今日は、「ステージに恋をする」という話をしてみたい。

 

 先日、川崎ロックで、かんなさんのステージを他の出演者全員がお勉強していた。その週は、かんなさんが一番のベテランだった。いつも新人のように若々しいと思っていたかんなさんだが、H17年7月デビュー、いつの間にか三年近いベテランさんになった。

 

 かんなさんは本当にいいステージをする。見ている観客をぐっとステージに惹き込んでいく。当日の「天使」の出し物を見ていて、かんなさんが天使を演じているのではなく、かんなさん自身が天使だと思えた。

 なぜに彼女はそういう演技ができるのだろうか? 私には、技術的にどうこうという話はできないが、彼女は間違いなく心を込めてステージを演じている。だからこそ、我々観客の心に訴えてきていることは断言できる。いつもは茶目っ気たっぷりのかんなさんだが、ステージの上のかんなさんの目は役になりきっている。だから真剣な顔付きをしているかというと・・・そうでもなく、満面に笑みをたたえている。

そうか、かんなさんはステージに恋をしているんだ、直感的にそう思えた。

 

 以前、私はステージの上に神が降りるという話をした。ステージに神が降りると、踊り子と観客、照明等含めたステージ上の全てが一体感をもち、皆が恍惚とした状態になる。だが、この領域はなかなか味わえない。

 踊り子さんはステージにいつも神が降りてくることを願っていると思う。そのためには、ステージの神に嫌われないようにしなければならない。

そのためにどうするか? ひとえに、心を込めて丁寧に演じることだ。

そして、お客の喜びを自分の喜びに感じること。「お客は神様」というがステージの神のひとつが観客であることは間違いない。

こうしたことを「ステージに恋をする」というのだと思う。

かんなさんは天使を演じたが、天使が神様に恋をするのは当然のこと。恋をした女性は、女らしさがむんむんと表れてくる。そして、恋のもつ恍惚感をステージで味わえる。

 

他の踊り子さんは、かんなさんのステージをどんどんお勉強したらいい。

今度、この天使の出し物を香月藍さん(カッキィ、H20引退)が譲り受けるようだ。先輩の素晴らしい出し物を継承するのは大変だと思うが、頑張ってほしいし、カッキィなりの味を出せればいいと思う。またひとつ楽しみが増えた。

 

 

平成20年2月                          川崎ロックにて