今回は「別れの12月」というお話です。
毎年12月になると、踊り子さんとの別れがあります。
今年はいつも以上に踊り子さんの引退が多いような気がします。年末年始に予定されている引退を私の知っている範囲で少し列記してみます。
ロックでは、大ベテランの平松ケイさん、森下理音さん、そして桜庭彩さん。渋谷道劇の冴木里江さん。フリーでは、ゆのさん。年明け1月に、葉山瑠奈さん、月夜乃空。2月にA級小倉の南かずささん。
そして、私のホームであるTSで、水咲カレンさんと盃島楓さん。
以上、ベテランの方が多く、引退興行が続いています。我々ファンとしては、最後の別れに向け、スケジュールを立てて心の準備をしていきます。
これに対して、前触れのない引退というのはファンにとってはショックなものです。
この一年を振り返り、私は晃生の踊り子、青山はるかさんと羽音芽美さんを一番多く追いかけていた。二人とも乗る頻度が多いので、暇を持て余すこともなく忙しくストリップLIFEを楽しめた。
青山はるかさんの年末年始もだいぶ前からスケジュールされていた。9月結の広島、10月中の大阪晃生と遠征にて応援に行き、そのあと11月結のミカド、12月頭の晃生を楽しみにしていたら香盤が消えた。12月中の大和にも名前がのったかと思いきやすぐ消える。足を怪我しているのを知っていたので、ゆっくり休養した方がいいと勝手に納得していた。ところが年明け1月中の晃生二周年まで名前が消えて驚いた。ようやく事の重大さに気づいた。関東のはるかファンが私に情報を求めてきたが私自身もわからないので答えようがない。
そんな中、羽音芽美さんがツイッターで休業宣言したことを仲間内で聞いた。最初は信じられなかったが本当だった。私は11月中の京都DX東寺に遠征したが、そのあとの11月結の岐阜まさご座が最後になったようだ。そうと知っていたら会いに行っていた。私は年末の晃生に応援に行くつもりで、前もって夜行バスを予約していた。しかし、芽美さんが出演しないと分かり、年末年始を大阪で過ごす予定が大きく狂ってしまった。
二人ともいつでも会えると思っていたし、実際にたくさん会っていたので、突然もう会えないと分かった瞬間のショックは計り知れない。この二年ほど、二人は私のストリップLIFEのリズムになっており、物書きとして新作が出るたびに観劇レポートや童話を創作するのが私の生きがいにもなっていた。私は完全に茫然自失の状態になった。
踊り子さんの引退には「予告ある引退」と「(予告なしの)突然の引退」の二つがある。例えが悪くて申し訳ないが、前者は余命いくばくのガン告知みたいなもので、後者は交通事故で突然別れるようなもの。同じ別れでも、全く違う。
いずれせよ、別れはつらい。人との別れのつらさを癒すためには、人により癒してもらうしかないのだろう。別れがあると知りながら、人はまた新しい出会いを求めざるを得ない。人とはそういう生き物なんだと思う。
改めて「一期一会」ということを感じる。いま会えた一瞬を最後と思って接する。
いつでも会えると思っていた踊り子さんにもう会えなくなる・・・いなくなって初めて気付く存在感というのがある。いつでも会えるというのは本当に有難いことだと思う。まさに字のごとく「有ることが難しい」から有難い。
後悔しない付き合いというのは、相手の有難さを知りながら接することですよね。
青山はるかさんと羽音芽美さんがまた戻ってくれることを期待しつつも、淋しさを紛らわせるために、今日も劇場を彷徨う。
H25年12月