今回は、ロックの踊り子、藤咲茉莉花さんについて「衣装のもつ吸引力」という題名で観劇レポートしてみます。
H26年12月13日(土)、仙台ロックに遠征した。今回は雪が降るのを想定してコートを着てきた。天気予報通り、午後から雪が降り始めた。私にとって今年の初雪。ちらちら降った雪は積もることもなく、すぐに止んだ。それでも雪が降るだけ関東に比べると仙台は寒かった。
今週の仙台ロックのメンバーは次の通り。①水沢美波、②藤咲茉莉花、③吉沢伊織、④柏木由紀奈、⑤西村江梨〔敬称略〕。全員ロック。
今週の香盤は私的にお気に入りのメンバーが多い。その中でも、トリの西村江梨さんに関しては、先週のDX歌舞伎で初顔合わせして九日間通った。そのときの観劇レポートを持参して、今回引き続き応援にやって来た。
今週の藤咲茉莉花さんのステージに惹きつけられる。
最近11周年作「風の盆恋歌」に感激してレポートを書いたばかりだが、この作品が彼女の完成形であるとすれば、この前後の作品も当然ながら完成度の高いものとなっている。今回、二個出ししたが二つとも一目で魅了される素晴らしい出来映えだった。昨年の年末に出した「クリオネ」も今回の新作「紅の月」も、彼女的には特にテーマもなくシンプルに仕上げた作品のようだ。さらりと創っても今の彼女には完成度の高いものになることを証明している。それだけ今の茉莉花さんはベテランとしての風格をもってきた。
この二つの作品では、まずは衣装の素晴らしさに感心させられた。
1,3回目は演目「クリオネ」。
「クリオネ」とは、北の海に生息する2~3㎝の軟体動物。流氷の天使と呼ばれるように神秘的な形・動きをする。巻貝の仲間だが、貝殻は無く、Sea Angelという英語名が示すようにナメクジのような海の女神である。テレビのCMでよく放映されているので知っている人も多いだろう。
私はこの演目名を知らないままステージを眺めていた。
最初の衣装は、水色をベースにしたもので凛とした清冽なイメージを抱かせる。
次の衣装がとてもかわいい。黒地に白の模様が入った衣装だが、帽子とべストと足元に白い毛皮を付け、雪のようにもこもこしている。
最後のドレスは背中に羽根をつけた天使の白い衣装。背中の方から見るとすごく斬新なのが分かる。羽根の向きが外向きではなく内向きになっているのが特徴。大きなリボンもついている。
私は、この作品を観た瞬間、雪のもつ色んな表情を表しているのかなと感じた。最初が「雪の精霊」、次が「雪の楽しさ」、そして最後が「雪の美しさと厳かさ」みたいなもの・・・‘雪の横顔’って面白いなと。だから、表題のクリオネを聞いたときに、えっ!と思ったが、茉莉花さん自身、この表題は見直すかもしれないと話していた。「クリオネを出した去年は、クリオネのようなベッド着を着ていたからつけたの!」
2,4回目は新作「紅の月」。
衣装は茉莉花さん自身で決めて、選曲・振付を仙葉由季先生が行った作品らしい。「新作はとてもシンプルな作品になりました~! こういうのもたまにはいいかなって思います。」
この作品でも、和物の衣装から一気に作品の中に引き込まれた。強い色彩を放つ袴姿。右側が紺色で、左側が白の着物に、黒い袴をはく。白い渦がプリントされた赤い傘を持って舞い踊る。
途中、黒い袴を脱ぐが上着はずっと羽織っていく。赤い花が刺繍された黒い下着も印象的。
最後に、黒い上着を羽織る。黒の中に赤みが入った幻想的な衣装だ。ラルクの曲にのせてベッド・ショーを演ずる。
作品全体を通して「幻想的な色彩美」が強く印象に残った。
今回の二つの作品から、いい衣装を選ぶ目とその着こなしが素晴らしいの一言。作品における衣装のもつ吸引力を改めて感じさせられた。
ほんと最近の茉莉花さんのステージから目が離せないな。
平成26年12月 仙台ロックにて