国府田ひとみさんは私の童話ファンの1人。いつも私の童話を楽しみにしていて、また「ボクのステージも是非、童話にしてほしい」とまで言ってくれる貴重なファン。なので、H22年末の渋谷道劇で拝見した彼女の、ワイルドでエロちっくな‘女狼’という演目を童話にできないかな、と頭の引き出しに入れてあった。
年末に息子が借りてきたH22年版ハリウッド映画「バイオハザードIV アフターライフ」のレンタルDVDを観ていたら、歌手の中島美嘉が最初のゾンビ役で熱演していた。これは、童話のヒントになるかな・・・
さて、年が明け、ストリップ始めをTSで迎えた。今年最初のステージは結奈美子さん。
「男は狼なのよ~気をつけなさい♪」というピンクレディの懐かしい曲SOSをバックに、奈美子さんが赤ずきんをかぶってステージに登場。童話「赤ずきんちゃん」の演目である。赤ずきんちゃんがさらわれていく「毛むくじゃらの手」という歌がこれまた面白い。
ステージを拝見していたら、突然、童話のインスピレーションが飛んできた。そして勝手にストーリーが流れていった。
題名は『現代版赤ずきんちゃん –赤ずきんちゃんがオオカミになるとき-』・・・
私は、ストリップ通いをする、しがない中年男性。
お正月早々、素敵な少女がデビューした。
頭から赤ずきんをかぶって登場。
くりくりとしたつぶらな瞳。愛くるしい笑顔。吸いつきたくなる可憐な唇。透き通る白い肌。耳をくすぐる軽やかな声。楽しげにステップを踏んで踊る姿。その全てが観ている男たちを虜にした。
かくいう私も一目で彼女の魅力にはまった。私は手紙で彼女の心のドアをノックしてみた。こんな若くて可愛らしい少女に相手にされるはずはないなと思いきや、彼女は私の手紙に敏感に反応してくれた。私は手紙を通じて彼女と仲良くなった。彼女に会いたくて夢中で劇場に通った。いつしか私は年甲斐もなく恋に落ちていた。
踊り子さんをデートに誘うなんて、いけないことと思いつつも、私は清水の舞台から飛び降りる覚悟で彼女をデートに誘ってみた。
返事はOKだった。ついに私は禁断の扉を開けてしまうことになった。
晴天の空の下、私は天にも昇る気持ちで、彼女とデートに出かけた。
彼女は常に笑顔を絶やさず、会話は弾み、楽しい時間が流れた。
一緒に街を歩いているときに、私は彼女の手を握った。踊り子さんに触れてはいけない!というもうひとつの禁断の扉まで開けてしまった。
ふと、そのとき、ショーウインドーに写る彼女の姿が目に入った。
なんと!そこには女狼の姿が・・・
しかし私は動揺しなかった。なぜなら彼女と一緒に居られるなら悪魔に心を売ってもかまわないと思っていた。
夜のとばりが下りた頃、私たちは公園にいた。
ベンチに座り、私の手は彼女の衣装の中に滑り込んだ。
毛深いな・・・、女狼なのだから当然かぁ・・・と思いなおす。
さらに手を下半身の方に伸ばした。すると、何か固いものに手が当たった。
「えーっ! 赤ずきんちゃんは男だったのぉ~!!!(涙)」
私はさすがに、最後の禁断の扉を開ける勇気はなかった・・・
おしまい
いつの間にかピンクレディの曲は「狼は男なのよ~気をつけなさい♪」という歌詞に変わっていた。
あぁぁ・・・お正月早々、奈美子さんのわかめ酒に酔ってしまったぁ~
ははは、今年最初の童話が・・・とんでもない初夢になりました! ごめんなさい。
平成23年1月 TSにて