今回は、ロックの踊り子/藤咲茉莉花さんについて、「美は人の心を洗う」と題してレポートします。
GWに入り、各劇場ともいい香盤を揃えてきて、どこに行こうか迷ってしまうとこ。
その中で、私はGW二日目4/27(日)にライブシアター栗橋に向かった。
今週の香盤を紹介しておこう。①多岐川美帆(渋谷道劇)、②黒井ひとみ(若松) 、③藤咲茉莉花(ロック)、④みずき(林企画) 、⑤小宮山せりな(ロック) 〔敬称略〕。私のお気に入りメンバーが揃った。
三番手の藤咲茉莉花さんのステージを観ていて心に響いてくるものがあった。
茉莉花さんは昨年10周年を迎え、今年は11年目に入っている。もう十年来のお付き合いをしているし、今日で118日目と既に私のストリップ殿堂入りしており、太郎チルドレンの代表的存在。今までレポートを書いていなかったのが不思議なほど。
茉莉花さんは、H15(2003)年8月11日 浜劇デビュー。私とは半年後のH16年1月24日に浜劇で初顔合わせ。当時はまだ垢抜けしていなかったのか、普通のお嬢さんぽい第一印象。ところが、ある劇場の受付で普段着の格好を見たとき、なんて綺麗な娘だと再認識したことがある(失礼!)。踊り子さんの中には普段着姿の方が美しさが引き立つ人がいる。ともあれ、どんどんストリッパーの顔になっていった。
彼女のデビュー当時から私は踊り子さんに手紙を書き始めるようになった。そのため、あまりストックの無い状態で茉莉花さんに手紙を渡し続け、ネタに困ったこともあったほど。茉莉花さんは、私の手紙をよく読んでくれた、まさに太郎チルドレンの初期生である。
ひとつ付け加えておくね。なんと私と同じ8月16日が誕生日。東洋の篠崎ひめさんも同じだったよー。
今回の栗橋では二個出し。「今日の演目は『10』と『ブラッディーマリー』です!タイトル通り10周年作です。感謝の気持ちなどなど・・を込めて作ったよ~!」
二個とも衣装の素晴らしさに感嘆!レポートを書くつもりで手帳に衣装のデッサンを描いていて衣装の凄さに気付いた。かなり凝っているし、相当お金がかかっているはず。
演目『10(テン)』を私なりに解釈してみた。
水色のロングドレスで登場。白と青の花の刺繍が立体的にたくさん縫い付けられており、とても清楚でかつ華やかなドレス。首に青いハンカチーフを巻き、ドレスを素敵に着こなす。
次は、黄色と黄緑の色合いのセパレートな衣装。新体操で使う白いリングを操る。
10(テン)は天に通じる。天女の舞であり、リングは天使の輪とも解釈できそう。
ちなみに「『10』の0はゼロじゃなくて記号の丸にしてます!私とフープの○です(笑)」と後で茉莉花さんから説明があった。
茉莉花さんのステージのひとつの特徴に、ステージを観終わった後の充足感がある。いい本を読んだ後の読後感に通じる、ステージ観後感とでもいいましょうか。心が洗われたなぁ~と感じさせられる、とてもいい後味なんです。これは何だろう。
茉莉花さんの魅力を私なりに掘り下げてみたい。
まずは、「外見の美」から。
私は今のロック、いやストリップ界で着物姿№1は茉莉花さんだと確信している。着物が似合う美人顔。茉莉花さんは間違いなく今のロックの美人度をUPさせている一人。
そして、その美は、バランスのいい美しさ・・・端正な顔立ち、161㎝という長身、色合いのいい衣装そして着こなしのセンス。それらがバランス良く茉莉花さんの美しさを引き立たせている。まるで貴婦人のような、とても気品にあふれ、しかも清楚なイメージなのである。
次に、「内面の美」を感じる。そのひとつが‘控えめな美学’。踊り子の世界には、私が私が!と自己顕示しないと生き残れないところがあるが、茉莉花さんにはそれを感じない。だからこそ、凛とした美しさが醸し出される。そういえば、この10年間「私のレポートも書いて!」なんて一言も言われなかったな~。遅くなって誠に申し訳ない次第。今回、書いてみるねと話したら「レポート楽しみにしてますね~!!」と喜んでくれた。
こうした両面の美しさが今の茉莉花像をしっかり支えている。そしてステージを観るたびに我々ストリップファンの心を洗ってくれる。この美はまさに本人の努力の賜物。
この10年間、常にストリップの第一線を保ってきたのだから大したものである。
平成26年4月 ライブシアター栗橋にて