今回は、H31年1月中の京都DX東寺における、日美姫ゆかさん(DX東寺所属)のデビュー週の模様を語りたい。

 

 

 久々の京都DX東寺からの新人デビューである。DX東寺所属の現役踊り子としては現在は葵マコさんしかいない。葵マコさんは私の大好きな踊り子さん。

 DX東寺の常連さんから私に連絡があった。DX東寺としては、久々の新人をプロの踊り子としてデビューさせるにあたり、先に素人大会に出して場慣れをさせているようだ。踊りは上手いとの情報が入った。私は彼女と会うのが楽しみで、関東から関西に向かった。

その週の香盤は次の通り。①神崎雪乃(晃生)、②日美姫ゆか (DX東寺)、③愛沢真実 (晃生)、④香坂ゆかり(ロック)、⑤椎菜アリス(ロック)〔敬称略〕。

 

 平日は空いているとの情報だったが、私が行った楽日前日の土日も客入りは少なかった。

 今週は、ロックの新人である椎菜アリスさんと、晃生の新人の相沢真実さん、そしてデビュー週の日美姫ゆかさんの、新人三人が目玉。三人ともまだ固定客がついていない分、集客力が弱いのだろう。私のような新人好きは別だが。

 

 日美姫ゆかさんを拝見した私の第一印象を書いておこう。

 ふつうにかわいい感じのお嬢さんである。

 とてもダンスセンスがいい。踊りが好きでプロになりたいという気持ちは伝わる。

 私はいつものように、新人に対するお手紙とプロフィール等の質問用紙(アンケート)を同封した。お客が少ないこともありアンケートへ回答する時間はあるだろうと思った。私としては、この回答に基づいて話題を探し仲良くなりたいと思っている。大概の踊り子さんはファンとして応援して欲しいので、すぐに記入して返却してくれる。ところが、日美姫さんの場合は、その日アンケートは返ってこなかった。

 私は後半二日間しか滞在しないので、頂いたアンケートの内容に基づいて、すぐに観劇レポートを書いて翌日には渡すつもりだった。自分の観劇レポートは大抵の踊り子さんが喜んでくれるから。しかし私の思惑は当てが外れた。

しかし、彼女からのポラのコメントを見ると、彼女の気持ちが伝わってきて、アンケートをお願いしたのが気の毒になってきた。「お手紙拝見しました。今日はなかなか余裕がなくてちゃんとお返事できないかもしれません・・。ごめんなさい。ステージのことで頭がいっぱいでわーっとなってしまってます。ショーを楽しんでいただけるように頑張って踊ります!!!」

これを読んで、彼女の切羽詰まった心境が伝わってきた。冷静に考えると、ロックの新人・椎菜アリスさんには同じロックの先輩・香坂ゆかりさんが傍にいるし、晃生の新人・相沢真実さんには同じ晃生の先輩・神崎雪乃さんが付いている。それなのに、肝心のここDX東寺の新人には相談できる先輩がいないではないか。こんな心もとないことはないだろう。彼女のボラ・コメント「ストリップやダンスの事、知らないことが多くて恥ずかしい限りですが、これから色々と学び吸収していきたいと思います。頑張りますので応援よろしくお願いいたします。」が切々と響いてきた。

お客が少なかったのでアンケートに回答する時間はあるだろうと勝手に思ったこと、なにより自分本位でつまらないことを頼んだ私の方が申し訳ない気分でいっぱいになった。今回は観劇レポートを書くのを止めて、少し長いスパンでゆっくり対応しようと思った。彼女が踊り子を続けてくれれば、どこか他の劇場に乗った時にでも、ゆっくりアンケートに答えてもらえればいい。

 

 話は変わるが、実はつい最近、ある踊り子の観劇レポートを書くために、彼女のステージの選曲について調べていた。その中にSEKAI NO OWARIの曲があった。曲の素晴らしさに感激し、その楽曲を作ったリード・ボーカルの深瀬慧(ふかせ・さとし)さんに興味を持ち、その人物像を調べた。私はそこで彼のパニック障害について初めて知った。「高校時代は、ほとんど学校へ行かないまま、一年生の時に退学。そのあと、アメリカンスクール通学を経て、アメリカへ2年間留学の予定が、慣れない生活や文化の違いからか2週間で帰国。その時、パニック障害と診断され、そのまま精神病院行きになります。」「精神病院に入院していたセカオワ深瀬は、当時『自分の人生は終わった』と悟ったと同時に、『これが始まりなんだ』とも思ったようです。今の自分が『世界の終わり』、そこから始めてみよう、この思いから、セカオワ深瀬のバンド活動が始まったのです。」この事実に驚き、かつ感銘を受けた。

 そうしたら、ミュージシャンの中には精神的に病んだ人がたくさんいることを知る。ネットに紹介されている音楽家は名だたる有名人ばかり。Coccoさん、華原朋美さん、Gacktさん、玉置浩二、KinKi Kidsの堂本剛さん、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔さん・・・

「ミュージシャンとか、哲学、言葉(歌詞)の創造性に長けている人は現実逃避傾向にあり、

音楽にのめり込む以外、精神の安らぎがなかった人達が多いです。」と解説されていた。

 

 踊り子の中にも、そしてストリップ・ファンの中にも精神的に病んでいる人はたくさんいることだろう。客側の立場で言わせてもらっても、ストレス解消、現実逃避からストリップにのめりこむ人はたくさんいる。そして、女性のきれいなヌードに心を癒される。

 今回の日美姫ゆかさんのケース・スタディで感じられるのは、アンケートへの回答とか、観劇レポートとか、踊り子と仲良くしたいという思惑すら、どうでもいいことだ。客側の勝手な思いだ。ただただ、「ショーを楽しんでいただけるように頑張って踊ります!!!」という彼女のまっすぐな気持ちを大切にしたい。そんな気分にさせられた一日だった。

 

   

平成31年1月                           京都DX東寺にて