今回は、H30年3月中の大阪晃生ショー劇場における、北川れんさんの公演模様を、演目「No Rain, No Rainbow」(仮)を題材に語りたい。
H30年3月中の大阪晃生ショー劇場に顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①はな(フリー)、②北原杏里(晃生)、③北川れん(道劇)、④青山はるか(晃生)、⑤浅葱アゲハ(フリー)〔敬称略〕。
北川れんさんの新作を観ていて、すごく惹き付けられた。全体的に明るい感じなのだが、何か意味深なものを感じ取った。それが何なのか気になって、顔見知りのれんさんファンの方に尋ねてみた。この作品は、先週3月頭の渋谷道劇で初披露された7周年作であること、演目名であるかどうか分からないがハワイの有名な諺「No Rain, No Rainbow !」を演じていることが判った。
私は興味を持って、すぐにネットで調べた。「ハワイ語で虹はānuenue (アーヌエヌエ)と言います。ハワイはご存知の方も多いかと思いますが、Rainbow State(虹の州)と言われるくらいに虹がシンボルとなっています。自動車のナンバープレートや免許証までにも虹のデザインが施されています。虹はスピリチュアルな意味もあり、古代ハワイアンの人々の伝説で虹はこの世と天国をつなぐもの、神様の道と信じられていました。虹が2本かかっているダブルレインボーや、円になっているサークルレインボーなど珍しい虹もあり、それを見た人はお願い事をすると叶うとか、幸福になれると言われています。
ハワイアンが好きな諺にNO RAIN, NO RAINBOWがあります。これは、雨が降らないと虹は出ない。つまり辛いことの後には幸せが待っているという意味です。
虹が出るためには、雨だけでなく光や角度など色々な条件が必要になります。これらが調和して初めて美しい虹が空にかかるのです。私たちの日常でも色々なことが起きますが、例えそれが一つでも欠けたらこの幸せはなかったということがあるでしょう。
日本にも雨降って地固まるという諺がありますが、雨のように思えることが私たちの人生に豊かな実りを与えて、幸せを運んできてくれるのかもしれないですね!」(Abhasa Spa)
このネットの話を読んでから、もう一度、れんさんの演目を観たらすごく味わい深くなった。さすがの作品である。
私なりに、内容を説明してみる。
最初に、黄色いレインコートに全身を包み込んで登場。茶色のレインシューズを履いて、インスト曲に合わせて踊る。
舞台の上には、二つの箱に、白と灰色の英字新聞が貼られている。
次に、カラフルな衣装にカラフルな傘をさして登場。髪はかわいいリボンで結んだツインテール。白い首輪が華やか。よく見ると、銀色の首輪の上に白い布が貼られ、そこから宝石が二つ並んでキラリと垂れる。上着は左側が白、右側が水色。スカートは青・水色・黄色・赤・紫などと縦に並んだ虹色カラーで、それぞれに白い雲の模様が縫い付けられている。茶色のレインシューズを履いて、虹色の傘をもって、二曲目のインスト曲に合わせて、軽やかにダンス。
音楽がスタンダードな洋楽に変わり、着替える。
スカートを脱いだら、先ほどの水色の上着とつながっている、水色のスカートが現れる。水色の穴の開いたクロス生地。その上に、左側と腹部に白い生地を重ねている。
灰色の新聞を貼った箱から、鮮やかなレインボー色の、長い虹の幕(スクリーン)を出して、舞台の上に張る。
衣装の白い布の部分を取って、そのままベッドへ。右手首に青いパンティを巻く。
近くで見たら、白いマニキュアに傘と虹の細かい絵柄が入っている。
ベッド曲は、丸本莉子の「ココロ予報」。歌い出しの歌詞がしんみり心に響く。♪「期待し過ぎた 拍子抜けの映画みたい 人混みに埋れて かすんでゆく時間(とき) 帰りたいなんて かっこ悪くて言えない 散らかった部屋で 夜明けを待っていた もうここから 逃げ出してしまおうか それでも 歩き出すんだろう わたしが選んだ道 上を向けば 雨が降ればやがて太陽が この街を照らしてゆくように 幾つもの日々を越えてきた 大丈夫 大丈夫 大丈夫」この最後の‘大丈夫’というフレーズが心に響く。まさしくNo Rain, No Rainbow !の心を唄っている。
丸本 莉子(まるもと りこ、1990年5月16日 – 現在27歳)は、日本のシンガーソングライターである。古舘プロジェクト所属。広島県出身。高校2年から音楽活動を開始。2011年に上京。広島ホームテレビ『雨のち晴れ』の主題歌に抜擢され、自身が作詞作曲を手がけた「ココロ予報」は広島を中心に話題を集める。都内のライブハウスやストリートを中心に活動する傍ら、広島でのライブ活動も並行して行う。2015年6月10日、第一弾シングル『ココロ予報』でメジャーデビューを果たした。
立上りはインスト曲になり、最後に、青い紙飛行機を客席に投げて終わる。
まるで「落ち込むようなことがあっても大丈夫だよ。これからいいことがあるさ」と叫んでいるようだ。
明るい気分にさせられる爽やかな作品である。
平成30年3月 大阪晃生ショーにて
【北川れんさんからお返事あり】
・「あまり『こういうストーリーです』っていうのは好きじゃなくて、こういうテーマに基づいて表現しましたみたいなタイプでして、観た人の感性で十人十色の感想でよいかなって。
でもNo Rain, No Rainbowな前向きな雨が降って(嫌なことがあっても)虹が出る(いいことあるよ)みたいなのすごく良いなーって。私の表現力拙すぎて。
7周年、7で虹にかけてメッセージ的な表現になりました。
水色は空と雲っぽい衣装でレインボーにいっぱい付いてる白いのは雲なんです(笑)
マニキュアは傘と虹です。
莉子ちゃんの曲いいですよね。この流れに日本語歌詞曲を使うか迷ったのと、もっとStrip的な裸表現としてできることを(エロ的意味)模索してますが、紙飛行機は前向きなHappyなMessageを空に投げた感じー。)
・「あ・・・質問(新聞紙の意味)ですが本当は新聞紙じゃなくて街の建物を作りたくて・・・間に合わせであれにしたらすごく意味深な謎になったのでOFF中作りますますね(笑)。」