今回は、ゆきなさん(ロック所属)について、H31年2月結のDX歌舞伎での公演模様を、作品「わすれなぐさ」と中条彩乃さんとのチーム「おんざろっく。」を題材に語りたい。
H31年2月結のDX歌舞伎に初日から顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①西園寺瞳(ロック)、②埃(DX歌舞伎) 、③中条綾彩乃(ロック)、④ゆきな(ロック)、⑤鈴木千里(ロック)、⑥熊野あゆ(ロック)〔敬称略〕。埃さん以外はALLロック。今週は、熊野あゆさんがDXK初乗り。
今週の目玉は、ゆきなさんと中条彩乃さんのチーム「おんざろっく。」。二日目の22日から初披露。なお、初日は演目「わすれなぐさ」一本。
二日目から、1,3回目は演目「わすれなぐさ」、2,4回目にチームショー。
最初に、演目「わすれなぐさ」について触れたい。先週の東洋でも拝見したばかりでとても素敵な作品なので是非、観劇レポートしたいと思っていた。
ゆきなさんの作品は、本人のはっちゃけた性格を反映したものが多いが、その中にしっとりした素敵な作品がある。ゆきなさんの女の子を感じる。この演目「わすれなぐさ」はその典型だ。めちゃくちゃ選曲がいいし、その振付が雅麗華先生だから完璧だ。
特に、一曲目を聴いたときに「これはジブリの曲だ」とピンときた。お陰ですぐにこの作品に魅了された。私のジブリ狂いは、昨年の夏に、ゆきなさんの作品「千と千尋の神隠し」を拝見したのがきっかけだった。素敵なジブリの世界に導いて頂き、ゆきなさんには心から感謝している。
さて、さっそく演目「わすれなぐさ」を紹介する。
最初に、緑色の着物姿で登場。緑の葉をメインにして白と赤の花柄が描かれている素敵な着物である。オレンジの帯を緑の紐で縛る。頭には、ピンクとブルーの花飾りで髪をひとつ結っている。花飾りから紐が垂れる。
音楽に合わせ、白足袋で舞い踊る。
一曲目は、魔女の宅急便でお馴染みの、井上あずみの「めぐる季節」。作詞:吉元由美、作曲:久石譲。久石譲さんのメロディはジブリそのもの。この中の歌詞♪「幸せをさがす人が一番幸せだって」が私のお気に入りのフレーズ。
二曲目は、ふくろうずの「ユアソング」。作詞:内田万里、作曲:内田万里。「ふくろうず」は内田万理(Vo./Key.)、石井竜太(Gt.)、安西卓丸(Ba./Cho.)、高城琢郎(Dr.)からなる"New J-POP"バンド。ボーカルの内田万里がすべての楽曲の作詞作曲を手がける。
二曲目に入って、赤と金の大きな扇子で舞い踊る。
徐々に着物を脱いでいき、緑の襦袢姿になる。
ここで一旦暗転し、音楽が変わり、着替える。
次の水イメの着物も素敵だ。きれいな花柄が刺繍されており、ピンクの帯を巻く。
音楽は、テレビドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の主題歌である、手嶌葵さんの「明日への手紙」。
そのままベッドショーへ。
立ち上がりは、いきものがかりの「ノスタルジア」。作詞:水野良樹,作曲:水野良樹。
さてさて、本命のチームショーの話をしよう。
今回のチーム「おんざろっく。」を前にして、ゆきなさんと中条彩乃さんがどんなチームになり、二人のチームショーがどんな魅力を持つかを考察してみよう。
お二人が仲良しであることは今回初めて知った。どんな相性なのか私には分からないが、まずお二人の共通点と言えば、2017年組という同期であること(しかも年齢=学年も同じ)、底抜けに明るいところ、ポラの時の声がめっちゃ高いこと(笑)。これだけ並べても確かに気が合うだろうね。このお二人のチームとなると、よく言えば明るく楽しいことであり、悪く言えば‘かしましい’ところ(失礼↓)、かな。
いずれにせよ、チームというのは1+1=2ではなく必ず2以上の相乗効果がある。一人だけでもセクシーなのに、二人でこれでもかこれでもかとセクシー攻撃してくるのだから男性はたまりません。感想を尋ねられたら「最高です」という答えしかない。
とくに、若手の元気のいい二人のチームショーだから、元気100倍で観ている方としては楽しくてたまらない♪ 両方のファンのみならず、片方のファンであっても、いやファンでなくても、必ずこのチームショーを楽しめる内容になっている。
一般的なチームショーの特徴と魅力について考えてみよう。私がこの20年のスト歴で感じているチームというのは、大きく二つのタイプに分かれる。
ひとつは、同じタイプの二人がきれいに揃って踊るという‘左右対称の妙’が売り(ここではAタイプと呼ぶ)。これには同じダンスのレベルじゃないとダメで、ダンスでぐいぐい押すケースが多い。
もうひとつは、違うタイプの二人が一緒に踊り、違うからこそ‘組み合わせの妙’が楽しめるもの(ここではBタイプと呼ぶ)。ストーリーが楽しめるものも多い。
今回の「おんざろっく。」を考えた場合、先ほど述べたように共通する二人にAタイプを狙わせたのだろうが、実質はBタイプになっている気がした。
というのは、二人は共通しているように思えて、実はかなりタイプが違う。一人一人のステージでは感じなかったが、二人で並んで演じることにより、その違いがより際立って見えた。
ゆきなさんは色白で華奢な体形。それに対して、スポーツ女子である彩乃さんは身体がひと回り大きく筋肉質に引き締まっている。宝塚で言えば、ゆきなさんが娘役で、彩乃さんが男役という感じなのだ。また面白いのが、ゆきなさんが使う曲は女性曲だけだが、彩乃さんは男性曲も積極的に使う。彩乃さんの作風にはそれがマッチしていると感ずる。だからというわけではないが、宝塚風に演じてみるのも面白いと思うのだが、ともあれ、今回のチームショーではお二人が同じ衣装で左右対称のダンスで押す構成にしている。
以上が、最初にステージを二度拝見した私の率直な感想だった。
ともあれ、ステージ模様を私なりに紹介する。
最初に、二人で紺の音楽隊のような制服姿で登場。頭はブルーのリボンでひとつ結び。
上半身は長袖で、白い襟と金色のリボン、サスペンダーとベルトの飾り、そしてミニスカート。サスペンダーの横とスカートの裾に金線が入る。胸元から金の釦が縦に並ぶ。彩乃さんは黒いストッキングを履き、ゆきなさんは履いていない。そして、足元は黒いロングブーツ。
音楽に合わせ、二人そろって踊る。
一曲目は、欅坂46の「ガラスを割れ!」。おっおっおっ!という掛け声で始まる。
二曲目は、BiSHの「サラバかな」。
ここで、一旦、暗転し、ゆきなさんのソロバージョンになる。
ゆきなさんがピンクのドレス姿で登場。上半身は、胸元が開いており、背中部も空いている。上半身はポチポチの宝石でキラキラしている。スカートは足元まで流れる。
音楽に合わせ、裸足で踊る。三曲目は、アイナ・ジ・エンド (BiSH)の「きえないで」。しっとりした曲だ。舞台から盆に移動し、ベッドショーへ。
近くに来たのでアクセサリーを目で追う。銀のネックレス。左手首にガラスのブレスレットを二本。手足に赤いマニキュア。
ベッド曲は、洋楽で、Ellie Goulding(エリー・ゴールディング)の「Love Me Like You Do」。名曲である。
また、一旦、暗転し、次は彩乃さんのソロバージョンになる。
彩乃さんはブレザーでかっこよく決めてくる。黒いコルセット状の上着の上に、赤いブレザーを羽織る。ブレザーの襟元は大きな丸い黒、そして裾から黒い布を垂らしている。下半身は、黒いパンティに黒いガーターと黒いストッキング。足元は赤いブーツ。という感じで、黒と赤がコントラストしている。頭は同じくポニーテ―ルにひとつ結び。
音楽に合わせ、かっこよく踊る。
五曲目は、中島美嘉の「LIFE」で、六曲目は中島美嘉・加藤ミリヤの「Gift」と、中島美嘉のメッセージ色の強い二曲が続く。
上着を脱いで胸をはだける。そのままベッドショーに移動。近くに来たのでアクセサリーを目で追う。左手首に純金のブレスレット。
ベッド曲は、七曲目で初めて男性ボーカルになる。BUMP OF CHICKENの「カルマ」。BUMP OF CHICKENは彩乃さんの演目「私と今 -2018-」の一曲目でも使われたお気に入りのバンド。すごくマッチしている。
一旦暗転し、ここから後半戦になる。最初に、ゆきなさんが登場して、トークを始める。
その間に、彩乃さんが衣装替えして、二人が揃う。
頭には白い髪飾り。上下セパレートの衣装。上半身は肩紐でブラを吊るす。胸元中央に銀のワンポイント。スカート部はふわふわ。両手首にふわふわの布を巻く。彩乃さんは黄色、ゆきなさんはピンクという基調色で、髪飾り、胸元のリボン、左腰のリボンにその色彩を付ける。足元は花柄の刺繍が施された白いシューズ。
音楽に合わせ、二人でダンス。八曲目は、NMB48の同期である山本彩&吉田朱里の「アボガドじゃね~し…」で楽しく踊る。九曲目は、TANAKA ALICEの「Waiting For U」。ここで、青と黄色・ピンクという色層の大きなバスケットを運んでくる。上にはパンダとうさぎのぬいぐるみを置いてある。その中から、ネグリジェを取り出して着替える。色彩は同じく、彩乃さんは黄色、ゆきなさんはピンクという基調色。
そのまま、二人でベッドショーへ。パンティを脱いで胸元に結ぶ。10曲目のベッド曲は、Little Glee Monsterの「だから、ひとりじゃない」。
最後に、着替える。二人のチーム「おんざろっく。」の白い記念Tシャツ。バドワイザーのような絵柄の中に「おんざろっく。」と記載されている。スカート部はふわふわで、ゆきなさんがピンク色、彩乃さんが黄色。手首にも白い布を巻く。白いシューズで、音楽に合わせ踊る。
ラストの11曲目は、本作二回目の男性ボーカルで、WANIMAの「シグナル」。元気に盛り上がる。
今のロックで勢いのある二人のチームショー。ヤングパワー爆発で盛り上がらないわけがない。お互いのファン層を取り込んで、ますます人気がブレイクするだろう。
チームショーというのはソロに比べ大変だが、頑張った分以上に必ず自分のプラスになる。彩乃さんのポラコメに「去年からずーっと言ってたチームショー、実現できて本当にうれしい。レッスンオフは2頭の10日間。そのあとはゆきな姐さん東洋、私は川崎でそれぞれレッスンをして、今デラカブ。本当によくやったと思う。(笑)」とあった。頑張った跡がよく出ていたと思う。そして、この苦労は間違いなく二人の成長の肥やしになる。
新しいことへの挑戦の中で、また新しい自分を発見できる。新しいことに挑戦する姿に元気とパワーをもらえるよ。
平成31年2月 DX歌舞伎にて