今回は、H26年11月中の渋谷道劇について、「H26年度のトピックス」という題名で語ります。

 

 

年の暮れに近づきつつある。もう今年一年を振り返る時期になってきたな。

 改めて、H26年11月中の渋谷道劇公演は今年のトピックスが盛りだくさん。今年デビューのお気に入り三人が揃い踏みした。

今週の香盤は次の通り。①六花ましろ(渋谷道劇)、②小町れの(渋谷道劇)、③JUN(西川口)、④水鳥藍(渋谷道劇)、⑤遠野こころ(東洋)、⑥川村あいね(東洋)〔敬称略〕。この週は川村あいねさんの12周年、新作が良かったな。

 

 今年は何度もレポートで愚痴をこぼしたが新人受難の年だった。昨年まで精力的に応援していた晃生の青山はるかさんと羽音芽美さんが突然いなくなり、東洋の立花さやさんが三月に引退した。いつもなら、この心の空隙を新人さんのデビューが埋めてくれる。ところがホームにしているTSと大阪東洋に全く新人がデビューしない。信じられない状態が続いている。

 そうした中、渋谷道劇ではコンスタントに新人をデビューさせている。ただ、いい新人がデビューしても続かないことが多い。私は昨年デビューした花形美由さんを中心に今年のストリップLIFEを回そうと密かに思っていたところ、残念ながら美由さんはお正月興行で飛んでしまった。その後も、三月中に渋谷デビューした可愛実梨さんを気に入ったものの二週目はなかった。

 ところが、その後、渋谷道劇で今年の新星三人と出会えた。私のH26ストリップLIFEはこの三人に救われた。

 

 一人は、四月頭にデビューした水鳥藍さん。

 初めてステージを観た瞬間、完璧なバレリーナの動きに目が点になる。一目で彼女のステージに魅了された。

藍さんは現役のバレリーナ。午前中に練習をした後に、昼から劇場に来ている。

バレリーナと二股なので、最初はスケジュール調整が難しそうだった。続けてくれるか心配していたが最近は頻繁にステージにのってくれるようになった。

私のスト仲間で、ダンスに固執する方がいる。彼は普段はロックを中心に観劇しているが、藍さんの噂を聞きつけて、ちゃっかり渋谷に来ている。他にも目の肥えたスト・ファンが藍さんの応援に続々とついている。

 

 二人目は、五月結に出会った、西川口所属のJUNさん。

 その週は水鳥藍さんの二週目だったので、藍さんを応援するつもりで顔を出したが、JUNさんにも一目ぼれした。

当時なかなか夢中になれる新人さんが出てこないなぁと落ち込んでいた気持ちがパッと明るくなった。その週はJUNさんと藍さん二人目当てで通い最高に楽しい週になった。次の六月中の上野にもJUNさんの応援に通う。その後、JUNさんのホーム西川口にも行くようになる。もともと私は西川口には縁がなかったが、いまでは回数券をもって従業員さんに顔を覚えてもらうようになった。時には会社帰りに行くも三回公演になりJUNさんに会えずにとぼとぼ帰ったこともあったが決してめげなかった。全てはJUNさんのため。お蔭で私のストリップ行動範囲は広がった。

 

 三人目は、10月中にデビューした小町れのさん。

 H26最後に、最高の新人がデビューした。目の肥えた私のスト仲間が、れのさんのことを今年度ベストスリーに入ると絶賛していた。一人はロックの武藤つぐみさんで、今年は浅草ロックしかのっていないが来年からはポラ館にものり人気がブレイクするだろうと期待されている。そして二番目が小町れのさんだと彼は言う。れのさんは万人受けするかわいい容姿に合わせ抜群のダンスセンスを兼ね備えている。ずっと踊りを習ってきたようだ。本格派バレリーナの水鳥藍さんと意気投合していて、いずれ二人でチームを組みたいと話している。私にとって夢の競演である。実現がたのしみ♪ 現在、渋谷のトップスターである香坂玲来さんと六花ましろさんのチーム「ハモンセラーノ」に負けずに頑張ってほしい。

 

 そういえば、この週は六花ましろさんがトップ。新人の後輩が二人できたせいか、すごくお姐さんになった印象を受ける。そのことを私は手紙で書いたが、ポラ時に他のお客さも同じことを話していた。

 

 最後に、三人とも新作を披露していたのでステージ模様をレポートしよう。

まずは、西川口所属のJUNさん。

今回は三作目になる。私はJUNさんのことを‘麗しの君’と密かに呼んでいる。JUNさんほど、エレガンスという言葉が似合う方はいない。今回の作品もエレガンスな内容だった。

最初の衣装は、白とピンクを基調色にしたドレス。ピンクの袖なしワンピースをベースにして、胸元に銀のキラキラ刺繍入り、また同じく銀の刺繍入りの黒いベルトを締める。スカートの下部はピンクの縁取りのあるふわふわした白い布が三層に重なる。頭にかわいい銀の帽子、白い羽根が立っている。両手に刺繍入りの白い長手袋をはめる。白いブーツを履いて華麗に踊る。

 JUNさんには華がある。華やかな衣装の中に、白とピンクという爽やかな清楚感が漂う。

 次の衣装は、淡いピンクのふわふわな布で、セパレートタイプ。栗色の長い髪を垂らして軽快に踊る。

 最後の衣装もピンク系のワンピースドレス。上半身はショッキングピンクで、スカート部は透け透けであるが小さな花がたくさん縫い付けられている。銀のハイヒールを履きながらベッドショーへ。近くで見ていて、ピアスと星形のポチっとしたネックレスが大人の色香をうまく演出している。

♪いつも頑張って いつもひたむきで♪

 歌詞がまるでJUNさんのことを歌っている。

 

 次に、道劇の小町れのさん。

 二週目にして新作を披露してくることが驚き。ディズニーのミュージカルのよう。れのさんは二番手なので、今週は四回目ステージしか拝見していないが、今回の新作は一日に二パターンを披露していると朝から観ている常連さんに聞いてまたまた驚く。

 最初の衣装は、パープルを基調色にした半袖ワンピース。胸元が紫にキラキラしていて、リボンを付けている。スカート部には白いレースが付いていて何層か重なる。頭にはかわいい銀の帽子と白いリボンを付けている。

 純金のネックレスと、純金の上に白い大きな石がのったブレスレットがすごく華やか。

 黒いハイヒールを履いて楽しく軽快に踊る。

 次は、ミッキーとプルートの会話で始まる。「クリスマスの妖精たち」が集まる。

ティンカーベルをイメージした格好で登場。緑をベースにした衣装。ブラは黒、ウエストは黄緑、スカート部は緑、黄緑、黒の順で鱗状の布がたくさん重なる。背中に白い羽根を付け、髪を垂らし、黒いハイヒールを履いて舞い踊る。

最後に、白いラグジュアリードレスでベッドへ。一転して静かなメロディでラストを締める。「美女と野獣」の名曲が流れる。

れのさんのかわいらしい容姿とヌードはおじさんをメロメロにする♡

 

三番目に、道劇の水鳥藍さん。

今回も、彼女のステージの素晴らしさに唸らせられた。しかも、今週、なんと新作を二個披露。れのさんもそうだが、ダンス経験者は既に自分の引き出しをたくさん持っているようだ。

 ひとつは演目『GAZA』。

 赤いターバンを頭に巻いて登場。銀のランプ、そしてトラ(ぬいぐるみ)。これだけで一気に物語の中に引き込まれる。私はアラジンをイメージした。ハサミを取りだしたところで場面が切り替わる。

 赤いターバンを頭に巻いたまま、ベージュの肌着の上に、こげ茶色のマントを羽織って登場。腰には銀の紐を巻く。裸足のまま、得意のバレエ演技でくるくる回る。まるでなにかから逃げている風にも見える。

 最後に、赤いターバンを取って、短い髪の少女が登場。先ほどのハサミで髪を切ったのだろうか。黒いテカテカしたシルクの衣装。黒いハイヒールを脱いでベッドショーへ。

 立ち上がりの曲がアラジンだったので、私はアラジンかなと思っていた。

 ところが、ラストシーンに手錠をした少女が映し出され、幕が閉まる。

 藍さんと手紙をやり取りして、演目の内容が分かる。

「アラジンのHappyendにならないversionです。笑  現実が夢を叩き壊すのです。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や『ブラジル』でも用いられた方法ですね!」

「この作品は『GAZA』と言います。イスラエル軍により、無差別に空爆を受けたガザを擬人化したものです。サラーム君(トラ)の羽織るスカーフはMade in Palestine。イスラエル兵のいないすきに命がけで日本へ送ってもらったものなのです! Peace!」

 TVで報道されているガザ問題を、まさかストリップの演目でやる人がいるとは思いもしなかったので度胆を抜かされた。

 そして、今週後半にもうひとつの演目「I've get Rhythm」。

 黒をベースにした衣装で登場。襟元は白いが、黒いワンピースに黒いベストを羽織る。黒い網タイツに黒いブーツを履く。椅子に座り、神妙な顔で骨のレントゲン写真を見る。

 バケットから赤い花びらを取りだして撒く。髪の毛が抜ける場面がある。なにか意味深な内容だ。

 藍さんのポラ・コメントに「新作は母に捧ぐ作品です・・。これから母は治療なのです・・泣」とあった。舞台で生きている自分は舞台で自分の気持ちを表現するしかないと言う藍さんの心意気が伝わって来た。

 いろんな意味で頭の下がる思いがする。「デビューして約半年経ちましたが・・・いつか飽きられるのではーと不安です。これからも魂込めて作品作りをしていくのでよろしくお願いします。」「太郎パパ様には本当に感謝しかありません。」

 これだけ踊れる子は今のストリップ界にはいない。藍さんがストリップ界に入ってきたのは一大センセーションである。

 今回の三人が私にとってH26年度最高のトピックスなんです。

「ストリップ・トピックスとまで言いますか!!? 大変光栄です!  ストリップの父にそう言って頂けるとは!!」藍さんのコメントが嬉しかった。

 

 

平成26年11月                         渋谷道頓堀劇場にて