H24年9月中の大阪晃生ショー観劇を、晃生パラダイス(その9)としてメモリアルしておく。
9月中の大阪晃生に急遽、青山はるかさんの出演が決まった。この週は、羽音芽美さんの三周年イベントもある。この三連休は大阪晃生への遠征で決まり!
三連休初日9/15(土)は異常な混みようだった。東洋の常連さんもたくさん押し駆けてきていた。98席すべて埋まっており、立ち見までいた。こんなに混んでいる晃生は初めて。
今週の香盤は次の通り。①冴木里江(渋谷道劇)、②さくらみみ(フリー)、③羽音芽美(晃生)、④ゆの(フリー)、⑤青山はるか(晃生)〔敬称略〕。
初日一回目が終わったのが四時半。1人約一時間もかかっている。晃生の人気者である羽音芽美さんと青山はるかさんのポラが売れるのは理解するが、他のメンバーも同じようにポラが売れまくっていた。晃生というのは本当ポラのよく売れる劇場だ。
今回は、羽音芽美さんのために書き下ろした童話をプレゼント。題名は『ウエディングドレス』。もともと、この話は春夏秋冬ごとに白いドレスを登場させようと考えた。冬は雪で決まりだが、他の季節をどうしようか悩んだ。私は芽美さんの二周年作のステージから、花びらでウエディングドレスを作ることを思い浮かぶ。次に、羽音という名前から白い鳥の羽毛からウエディングドレスを作ることを発想。ところがもうひとつがどうしても出てこない。
今回は三周年だから、三つでいいか・・・ということで、三姉妹の話にした。
芽美さんはすごく喜んでくれた。ポラが売れまくって手紙を書く時間がないところ、どうしてもコメントを書きたかったのでメモに書いたものを渡すね!と返却ポラに同封されていた。「ステキ!私はこれが一番好きなお話です!!」「ウエディングの作品を考えておりましたのでびっくりしました!! ありがとう」「私は三種類を組み合わせてウエディングドレスを作ります。もちろん手作りで!!」 私も喜んでもらえて最高に嬉しかった。
三連休初日は押しに押して、三回目が終わったのは10時半になった。ふつうなら、これにて終演となるところが、なんと四回目もやる!というから驚いた。
劇場側は張り切って四回公演にしたが、踊り子も客も疲れていた。でも三連休なのでいいかと気持ちを切り換える。四回目が始まる時に20人くらいの客が残っていた。
私はこの時点で、劇場近くのサウナ「湯~ポート」に泊まろうと覚悟を決めていた。何時になろうと最後までお付き合いします。終わったのは深夜一時。私ははるかさんに「また明日も来るね!」と言って劇場を出た。湯―ポートでは運よく就寝ベットがとれ安眠できた。
翌朝、七時頃に起床。お風呂でさっぱりしてから八時前に晃生に向かう。誰もいないかと思ったら、既に荷物が二つ並んでいた。
三連休二日目も大入り。昨日同様にポラが売れまくった。完全に1人一時間コースで、一回目が終わったのが五時になった。五人で五時間もかかるのは初めてでホント驚いた。
この日は最初から三回公演と決めていたらしく、劇場側はダブルをやろうとせず、全てピンで進行。そのため、二回目が終わったのが、九時半近くで、それから羽音芽美さんの三周年イベントが行われ、三回目スタートはなんと10時15分になる。
羽音芽美さんの三周年イベントは感動的に盛り上がった。たくさんのファンが企画に参加していた。大きな花束を見ても、かなりの出費だろうな。まぁ、お金というより、気持ちだね。そうそう、ファン代表のコメントにはほろっと来るものがあったね。芽美さんのことをよく理解してあげて、しっかりフォローしていることに感心。芽美さんはこれだけのファンに囲まれ本当に幸せな踊り子さんだと感じた。ファン代表の方が「三年の次は五年を目指して!」と話した時に、すぐに芽美さんが「五年はいないわよ」と切り返していましたが、簡単には辞められませんよ~(笑)
芽美さんの三周年作は大好きな花をモチーフにしている。二周年作も花をモチーフにした白い衣装でまるで‘花の妖精’のようだったが、三周年作は‘花のお姫様’という感じで花の蔓が印象に残る。私なりの三周年プレゼントとして、『ウエディングドレス』に引き続いて、今回の作品を童話にできないかなと考えながらステージを拝見していた。芽美さんのスケジュールは次は9結の上野、10頭のTSと関東公演が続くので、ホームTSで童話を渡してあげたいなと密かに考えていた。そうして出来上がった童話が『愛の蔓』である。気に入ってくれるかなぁ~
平成24年9月 大阪晃生にて
『愛の蔓(つる)』
ローマの街に、有名な物語の主人公の銅像がたくさん並んでいる場所がありました。
そこに、最近、新しい石像がひとつ加わりました。世界三大悲劇のひとつ、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』です。ロミオとジュリエットがそれぞれの家の窓からお互いを求めて手を伸ばしている場面がモチーフになっていました。
二人の表情がとてもリアルで、ロミオは必死な眼差しをジュリエットに送り、ジュリエットは届かない愛を嘆いて泣いているように見えます。まるで石像から、障壁に苦しむ愛の叫びが聞こえてくるようでした。
二人の白い石像から少し離れたところに、幸福の王子の銅像が立っていました。
王子は二人の様子を見て、いたたまれない気持ちになりました。どうにかして二人の愛をつなげてやりたいと思いました。
王子は自分の肩にとまっているツバメに声をかけました。
「私の足元に咲いている花の種をロミオの足元に置いてきてほしい。」
ツバメは王子に言われたとおり、花の種をロミオの足元に置き、土をかぶせました。
その晩、激しい雨が降りました。
すると、ロミオの足元から花の芽が出て、茎が伸び始めました。蔓がどんどんロミオの足に絡み、回りながら上り始めました。足から腰へ、胴体を回り、そしてジュリエットに向かって差し出している腕を回り始めました。指先まで来た蔓は伸びることを止めずにロミオの指先から長く垂れ下がりました。
二人の指先は1メートルほど離れていたでしょうか。蔓がジュリエットに届くのは無理でした。
ところが、突然、下から風が吹き上げ、その蔓はジュリエットの手に掴まりました。その瞬間、ロミオとジュリエットの目が光り、蔓は激しくジュリエットの腕に絡みつきました。決して離さないという強い意志を感じます。蔓はそのままジュリエットの身体に巻きつき強く抱きしめました。ジュリエットの瞳から涙が滴り落ちました。
翌朝、昨夜の雨は嘘のように晴れ上がりました。
ロミオとジュリエットの白い石像と緑の蔓が目にまぶしいほどの色彩のコントラストを奏でていました。不思議なことに、二人の指先をつなぐ蔓の部分にたくさんの花が咲き始めました。まさに二人の愛が実った証。ロミオとジュリエットの表情は優しい柔和な雰囲気に変わりました。
花の蔓にツバメがとまり、甲高い声を上げました。
たくさんの人々が二人をつなぐ花の蔓を見て、とても幸せな気持ちに包まれました。いつしか人々はこの蔓を「愛の蔓」と呼ぶようになりました。
おしまい
天高きところから、天女が下界を眺めていました。「何か面白いことはないかしら」
雲しかない天空を退屈していた天女は、ある日、一本の蔓を下界に垂らし、その蔓をつたって下界に降りました。
たくさんの花々が咲き誇る野原に降り立つと、白いモンシロチョウが天女の周りを舞いました。初めてモンシロチョウを見た天女は、そのかわいい舞い姿に心を奪われ、一緒に戯れました。
ある若者が、近くの広い畑で農作業をしていました。
彼は空の上から天女が降りてくるのを目にして驚きました。恐る恐る近づいてみると、天女からは後光が発せられ、その美しさはこの世のものとは思われないものでした。若者は一目で天女の美しさの虜になりました。
若者は、天女に声をかけました。「蝶々が気に入りましたか。私も蝶々が大好きです。私の家には蝶々の仲間であるカイコをたくさん飼っています。よかったら私の家に来ませんか。」彼は天女を自分の家に案内し、何日か共に暮らしました。
天女はしばらくすると、空が恋しくなり、若者に別れを告げました。
そして、天女は空から降りてきたときの蔓を登り始めました。
若者はどうしても天女と別れたくなくて、蔓をつたって天女を追いかけました。
若者が登ってきたのに気付いた天女は驚きましたが、いずれ疲れて帰るだろうと考えました。ところが、若者はどんどん上まで登ってきます。天女は仕方なく、障害物として蔓にたくさん白い花を咲かせ彼の視界を遮りました。ところが、若者はそんな障害物をもろともせず白い花を掻き分けて登り続けました。
もうすぐ天空に届く距離になりました。下界に住む若者を天空の世界まで行かせるわけにはいきません。天女は已むなく、次なる障害物として蔓から棘を出しました。若者の手や足に棘が刺さり血まみれになりました。それでも若者は登ることを止めませんでした。
若者の血は蔓をつたって流れ落ち、白い花を真っ赤に染め上げました。
若者は天空に届く直前についに息絶えました。
すると不思議なことに白いモンシロチョウが彼の周りを舞い始めました。おそらく若者の衣類にたくさんのモンシロチョウの卵が付いていたのでしょう。
天女は、モンシロチョウが舞う姿を眺めながら、自分のことを慕って命懸けで登ってきた若者をたまらなく愛おしく感じ涙しました。
天女は、若者の血で真っ赤に染まった蔓を下界に投げました。
それは、棘のある真っ赤なバラの花になったということです。きれいな女性には棘があり命懸けで愛する覚悟がいることを、赤いバラは物語っています。
おしまい