今回は、ロックの踊り子/かんなさんについて、「かんな流ダンディズム」と題してレポートします。
まだまだ暑い日が続いている。お盆興行も終わり、劇場の客足が幾分落ちている感じ。
8月結のDX歌舞伎の香盤は次の通り。①吉野サリー、②桜井舞、③Rika(蕨ミニ)、④天河はるひ、⑤かんな、⑤伊藤真理子〔敬称略〕。Rikaさん以外は全員ロックでロック大会の様相。
かんなさんとは先週の仙台ロックでお会いしたばかり。二週連続ということもあって、今週はかんなさんのことを書いてみようと思って私はステージに臨んでいた。
先週久しぶりにかんなさんのステージを拝見したが、久しぶりに観ると本当にステージの素晴らしさが分かる。どの作品もよく出来ていて見応えがある。完成されたかんなワールドが構築されており、自信をもってステージと観客に臨んだらいい。
今週の演目は「ガールズアパートメント」と「虹:レインボー」の二個出し。せっせとメモしながら眺めた。
今回は、1.3回目の「ガールズアパートメント」について語りたい。
この演目は以前拝見したことがあったが、かんなさんの男装だけがイメージとして残り、それ以外の内容はよく分からなかった。今回じっくり拝見した。
最初に、黒いシャツと黒いズボンという黒ずくめで、ばっちり男装を決める。銀のネクタイが煌びやか。髪は後ろにひとつ結ぶ。黒い靴を履いて踊る。
男装と言えば、ロックの長谷川凛さんや友坂麗さんの名前が浮かぶが、かんなさんは一味違う。先の二人を含め男装というと直線的なかっこよさが多いが、かんなさんの場合は曲線的な丸っこさを感じる。それは、背広をだぶっと着こなすのではなく、服が身体にびちっと密着して身体の線が出ているのが特徴だからだろう。また、動きについても、一般的に静止にダンディズムのポイントを求めようとするのに対し、かんなさんは運動能力に長けている分、激しい動きで押してくる。そのへんがかんな流ダンディズムと云えそうだ。例えるとルパン三世風なイメージかな。
白い椅子を使って演技。箱に入った靴、更にめいぐるみが出てくる。最後に、白い薔薇の花が一輪。
次に、メガネをかけた白いワイシャツ姿の女性が登場。髪を垂らしている。
その次に、オレンジ色のシルクのカーディガンを羽織って登場。ぬいぐるみにキスをする。
そしてベッドへ。全裸に銀のハイヒールを履いている。薔薇の花を口に咥え、椅子に絡んだ演技を妖しくセクシーに展開。ネックレスの輝きがキレイに映える。
かんなさんと言えば、汗だくだくの熱演がトレードマーク。今回もステージで熱い汗を流してくれた。
さて、問題はステージの内容。正直、どういうストーリーか頭の中が整理できなかった。かんなさんがポラで解説してくれた。
「一人のプレイボーイが3人の女性にアタックするというストーリー。お花を渡した女性が本命なのに、その女性に他の二人の女性の写真を見られ、ラストはまたプレイボーイが本命の気を引くため立ち上がる。」
そうか、最初に、盆の上に写真を三枚置いたのはこの三人の女性だったのか。全てかんなさんの写真だったので特別の意味を感じないで流してしまったが、実はメガネを掛けたりしていたので別々の女性と捉えなければならなかったのか。ここからストーリーが始まっていたんだ!と気付く。
プレイボーイは三人の女性に、それぞれ別々に靴、めいぐるみ、白い薔薇の花をプレゼントする。
ステージの途中で登場する女性二人、メガネの白ワイシャツの女性とオレンジのカーディガンの女性は、その三人のうちの二人。
ベッド終了後に、白い上着と白いロングブーツの姿で登場し激しく踊るシーンは、プレイボートの再求愛の場面なんだね。最後にハートマークを作るところがあるので、求愛は成功したとみていいのかな。
かんなさんから演目名と解説を聞いたときに、このストーリーは映画かなにかベースがあるのかなと思った。しかし、同名の映画はない。「ガールズアパートメント」というのは女の子専用のシェアハウスで、様々な夢や目標をもった女性たちがひとつのアパートで共同生活する様のよう。だからこそ色んなドラマがあるのだろう。
この解説を読んだ瞬間から、私の頭の中で想像の翼が羽ばたき出した。ストリップ童話(小説?)のストーリーが勝手に流れ出した。「結婚しない男」の構想がほぼ出来上がる。
最後のオチに、最近TVで騒がれている東南アジアの代理出産の話を織り込んだ。これがミソである(笑)。
話は変わるが、前に「おっぱい星人」の話を書き上げたときに、次は「おしり星人」の話を書こうと決めていた。ロック最強のおしりはかんなさんだと思っている。今回もステージを観ながら、そのおしりは健在だと確信した。
いずれ童話「おしり星人」の主役級として登場願うことになる。対抗馬はいおりんor加瀬あゆむさんあたりかな。(笑)
平成26年8月結 DX歌舞伎にて
~かんなさん(ロック所属)の演目「ガールズアパートメント」を記念して~
その男は、有名な財産家の一人息子だった。しかも端正な顔立ちをしていた。
学生時代には沢山のガールフレンドがおり、遊びには事欠かなかった。彼ほどのルックスとマネーがあれば、黙っていても女性が集まってきた。彼女たちはみな彼と結婚することを望んでいた。しかし、彼は結婚したいとは全く思わなかった。
人は彼のことをプレイボーイと呼ぶが、少しニュアンスが違った。
本当のプレイボーイならば複数の女性の間をうまく立ち回るものだが、彼は結婚を望む女性たちとの間で複雑な三角関係に悩まされた。女性の嫉妬深さは彼の想像をはるかに超えたもので、彼はうんざりした。女好きだが、ねちねちした男女関係は避け、さらりとした関係を求めた。
いつしか、彼はストリップにはまる。ストリップなんかに行かなくても女遊びができるのに、彼はせっせと劇場通いする。
彼はストリップの自由さが好きだった。行きたい時にふらりと行けばいい。行きたくなければ、行かなくても誰も文句はいわない。そんな自由さ、その自遊空間が良かった。
踊り子は選ばれた美女ばかり。スタイルもいいし、ダンスも上手い。ショーとしても楽しめる。最高の空間である。
彼は面倒くさい交際は避けて、ストリップ貴族を謳歌した。
彼は気に入った踊り子がいると、時にお花をプレゼントした。時には靴を。時にはぬいぐるみを。それが彼の応援スタイルだった。
三十代にもなって結婚しようともしない彼のことを田舎の両親が心配した。
正月に帰省した際に、両親が勝手に見合いをセットした。しかも三人の女性と。
三人とも地元のご令嬢ばかり。彼は午前の部、お昼の部、午後の部と、駆け足でお見合い会場を転々とさせられた。彼は最初の女性にお花をプレゼントした。次の女性には靴をプレゼント。そして最後の女性にはぬいぐるみをプレゼントした。彼は女性を見ると、そうするのが当たり前になっていた。
三人ともチャーミングな女性で、彼のことを気に入ったが、彼は結婚する気がしないと全員を断った。
両親はがっかりした。
彼は結婚により家庭に拘束されることを嫌った。彼は何よりも自由を望んだ。
世間ではたった一人の女性を選んで結婚しなさいという。しかし、彼は一人の女性を選ぶことなんてできない。だって女性一人一人に美しさと魅力があるのだから、たくさんの女性に恋をしたかった。
一方、踊り子も一人の男性に愛されるだけでは満足できず、たくさんの男性に愛されたい女性が多い。
そういう自由恋愛を望む男女が集まる場所がストリップ劇場。だから、ストリップ劇場こそ彼の居場所だった。
最後に、ひとつ付け加えておく。
結婚しないことを決め込んだ彼はそのことを両親に相談した。両親は子孫を残すことを強く要望した。そこで彼はある決断をした。それは‘代理出産’。
彼は自分の精子を冷凍保存した。卵子を入手して人口受精させて、東南アジアに持ち込む。東南アジアでは一人100万円ほどで代理出産ができた。
最近、タイなどで日本の若き資産家が10数人もの代理出産させたとしてTV報道されている。世間を騒がせた犯人は彼である。
おしまい