今回は、H25年2月頭の「大阪東洋ショー劇場 (休館前の)開館記念特別興行」の話をします。

 

忘れもしないH24年11月3日(土)の警察ガサ入れから三ヵ月経ち、大阪公安委員会から正式に240日間の営業停止という行政処分が下りた。今回の特別興行は当初2月15日までの予定だったが、2月13日(水)から10月12日までの営業停止となったため、急遽3日早めて2月12日(火)が最終日となった。東洋ファンの中には2月15日(金)に会社に休暇届けを出している人もいて慌てていた。

東洋の劇場内の壁に、大阪公安委員会から「公然わいせつ罪」で起訴された旨が掲示されていたが、ストリップは風営法で認められているものだから今更「公然わいせつ罪」でもあるまい、実際は売上計上漏れの脱税だろうと噂されている。どちらにせよストリップ劇場としてはよくある話だろうから、結局のとこ警察当局によるストリップ劇場に対する弱い者いじめということだろう。

 

 東洋だけでなく、H25年1月28日の新宿TSミュージックへも初めての警察ガサ入れがあり、ストリップ業界全体に激震が走っている。

 これまで警察ガサ入れがなかったロックの踊り子さんでもかなり動揺している。理由がはっきりしていないため、いつ、どの劇場が摘発されてもおかしくない状態だ。まさにストリップ存亡の危機に陥っている。

 また、劇場の閉館が続く中で、それに輪をかけ警察ガサ入れで休館が相次ぎ、踊り子さんの仕事場がどんどん無くなっているという切実な問題が起こる。現在も栗橋大一劇場が五月まで休館になっている。その上、東洋とTSという大手の劇場の休館が続くわけだから、たまったものではない。

 TSは、他に系列として池袋ミカド劇場とシアター上野、そして芦原ミュージック劇場を持っているので、専属の踊り子をそこを中心にして回すことになるだろう。問題は、東洋の踊り子さんだ。東洋には系列の劇場がない。一番多く出演していたTSが閉まるのがきつい。ミカドや上野だけでは枠が少ない。他に、渋谷道劇、DX歌舞伎、大和、若松、そして関西の晃生とDX東寺、広島大一、A級小倉などか。普段はのることのないロック館にものせてもらうしかないだろう。ただ、中堅クラスは乗れるだろうが、問題はギャラの高いトリクラス。ロック館以外は難しい。そんな中、若手のエースである立花さやさんの引退する噂が立つ。(さやさんと仲のいい星川音々さんが直接さやさんに確認したところ、辞めるわけではないと明言してくれ、ホッとしている。それにしても、まるで、この事態を予想してたかのような休業である。) 榊なちさんはどうなるのだろうか!とかファンの間でも心配の声があがっている。現在ロック館に唯一のっている水元ゆうなさんが急遽浅草ロックに香盤が入り、そのため玉突きでロックの香盤にも影響し出したという話が聞こえてくる。他の劇場にも多かれ少なかれ同様のことが起こるだろう。

 

そんな中、H25年2月1日から東洋ショー劇場の開館記念特別興行がスタートした。

 公演前半はそれほどの客入りではなかったらしいが、2/9(土)~2/11(月)の三連休は凄まじい客入りだった。これだけ立ち見が多かったのは久しぶり。

 しばらく休館になること、そのためプリペイド・カードを消化したいという思惑もあるのか・・・でも、なんと言っても、今回デビューしたトリの周防ゆきこさんの存在が大きいようだ。

 

 最初の2/1~10までのメンバーは次の通り。全て東洋の踊り子さん。①木城レナ、②上野綾、③渚あおい、④遠野こころ、⑤川村あいね、⑥周防ゆきこ〔敬称略〕。 

次の2/11~12までのメンバーは、上野綾さんと川村あいねさんがTS出演のため抜け、代わりに吉田花さんが入り五人香盤。ただ11日は撮影会があって、四回目から参加。美里麻衣さんの名前もあったが消え、結局最終二日間は4~5名で対応。2/11の1~3回目は、①木城レナ、②渚あおい、③遠野こころ、④周防ゆきこ〔敬称略〕。四回目から吉田花さんがトリ前に入る。

 

 私は、2/10(日)との楽日前2/11(月、建国記念の祝日)の二日間の観劇を楽しんだ。残念ながら四回目の吉田花さんのステージは見れずに、夜行バスで帰ることになった。

 ともあれ、今回の開館記念特別興行は最高のメンバーが揃い、素晴らしい内容だった。

 先週のTSで警察のガサ入れを体験した渚あおいさんを心配していたが、元気に踊っているのを拝見してホッと安心した。

 遠野こころさんは、今回の公演後しばらく休業に入る。また必ず戻ってくるので八ヶ月間みんなで乗り切ろう!と話してくれた。

 今回の公演の目玉は、デビューした周防ゆきこさん。今週TSに通っていたときに、楽日に東洋に行く話をしたら、東洋の伊吹千夏さんから「周防さん、すごくかわいいから、太郎さん一目ではまっちゃうと思うよ」と話してくれた。実際に撮影会などで周防さんに会ったことのあるスト仲間からも生写真を見せてもらい、かわいさの太鼓判を押してくれた。こうした前評判を受けて、初めてステージを拝見すると、まさに評判通りの美少女。

ステージに現れた瞬間、場内がパッと明るくなり、爽やかな風が吹き抜けた。ベッドショーでは観客が固唾をのみ、その視線を釘付けに。場内が静まり返りピーンと張り詰めた空気が、立ち上がりの瞬間から盛大な拍手の嵐に変わった。オーラに包まれたこの雰囲気は「一流の踊り子」にしか醸せないもの。まさに彼女は‘ストリッパーの申し子’である。

 ツインティールの髪型でAKBなどのアイドル顔負けにかわいいし、スタイルも良く、踊りのセンスもいい。しかも、ポラ対応がよく、フレンドリ―に接してくれる。ベッドのときに私とちらっと目が合い微笑んでくれ、そしてポラの時「一生懸命に観てくれて、ありがとうございました」と挨拶された。愛想よく振る舞うので既に人気が大爆発していた。毎回のステージで、ポラの行列が場内コの字型になり、延々と30分以上続いた。

まさに東洋の看板をはれる、いやストリップ界の看板になれる逸材である。

 それにしても、デビューのタイミングが悪かったなぁ~。本人が言うには、東洋限定の出演らしく、今度乗るのは八カ月後の休館明けになる。それまで踊り子としてのモチベーションを維持してくれればいいが。

 関東の劇場にのるにしてもTSが休館してしまうから可能性がない。私としては一目で気に入ったにもかかわらず、しばらくお預けをくらい、本当に残念な思いである。

 

 今更ながら、これからの八ヶ月は本当に寂しい期間となる。私個人的にも、大阪に遠征する楽しみが減ってしまう。しかも、ホームであるTSミュージックも休館になると、大好きな東洋の踊り子さんに会えなくなってしまう。そう思うと泣けてくる。

東洋の踊り子さんは本当に大変だ! 是非、業界をあげてバックアップしてほしい。

私は、これまで劇場はそれぞれ競争し合いながら独自の売りや特徴を出してほしいと考えていた。そのことがストリップ業界の発展につながると信じて。ただ、今はストリップ界全体の存亡の危機。つまらない劇場の喧嘩はやめてほしい。見栄やプライドは捨てるべし。全ての垣根を取っ払い、みんなで協力し合って、この難局を乗り切るしかない。

ひとつ提言したい。このピンチをチャンスにする妙案である。しばらくの間、ストリップ業界全体で大々的に、全国の劇場が現在の踊り子の出演数にプラス1名して特別興行を行うことにする。プラス1名は東洋の踊り子を中心にして割り当てる。東洋の踊り子は人気が高いから集客力があるので、ストリップ客が増えることが期待できる。万一、赤字になってもしばらくは出血大サービスとする。全国的にストリップ客が増えればいずれは元をとれる。また、各劇場で積極的に東洋大会とかTS大会を企画する。こうした催しをどんどんやってほしい。

お客も、つまらないサイト等に踊り子や客同士の誹謗中傷している状況ではないぞ。みんなで一致団結してストリップ劇場を守っていかなければならない。

まさに、劇場側も踊り子も客も、ロック系とかTS系とか言ってないで、挙党(挙国)一致体制で臨むべきだ。

 

 大好きなストリップよ、永遠であれ! そう信じて疑わない。

 

平成25年2月                            大阪東洋にて