今回は、鈴木ミントさん(ロック所属)について、H31年1月中のDX歌舞伎での公演模様を、新作「紅葉狩り」を題材に語りたい。なお、本レポートは鈴木ミントさんの「ストリップの妖精に恋をする」シリーズ(その9)になる。

 

 

H31年1月中のDX歌舞伎に初日から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①沢村れいか(ロック)、②園田しほり(フリー) 、③花咲ぼたん(ロック)、④清水愛(ロック)、⑤友坂麗(ロック)、⑥鈴木ミント(ロック)〔敬称略〕。園田しほりさん以外はALLロック。今週は、清水愛さんが14周年週、沢村れいかさんが1/16BD、鈴木ミントさんが1/19BD、花咲ぼたんがDXK初乗りと話題が盛り沢山。

 

今週のミントさんは初日から四個出し。しかも日替わりで、毎日微妙に順番を変えている。これはファンの方に沢山の演目を観てほしいというミントさんのサービス精神。会社帰りしか来れない人にとっても3,4回目に色んな演目を観れるという心遣いなのだ。私の場合は大体三回目ステージで帰るので、四回目に見逃した演目を別の日に観ることができたのが嬉しい。

前回9月のDX東寺の時に拝見した作品「明日への手紙」についての観劇レポート&童話を長い時間をかけて仕上げていたので、今回持参してお渡しできた。今回も書く気満々。

私としては、今週の観劇レポートの対象としては、前回9月のDX東寺で一度だけ拝見した作品「BLACK」と、まだ拝見していない9周年作品「炎」、最も新しい作品「紅葉狩り」を楽しみにしていた。予想に反して、今週初出しの作品「(仮称)いちご」も加わってうれしい悲鳴状態になっております。どれもこれも素晴らしい。

さあ、ひとつひとつ片付けていきましょう。

 

最初は、初日の二回目ステージで初めて拝見した作品「紅葉狩り」から着手したい。この作品は、浅草の演目を一般の劇場でもできるように譲り受けたものと聞いている。

観た瞬間に、気品ある衣装や雰囲気に魅了された。能がモチーフになっていることから、日本伝統美の厳かさが伝わってくる。

まずは、モチーフになっている「能 紅葉狩」のあらすじをネットで見てみる。・・・

旧暦9月の、紅葉が美しいとある山中にて。

高貴な風情をした女が、侍女を連れて、山の紅葉を愛でようと幕を打ち廻らして、宴を催していました。その酒席に、鹿狩りの途中であった平維茂(たいらのこれもち)の一行が通りかかります。維茂は、道を避けようとしますが、気づいた女たちに「是非ご一緒に」と誘われるまま、宴に加わります。高貴な風情の女はこの世の者とは思えぬ美しさ。酒を勧められ、つい気を許した維茂は酔いつぶれ、眠ってしまいます。それを見届けた女たちは、いずこにか姿を消してしまいます。

ちょうどそのころ、八幡大菩薩の眷属(けんぞく)、武内の神が先の山(実は信濃国戸隠山)への道を急いでいました。維茂を篭絡(ろうらく)した女は、戸隠山の鬼神だったのです。武内の神は、維茂の夢に現れてそのことを告げ、八幡大菩薩からの下された神剣を維茂に授けました。さて、夢から覚めた維茂の目の前には、鬼女が姿を現し、襲いかかってきます。維茂は勇敢に立ち向かい、激しい戦いの末に、みごとに神剣で鬼女を退治しました。・・・

 

 このストーリーに沿って、私の観たままステージ内容を紹介する。

 最初に目に入ってきたのは、真っ赤な紅葉の枝と、紅葉の髪飾り。

 白い着物の上に、紅葉がプリントされた布を羽織る。インスト曲に合わせ、裸足で舞い踊る。この場面は、絶世の美女が紅葉狩りの宴を催しているところ。

音楽は、ピアニストJennifer Thomasの曲「Toccata and Fugue」。アルバム「Illumination」Track 9より。 Jennifer Thomasはシアトル出身のピアニスト、生年月日:1977年6月23日 (41歳)。

 本作品を鑑賞しながら、まず唸らされるのが、日本の伝統芸能である能をモチーフにしていながら、(二曲目の吉田兄弟以外は)私の全く知らない最新の洋楽を多用しており、しかもそれが絶妙にマッチしており場面を盛り上げている点。この選曲眼の素晴らしさに脱帽する。

 ここで音楽が変わり、暗転する。

 音楽は、吉田兄弟の激しい津軽三味線「いぶき」。

 ここで、黒い衣装で、足元も黒い袴、腕にも黒い腕輪をし、その黒い衣装の上に赤い半纏を掛けて登場。髪には紅葉飾りを付けたまま、どこか忍者風な格好。裸足で舞う。赤い大きな盃で酒を呑む。

 この場面は、平維茂(たいらのこれもち)も美女に気を許して酒に酔いつぶれる様を描く。

 音楽が変わり、着替える。

音楽はRammstein(ラムシュタイン)の曲「BOOMERANG (ブーメラン)」。ラムシュタイン(RAMMSTEIN)はドイツのロック・バンド。全員が東ドイツ出身。コンサートでは、大量の火薬や火炎放射器を使った過激な演出でも知られている。

激しい音楽に合わせ、鬼女に変身して登場。

髪はそのまま紅葉飾り。首輪からたくさんの数珠が垂れ下がる。乳房が見える。黒く長い腕輪。腹に黒い布ベルトを巻く。赤いパンティが眩しい。黒い網タイツの下には膝丈の黒いロングブーツを履いている。その上に、最初の場面で出てきた紅葉がプリントされていた布を羽織っている。そのままベッドショーへ。

ベッド曲は、Ibeyi (feat. Kamasi Washington)の曲「Deathless」。アルバム「Ash」から。

イベイー(Ibeyi)は、フランス及びキューバ出身の双子姉妹デュオ。祖先がヨルバ人であり、名前の由来はヨルバ語で「双子」を意味する。歌は英語とヨルバ語で歌われている。

最後の立ち上がり曲は、Linkin Park(リンキン・パーク)の真骨頂ともいえる曲「Faint」。圧倒的な爽快感。メロディーと、シャウト、スピード、ラップ、全てが合わさった名曲。

「フェイント」(Faint)は、アメリカ合衆国のロックバンド「リンキン・パーク」による楽曲で、2作目のスタジオ・アルバム『メテオラ』からのセカンド・シングル。アメリカ合衆国では、2003年6月9日にリリースされた。リンキン・パークのシングルの中で3番目にモダン・ロック・トラックスチャートで1位を獲得した作品である。また、Billboard Hot 100でも最高48位にランクインを果たし、リンキンの中でもかなり激しい曲にもかかわらず、成功を収める。

 

ところが物語では、酔いから覚めた平維茂(たいらのこれもち)は神剣を用いて、鬼女を退治することになる。酔狂かな。いくら鬼女といえども美女ならメロメロになってほしいところじゃないかなー。とくにミントさんみたいに美しい鬼女だったら、私なら喜んで殺されてもいいと思うだろうになぁ~♡

 ふと、そう思って、私の横にいるかぶりの連中を見たら、ミントさんの魅力にメロメロになって死屍累々のしかばねの山になっていた(笑)。当然だよね。

 

 

 今回の作品「紅葉狩り」から、真っ赤な楓の葉がイメージされ、それが手のひらに見えてきた。そこから、ひとつの童話のストーリーが浮かんできた。

正月元旦の新聞の片隅に見つけた内村鑑三の詩をベースにして(太字のところ)、新年早々らしく大樹の物語を奏でてみた。ミントさんにプレゼントしたい。気に入ってもらえるかな。

 

 

平成31年1月                           DX歌舞伎にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『千年樹、恋一葉』  

~鈴木ミントさん(ロック所属)の作品「紅葉狩り」を記念して~

 

 

 

 丘の上に、二人の思い出が詰まった特別な大樹があった。

 

 春の枝には花がある。

 彼は木の下で、ミントに向かって言った。

「ぼくはもうすぐ戦地に旅立つ。必ず君のもとに戻ってくるから待っていてほしい。」

 飛行機乗りになるのが小さい頃からの彼の夢であることを知っていたミントは、彼の瞳がきらきら輝いているのを眩しそうに眺めていた。

 お腹の中には彼の子供が宿っていた。ミントは彼にそのことを告げようかどうか迷っていた。今から戦地に赴く兵士に余計なことを言わないでおこうとそっと心にしまった。

 

 梅雨が始まった。

 彼のいない毎日はつまらなかった。ミントは丘の上に向かった。

 樹の前に立つと、彼との思い出が蘇ってきた。あの日も雨が降っていた。樹の下で雨宿りをしたな・・・

 私が樹に寄りかかると、彼は、私の顔をはさむ形で、両腕を樹についた。

 彼はじっと私の顔を見つめた。「とてもきれいだよ。心から愛しているよ。」と囁くと、彼の顔が近づいてきた。私は黙って彼の口づけを受けた。初めての口づけだった。

 

 夏の枝には葉がある。

 ミントは、また丘の上に向かった。樹の側に居ると彼と一緒のようで淋しさが紛れた。

 強い日差しを避けるように樹の葉影に佇むと、あの日、彼が言った言葉を思い出す。

「これからは僕が君の傘になる。雨の日には濡れないように君を守り、強い日差しのときは君の白い肌を守る日傘になるからね。どんなに傘が破れようが必ず君のことを守ることを誓うよ。」

 私は黙って彼に寄り添った。

 

 秋の枝には実がなる。

 彼との子供が産まれた。男の子だった。

 ミントは丘の上の樹に報告に行った。

 風にのって、ひとひらの楓の葉が飛んできた。まるで赤ん坊の手のひらのよう。彼が喜んでくれているのかしら。

 ミントは楓の葉があまりにも真っ赤に染まっていることに胸騒ぎを覚えた。戦場の血しぶきが見えたような気がした。

 

 冬の枝には慰(なぐさめ)がある。

天からひらひらと雪が舞い落ちてきた。それは彼が戦死したという手紙であった。

 ミントは、心の葉が枯れ落ちるような気分で、丘に向かった。

 樹を前にして、ミントは泣き崩れた。

 樹の枝が、まるで彼の両腕のごとく、ミントを優しく抱きしめた。

 

 ひと通り泣き終えた後に、ミントは意を決し、彼の両腕を振り払うように樹から離れた。そして改めて樹を眺めた。そこには冬木立の景色があった。花や葉や実のある頃には気付かなかったが、それらが消えた冬になって初めて見えてきた景色があった。

 強く生きなければ・・・ミントは覚悟ができた。

 彼が残してくれた忘れ形見を立派に育てあげようと心に誓った。

 

 丘の上の樹は、千年樹と云われた。これまでもたくさんの人々の物語を見てきた。そして、この二人の物語も静かに見守っていくことでしょう。

 

                                  おしまい