H26年1月お正月、ロックの踊り子・鈴木ミントさんを「ストリップの妖精」と題して観劇レポートしてみたい。

 

 

 

H26(2014)年正月、ミントさんがライブシアター栗橋にのることを知り、今年のストリップ始めは鈴木ミントさんに決めた!

1月3日(金)早朝8時半頃、栗橋に到着。車で来たのだが、途中ディズニーランドに向かう車の列で渋滞したため遅れた。四番目だった。トップは美樹うららさんの熱狂的なファンの方でTS系劇場でよく見かける。横浜方面から来たようだ。二番目は鈴木ミントさんの熱狂的なファンの方で、ミントさんを観劇に来ると必ずお会いする。今では親しくお話しさせて頂く。今回は彼がかぶりセンター席に座り、私はその左隣の席。ミントさんのことをいろいろ話してもらい嬉しかった。

ミントさんの今週の出し物は「ALIA」で、私も京都DX東寺で拝見している。ミントさんは昨年H25に新作を二個しか出しておらず、そのうち一個は既に昨年ここ栗橋で披露済み。そのため、もう一個の「ALIA」だけの一個出しにしているようだ。

「ALIA」はアニメらしい。私はそのアニメを全く知らないので、ファンの彼に聞いたが彼も知らないと言っていた。ただ「ALIA」の曲が今回の演目の中に使用されており、またポラの時に流れている曲も「ALIA」の曲のようだ。

 まずは、演目「ALIA」の内容をご紹介する。

 ステージが始まり、ミントさんは青いドレス姿で登場。妖精のように華麗なドレスである。胸元は羽毛のようにふわふわし、ウエスト部分はコルセットのように縦線できゅっと締める。そしてスカート部分は横に重ねるように下に流れる。このドレスは元々、人魚姫の泡をイメージして作ったものらしいが、結果的に水をイメージしたものにしているとミントさんが話してくれた。

 頭には三つの花の髪飾りをして長い髪がなびく。素敵な銀のネックレス。そして、白い大きな羽根をもって舞い踊る。白い羽根は風をイメージしている。青い水の上を白い風がそよぐ。

 次に白いドレスで登場。左肩から斜めに流れる線、スカート部分も左から右下に流れる斬新なデザイン。ふわふわとした布を腰に巻くが、透け透けなので白いパンティがちらちら見える。右手首と右足首に白い布を巻く。裸足でリズミカルに舞う。

 最後にも、白い衣装で登場。先のドレスと似ているが違う。肩から紐で吊るしているロングドレス。上半身は小さい銀色のポチがキラキラ輝く。スカートは横縞が重なるように左から右に流れる。手首には白い蝶がデザインされた腕輪をする。裸足で踊りながらベッド・ショーへ。この衣装の時に使用した曲が「ALIA」の曲なのかな。

 ベットでは、透き通る白い肌がセクシーに迫ってくる。切れ長の瞳を近くで拝見すると胸がときめく。ちらりと白い足の爪マニュキュア(ペディキュア)が見える。

 身体を大きく反るポーズ、足を水平に上げるポーズを次々と決める。大きな拍手とともにステージは幕を閉じる。

 

 最初に、この演目を拝見したとき、アニメのことも知らなかったし、何がテーマになっているか全く分からなかった。

 一回目のミントさんからのポラで「今週は『ARIA』をやってます。水とか風とか流れるイメージ!」とコメントを頂き、これから私の想像力が膨らんでいった。

 すぐに浮かんできた言葉をポエムにしてみた。詩が、すぐに書けた。この日は詩人になれたよ。

 

この日はステージを観ながら、一日中ミントさんのことを考えていた。ミントさんのレポートを書くつもりで栗橋に足を運んだので、私の二日間をミントさんに捧げたい。

また、最初に「ミントさんのレポートを書いてあげるね。明日、届けるよ。」と宣言したので、この手紙を楽しみに待っていることだろう。「私のレポート、どんな内容か、不安でもあり、楽しみだわ」と一日目の最後に笑顔で言われる。ミントさんという大きな目標を前にして、私自身が期待に応えられるかどうか不安になってますよ(笑)。

 

ミントさんは出会った時のままに、ストリップの妖精である。ミントさんほど、ストリップの妖精という言葉にぴったりの方はいないだろう。

 

 

 

平成26年1月                             栗橋にて 

 

 

[事後談]

 当初、二日間を栗橋で過ごす予定だったが、二日目にレポートとポエムを渡した後に、ひとつの童話が浮かんだ。構想を練り始めたら私自身が興奮し、これをどうしても形にしてミントさんに渡したくなった。そのため、もう一日延長して三日間をミントさんと過ごすことにした。お正月休みだったのでそれが可能だったので。

 翌日、童話「風の妖精と水の妖精」を手渡した。ミントさんは前日より何倍も感激してくれた。「本物の、童話作家みたい・・」

 演じながら、私と何度も目が合った。「いまは水の妖精を演じているの。次は風の妖精ね。」そんな気分でステージに向かっていたと話してくれた。この童話が、私とミントさんとの最高の思い出になった。演目「ALIA」は一生忘れられない出し物になった。

 

 

 

 

 

『水が流れるように 風が流れるように』 

~鈴木ミントさんの演目「ALIA」を記念して~

 

 

 ステージに君が現れる

 水が流れるように君は舞い

 風が流れるように君は舞う

 

 君に触れたいけど

 君は風のようにすり抜け 水のように流れていく

 

 君をしっかり目に焼け付けたいけど

 水や風のように透き通る

 

 君はたくさんのオーラを発している

 まぶしいくらいに君を感じる

 

 君はたしかに目の前にいる・・・けどいない

 いつも君は妖精のようにはかない

 

 ぼくは心で観る 心で君を感じる

 ここには愛がある 夢がある

 君の存在がぼくに生きる勇気をくれる

 君に会えるだけでいい

 

 水が流れ

 風が流れ

 時が流れる

 今 ここに 君がいる

 それだけでぼくは幸せになれる

 

 

                                    おしまい     

 

 

 

 

 

         

『風の妖精と水の妖精』 

~鈴木ミントさんの演目「ALIA」を記念して~

 

 

 少女には、妖精が見える不思議な力がありました。

 少女が朝起きると、お日様の妖精が「おはよう」とささやきます。少女が道を歩いていると風の妖精が「こんにちは」と声をかけてきます。道端の草や花が「今日はいい天気ね」と話しかけてきます。小川の水面がきらきら輝いたかと思うと、水の妖精が「今日は雨が降るらしいから傘の準備をしていたらいいよ」と教えてくれます。

 少女は妖精たちのお蔭で気持ちのいい毎日を送っていました。

 

 ある日のこと。

 少女は風の妖精を見つけ口を尖らして問い詰めました。「この前、人間界に竜巻を起こしたでしょ!? あなたがやったのね。家を失って困っている人たちがたくさんいるのよ。どうしてそんな酷いことをするの?」

 風の妖精が困惑しているのを見て、水の妖精がこそこそ隠れようとしました。少女は水の妖精の尻尾を捕まえて、もっと強い口調で問い質しました。

「水の妖精さん、あなたはもっと酷いよわ。津波でたくさんの人々が亡くなったのよ。どうしてそんな酷いことをしたの、、、私には信じられないわ。」

 風の妖精も水の妖精も、かんかんに怒っている少女を前にして困り果てました。というのは、風の妖精と水の妖精は少女のことが大好きだったので、嫌われたくなかったのです。 

「人間が、あまりにも横暴・傲慢になって自然を虐めるからなんだ。自然界の他のたくさんの妖精たちも同じ気持ちなんだよ。」

 風の妖精と水の妖精は、彼女の表情(かお)を窺い、怒りを宥(なだ)めるように言いました。

 

そして、風の妖精と水の妖精は少女に対して「機嫌を直して遊びに行こうよ!」と誘いました。

 風の妖精は、少女を空の世界に誘いました。「ぼくと一緒に風になって空を飛ぼう!」

グライターに少女を乗せました。「わたし、操縦できないわよ」という不安げな声に、「大丈夫!操縦はぼくに任せて。しっかり捕まっていればいいからね。」

 グライダーは風に乗り大空に羽ばたきました。「まるで鳥になって空を飛んでいる気分よ♪」風の妖精は少女に、最高にスリリングで楽しい空中遊泳をプレゼントしました。

また「ぼくと一緒にいたら、夏の暑いときには涼しい風を吹かせるし、冬の寒いときには暖かい風を送ってあげるよ。」と片目をつぶって少女に言いました。

 

 水の妖精は、少女を川下りに誘いました。「ぼくと一緒に水の世界を楽しもう!」

水の妖精は彼女を小さなボートに乗せて川下りをしました。少女は激しい濁流に驚きました。「大丈夫!ぽくが守ってあげるよ。しっかりボートに捕まっていればいいからね。」

 ボートは流れに乗って水の上を滑りました。「まるでお魚さんになった気分よ♪」水の妖精は少女に、最高にスリリングで楽しい川下りをプレゼントしました。

また、「ぼくと一緒にいたら、夏の暑いときには氷をあげるし、冬の寒いときには暖かい飲み物をあげるよ。」と片目をつぶって少女に言いました。

 

 少女は、風の妖精も水の妖精もとても優しいことを知っていました。

 時には悪戯もします。この前は、風の妖精が少女のスカートをめくりました。「こらーっ!」と言ったら舌を出して逃げていきました。水の妖精も、この前、ゲリラ豪雨を降らせ少女の身体をびしょびしょにしました。「もぉー!せっかくおニューの服を着ていたのにー!」と苦笑いです。

 こんな悪戯はしても、風の妖精と水の妖精はいつも面白く、優しく少女に接してくれます。とても紳士的なんです。

 だから、この風の妖精と水の妖精が怒って為した所業について人間にも反省すべき点があるだろうと感じていました。だから、これ以上、風の妖精と水の妖精を責められません。

 でも、二度とそんなことをしてほしくない。そのために私は何ができるのかしら?

 少女は、自分も妖精の仲間入りをすることで、妖精たちを牽制するのが一番いいと考えました。しかし、妖精の世界は魑魅魍魎が蠢(うごめ)くところです。水の妖精も風の妖精も決して美男子ではありませんからね(笑)。

 少女は花の妖精になることを決意しました。花は自分から何も欲しません。ただ黙って美しく咲き、人の目を楽しませる存在です。少女はそんな花の健気さがとても好きでした。そして、人間はもっと自然に対して謙虚さを持たなければならないと感じていました。

 

 妖精になることを水の妖精と風の妖精に相談したら、諸手を挙げて賛成してくれました。

「妖精のみんなにぼくたちが紹介してあげるよ。決して虐められることなんかないから安心してね。妖精になったら、いつも楽しいことをしようね。」とウインクをしました。

 そして、水の妖精は次のような話をしました。

「そもそも妖精というのは、人間が自然から感じた美しさ、不思議さ、壊れやすい脆さみたいな感じを象徴するもの。だから妖精は弱い存在で、全然怖いことはないんだ。

もともと妖精は人間と共存しているんだよ。だから、自然が怒ったときは、人間にそれ以上、横暴や傲慢になってはいけませんという警告なんだ。お互い長い共存関係を保っていくための牽制だと思ってほしいな。人間はそれに気づき謙虚にならないといけないんだよ。」

少女は素直に頷きました。

 

                                    おしまい