今回は、H29年5月中の渋谷道劇における、天羽夏月さんとの楽しいやり取りについて話します。
H29年5月中の渋谷道劇は楽しい時間を過ごした。今週のメンバーは次の通り。①園田しほり(フリー)、②天羽夏月(九条OS)、③立花散里(道劇)、④さつき楓(晃生)、⑤新條希(道劇)&RUI(栗橋)、⑥平野ももか(道劇)〔敬称略〕。今週は、立花散里さんのデビュー、平野ももかさんの初トリ、新條希さんとRUIさんのチームショーと話題も多い。
そんな中、デビューから仲良くしてもらっている天羽夏月さんとのやり取りがとても楽しかった。
今回は、私が新人さんに興味があるのを察知して新人情報を流してくれる。なにより、天羽さんが新人さんと仲良くなってくれるのが嬉しい。三人で共通の話題ができて手紙が弾んだ。
天羽さんは私の手紙や童話のファンなので文通が楽しい。以前、「童話、読みました。すごく浪漫があるし、話の流も元からある話の様にするっと入ってきました。太郎さんはこういう文才が普通の人よりも長けているんですね。うちの母も物書きをしているので、そういう才能の人に出逢うと親近感がわきます。」という返事を頂き、すごく嬉しかったのを記憶している。
今週の天羽さんの出し物は四つ。「演目は前半はCOVERS、ライトリング、後半はベリーとジプシー」
特に、演目ライトリングでは、得意のリングを盆の中央で演じていた。高速回転に天羽さんの汗が飛び散る。彼女の汗シャワーを浴びたら、物語のインスピレーションが勝手に飛び込んできた。合わせて、ポラタイムで客からの要請で恥ずかしそうに力こぶポーズをしたり、客との会話「よかったら私がお姫様抱っこしてあげようか」が無性に面白かった。こうして童話「ちから姫」が生まれた。
天羽さんが喜んでくれて良かった♪ 「今日は童話読んでいて一人で楽屋で笑ってしまい、すっかり不審な人物にしか見えなかった(笑)」 新條希さんも読んでいて「最高に面白かったよ。本にして出版したらいいよ。」と褒めてくれた。
これに機嫌をよくして、翌日、新人の立花散里さんの名前に因んだ童話「花散る里」を書き上げた。源氏物語に造詣のある天羽さんにも読ませたい。「私、昔‘源氏物語’を原文で読んでます。実家が宇治なので、源氏物語はすごく身近な物なんです。源氏物語ミュージアムが宇治にはあるので行ってみて下さい。」ということでね。どうかな?
平成29年5月 渋谷道頓堀劇場にて
H29.5
~天羽夏月さんに捧げる~
昔、ある国に、力自慢のお姫様がいました。人々は彼女を「ちから姫」と呼んでました。
ちから姫は身体が大きいのですが、かわいい顔をして声もかわいい。虫も殺さない顔に見えましたが、彼女の側に飛んできたハエや蚊などは大きな手で瞬殺されました。ついつい手が出てしまうのです。彼女は力があるだけではなく、小さい頃から習ってきた武術の心得もありましたので、その運動神経や反射神経は並外れたものを持っていました。
ちから姫は「このままでは私のところに来てくれる王子様がいないわ」と嘆きました。
婿取りを心配した王様は国中に、武闘大会の開催案内を出しました。
「お姫様と勝負して勝った者は、お姫様と結婚して王子にする」という条件でした。
全国から、腕っぷしに自信のある武勇たちが集まりました。
一日目は、腕相撲大会。ちから姫が腕を伸ばすと、力こぶが大きく盛り上がりました。ちから姫は容赦しません。正々堂々と戦い、結局すべての挑戦者を負かしてしまいました。
二日目は、棒術大会。ちから姫は目にも止まらぬ速さで動きました。誰もその動きについていけません。男たちは急所を打たれ沈みました。
三日目は、馬術大会。ちから姫には心が通じ合う愛馬がいました。この馬は汗血馬と云われる一日1千里を走るという駿馬でした。そんな名馬に乗ったちから姫に叶う者はいませんでした。
王様としては、できればお姫様より強い王子を選ぼうとしましたが、それは所詮、無理な話でした。
その武闘大会を毎日眺めていた一人の青年がいました。そして、たくさんの男たちを容赦なく負かすちから姫のことを憧れの眼差しで見ていました。
彼は背が小さく、しかも腕っぷしに全く自信がありません。本ばかり読んでいる学者肌。彼みたいな人を本当に「虫をも殺せない」人というのでしょうか。
そんな彼がお姫様にプロポーズをしました。
ちから姫は彼と会い、最初に背が小さいのに驚きましたが、話していて楽しいし、なんといってもその頭脳優秀さに惚れました。王様も、彼の知力、そして娘の武力があれば、二人して立派にこの国を治められると考え、結婚に賛成しました。
新婚初夜。
王子はちから姫の大きな腕に抱きつき、「大木に蝉」と呟きながら、ミーン、ミーンと鳴きました。ちから姫は母性本能がくすぐられ、彼のことをお姫様だっこしました。
そして二人は幸せに結ばれました。お陰でその国はずっと平和が続きました。
おしまい
