私の踊り子さんレポートを紹介します。今回は西園寺瞳さんです。

 

 

ストリップ界には異色なキャラを売り物にしている踊り子さんが何人かいる。代表格といえば篠崎ひめさんがすぐ浮かぶが、忘れてはならないのが西園寺瞳さんの存在。ひめさんも10年選手になったが、瞳さんも2002年6月デビューなので、もうすぐ7周年を迎える。

二人とも天然キャラのイメージ。おとぼけタイプに見えるが、実は二人とも凄く賢い。私は二人と長い間お手紙交換させていただいているが、自分の考えを自分の言葉でしっかりお返事してくれていつも感心させられる。彼女たちの魅力を語りだすと、これだけ長い間ファンに支持されてきた事実一つとっても、その魅力は計り知れない。

今週(H21.4.11-20)、仙台ロックに西園寺瞳さんが出演しているので、彼女の魅力及びステージについて観察してみた。

 

私は、2002年6月の川崎ロック・デビューから瞳さんを拝見している。

ステージに現れたとき、ロリちっくで、かわいく、なによりヌードがとても綺麗だと感激。透き通るほどの白い肌が彼女の魅力のひとつである。

そしてポラタイムで初めて彼女と接したとき、その異色な天然キャラに驚いた。いままでに会ったことのないタイプ、まるで異星人を見るような気分になったのを記憶している。おそらく、そのキャラに付いていけず、一瞬ひいてしまう客も多いだろう。しかし、そのキャラに魅力を感じ、根強く応援しているファンも多い。彼女自身、そのキャラを変えようとしない。というより、そのキャラは意図的に演出しているのではなく、まさに素、キャラそのものが彼女自身なのだと思う。きっと、ふだんの生活もそのままではないかな。

瞳さんはぬいぐるみが大好き。特にくまたんかな。ケロロ軍曹も好きと言っていたな。彼女はたくさんのぬいぐるみに囲まれて生活しているのだろう。瞳さんは未だにメルヘンの世界で生活する少女、いや妖精なのかもしれない。

妖精がストリップの世界に入ってきたわけだから、現実の仕事として客対応しなければならないのは大変なこと。ポラを買ってくれる客に対しては、いつもペコリと頭を下げ、凄く嬉しそうに対応する。こちらが恥ずかしくなるくらい、馬鹿丁寧にも見える。が、それが客に対する彼女の心からの誠意なのだと私は感じている。時に、ポラが売れずにオロオロする仕草を見ていると早く現実の世界からメルヘンの世界に戻してあげたいなと思ったりする。

また、先に述べたとおり、彼女はとても賢く、感性のいい子だと私は感じている。私の手紙に対する反応の良さに私はひかれた。更に、彼女は私の童話にイラストを描いてくれるのに感激した。感想を頂くことがあっても、イラストまで描いてくれるのは彼女だけだ。彼女の絵心に触れた瞬間、彼女はアーティスト(表現者)なんだとピンときた。

 

今回、二つの作品を観ていて、彼女は本物のアーティスト(表現者)だと再認識した。

二作品ともに、瞳ワールドが完成されている。

一作目は、くまたんとのメルヘン・ワールド。これは納得の世界。

二作目「ひぐらしの鳴く頃に」を観ていて、私は唸らせられた。感想を書きたいと思いながらも、すぐに感想が思い浮かばないのである。素晴らしい作品であると感じつつ、内容の理解に苦しんだ。

この作品には私の理解を超えた宇宙観を感じる。

最初に、巫女の紅白衣裳を着た祈祷師が登場。狐の面をかぶり、神棒で御祓いをする。

荘厳な音楽の中で、一体何をお祈りしているのか? と思いつつ、ステージは次に進む。

2曲目は一転、軽快な音楽。黒い衣裳で楽しそうに踊る。軽快な宇宙遊泳というイメージかな。

最後は、黒い天使の姿でベッドに入っていく。堕天使のイメージか。

静→動→静とメリハリのある展開で目が離せない。

私は、この作品にすごく魅力を覚えるも、いまだにそのテーマ、ストーリーを理解していない。その難解性が魅力なのかもしれない。自分なりに勝手に理解してくださいといわれているような気もする。

 

そこで、この作品を基に、私なりに童話を創ってみました。

題名は『星と罪』・・・

 

少女は、宇宙に憧れていた。

夜、外に出て、空を眺めると、満天の星たちが彼女に向かってウインクをした。彼女は星の魅力に酔い、星たちと一緒に戯れたいと思った。しかし、少女はその術を知らない。

 

ある日のこと、一人の祈祷師が少女の前に現れた。

少女は、自分の全てを捧げてもかまわないから、宇宙に飛び立ちたいとお願いした。

祈祷師は、少女に向かって答えた。

「あなたの命と引き換えにするなら、願いを叶えてあげてもいい」

少女は即答した。「宇宙に飛び立てるなら、この命を喜んで差しあげます」

祈祷師は彼女の命を交換条件にして、宇宙に飛び立つことのできる白い翼をくれた。

 

少女はさっそく翼をつけて空高く舞い上がった。

少女は、散りばめられた星たちをたくさんポケットに入れ、そして自分の好きな位置に星を並び変え始めた。

楽しくて、楽しくて、・・・少女は我を忘れて「星の並び替え」に没頭した。

 

すると、星座たちが騒ぎ出した。

天秤の上にのっている蟹(かに)や蠍(さそり)が、鋭い鋏(はさみ)をそれぞれカチャカチャさせて少女を脅かす。

水瓶の中を泳いでいた魚が水しぶきを少女に浴びせた。

牡羊が少女を追い駆ける。逃げる少女に向かって牡牛や獅子が吼える。

更に、弓が飛んできた。射手が少女を狙っている。

少女は驚き、逃げ回った。白い翼は、焼け焦げて黒くなっている。

遠くの方に優しそうな双子の姿が見えた。彼女は助けを求めて双子の元にすり寄った。

近づいた瞬間、双子の間から一人の乙女がひょっこり現れ、少女に冷たく囁いた。

「あなたは自分のわがままで、宇宙の秩序を乱しました。あなたのやったことは宇宙への冒瀆。だから、宇宙の神々があなたを排除します。

 人間には絶対に侵してはいけない領域があります。宇宙はそのひとつ。宇宙は人間の思う通りにはなりません。そのことを弁えない者はこの世から淘汰されます。」

 乙女が言い終わった瞬間、少女は宇宙の藻屑となりました。

                                   おしまい

 

瞳さんから次のとおり童話の感想を頂き嬉しかったよ。

「私のステージからストーリーを考えてもらえるのは嬉しいです。

素敵な童話ありがとうございます! 楽しく読ませてもらいました。たくさんの星座が出てきて楽しかったです!

宇宙を乱した少女が宇宙の藻屑になってしまうなんて深いですね。

そうなのです、私の巫女さんのステージの作品は悲しいストーリーなのです。」