H21に引退した雨宮衣織さんの話です。
H18年2月、仙台ロックに雨宮衣織さんが出演されていました。実は、その一月前、浜劇で衣織さんがステージから落ちるというハプニングがありました。しかも私の所に!
一ヶ月経ったというのに、そのときの擦り傷が痕になって足に残っていました。彼女曰く、落ちた瞬間は恥ずかしさで痛くなかったけど、その後でけっこう痛かった、とのこと。
私は、お気に入りの衣織さんが来仙するのが楽しみで、そのときのハプニングを話題に以下のお手紙を書いて渡しました。気に入ってもらえると楽しみにしていましたが、実はあまり触れてほしくない話題だったのか、あまり喜んでもらえなかった・・・
今となっては、いい思い出です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1月21日の浜劇、新年早々のハプニングでしたね。ステージから落ちたのは初めてですか?
少し足を擦りむいたようでしたね。ああいう時は恥ずかしさで痛みを忘れるものですが、お体の方は大丈夫でしたか?
でもさすがにプロと思いました。すぐに気を取り戻して、ベットショーに入りましたものね。それに、ポラのとき私に「せっかく仙台から見に来てくれたのにぶざまなところを見せちゃってゴメンなさいね」と声をかけられ、こんなときまで気遣って頂きまして・・
私の方こそ、しっかり受け止められず御免なさいね。
それにしても驚きました。私もステージ際の一番前の席でぼーっとしていたので、まさか暗い中を衣織さんがベットに移動しているとは気づかず、一瞬何が起きたのか分からず動顚してしまいました。
ちなみに、あのハプニングが私の創作意欲に火をつけました。
即興でこんな話を創ってみました。
題名は、『衣織ちゃんが舞い降りてきた』
この地方には昔から羽衣伝説が語り継がれていた。
そこで育ったボクも小さい頃から羽衣伝説を信じていた。だから、こんなボクにもいずれ大きくなったら素敵な天女さまが舞い降りてくるものと信じ込んでいた。
ボクは暇さえあれば、お空を眺めていた。
なぜなら、白い雲を眺めていると、それが天女さまに見えるからだ。ボクはそれを、羽衣をもじって「衣織ちゃん」と名付けた。
衣織ちゃんはマシュマロのようにかわいい女の子だ。
風が吹くと、ボクに手を振ってくれる。(おやっ、一瞬足を開いたような?!)
ときには真っ赤になって恥ずかしそうにしている。そんなかわいい女の子。
ボクは衣織ちゃんを見ているだけでいつも幸せになれた。
ある夜のこと、真っ暗い中、衣織ちゃんがお空から舞い降りてきた。
もちろんボクは狂喜し、衣織ちゃんのことを強く抱きしめようとした。
ところが、その瞬間、衣織ちゃんはボクの前からフッと消えてしまった。
それは夢か幻だったのか。
ただ、ボクはそのとき、衣織ちゃんというのは触れてはいけない存在なんだと強く感じるものがあった。
今でも相変わらず、ボクはお空の雲を眺めている。
「またボクのそばに舞い降りてきてくれないかなぁ」と考えながら・・・
オシマイ
私はステージの上は、天界であり、そこで舞う踊り子さんは天女であると思っている。天界であるからこそ神聖な場所であり、本来お客の居る地上に舞い降りてはいけないものなのだ。
落ちたらもちろん大変なこと。また時に踊り子さんがキャバ・タイムと称して、お客の席にきてお酒をついだり、ピンクチックなおさわりをする余興があるが、そういうのは本来のストリップ精神に反すると思う。
踊り子さんにはいつまでもファンにとっての天女であってほしいと願っている。
平成18年2月 仙台ロックにて
PS.これが初めて踊り子さんのために創った童話だった。肝心の衣織さんが喜んでくれなかったので、私の童話はつまらないかと思い、それ以後、童話は止めてしまった。今思えば、ずっと書き続けておけばよかったなぁと後悔する。ちなみに、もう一度童話を書き始めたのはH20年の終わり頃からになる・・・