中条彩乃さん(ロック所属)について、2020年12月結の大阪東洋ショー劇場での公演模様を、新作「水月鏡花」を題材に、「ストリップははかない幻なのか?」という題名で語りたい。

 

 

2020年12月26日、年末の挨拶を兼ね、大阪東洋ショーに顔を出す。

その週の香盤は次の通り。①榎本らん(東洋)、②松本なな(東洋)、③うららか麗(東洋)、④中条彩乃(ロック)、⑤真白希美(ロック)〔敬称略〕。うららか麗さんのデビュー週になる。

 

 スト仲間が前週に広島に遠征して、中条彩乃さんの新作を拝見した!とメールをくれた。また新作を出したのか!? こりゃ新作のスピードが速くて付いていくのが大変だぁ~

 新作名は「水月鏡花(すいげつきょうか)」。正直メールでは読み方さえ分からなかった。でも字のイメージはとても美しい。さて、なんのこっちゃ? ネットで意味を検索する。<はかない幻のたとえ。目には見えるが、手に取ることのできないもののたとえ> 他にも<または、詩文などの作品から、感じ取ることができるが言葉では表すことができない奥深い味わいのこと。>とある。

 事前勉強はこのくらいにして、さっさく新作「水月鏡花」のステージ内容を観てみる。

「MIKA姐さん振付」と教えてもらい俄然興味が湧く。

 

 盆の上からスタート。

 うさぎをイメージした黒い衣装を着ている。ショートヘアがよく似合う。上着は、うさぎの耳が付いたフード付き。胸元と腰にはふわふわの黒い毛皮。足元までふわりと流れる黒いスカート。裸足で踊る。光る球を持つ。月をイメージしているのだろう。

 うさぎと月・・・

 一曲目は、Orangestar feat. 初音ミクが歌う「回る空うさぎ」。

 ボカロ曲とはとても思えない美しい曲である。初音ミクの柔らかい歌声と歌うようなピアノとの共鳴が印象的。歌詞がとても意味深で美しい台詞が並ぶ。MVの画像もとても綺麗。

Orangestar(オレンジスター、1997年8月20日 – 現在23歳)は、1st PLACEから発売されているIAなどの音声合成ソフトVOCALOIDをボーカルに用いたオリジナル楽曲を発表している音楽プロデューサー、ボカロP。別名は蜜柑星P。配偶者はクリエイターの夏背。『回る空うさぎ』は23作目にあたる。

⇒ すごく綺麗な日本語で歌ってるから、てっきり日本人と思ってたら韓国の方というのにすごく衝撃を受けた!

歌い出し♪「また月が昇る 今日が終わりだす 願い奏でる 言葉をのみこむ Friday… 」

ちょっと聴いただけでは最初は意味が分からなかった。月が回ることを月に住むうさぎに例えているようだ。心で受け止めて聴くしかない感じかな。私なりにこう解釈した。

どうやら金曜日の夜、月が昇り出すのを見てふさぎ込む

願いをかけるも叶わず、今日も一日が、いや一週間が過ぎてしまった

これじゃダメだと一念発起するも空回り

時間はいたずらに過ぎていく

月が夜空を一周しながら満月や半月、三日月へと変わっていくように…

思うようにならず、もがき苦しむ日々が続いた

でも、最後には、流れ星が流れるごとく、願いが叶う

この「回る空うさぎ」は、中条彩乃そのものか。タイトルの「水月」、水にうつる月のごとく、月を、願いを手に入れようともがく姿を描いている。

音楽が変わり着替える。

薄暗い中を、大きな緑のベールを頭からかぶって裸足で登場。金の首輪。白いブラ。白いベルトに黒いスカートがふわふわとなびく。手には先ほどの白い光る球を持つ。

ここでも、暗い宇宙空間に浮かぶ惑星をイメージしているように思える。

衣装をすべて脱ぎ、緑のベールを振りながら、舞い踊る。

二曲目は、KOKIAの「記憶の光」。彼女の伸びやかな歌声は、水月鏡花のイメージにピッタリだ。  

 歌い出し♪「信じている 未来だけが 1つの答えなのか 誰も知らない 記憶だけは… 」

この曲をネットで調べて私は釘付けになった。映画「宇宙戦艦ヤマト2199 第四章「銀河辺境の攻防」」エンディングテーマだ。この歌こそがヤマトの戦いを静かに彩っていたのだ。

「宇宙戦艦ヤマト」は私の青春のひとつ。高校三年の文化祭で、私のクラスは「宇宙戦艦ヤマト」をテーマに選んだ。グランドには大きなパネルを描き上げ、教室は宇宙戦艦ヤマトの艦内のイメージに改造した。仲間との思い出が蘇る。

ヤマトの一作目『宇宙戦艦ヤマト』は、1974年に讀賣テレビ放送・日本テレビ放送網で放送されたテレビアニメ。全26話。企画時では全52話、更に放送開始時では全39話にする予定だったのが、同時間帯に放送されていた『アルプスの少女ハイジ』(フジテレビ)、『猿の軍団』(TBS)などの影響もあって視聴率が低迷し、本来の予定回数(全39話)から全26話に短縮されたのがヤマトファンである私としては今でも残念に思う。

しかし、再放送などで改めて注目され、再編集した劇場映画が公開される頃までには社会現象とも言える大ブームとなっていた。子供のものと思われていたアニメ作品に中・高校生から青年層までの幅広い視聴者が存在していたことを広く示すことになった。その後の『銀河鉄道999』『機動戦士ガンダム』『超時空要塞マクロス』『新世紀エヴァンゲリオン』に至るアニメブームの先駆けとなった。

『宇宙戦艦ヤマト』は松本零士原作かと思われるがそうではない。本作品の著作のクレジットはオフィスアカデミーであり、小説や漫画などの形で先行した、いわゆる原作(漫画、小説)は存在しない。このアニメの原作は西崎義展、山本暎一(企画原案)と紹介されているが、このアニメの監督はやっばり松本零士なんだよー。私は松本零士が大好き。

そういう中で、『宇宙戦艦ヤマト』のリメイク作品にあたる『宇宙戦艦ヤマト2199』(うちゅうせんかんやまとにいいちきゅうきゅう)に出会え感無量になった。2012年に劇場先行公開およびビデオソフト先行発売、2013年4月7日から同年9月29日までMBS・TBS系列でテレビ放送されたアニメ作品。1974年の『宇宙戦艦ヤマト』第1作を原典とする38年ぶりのリメイク作品であり、素材は完全新作アニメーションとして制作された。

彩乃さんはこの映画かアニメを観たのかな? この時期の私は恥ずかしながらストリップばかり観ていたから目に留まらなかったんだな。(笑)

彩乃さんは、この歌やアニメから、言葉では言い表せないような心に感知する趣きを覚えたのかな。私としては、思い出そのものが<水月鏡花>なのかもしれないな、とふと思えた。高校三年生のときは必死で受験勉強していた。また、すごく純粋だった。遠い昔のことではあるが、今のようにストリップに夢中になっている自分はとても想像できなかっただろうな。あの当時の自分の願いは叶ったのだろうか。今のストリップ三昧の自分を見たら幻滅するかな。それとも憧れの女性ヌードを見れて羨ましく思うかな。そんなことをふと考えてしまった。ともあれ、好きなこと三昧をしている今の自分に後悔はない。おそらく、当時の<水月鏡花>の願いが今に繋がっているような気がしてならない。

おっと、話をステージに戻します。

 

 音楽が変わり、袖に入って着替える。

 ふわふわした白いドレスを羽織って、白い光る球をもって全裸で舞い踊り、そして盆に移動する。

 三曲目は、Aimerの「VOICE」。作詞:aimerrhythm. 作曲:Masahiro Tobinai.。

歌い出し♪「一人では長すぎる夜 ねえ今夜夢は見られるの? 叶わない願いを胸に漏れるため息が虚しい できるなら こんな感情(おもい)は 失くしたってかまわない どうして 涙を流し ...」

 久しぶりに彩乃さんのトレードマークであるAimerの曲が登場したね。しかも、<水月鏡花>の心境を切々と歌っている! 一曲目や二曲目とリンクして、最後はAimerに行きつくといった感じだね。

 最後のベッド曲は、アニメ「ギルティクラウン」のインスト曲「Krone」。挿入歌の「Bios」のピアノバージョンが「Krone」というらしい。このアニメはフジテレビ系列『ノイタミナ』枠にて、2011年10月13日から2012年3月22日まで放送されました。

フィギュアスケートの高橋大輔がギルティクラウンのkroneを使って滑ったのが話題になりました。なんか、スケートリンクの氷がまるで鏡のように思え<水月鏡花>に繋がってきます。

 

私は、ネットの無料動画で、このアニメ「ギルティクラウン」やアニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」の第一話だけを観ました。どちらも興味深く、時間的余裕があったら観てみたい。同時に、これらのアニメ世界が全て<水月鏡花>に思えました。はかない幻の世界です。

 ふと、ボラに写る踊り子の笑顔も<水月鏡花>に思えてきました。どんなに踊り子に夢中になっても、それは触れられない「はかない幻」なんです。

 そんな「はかない幻」に夢中になって時間とお金を費やして虚しくないのか?

 でも、結局、人はパンのみでは生きていけないのです。心を満たしてくれるものを求めて、それを生きるエネルギーにしないと生きていけないのです。だから、私にはストリップがあるのです。

 

 

2021年2月                           京都DX東寺にて

 

 

【中条彩乃さんからの返事】

「水月鏡花」・・・この言葉をなんで知ったかは覚えていないけれど、この言葉の意味を知ったときに、“これストリップじゃん”って思ったんだ。(笑) 水、月、鏡、花を使って演目ができないかと考えたよ。5メートルの布で水を、光るボールとうさぎで月を連想できるようにしたんだ。鏡はお客さんの瞳、そしてそこに映る私が花。そう、お客さんも、私に触れられないけど、みんなの目にうつる私を、私は触れることができないんだ。そんな儚い、一瞬を‘記憶の光’にして、永久に大事にできたらいいなと思います。

レポートのラスト。‘心を満たしてくれるものを求めて…’まさにそうだなーって思ったよ。技術的にも、もっとスキルアップしたいけど、誰かの心に寄り添えるような踊り子になりたいです。