今回は、晃生の青山はるかさんの、H25年1月結のTS公演について、観劇レポート「愛を浴びる」(その16)にて掲載します。

 

 

  H25年1月中の晃生で行われた、青山はるかさんの一周年イベントに参加するも、私はイベントの主催者側にはならず、当日お花の準備もしなかった。たくさんのファンがお花をあげるだろうと思っていたので、その中の一つにされるより、翌週のTSで個人的に別途お祝いをしたいと考えていた。

 私からのお祝いは、お花よりも、イベントのレポートと新作を題材にして童話をプレゼントすることだった。

 TS公演の初日、会社帰りにすぐにTSに向かい、三回目ラストのステージに間に合う。早速、準備していたレポートを渡す。

  そして、四回目ラストのポラ時に、お花と一緒に童話『水の国からきた少女』を渡す。

私にとって、はるかさんへの一番のプレゼントはこの童話だった。かなり強い想いを込めて書き上げた。今回の周年作「ストリップ天国」での、ツイン・ティールでかわいい制服姿のはるかさんを見た瞬間、私は中学時代の初恋の相手を思い出した。はるかさん、彼女になんか似ているんだな~。胸がキュンキュンし出した。あの時の思い出を下地にして話を展開させた。少女の名前は、はるかさんのAV名の石川鈴華からとった。

転校生というストーリーは敬愛する宮沢賢治の『風の又三郎』をバックボーンとし、風ではなく雨をモチーフに使った。題名は「時をかける少女」ばりに「水の国からきた少女」とする。私のカラオケ十八番のASKA「始まりはいつも雨」をバック音楽とし、この中のフレーズも意識的に取り入れた。こうして一つのストリップ童話が完成した。はるかさんには潮吹きのイメージが頭から離れないので、どうしてもこういう展開になってしまうよ(笑)。初恋の思い出がセンチメンタルに頭を過り、とても懐かしく、そして出来上がった童話が抱きしめたいほどに愛おしく感じた。私の中から童話を生み出してくれたはるかさんに心から感謝したい。

はるかさんの感想が嬉しかった。「鈴華の物語はとても切なくてなんだか嬉しかった。」

 ちなみに、はるかさんから「今回ストリップ天国だけど童話にするのが難しい・・・よろしくね(笑)」と追記されてあり、えっ! まだ別の童話を期待しているのぉ~!!!(笑)

 

 はるかさんが私のために童話を書いてくれた。「たろう物語 ストリップを観てそれを童話にする方がいました。ある日一人の踊り子に自分について書かれます。それは永遠に物語を綴って欲しいという願いのこもったものでした。そうして、たろうは終わりの無い物語を書き続けました。」

 まさに今の私はストリップを観ながら、終わり無い物語を書き続ける存在なんだと思いました。ストリップ・ネバーエンディング・ストーリー!

 心無い人の誹謗中傷や会社通報でかなり落ち込んでいる私に対して、はるかさんは「気にして人を見ながら観劇していると、たろうさんの楽しい時間がもったいないよー。だから、酷い事しか書けない可哀想な人って同情してあげようー」と言ってくれる。本当にそうだね。私は自分の大切な時間を、大好きな踊り子さんやストリップのために費やしたい。そして、終わり無い物語をたくさん書き続けたいと心からそう願う。

 

 はるかさんとの楽しい時間が過ぎる。

 また、今週の他のメンバーも最高で、私は皆勤間違いなしのペースで通い続けていた。

香盤は次の通り。①近藤愛菜(道劇)、②鏡乃有栖(TS)、③渚あおい(東洋)、④吉田蓮(晃生)、⑤海宙まみん(TS)、⑥盃島楓(TS)、⑦青山はるか(晃生)〔敬称略〕。

 ところが八日目に大変な事件が起こる。警察のガサ入れのため、一瞬にして私の皆勤は吹っ飛んだ。

 警察はロクな事をしない。他にやることがあるだろ!と叫びたい。警察のガサ入れについては、別のレポートで詳しく述べる。

 

 はるかさんのことが心配になる。あるスト仲間が事件のことを知らずに、翌日TSに行ったときに、たまたまはるかさんが荷物を取りに来ているのを見つけたようだ。元気そうだったと聞いた。

 翌週の小倉A級公演にも無事出演していると聞いて安心した。

 もちろん精神的なショックは大きいと思うが、彼女は負けないと信じている。いままで通り応援できるのが、私にとって何よりも幸せなことである。私も負けないように、ストリップと踊り子さんを愛し続ける。

 

平成25年1月                              TSにて   

 

 

 

 

                            H25.1

水の国から来た少女 ~青山はるかさんの一周年記念に贈ります~

 

 

 彼女に会う日は、不思議なことに雨の日が多かった。

 

そう、初めて会った日も、白く煙るような霧雨だった。

 彼女の名前は鈴華。

 鈴華は、中学一年の冬休み明けに、大阪の晃生中学から、僕の学校に転校してきた。

 彼女が教室に入ってきた瞬間の衝撃は今でも忘れられない。髪をツインティールに結び、まるでお人形さんのように可愛いかった。紺色と白のセーラー服は他のどの女子生徒よりも似合っていた。まるでセーラー服が彼女に着てもらって喜んでいるようだった。僕は彼女を見た瞬間に、霧雨がすーっと晴れて、心がパッと日本晴れになった気がした。

 

 鈴華は、学級委員長をしていた僕の隣の席に座った。ちらっと横顔を見る。これまでに、こんなに可愛い子を見たことがない。僕は彼女を横にしてドキドキしていた。

「ペンを貸してくれませんか?」と言われ、僕はすぐさま胸のポケットに差し込んでいたシャープ・ペンを渡した。彼女はペンを受け取りながら「このペンに、太郎くんの温かみを感じるわ」と笑顔を向けてくれた。僕はこのときに恋に落ちた。初恋だった。

 

 スポーツが好きだという鈴華は、テニス部のマネージャーになった。

 僕は運動が苦手で、いつも読書ばかりしているオタク系だった。でも同じクラスに小学校からの親友がいてテニス部に入っていた。毎日のように親友とはおしゃべりしていた。そして親友に、鈴華のことが好きなことを話した。親友が僕と鈴華との間をとりもってくれることになった。僕は鈴華にラブレターを書き、彼が渡してくれた。

 待ち合わせ場所を、放課後の公園にした。

 待ち合わせ時間の少し前から急にどしゃぶりの雨が降り出した。天気予報にもなかったので通り雨のようだ。「ついてないなぁ」と思いながら、僕は木陰に寄り添っていた。

 鈴華が雨の中を僕の方に向かって走ってきた。「こんな雨の中を来てもらって、ごめんね」と僕が話しかける間もなく、彼女の方から僕に向かって「ごめんなさい!」とひとこと言い放って走り去っていった。僕の初恋はあっけなく終わった。ただ彼女の瞳が濡れていたのは、雨なのか涙なのか分からなかった。

 

 翌日からは、教室の中で、隣同士にもかかわらず、お互い話しかけられずに気まずい思いをして過ごした。でも、僕はずっと鈴華のことが好きだった。横顔を見ていると心がときめいた。

 ふと、鈴華の足元がいつも濡れていることに気づいた。僕の気のせいかな・・。

 いつだったか、鈴華が立ち去った後の、彼女が座っていた椅子の上にほんの小さな水たまりがあった。なんだろうと思いながらも、僕はその禁断の果実のような水たまりに胸の鼓動が高まった。そっと指先をつけ、それを鼻先に近づけ匂いをかぎ、それを舌先で舐めてみた。無味無臭であったが、あえて言えばポリスエットのような味かなぁ。

 突然、窓の方から音が聞こえ、僕は息が詰まるほど驚いて振り向いたら、雨が窓を叩いていた。そのときの記憶が妙に強烈に残った。

 

 一年があっという間に経ち、また冬休みが明けた。

 鈴華はまた父親の転勤に合わせ、転校することになった。彼女の最後の日に、クラスのみんなで送別会を開いた。一人一人が鈴華との思い出を語り、それを送別の言葉にした。僕は冗談ぽく「鈴華が転校してきてから、ずっと好きだったんだよ。勉強が手に付かずに成績が落ちちゃったよ。」と言った。親友が「今頃、告白しても遅いぞー。ちなみに、おまえの成績が落ちたのは単に勉強しなかったからじゃないか。」とからかった。みんなが笑った。僕も笑った。

 みんなの言葉を聞きながら、鈴華は大粒の涙をこぼした。こんなに大量の涙を見たことがない。そして、こんなに美しい涙を初めて見た。

 

 僕は彼女が校舎から出て行く姿を窓越しにずっと眺めていた。

 その日も雨だった。雨粒が校庭の土を強く叩き跳ね返っていた。まるで水のトンネルをくぐるように鈴華は去っていった。

 そのとき僕は鈴華が「水の国から来た妖精」であると強く感じた。

 

 

 あれから、もう40年近くの年月が過ぎた。僕は今では50歳を過ぎ、ストリップ通いを趣味にする、しがない中年親父になっていた。

 ある日のこと、大阪にある晃生ショー劇場に初めて足を伸ばした。

 場内に入った瞬間に、僕の身体は凍りついた。鈴華がステージの上にいた。いや、もう40年近く経つから鈴華のはずがない。あまりにも当時の鈴華にそっくりだったので驚いた。ステージの上の踊り子は青山はるかさんと言った。

 はるかさんは容姿が鈴華そっくりにチャーミングなだけではなかった。潮吹きショーという特別な出しものを行った。長年ストリップ通いしているが僕にとって初体験のショーだった。彼女から噴出す潮がまるで雨のように降り注いだ。僕は潮を浴びながら水の国にいる感覚に酔いしれた。それは愛を浴びている幸福感だった。

 僕は踊り子としてのはるかさんを応援しながら、今40年越しの初恋を楽しんでいる。

 

                                    おしまい