立花さやさん(大阪東洋ショー所属)の引退レポートをお届けします。
なんてキレイなんだろう・・・
なんて素晴らしいステージだろう・・・
私は感嘆の溜息を洩らしながら、真正面のかぶり席でステージを眺めていた。
とうとう引退公演が始まってしまった。いま私は初日の1ステージを観ている。
さやさんの引退は既に昨年から分かっていた。警察のガサ入れのため昨年二月に東洋が休館し、10月の再開までの八か月間、さやさんは劇場にのらなかった。この時に引退は決まっていた。さやさんは10月東洋再開公演に出演していたが、翌年の誕生日(9/18)まで踊り子を続けないだろうと聞いていた。
H26(2014)年お正月公演では、出演者全員が新作を披露していたにもかかわらず、さやさんだけが新作でなかった。その週が本人の三周年に当たるにもかかわらず。この時点で、さやさんの引退は確実なものとして、ファンとして完全に諦めの気持ちになった。お正月のおめでたい公演ではあるが、さやファンとしては複雑な気持ちで観劇していた。引退は春頃かなと私は感じていた。
そして、予想通り、この3/1~15の引退週を迎えることになった。
私は初日3/1(土)、早速大阪東洋に向かった。夜行バスで早朝八時過ぎに劇場に着いたら先客一名の荷物が置かれてあった。先客は仲良くしている伊吹千夏ファンの方。彼は滋賀から来ている。他にも仲良くしている水月蓮ファンのかTさん。11時のシャッター開場前に並んでいた五六人は全て遠征客だった。
今週の香盤は次の通り。①伊吹千夏(東洋)、②水月蓮(ロック)、③青山ゆい(東洋)、④川原美咲(ロック)、⑤立花さや(東洋)〔敬称略〕。ちなみに、当初、ロックの新野美穂さんが香盤に入っていたが、直前の公演で顎を負傷したらしく、穴埋めに川原美咲さんが出演。
1回目ステージのトリを飾り、引退作品がお披露目。
最後の作品は和物で来た。舞台構成に少し時間がかかったのは、後方に大きな障子を衝立てするためだった。
華やかな白い着物姿で登場。真っ赤な帯を締め、腹部に赤と紫の大きなリボン状の飾り付けが施されている。振袖にはピンクの花が散在。
髪飾りが凄い。長い髪を垂らし、左側に付けたピンクの花の周りを白い羽毛と白いベールで囲む。髪飾りだけ見るとウエディングドレスっぽい。これを着物で決めているところがさやさん独自の斬新さ。
白無垢なので、花嫁衣装をイメージさせられる。たくさんの大きな羽根が付いた白い扇子を持って舞い踊る。
一瞬「狐の嫁入り」が浮かぶ。白い大きな羽根が狐の尻尾に見える。
引退なんて嘘だよね・・狐に騙されているんだ・・そう思いたかった。
後方の大きな障子にさやさんの踊るシルエットが映る。狐が笑っているようにも見える。
次の衣装も、赤い着物姿。赤がベースになっているが、金銀の花模様が豪華に刺繍されている。肩肌を見せ、しっとりとベッドへ。
着物の下から白い美しいビーナス像が現れる。セクシーなベッドショーが始まる。
さやさんのエロス、しっかり受けとめています。着物を脱がなくても、私にはさやさんの裸体は全て見えるよ。バストもヒップも、そして大切なところも、全て目に焼き付いている。私はさやさんのエロポラを一枚も持っていないが、これまで、いつも近くで、まさに穴が開くほど真剣に観て来た。だから目をつぶると、いつもさやさんのヌードが拝めるんだ。
ベッドの最後に、さやさんが正面に向かって丁寧に深々とお辞儀をする。目の前にいる私に向かって、まるで「早く引退してごめんなさいね」と謝っているように感じられた。さやさんが顔を上げ目が合ったら、私は号泣しそうになるだろう。実際には目が合わなかったけど、私は心の中で大泣きしていた。
なんでこんなに早く引退してしまうんだ・・・
もっともっと応援していたいよぉ~・・・
私はさやさんを失いたくない・・・
選曲がまさに引退らしく涙を誘うものが続いた。
最初の曲は邦楽の英語版。聞きなれた曲なのに誰の曲だったか、なかなか思い出さない。コブクロの曲かなぁ~?
次に一青窈さんの「はなみずき」。100年先も君と一緒にいたい♪ 本当にそう思うよ。引退なんてしないでほしい・・・
そして、衣装が変わって、曲は「言葉にならない」。オフコースの名曲を女性ボーカルでカバー。私はオフコースの大ファンで、しかもこの曲には心酔している。
あなたに会えて本当に良かった♪
涙が溢れ、さやさんの姿が霞んできた。これまでの思い出が頭の中で走馬灯のように流れ、たまらない気持ちになってきた。涙が頬を伝った。ステージ真正面で泣いているのを見られたって平気だー。この悲しみは止められない。
引退に相応しい素晴らしい作品である。
この作品を三周年作としてお正月に拝見できていたら、さやファンとしてどんなに嬉しかったことだろう。一年前のお正月、二周年を迎えた立花さやさんが周年作品「ブラック・スワン」を初披露。私はこの作品を観たときに、身体中に戦慄が走った。素晴らしい作品である。さやさんは真に東洋の看板に相応しいと実感し、さやファンとして幸せな気分になっていた。さやさんは単に外見が稀有の美しさを持っているというだけでなく、東洋の看板をはれるだけの実力と品格を兼ね備えている。残念ながら、この作品は本公演だけしか観れなかった。
引退してほしくない、心がそう叫んでいる。
しかし、ストリップの父を自認している私としては、父として娘の引退を祝福し次の人生に送り出したあげなければと思う。
事務所の問題とか、寿引退とか、いろいろ噂されているが、私にはそんなことはどうでもいい。さやさん自身が、ストリップを続けるよりも、もっと幸せになれると判断して引退を決意したのなら、それを粛々と受け入れるのがさやファンの採るべき態度であろう。
三年間の思い出が次々と浮かんでくる。とくに関東の劇場(TS)で日夜会いに通った楽しかった日々。皆勤は一回だけだったかな。さやさんが私の似顔絵を描いてくれたTシャツ、私の宝物です。さやさんがきっかけで、YさんやHさんと仲良くなりました。彼らのように毎回皆勤できずに申し訳ありませんでした。最後に今更ですが、浮気者の私をお許しください(笑)。
警察のガサ入れや劇場の閉鎖、ベテランの踊り子さんの引退など、淋しい話題が続きます。さらに、東京オリンピックが決まり、ストリップ界にシュリンクした空気が立ち込めています。でも、ストリップをこよなく愛するファンとして、必ずストリップと踊り子さんを護っていくよう、これからも応援する覚悟です。
最後に、この三年間、仲良くしてくれて、本当にありがとうございました。
ストリップの父を自認する私にとって、さやさんは太郎チルドレンの一人。私のタネで、これだけの美人は産まれないでしょうが(笑)、そう思わせて下さい。
これからの人生に幸多きこと祈念します。お元気で!
H26年3月15日 大阪東洋にて