ロックの踊り子/鈴木ミントさんについて、H31(2019)年3月頭の広島第一劇場の公演模様を、演目「銀河鉄道」を題材に語ります。なお、本レポートは鈴木ミントさんの「ストリップの妖精に恋をする」シリーズ(その13)になる。
H31(2019)年3月頭の広島第一劇場に顔を出す。広島は今年のお正月公演ぶりになる。大阪から夜行バスで行ったので早朝六時半頃に到着。もちろんトップで場所取りをして定宿のカプセルホテル・ニュージャパンの早朝サウナで寛ぐ。
今回は二日間の滞在予定。
今週の香盤は次の通り。①愛野いづみ(道劇)、②浅葱アゲハ(フリー)、③小春(ロック)、④鈴木ミント(ロック)。開場は12時だが、四人香盤なので平日の開演は14時から。
今回は私的にいいメンバーが揃って嬉しい。
私が行った第一日目は、演目「銀河鉄道」「いちご」「PINK」「千本桜」の四個出し。二日目は演目「銀河鉄道」「いちご」「紅葉狩り」「千本桜」の四個出し。いつもは三回目まで観るのが限界の私だが、まだ観たことのない演目「千本桜」と聞いて四回目まで拝見した。
演目「いちご」は1月中のDX歌舞伎で初出しを拝見していたが、そのときは内容が違っていて驚いた。なんと、ベッドショーでいちごミルクを全身にかける。白い液体が大好きなミントちゃんを濡らし、なんか想像しちゃって興奮するよー♪ 「DXKの時はマットが届いていなかったのでノーマルバージョンでしたが、本来はこっちなのっ!!」
私はこの週にミントさんから、いちごミルクのお絵描きを頂いた。「たくさんのお客さんのミルクを浴びて、いちごミルクちゃんになりました」きっっと私のミルクも入っているよー♡
今週は、観たことのない演目が三個も。演目「銀河鉄道」「PINK」「千本桜」。
演目「PINK」は「Mint green」の姉妹作品。「この演目見て頂くの初めてでしたかっ!? AKBシリーズの初代さんであります。」私は初見と思って過去の観劇レポートを見てみたら、あらっ!? H29年暮れの栗橋で拝見していましたわ。忘れていて大変失礼しました。
ということで、今回の観劇レポートは演目「銀河鉄道」「千本桜」の二つにします。
最初に、作品「銀河鉄道」。
銀河鉄道と聞くと、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と松本零士の漫画「銀河鉄道999」が思い浮かぶ。どちらかがモチーフかな? ミントさんから「どっちかっていうと999の方のイメージです。宮沢賢治さんの方も作ろうと思っているのです。」とのコメントを頂く。
宮沢賢治を敬愛する私としては、この作品「銀河鉄道」はいい加減なレポートを書けないし、これを機に、童話も書きたい。気合が入ってきたぞー。えいっ❢
次のような内容である。
最初に、ミントさんらしい斬新なデザインの洋服で登場。クリーム色の制服っぽいダブル釦の上着。腕輪の部分、そしてスカート部はバーバーリーのチェック柄。スカートはギザギザ生地。
ポニーテールの髪型。金のネックレス。足元は黒いストッキングに黒いシューズを履く。
音楽に合わせて、軽快に踊る。ときに銀の望遠鏡を取り出して覗く。
一曲目は、SEKAINO OWARI 「スターライトパレード」。この選曲が光るねぇ。メジャー2枚目のシングルとして2011年11月23日にTOY'S FACTORYから発売。作詞:深瀬慧、作曲:中島真一。
文明が発達するたびに奪われていくものを「夜空の星の光」に例え歌った曲。
2011年8月に発売された「INORI」以来3ヶ月ぶりとなるシングルとなった。第1回NHK・民放連共同ラジオキャンペーン「はじめまして、ラジオです。」のテーマソングというタイアップが先に決定していて、自他ともに認めるラジオ好きの中島(リーダーのNakjin(なかじん))が作曲を務めることになった。制作された頃、「以前作っていたメロディに詞を付けていく」というスタイルをとっていて、詞は2011年1月頃に付けられた。仮タイトルは「眠れぬ街」だった。作詞したボーカルのFukaseは、「絵本『おしいれのぼうけん』のような、眠れない夜に突然魔法の国に行くような、『眠れない時の幻想的な夜』というのを演出したかった。」と語っている。
一曲目が終わって、いったん暗転。
音楽が変わり、着替える。
今度は、銀河鉄道の車掌をイメージした格好。黒い社長帽をかぶる。黒い制服で、金のボタンが並ぶ。襟と袖とポケットが赤。肩から金のマフラーみたいなものを掛けている。黒いズボン。黒いシューズ。そして白い手袋。かなり衣装に凝っている。
音楽に乗って、踊る。おもむろに、盆前のお客に、切符を配る。「ミントからありがとう」と印字され、私には手書きで「アンドロメダ行き」と行先が記してあった。人によっては道後行きとあったようだ。ミントさんから「切符にかなりこだわりました(笑)」のコメントあり。
丸い懐中時計を取り出して銀河鉄道が出発する。
二曲目は、DAISHI DANCEの『FANTASTIC JOURNEY feat.Crystal Kay』。ミントさんから「平松ケイさんの引退の時の浅草で作った曲(2曲目)を使ってます~♪」とのコメントあり。Daishi Dance、3年振り待望のNewアルバム「WONDER Tourism」から。作詞:Lori Fine(COLDFEET)、作曲: DAISHI DANCE/Tomoharu Moriya。
ここで一旦、暗転。
音楽が変わり、着替える。
白いシャツを羽織って登場。黒い帽子に黒い紐ネクタイ。そして黒いパンティ、黒いストッキング、黒いロングブーツと、白と黒のコントラスト。更によく見ると、黒いマニキュア。
三曲目は、福耳の「星のかけらを探しに行こう Again」。初めて聴く曲だ。福耳という名前も面白そう。少しこだわって調べた。福耳の1枚目のシングル。1999年7月14日にキティより発売。作詞:K・Y・O・K・O 作曲:馬場一嘉 編曲:福耳Project 弦編曲:森英治。
もともと1995年に杏子のシングルとしてリリースされた「星のかけらを探しに行こう」をリメイクしたもの。1998年、Zepp Sapporoの杮落しライブ「福耳」に、杏子、山崎まさよし、スガシカオの3人で出演し、3人で杏子のシングル曲『星のかけらを探しに行こう Again』を合唱する。翌1999年、杏子・山崎・スガの3名が『星のかけらを探しに行こう Again』を「福耳」名義によるシングルとしてリリース。2001年には、3人の所属するオフィスオーガスタ所属アーティストの出演する野外コンサート「Augusta Camp」にて元ちとせを加えて「福耳」が復活。以後、ほぼ全員で構成するユニットへと成長し、不定期にシングル・アルバムなどをリリースしている。なお、結成のきっかけとなった一人であるスガは2011年にオフィスオーガスタから独立しており、以後の「福耳」の活動には参加していない。
ユニット名の由来が面白い。メンバーがラジオ番組などで語ったところによると、元々「福耳」はオフィスオーガスタ社長の森川欣信が、かつてより気に入っていた単語であり、最初は1997年の山崎のアルバムのタイトルにしかけたが、山崎に反対され、叶わなかったという(アルバムは『HOME』のタイトルで発売)。続いて、同年のスガのアルバムのタイトルに付けようとしたが、同じくスガに断られたという(アルバムは『Clover』のタイトルで発売)。 結局、使われずに来た「福耳」は、スペシャルユニットの名称として採用された。
杏子(きょうこ、1960年8月10日 - 現在58歳)は、日本の歌手である。オフィスオーガスタ所属。音楽活動の他にもラジオパーソナリティやテレビドラマ出演など幅広く活動している。本名は関原 京子。
そのまま、ベッドショーへ。
アクセサリーを目で追う。純金のネックレス、右手薬指に純金のリング。
立ち上がり曲は、[Alexandros]の「ワタリドリ」。これもノリノリサウンドのいい曲だな♪ この曲にも興味が湧き色々調べたよ。通算10枚目のシングルとして、2015年3月18日にユニバーサルミュージックから発売された。作詞・作曲:川上洋平 / 編曲:[Alexandros]。この曲はオリコンチャートでは、2015年3月30日付のシングルCD週間ランキングで初登場5位を獲得し、同バンド初のトップ5入りを果たす。これにより同バンドのシングルCD最高位を「Run Away/Oblivion」以来2作ぶりに更新した。この曲は、ショウゲート配給映画『明烏』主題歌。バンドとしての映画主題歌は初となる。また沢山のCMソングに採用されている。アサヒビール「アサヒ ザ・ドリーム」CMソング。日本テレビ系「Iwataniスペシャル鳥人間コンテスト2015」テーマソングSUBARU「XV」CMソング(2018年)。また大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンのアトラクション「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」で乗車しながら聞くことができる。
[ALEXANDROS](アレキサンドロス)は、日本のロックバンド。所属事務所はUKPM[3]。所属レーベルはUNIVERSAL J/RX-RECORDS。2014年3月までの旧バンド名は、[Champagne](シャンペイン)。2001年に川上洋平が青山学院大学にてバンドを結成。幾度のメンバー交代を経て、2010年に現メンバー(川上 洋平、磯部 寛之、白井 眞輝、庄村 聡泰)となる。磯部以外同じ高校の出身であり、庄村は川上と白井の一つ後輩であった。
バンドのロゴは2009年9月頃にRX-RECORDSのHP上で一般公募された。[ ]をつけた理由はロゴをラベルのようにしたかったためということと、またこれも後付けの理由として、「格好つける」と「括弧つける」を掛けている、というものがあるが、本人はあまりそう考えていないらしい。
長くなったので、演目「千本桜」については別レポートにする。
私は、銀河鉄道には思い入れが深いので、まずここで、どうしても童話が書きたくなった。
今回の広島遠征記念として、深夜バスに揺られながら、ストリップ童話「銀河鉄道999」の構想を浮かべた。ミントさんにプレゼントしたい。
~鈴木ミントさん(ロック所属)の作品「銀河鉄道」を記念して~
鉄郎は、女に縁のない野暮ったい青年だった。三畳一間の汚いアパートに一人住まい。布団を年中敷きっぱなしにしているので、サルマタケと呼ばれるきのこが生えてくるほどだった。めっぽう細菌に強いのか病気も近づかない。ただ不潔だから女に縁がない。毎夜、週刊誌のグラビアを見ながらオナニーに耽るのが彼の日課であった。
そんな彼が場末のストリップ劇場にふらりと入った。劇場の受付嬢が、彼の汚い身なりを見て一瞬顔を歪めた。しかし、鉄郎が入場料3000円を払ったので黙って入れてくれた。
受付横の階段を上って二階の分厚い扉を開けた。大きな音量が耳をつんざく。
ピンクの照明を浴びた一人の踊り子がステージの上にいた。「なんて綺麗なんだろう~」鉄郎は彼女の姿を一目見た瞬間に身体が凍り付いた。
鉄郎は吸い込まれるように、空いているかぶりの席に座った。彼女がチラッと鉄郎を見たが、何事もないかのごとく踊り続けた。
踊り子は黒い衣装を着ていた。まるでロシアの女性が防寒着のコートを羽織っている感じであったが、外国の喪服姿のようにも見えた。
彼女の最大の魅力は流し目だった。鉄郎は彼女の視線に釘付けになった。
踊り子の名前はメーテル。
そして演じているのは「銀河鉄道」という作品だった。
彼女は途中から車掌の恰好に着替えた。車掌の帽子を小粋にかぶり、黒い上下の制服を着て、胸には金のボタンが整然と並んでいた。車掌はおもむろに切符を取り出し、かぶり席の客に配りだした。
メーテルは鉄郎の前に来て、彼にも切符を渡した。そのとき彼の耳元で「この切符は実際に使えますよ」と囁いた。鉄郎は一瞬「えっ!」という顔をした。切符を見ると‘アンドロメダ行き’と書いてあった。
鉄郎はストリップ劇場を出て、自分のアパートに戻った。そして、いつものように布団の上でオナニーに耽った。今夜は劇場で出会ったメーテルのことを思い浮かべていた。彼は、ふと渡された切符を取り出して眺めた。「メーテルと一緒にアンドロメダまで旅をしたな」と思った。彼は布団の上で果てて、そのまま寝入った。
夢の中にメーテルが現れた。彼の手をとって、じっと視線を合わせて「これから、私と一緒にストリップの旅に出掛けましょう!」と誘ってくれた。鉄郎は黙って頷いた。
鉄郎は翌日からメーテル目当てでストリップ劇場通いが始まった。
メーテルは全てが分かっているかのように、鉄郎を受け入れた。
「あなたを、どんな女性を前にしても動揺しないで相手ができるような、機械のように強い精神構造にしてあげる!」とメーテルは鉄郎に言いました。メーテルは身体の隅から隅まで鉄郎に見せてくれた。最初のうちメーテルが鉄郎の目の前でオープンした時には、後ろにひっくり返るほどに興奮していた鉄郎でしたが、次第にメーテルの性器に目が慣れるようになりました。「この世にこれほど綺麗なものはない♡」そう思って鉄郎はメーテルの性器を眺めていました。
メーテルは頃合いを見て、鉄郎に言いました。
「そろそろ、私以外の女性も経験した方がいいわね。鉄郎は若いのだから、デビューしたばかりの初々しい女性の性器も見てきなさい。私よりも素敵な子がいたら鞍替えしてもいいわよ。」とメーテルは言いました。
「いやだ!ぼくはメーテルがいい。メーテルの側にずっと居たい!」と鉄郎は言いました。
それに対して、「あなたは機械のように強い精神構造を持たないといけない。そのためには新しい女性をも経験しておく必要があるのよ。」とメーテルはきっぱりと言った。
鉄郎には「自分はもっともっと強い男になりたい。そのためにもメーテルが言う‘機械のように強い精神構造’が絶対に必要なのだ。」という目標があった。
メーテルは優しく鉄郎に言った。「たくさんの女性を経験してらっしゃい。そして私のことを思い出したらいつでも帰ってらっしゃい。私はあなたの古女房でいてあげる。新しい女房に飽きたら、いつでも私が迎えてあげるからね。」
鉄郎はそのメーテルの言葉を胸に抱き、新たなストリップの旅に出掛けることにした。
それから数年の月日が経った。
鉄郎は新人の踊り子たちから慕われ、いつしか‘ストリップのお父さん’と呼ばれるようになった。もちろん、いろんな踊り子さんがいた。鉄郎と楽しいストリップLIFEを送り成長していく子がほとんどだったが、なかには鉄郎の足をひっぱるような恩知らずもいた。いろんなことを経験して鉄郎自身も強い男に成長していった。
楽しいストリップLIFEではあったが、鉄郎の心の中にはいつもメーテルがいた。「やはり、ぼくにはメーテルが必要だ!」
そう決心して鉄郎はメーテルに会いに行った。
メーテルは優しく鉄郎を迎えてくれた。以前は絶対的な美貌を誇ったメーテルも、今では美しさが影を潜めてきていた。
メーテルは逞しくなった鉄郎の顔をじっと見つめて囁いた。「機械のように強い精神構造になったのね。」 それに対して、鉄郎は答えた。「いや、ぼくは機械になんかなりたくない。生身の人間の感情をもって、メーテルのことを愛したいんだ。」
鉄郎は以前メーテルにもらった切符を取り出した。彼はずっとその切符をお守り代わりに財布に入れて大切に持っていたのだ。「ぼくにとってのアンドロメダは、メーテル、君だったんだ!」そう言って、鉄郎はメーテルを抱きしめた。
メーテルの目から涙がこぼれ落ちた。
おしまい
平成31年3月 広島第一劇場にて