなようにステージを創って踊れたらどんなに気持ちがいいだろう。先輩に頼んで、劇場の門を叩いた。

 若くてかわいいさゆは一躍、劇場のトップスターになる。最初は、かわいい笑顔を武器にアイドル路線を突き進む。さゆがステージに立つと歓声が湧き起こり場内が盛り上がった。最初のうちはアイドル系の演目が多かったが、いろんなジャンルのステージをひとつひとつ積み重ねるうちに、途中から、しっとりした演目を演ずるようになり、次第に大人の艶っぽさを出せるようになる。さゆが盆にのると、盆周りの人々の熱い視線が降り注ぎ、さゆの身体は妖しい炎で燃え上った。さゆとファンは一体となり桃源郷を彷徨う。さゆは大人の女に成長していった。さゆの成長は周りのファンをも成長させた。踊り子とファンが共に成長し、幸せを共感し合う。「ストリップってなんて素晴らしい世界なのかしら」さゆは何度も感じた。

 さゆは、たくさんのいいファンに恵まれ、楽しい踊り子人生を歩んだ。

 五年経ち、さゆは当初の夢だったパン屋になるために踊り子を引退することにした。

 人気絶頂の中、多くのファンがさゆの引退を悲しんだ。しかし、さゆのことを理解してくれるファンもいた。さゆがストリップの父として慕っていた方が中心になって、さゆの引退を華々しく祝ってくれた。最後にストリップの父がラスト・ポラを撮ってくれたとき、さゆの目から一粒の涙が流れた。

 

 さゆは、横浜にあるパン工房に戻った。

 師匠は快く迎えてくれた。

 さゆが作るパンには不思議な味が出てきた。昔のように自分勝手な味付けをするのではなく、みんなが幸せを共有できるように、心を込めて練り、焼き上げた。それはストリップと同じだった。ストリップでは、どうすればお客さんが喜んでくれるかを考えて、テーマを絞り込み、演目の構成を作り、選曲し、衣装を決め、振付をやっていく。こうした作品を練り上げる過程とパン作りは通じる。そして、パンを焼くときには、お客さんの優しい熱視線で自分の身体が燃え上がるのと同じ思いを感じた。

 

 改めて、パンは奥が深い。

 食パンひとつでも、スライスの仕方次第で食感が変わる。またパンに塗るもの、マーガリン、ジャム、クリーム、チョコレートなどによりパンの味は七変化する。かつ、形によっても、ロールパン、ステックパン、クロワッサン等あるし、味によっても、あんぱん、メロンパン、カレーパン等、千差万別。パンと一緒に飲むドリンクも、ミルク、紅茶、コーヒー等により、全く違ったパンの世界を醸し出す。

 さらに、パンは具材とのコラボが最高の組み合わせを演出。サラダ、コロッケ、焼きそば等、なんでも相性が合う。サンドイッチはパンの最高傑作。

 これら全てが、いろんなダンスを組み合わ、小道具を工夫する等のストリップに相通じていた。ストリップで苦労したことや創意工夫がパン作りに活きた。

 また、ストリップに直接に影響された面白いパンもたくさん考案した。「パイ・パン」「おっぱいパイ」「おしりプリンプリン」、中にはウインナーがにょきっと突き出た「元気になるパン」などなど・・・(笑)

 他にも、ニンニクなど強烈な臭いを放つ食材、身体に良いとされる納豆などの粘り系の食材をふんだんに使ったパンが静かな人気を博した。以前、ストリップの父が教えてくれたことをふと思い出す。「大好きな人のニオイはカオリになるんだよ」パンプレ人気の理由をこっそり教えてくれたっけなぁ・・・(笑)

 

「人はパンのみに生きるにあらず」と聖書にある。

 ストリップを観ても腹はふくれないけど「目の御馳走」になる。さゆはこれからパンを作ってゆくわけだけど、ストリップで頑張ってきたのと同じように、みんなに「心の御馳走」を与えられるよう努力していってほしいな。・・・

 踊り子を引退するときにストリップの父が贈ってくれた送別の言葉を噛みしめる。

 さゆは、ストリップを懐かしむように精魂を込めてパン作りに励んだ。

 

                                    おしまい