渋谷道劇の香坂玲来さんの三周年記念に、観劇レポート「癒しの天使からの脱皮 香坂玲来」を贈ります。
H25年3月結の渋谷道劇の香盤は最高だった。メンバーが揃っていて食事休憩がとれないほどだった(笑)。
香盤は次の通り。①多岐川美帆(道劇)、②咲(TS)、③心愛(DX東寺)、④AYUM(道劇) 、⑤川村あいね(東洋)、⑥香坂玲来(道劇)〔敬称略〕。
この週は、香坂玲来さんが三周年でトリをはる。そして、二週目の期待の大型新人AYUMさんはまるで玲来さんの妹みたいな感じ。外見もよく似ている。この二人の応援をメインにして、私は八日間渋谷道劇に通った。
玲来さんは周年作「UN-MORAL」を披露。純和物の出し物で、一見して妖しい雰囲気を感じるも、ストーリーそのものは難解で理解できなかった。最初、初な少女から性の喜びに目覚める大人の女に変貌していく様を描いたものかと思ったが、内容はもっと過激だった。「友達の書いた小説を基に作りました。ストーリー分かりづらいかな・・??」 私は玲来さんに解説してほしいとお願いした。「今回の演目に興味をもってくれて嬉しいです。ストーリーは一応あるけど、見る人それぞれの受け取り方で観てほしいです。」と言いながら、「捨てられた女の子が、男に拾われて、飼われるお話です(笑)。最後は男を失ってしまう。」と説明してくれた。そして今回の演目に関する文字が入ったポストカードを頂いた。なんと!この作品はマニアックなAVにある監禁・飼育のジャンルなのか。これには驚いた。
私なりに周年作の内容を説明する。
最初に、童謡「かごめかごめ」の唄にのって、かわいい花の髪飾りをつけ、赤いべべ(衣装)着た女の子が登場。時代は明治の頃か。すぐに「赤い風船」の唄に変わり、舞い踊る。「赤い風船」の唄の歌詞を聞いていて、赤い風船はまさに女の子そのものなのが分かる。捨てられた女の子は、身寄りなくふわふわと漂っていたところ、一人の男に拾われる。
次の場面は、赤い襦袢に着替えて登場。なんと襦袢の下にはSM用の黒いボンテージ。玲来さんの白い肌に亀甲縛りの黒いエナメルが絡みつく。玲来さんの肉体は、乳首が勃ち、パイパンになっている豊満な腰回りに、淫靡なエロスが漂う。
ベッドに上がると、玲来さんは目隠しをする。すると照明が落ち、持参した提灯の灯りに玲来さんの美しい裸体が浮かび上がる。そして激しいオナニー・ショーが展開される。ベット曲は最初の童謡「かごめかごめ」に連動しているかのように「かくれんぼ」という曲で「もういいかい?まぁだだよ」が繰り返される。・・・
女の子は監禁・拘束され、外の世界を知らない鳥籠の中で、純粋に本能のままに飼育される。彼女にはそれが日常であり、それが全てになる。男の愛情をたっぷり受け、彼女は彼の理想像になる。そうした倒錯した世界が描かれる。小説では、男がいなくなり、突然その鳥籠は崩壊する。女の子は鳥籠の中にいることを欲するも、その鳥籠から出ていかなければならなくなる。・・・
私は、玲来さんがこれまでの自分の殻を打ち破ろうとしているのに気付いた。
それにしても、正直、なんて難しい演目に挑戦したんだろうと驚愕させられた。
玲来さんはH22年3月21日にここ渋谷道劇でデビュー。私はデビュー週に彼女を一目で気に入り四日間通った。
当時、私は単身赴任の仙台から戻ってきたばかり。仙台にいた四年間は仙台ロック中心だったので、ロック系の踊り子さんをメインに応援しており、道劇系の踊り子さんとは疎遠になっていた。そんな中、白鳥美羽さん、桐生綾さん、香坂玲依寧(後に玲来に改名)さん、と素敵な新人さんが続々デビューし、みなさん仲良くしてくれた。お陰でまた渋谷道劇に足を運ぶようになる。しかし、当時の殆どの新人さんが辞めていき、唯一残っているのが香坂玲来さん一人。今更ながら、玲来さんが一番多くのファンを掴めた故だと思う。
玲来さんのチャーム・ポイントは、なんと言っても、その愛らしいルックス。優しく穏やかで、怒ったりなんかしない感じ。全体としてアンニュイで、ほわんとした雰囲気を持っている。まるで赤い風船のようにふわふわとしたイメージ。こんな娘に甘えられたら、おじさんはメロメロになるだろうね♪ そして実際に彼女の魅力に落ちたファンはたくさんいる。私もその一人。
また私の場合、手紙でのコミュニケーションを求めるので、彼女の性格の良さは、手紙の反応からよく伝わってきた。私の文章をしっかり読んで、いつも必ず反応してくれる。私は反応のいい女性が大好き。だから、玲来さんとは最初から心のコミュニケーションができた。すごく相性がいい♡
私は踊り子さんを評するとき、よく上の顔・下の顔・心の顔という話をするが、玲来さんはまさに三拍子そろった踊り子さん。一粒で三つの味をもつ玲来さんの魅力はストリッパーとして最高の資質であるとともに、こうして三周年を迎え、しっかりと根強いファンを掴んでいることが窺い知れる。
彼女の魅力を私なりに表現すると「癒しの天使」。今回の周年作の前に演目「TSUBASA」で天使を演じていた。これが彼女のイメージにピッタリだと思う。ところが、この作品で彼女はひとつの到達点に辿り着いたために、新しい自分を求めて、現状の殻を壊したかったのだろう。
彼女は、かわいいルックスに加えて、エロスたっぷりの豊満な肉体を持つ。身長は164cmもあり、スリーサイズはB88 W60 H88とボリューム感満点。単にセクシーというより、たまらないエロスを覚える。一見かわいいルックスとアンバランスのようでもあり、それが我々男性を激しく興奮させる。今回の周年作はその武器を遺憾なく発揮しているとも云える。玲来さんは「癒しの天使」でもあり「いやらしの堕天使」でもある。
エロスには表と裏の世界がある。これまでの玲来さんは「癒しの天使」として表のエロスを演じていた。ところがそんな清純派の自分を脱皮したいと思う。本物の表現者であればあるほど、汚れ役も演じてみたいと思うもの。玲来さんは裏のエロスであるSMの世界に興味を示しステージでの演出を試みる。また、玲来さんの優しい従順な性格と豊満な肉体はMがよく似合う。Sっ気のある観客にはSの血が騒ぐだろう。玲来さんはそうした倒錯したエロスの世界へ我々を誘おうとしている。
私のこのレポートを読んで、玲来さんがこう話してくれた。「たしかにTSUBASAとか可愛い演目好きだけど、やったことないような演目にチャレンジしたいと思ってたんです! 良い意味で、お客様を裏切り続けたいです。」
本物の表現者として成長した玲来さんの姿に、これからの彼女の活躍を期待したくなった。
平成25年3月 渋谷道劇にて