今回は、ロックの踊り子・清水愛さんについて、新作「Harry Potter」を題材にして、「ハリーポッターの父親になれたら」という題名で語ります。

 

 

H29年12月中の大阪東洋ショー劇場に初日から顔を出す。

今週の香盤は次の通り。①清水愛(ロック)、②香山蘭(ロック)、③前田のの(ロック)、④川越ゆい(東洋)、⑤みおり舞(ロック) 〔敬称略〕。みおり舞さん東洋初乗り。

 清水愛さんは今週は二個出し。1,3回目は演目「レクイエム」、2,4回目は新作「Harry Potter」。先月の栗橋11月中で拝見した演目と同じ。

 私は新作「Harry Potter」を再び拝見するのを心待ちにしていた。なぜなら、この作品は清水愛さんの最高傑作と感じたし、私としてもハリーポッターについて少し書きたいことがあった。

 

 まずは、今回の作品の内容について詳細に述べてみたい。

 最初の場面が栗橋とは違っていた。広い東洋の劇場をうまく使った演出にしている。

 白いうさぎのセーターを着た女の子が、ぬいぐるみを抱いて佇んでいる。髪をツインテールにしている。

突然にスクリーン幕が開くと、そこには魔法の世界が広がっている、という設定。舞台の上に、黒い椅子が置かれ、リングが吊るされている。リングは白と黒に縁どられ、まるで三日月を彷彿させる。

 少女は椅子の上にある茶色のマフラーを首に巻き、そして魔法のコート(ロープと云う)を羽織る。

 ハリーポッター映画のお馴染みの曲がかかる。どんどんハリーポッターの世界にのめり込んでいく。

 指揮棒のような魔法の杖を持って振り回す。杖の先端が白く光る。黒い靴下と黒い靴を履いて舞台を駆け回る。

 曲が変わって、ロープを脱ぐ。

 下には、映画でお馴染みのハーマイオニーの魔法学校制服姿。白いブラウス、灰色のスカート、紺のベストを着て赤いネクタイをしている。まさにイギリスのアイビールック。

暗転。音楽がP!nkの明るい曲「What About Us」に変わる。

 ブルーの衣装で登場。肩にフリルが付いていて全体的にふわっとしている。右足には青い紐がクロス巻きされている。

 リング演技を始める。

 その後、盆に移動する。ブルーの衣装をよく見ると金の線が縦に五本ついている豪華さ。

 そのままベッドショーへ。華奢なかわいいヌード。パイパンではなく少しヘアがある。

 アクセサリーを見ると、おしゃれが沢山。耳ピアスで純金の紐が垂れる。ネックレスも長い純金の紐状。これらはブルーの衣装の金の紐とペアな感じ。そして銀の臍ピアス。右足首の純金のブレスレット。手足のマニキュアが銀色にきらきら輝き、手の方は赤をベースにし、足の方は青をベースにする凝りよう。おしゃれだねぇ~♪

ベッド曲は、日本映画HiGH&LOW Special Trailer「END OF SKY」の感動のバラード曲「Break into the Dark」が流れる。

最後に、舞台に戻ってリング演技。チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」にのって、華麗な技を魅せて、ステージを締める。

 

今回の作品は、清水愛さんの13年近いキャリアの集大成になっている。

愛さんは元々ダンスに定評があったが、今年からリングにも挑戦し習得した。愛さんがリングを始めたのは8月結に栗橋で開催された空中大会からと聞いている。ハリ―ポッターの魔法による空中芸が、愛さんのリングによる空中芸に非常によくマッチしている。

そして何より、愛さん扮するハーマイオニーが似合い過ぎるほど似合っていて、映画の雰囲気をそのまま伝えてくる。映画『ハリー・ポッターシリーズ』のハーマイオニー・グレンジャー役を演じたエマ・ワトソン(英: Emma Watson、1990年4月15日生まれ – 現在27歳)は、10歳の時にオーディションでハーマイオニー役を勝ち取り、2001年にシリーズ1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』でデビュー。以後、全シリーズに出演した。2009年12月、「過去10年間で最も興行収入を稼いだ女優」としてギネス世界記録に認定されるほどの大女優に成長。またスクリーンの外では、2014年に名門ブラウン大で英文学の博士号を取得するという才媛ぶり。幼い少女だったエマ・ワトソンも今や27歳の素敵な女性になったんだね。どうしても愛さんとイメージがダブっちゃうよ。(笑)

いずれにせよ、清水愛さんが持つ全ての芸域がこの作品「Harry Potter」に集大成された形だ。間違いなく清水愛さんの代表作であり、最高傑作と評したい。

 

 この作品が童話好きの私のファンタジー魂をくすぐったのは言うまでもないが、私はハリーポッターに特別な想いがある。

 主役のハリー・ポッター(ハリー・ジェームズ・ポッター)を映画で演じているダニエル・ラドクリフが私の息子とよく似ていた。息子は既に30歳で男一児の父親なのだが、大学三年(当時21歳くらい)のとき中国北京に短期留学した。当時ハリーと同じ丸いメガネをしていたこともあり、北京の女子たちに「日本から来たハリー」と言われ記念写真をたくさん撮られたと自慢していた。昨年驚くことがもうひとつあった。私の甥が私の母親と一緒に私の自宅に遊びに来たのだが、当時の私の息子とそっくり。甥も丁度21歳だった。我が家はハリー顔の家系なのかな!? ということは、私はハリーの父親なのか!? 

私も魔法が使えたらいいな。魔法の呪文を手紙に書いて、踊り子さんに渡してもてたいナ~。なんて考えてしまう。あはは、無理か(笑)

 今回の作品を機に、もう一度ハリーポッターの映画を観てみたくなった。この映画シリーズは私の子供たちとの思い出の一ページでもある。

 

平成29年12月                           大阪東洋ショーにて

 

 

 

 

 

『ハリーポッターがやってきた ―うさかめver―』

~清水愛さん(ロック所属) の演目「Harry Potter」を記念して~

 

 

ハリーポッターが仲良しのロンとハーマイオニーを連れて森のストリップ劇場にやってきた。ヴォルデモート卿との死闘を制したハリーは、協力してくれたロンとハーマイオニーに御礼の意味を込めて慰安旅行に誘ったのだった。

 

彼らは、森のストリップ劇場のうさぎちゃんやバンビちゃん達のかわいいステージを楽しく観劇していた。

ハーマイオニーがふと、舞台の後方で、カメさんが懸命にリボンを投げている姿が目に入った。気になって、周りの者に聞いた。そして、カメさんがうさぎちゃんをこのストリップの世界に誘ったこと。うさぎちゃんがカメさんを頼りにし、しかもそれが愛情に変わっていること。しかし、カメさんは自分がカメであるコンプレックスからか、うさぎちゃんの求愛を断っていること。そんな噂話まで聞こえてきた。

ハーマイオニーはそんな二人を見て見ぬふりができなかった。というのも、ハーマイオニーはいまやロンと結婚を前提にした公然の仲になっているものの、心の奥にはハリーに対する憧れが燻っていた。

ハリーは死ぬ覚悟でヴォルデモート卿と対決していたので、ハーマイオニーの気持ちには応えなかった。それがハリーのハーマイオニーに対する思いやりであった。ハーマイオニーの淋しい気持ちを察し、支えたのがロンだった。ロンの優しさを受け入れたハーマイオニーには後悔がなかった。しかし、うさぎちゃんとカメさんの姿を見ていると黙っていられない気持ちになった。

 

ハーマイオニーは劇場側に面白い企画を提案した。

森のストリップ劇場にはたくさんの動物たちが踊り子や客として、いた。彼らは決して同じ種族ではない。カメさんのように、自分はウサギよりも下等な動物だとコンプレックスを抱いている者もいるだろう。そこで同じ目線で相手が見れるように魔法で人間にしてあげる。その上でステージで5対5のフィーリングカップル・ゲームをやることにした。

カメさんとうさぎちゃんが選ばれて人間に化けた瞬間、そこには最高の美男美女が現れた。誰もが目を見張った。「なんてお似合いのカップルでしょう!」と口々に話した。

ゲームは楽しく進んだ。

 

帰り際、ハーマイオニーは、うさぎちゃんにお土産を与えた。‘惚れ薬’という魔法で調合した薬。これを飲めば相手は自分に惚れ込む。最期はカメさんにこれを強引に飲ませなさい!と話し、渡した。

結果的に、この薬は使うことはなかった。いや、使う必要がなかったのです。

 

                                 H30年5月

 

【参考】『ハリー・ポッターシリーズ』について    

主にWikipediaなど参照

 

 

 ハリーポッターのことを知らない大人はいない。原作を読んだり映画を観たことがない人でも名前だけは知っているだろう。

私は断片的にしか知らないのでまとめて味わいたい気持ちに駆られた。早速、ネットでいろいろ調べてみた。

 

<概要>

『ハリー・ポッターシリーズ』(英: Harry Potter)は、イギリスの作家J・K・ローリングによる児童文学、ファンタジー小説。日本での通称は「ハリポタ」。1990年代のイギリスを舞台に、魔法使いの少年ハリー・ポッターの学校生活や、ハリーの両親を殺害した張本人でもある強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの、因縁と戦いを描いた物語。1巻で1年が経過する。

第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』がロンドンのブルームズベリー出版社から1997年に刊行されると、全く無名の新人による初作であるにもかかわらず、瞬く間に世界的ベストセラーになった。子供のみならず多数の大人にも愛読され、児童文学の枠を越えた人気作品として世界的な社会現象となった。73の言語に翻訳され、シリーズ世界累計発行は4億5000万部以上になり史上最も売れたシリーズ作品となった。

2001年から8本のシリーズで公開された映画(2011年完結)もシリーズ世界歴代2位の興行収入と大きなヒットを記録。当初から全7巻の構想であり、第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』の原書が2007年7月21日に発売された。

2016年に本編の後日談を描いた事実上の第8巻『ハリー・ポッターと呪いの子』が発売された。これは、2016年夏に上演された舞台劇の脚本を書籍化したもので、ローリングはこの作品をハリー・ポッターシリーズの最終巻(または完結巻)としている。

2010年6月には、フロリダのユニバーサル・オーランド・リゾートに、映画版のセットを模したテーマパーク:ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター(The Wizarding World of Harry Potter)が開園した。 2014年7月15日にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン、2016年4月7日にはユニバーサル・スタジオ・ハリウッドでも開園した。

 

<あらすじ>

孤児で、義父、義母(伯父、伯母)に冷遇され、従兄弟等にいじめられているハリー・ポッター少年は、11歳の誕生日に自分が魔法使いであることを知る。ホグワーツ魔法魔術学校へ入学し、いままで知らなかった魔法界に触れ、亡き両親の知人をはじめとした多くの人々との出会いを通じて成長する。

そして、両親を殺害したヴォルデモート卿と自分との不思議な因縁を知り、対決していくこととなる。

 

第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』(1997年6月26日発売)

第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(1998年7月2日発売)

第3巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(1999年7月8日発売)

第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2000年7月8日発売)

第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』(2003年6月21日発売)

第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2005年7月16日発売)

第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』(2007年7月21日発売)

第8巻(最終巻)『ハリー・ポッターと呪いの子』(2016年7月31日発売)

 

<主要人物>

◆ハリー・ポッター / ハリー・ジェームズ・ポッター

演 - ダニエル・ラドクリフ(映画版)、サンダース・トリプレットス(映画版・赤子時代) / ジェイミー・パーカー(舞台『Harry Potter and the Cursed Child』)日本語吹き替え - 小野賢章(映画版) / 矢島晶子(ゲーム版第1作・第2作)、山口勝平(ゲーム版第3作、『クィディッチワールドカップ』)、山本泰輔(ゲーム版第4作)

本作の主人公。ヴォルデモートに命を狙われたが、歴史上唯一生き残ったため「生き残った男の子」や「選ばれし者」と呼ばれる。額には当時受けた呪いのために出来た稲妻型の傷がある。くしゃくしゃの黒髪で母譲りの緑の目、丸い眼鏡を掛けている。後にジニー・ウィーズリーと結婚した。

 

◆ロン・ウィーズリー / ロナルド・ビリウス・ウィーズリー

演 - ルパート・グリント(映画版) / ポール・ソーンリー(舞台『Harry Potter and the Cursed Child』)日本語吹き替え - 常盤祐貴(映画版) / 渕崎ゆり子(ゲーム版第1作)ハリーの親友。ウィーズリー家の六男。生きているクモが苦手。兄たちが全員優秀なためひけ目を感じていたが、5巻では監督生となった。また、7巻の最終章では、ハーマイオニー・グレンジャーと結婚した。

 

◆ハーマイオニー・グレンジャー / ハーマイオニー・ジーン・グレンジャー

演 - エマ・ワトソン(映画版) / ノーマ・ドゥメズウェニ(英語版)(舞台『Harry Potter and the Cursed Child』)日本語吹き替え - 須藤祐実(映画版) / 深見梨加(ゲーム版第1作・第2作)、氷上恭子(ゲーム版第3作)、河原木志穂(ゲーム版第4作)

ハリーの親友。マグル出身の魔女だが、学年一の秀才。親は2人とも歯医者。初めはハリーやロンとそりが合わなかったが、トロールに襲われているところをハリーとロンに助けられ親友となった。5巻では監督生となった。また、7巻の最終章では、ロン・ウィーズリーと結婚した。

 

ハーマイオニー・グレンジャーは、マグルの両親の元に生まれた魔法使いですが、非常に優秀で、あらゆる本を読み膨大な知識を身につけています。その知識でハリーをヴォルデモートとの戦いの中で何度も救ってきました。ヴォルデモート失脚後はロンと結婚し、魔法省に勤め、最終的には魔法大臣にまで登りつめます。

 

ハーマイオニー役のエマ・ワトソンは幼い頃、撮影時に他のキャラクターのセリフを口パクで言ってしまう癖があったそうで、何度もアウトテイクを出してしまいました。エマ曰く、とても大好きな作品だったので熱心になりすぎてしまっていたとのことです。真面目な彼女らしい失敗談と言えます。

 

エマ・ワトソン(英: Emma Watson、1990年4月15日生まれ – 現在27歳)は、イギリスの女優。映画『ハリー・ポッターシリーズ』のハーマイオニー・グレンジャー役で知られる。身長165cm。2001年に『ハリー・ポッターと賢者の石』のハーマイオニー役でデビュー。以後、7作目の『ハリー・ポッターと死の秘宝』まで全シリーズに出演した。2009年12月、「過去10年間で最も興行収入を稼いだ女優」としてギネス世界記録に認定された。エマが2000年から2010年までの過去10年間で出演した映画は『ハリー・ポッター』シリーズ以外で声優を務めた『ねずみの騎士デスペローの物語』を入れても、映画1本あたり約8億9,700万ドル(日本円で約807億円)、合計で約54億ドル(日本円で約4,860億円)を稼いでいたという。

 

イギリス人の両親のもと仏パリで生まれ、両親の離婚後にイギリスに渡る。世界的大ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの実写映画化では、10歳の時にオーディションでハーマイオニー・グレンジャー役を勝ち取り、シリーズ1作目「ハリー・ポッターと賢者の石」で子役としてデビュー。最終章「死の秘宝 Patr2」まで10年間、同役を演じ続けた。2009年からアメリカの名門ブラウン大学に通い、その間も「ウォールフラワー」や「ブリングリング」、「ノア 約束の舟」などで若手女優として活躍。ディズニー実写版「美女と野獣」ではヒロインのベル役に抜てきされ大きな話題を呼び、映画は全世界興収10億ドル突破の大ヒットを記録した。スクリーンの外では、14年にブラウン大で英文学の博士号を取得。フェミニストとして男女平等を精力的に訴えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】なぜハーマイオニーはハリーではなくロンを選んだのか?

 

 清水愛さんの演目「Harry Potter」を機に、映画シリーズをまとめて観た。少し遅れたが、H30年GWはハリーポッター漬けになった。

 ちょうど大阪東洋に行くと定宿にしているDVD試写室「I love video&DVDてんじんばし」にハリーポッター・シリーズが揃っていた。全八巻のうち最初の1~4巻と7巻の計五巻があったので4巻まで観た後に、天満のTSUTAYAに行って残りを借りて一気に観た。

 正直言えば、途中でだれてくる時もあった。長いのと登場人物が多すぎて途中で頭の整理がつかなくなる。家族でハリーポッターの映画を観に行って途中で居眠りして子供たちに非難を浴びたのをふと思い出す(笑)。まぁ今回は気合いを入れて拝見した。というか、只今、二回目を観ようとしている。しかも、7→8→6→5→4→3→2→1という逆の順で。

 私は7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝part1』が一番好きになった。ハリーがロンとハーマイオニーの三人で死の秘宝の分霊箱を探す旅に出かけるところ。この場面が長すぎるという人もいるが、逆に私はこの場面を丁寧に映像化してくれて嬉しかった。ロンがハリーのやり方に疑問と不満を持ち出して、かつ嫉妬心からハリーとハーマイオニーの間を疑い、一緒の旅から途中離脱する。三人の心の揺れや葛藤が見事に描かれている。

 ロンが抜けたテントの中で、落ち込むハーマイオニーを元気付けようと、ラジオの音楽に合わせて、ハリーがハーマイオニーをダンスに誘うシーンがある。ハリーとハーマイオニーはダンスで抱き合いながら、このままくっついてしまうのかと思ったほど。しかし、ハリーはハーマイオニーが親友ロンのことを好きなのを知っているから、決して手を出さない。ここで手を出したら、ファンタジーではない泥臭い展開になってしまうもんね。

 

 それにしても、ハリーポッター・シリーズを通して、私が‘最大の謎’だと思ったのが「なぜハーマイオニーはハリーではなくロンを選んだのか?」だった。

 誰が見ても、ハーマイオニーにはロンよりハリーの方がお似合いだ。

 ハーマイオニーは賢くて強い女である。

 ハリーは強い男で勇敢である。当然、ハーマイオニーは一人の男性としてハリーの魅力に惹かれたはずである。しかし、ハリーは両親の仇であるヴォルデモート卿と戦う運命にある。そのためハリーは自分の死を予見していた。そんな自分の運命に最愛のハーマイオニーを巻き込みたくないと思ったのではないかな。ヴォルデモート卿を倒すまでは協力してもらいたいが、自分の死のショックを引きずってほしくないと考えたのかもしれない。そうした心の壁がハーマイオニーの恋心を跳ね付けたとも考えられる。

 一方、ハリーに比べて、ロンは弱い男である。生きてるクモを怖がる小心者。ウィーズリー家の六男であり、兄たちが全員優秀なためひけ目を感じていた。そんな彼も、ハリーたちと行動を共にしながら成長していき、5巻では監督生にもなっていく。それでもハリーに比べれば見劣りする。なぜにハーマイオニ―はロンに惹かれていくのか?

 ハーマイオニーのように強い女は、ロンのような弱い男を放っておけないのである。つまり、ロンの弱さが最大の魅力なのである。彼の言動ひとつひとつに寂しさと弱さが潜んでおり、女性の中に眠る、「守りたい」「助けたい」という本能を刺激する。彼の女神になりたいと、本能が騒ぐのです。幸せになれるかどうかは別として、ね。

 

 原作者のローリングは、2007年に小説『ハリー・ポッターと死の秘宝』でシリーズを一旦完結させたのだが、2016年に本編の後日談を描いた事実上のハリー・ポッターシリーズの最終巻(または完結巻)『ハリー・ポッターと呪いの子』が発売された。

 この本の冒頭は、『ハリー・ポッターと死の秘宝』のエピローグとして19年後が語られたシーンから始まる。ハリーとジニーの子供たち、ロンとハーマイオニーの子供たちが登場していて微笑ましい。そしてハリーの次男であるアルバス・セブルス・ポッターがホグワーツ魔法学校に入学する展開となる。当然に彼がハリーと同じく主役になるのかと思い気や、なんと本作の主人公はハリーの敵役だったドラコ・マルフォイの息子スコーピウス・天使・マルフォイなのに驚く。次男アルバスは影が薄い。もし彼がハリーとハーマイオニーの子供であればもっと強いのになぁと思っちゃう(笑)。

 この作品のモチーフは「逆転時計」にある。この逆転時計を使うことによって過去の事実を変えて「もしも」の仮想世界を見せてくれる。そのひとつが、ロンがハーマイオニーではなくパドマ・パチルと結婚していること。ハーマイオ二―がなんかすごくキツい独身女教師になっている設定。彼女のガリ勉頑固な強い女さが完全に裏目に出まくった人生を送っているわけ。これには我ながら拒絶反応が出る。

 

 こうした展開は、前作『ハリー・ポッターと死の秘宝』で一旦完結した時点で、原作者の頭の中にあった模様。

シリーズの最後で結ばれるハーマイオニーとロン。原作者のJ.K.ローリングのもとには、ハーマイオニーにはハリーと結ばれてほしかったというファンの意見が殺到したそうだが、実は、ローリング本人もこの結末を後悔していたのである。インタビューで「2人の恋愛は最初に考えていた設定を守って書いたの」「ファンの怒りの声は聞こえていたけれど、作品から離れて初めて客観的に見られるようになった」と告白。さらに「ロンとハーマイオニーは将来、結婚カウンセリングを受ける羽目になったと思う。ハーマイオニーはハリーと結ばれるべきだった」とも……。原作者にここまで言われてしまうなんて、ちょっぴりロンが気の毒になる。(笑)

 

                                    おしまい