今回は、H26年お正月興行の晃生ショー劇場の観劇レポート「晃生パラダイス」(その16)を掲載します。

 

 年末年始三日間12/31-1/2は大阪に遠征した。

昨年の年末年始もそうだった。東洋には、立花さやさんと渚あおいさんがいた。ところが晃生は悲しいかな、青山はるかさんと羽音芽美さんという二人の看板が抜けてしまい、今や晃生は目黒あいらさん一人看板になってしまった。

今回の晃生の香盤は次の通り。 ①一宮紗頼(道劇)、②星愛美(晃生)、③萌(晃生)、④RIN(晃生)、⑤目黒あいら(晃生)〔敬称略〕。

 

 早朝には元旦というのに熱心な客が並んでいた。私は8時くらいに劇場に着いたが先客が1名いた。昨日の初日からいるらしく、よく顔を見たことがある遠征客だ。

 開場10時半には5人くらい並んでいた。私は盆前センター席をしっかり確保。これで1日楽しめる。

正月特別興行ということで松本格子戸さんが投光室にいて、べらべら喋る喋る。ポラを撮る客のことをいちいちあだ名を付けてマイクで言うのは止めてほしいな。私は指揮者みたいな拍手をするからと「リズミカルおじさん」と呼ばれた。確かにうまいことを言うなとは思うが・・・

 さて、12時開演と同時に、正月特別興行らしく、晃生所属の萌さんの三番叟でスタートした。

 

 今年は私的に、トップの一宮紗頼さん(渋谷道劇所属)の香盤が嬉しかった。

 まさに2014年度のストリップ始め、そして初ポラが紗頼さんになった。

 彼女の名前はお正月に縁起が良さそう。

 一年の計は元旦にあり、と言うが、まさに「一宮の毛は元旦にあり」となった。晃生恒例の踊り子お守りが売られた。踊り子さんの下の毛をカードにシールパッチして一枚1000円で販売。踊り子さんへのお年玉と思って買って下さいとアナウンスされる。私も記念に紗頼さんのを一枚買った。10日まで毎日売るというから、紗頼さんのヘアが無くなっちゃうんじゃないかと心配になる。(笑)

 紗頼さんは一周年作「道」を披露していた。

 

 今回は、新年早々、お気に入りの晃生メンバー二人、RINさんと目黒あいらさんの新作を拝見できたのが嬉しかった。

 RINさんの新作は「夢の国」をテーマとしていた。

 サンバ風に派手な衣装で登場。白い衣装に大きな白い羽が派手に付いている。白い羽の先端部分は青色。たくさんの羽の間に、孔雀の羽の目が散りばめられる。これも先端部分は青色。全体として白と青で彩られたこの豪華絢爛な衣装でリオのカーニバル的に踊る。

 次は、黒いセパレート水着風の軽装。上下の衣装には華やかな銀の模様がキラキラ。軽快に踊る。

 最後は、花柄の白いカジュアル系スリップで、ベッドショーへ。

 

  晃生の看板、目黒あいらさんの新作は彼女らしい素晴らしい内容だった。

 演目名は『ステージ イズ マイ シィング』。

 照明が点くと、長椅子に横たわるあいらさんがいた。まるで一服の絵。今回の作品は、この長椅子がポイントになる。

 長椅子から立ち上がると、あいらさんらしい斬新なデザインの衣装が現れる。

白いワイシャツの上に、ペンキ屋さんが着るような吊るし服を着る。服全体が灰色の柔らかいトレパン生地で、肩から紐でズボンを吊るす。広い幅の紐はサスペンダーのように背中でクロスして肩越しに前にきて胸元で大きな茶ボタンでズボンと繋がる。ズボンの裾は大きく一回折られている。

同じトレパン生地を首と手首に巻き付け、首輪には紫色の薔薇の花が付いている。

小粋に帽子をかぶる。濃い灰色で、首輪と同じ紫の花と濃紺の花が二つ左側に飾られている。

全体として白と灰色の色柄になっているが、黒い花がサスペンダー部と腹部ベルト部分、そして左右の手首にアクセントとして添えられている。黒いシューズも黒いアクセントになっている。

更に細かく見ると、金色の線が散りばめられている。ワイシャツの襟もと、袖、裾など、ズボンにもベルト部分など。すごくオシャレ・センスに満ちている。

以上の出で立ちで、あいらさんらしい軽快なダンスを魅せる。

 曲が変わって、次は、オシャレな白いワイシャツ一枚になり、上のボタンひとつだけする。結んでいた栗色の髪をほどく。黒いシューズのまま。激しいダンスに、ワイシャツが揺れ、上下の下着がちらちら見え隠れする。下着は群青色で花の刺繍が添えられてある。

 ここで、一旦、カーテンが下りる。

 最後は、真っ赤なセクシーランジェリーで現れる。首輪から、乳房の周りを囲むブラ。白い乳房が鮮やかな赤でセクシーに浮き立つ。ブラの紐には花の刺繍が施されキラキラ光る。ベルトの紐も同じで、赤いスカートの布はベルトに細かく吊るされている。ひらひらするスカートの裾から白い脚が妖しく見える。

 あいらさんは長椅子に横たわりながら演じる。「横たわりの美学」とも言えそうなほどに艶っぽい。鮮やかな赤は、ホント白い肌を引き立てる。

 いまさらながら、ストリッパーあいらの最大の武器(魅力)はこの色香である。ダンスだけがあいらさんの武器でないことを改めて感じる。

 最後に蛇足にはなるが、あいらさんのパイパンが新年の日の出を醸していたことを記しておきますね。ちなみに、あいらさんのお守りの毛が気になったよー(失礼!)

 

平成26年1月元旦                          大阪晃生にて

   

 

 

長椅子がくれた初夢』   

~新年作の目黒あいら「ステージ イズ マイ シィング」& RIN「夢の国」を記念して~

 

 

古い長椅子があった。アンティーク風な肘掛のついたソファタイプで座り心地が良かった。

昨年、骨董品屋でパパが買ってきたものだ。

我が家はパパとママ、そして男の子と女の子の、合計四人家族。どこにでもある平凡な家庭である。

レトロなものが大好きなパパは、このアンティークな長椅子を丁寧に磨いた。ママは綺麗好きなのでまめに長椅子の周りを掃除した。男の子も女の子も座り心地がいいので大切に扱ってくれた。長椅子はいいところに引っ越してきたと喜んだ。

新年を迎え、長椅子も初めて、我が家で年越しをする。

 

元旦の朝、ママはいつも通り早くに起きて、掃除、洗濯、食事の準備と家事をこなす。一段落して、ようやく長椅子に座る。横たわるうちに、うとうと眠ってしまった。

ママはリオのカーニバルにいた。ママは昔からダンスが好きで、特にサンバのリズムが好きだった。だから、リオのカーニバルで踊るのが夢だった。

ふと見ると、ママは派手な衣装を身に纏っていた。白い衣装に大きな白い羽が付いている。白い羽の先端部分は青色。たくさんの羽の間に、孔雀の羽の目が散りばめられる。これも先端部分は青色。全体として白と青で彩られたこの豪華絢爛な衣装で、ママはリオのカーニバルで踊っていた。

 

男の子は朝早く起きて、サッカーの練習に行った。

戻って来てから、午後からのサッカー天皇杯の試合を楽しみにしていた。彼は中村俊介の大ファンで、横浜Fマリノスを応援していた。昨年惜しくもJ1リーグ優勝目前で広島サンフレッチェに優勝をかっさわれ地団太を踏んだ。だから、元旦の天皇杯で、この二チームが勝ち上がり決勝戦を迎えたのは因縁ともいえた。男の子はどうしても横浜Fマリノスに勝ってほしかった。

長椅子に横たわるとうとうと眠ってしまった。男の子は国立競技場にいて応援していた。優勝できて歓喜に舞い上がった。

夢から覚めて、午後からの試合を観る。結果2-0で横浜Fマリノスが勝つ。さきほどの夢は正夢になった。

 

女の子は、昨夜遅くまで紅白歌合戦を観ていたので、眠い目をこすって起きてきた。

そして、すぐに長椅子に横たわるとうとうと寝入ってしまった。

女の子はAKB48に憧れていた。女の子は今、憧れのメンバーと一緒に紅白歌合戦に出場し踊っていた。大好きなゆるキャラふなっしーは出るし、憧れの田中将大投手が応援に来るし、AKB48自身が紅白に別れ歌合戦するわで、紅白歌合戦は大いに盛り上がる。AKB48の若さ、汗、エネルギーが飛び散る。歌と踊りに歓喜の声をあげた。

やっぱり、ママの血をついでいるんだね。

 

夕食を済ませると、パパはいつものように晩酌を始めた。

気持ちよく酔って、長椅子に横たわると、うとうと居眠りを始めた。

目の前に絶世の美女が現れた。真っ赤なセクシーランジェリー姿。首輪から繋がる、乳房の周りを囲むブラ。白い乳房が鮮やかな赤でセクシーに浮き立つ。ブラの紐には花の刺繍が施されキラキラ光る。ベルトの紐も同じで、赤いスカートの布はベルトに細かく吊るされている。ひらひらするスカートの裾から白い脚が妖しく見えている。

 美女は長椅子に横たわるパパを挑発した。パパの鼻の下は伸び放題。パパは桃源郷を彷徨った。

 

 長椅子は、家族の一員に加えてもらったお礼に、家族の一人一人に初夢をプレゼントしたのだった。

 ふと、長椅子はこの家族のところに来るまでのことを思い出していた。

 長椅子は腕のいい老職人に作られた。金を惜しまずにいいものを欲しがった会社社長の家に納品されることになっていた。老職人はまるで自分の娘を嫁がせるような気持ちで長椅子を送り出してくれた。「家族のみんなから可愛がってもらえよ」と。

 会社社長は事業が成功して、とても羽振りがよかった。家を新築し、たくさんの高級家具が運び込まれた。長椅子もその一員として「いい家に引き取られてよかったね」と家具同士で話していた。その家族は長椅子のことも大切に扱ってくれた。

 その家には、社長のパパ、社長夫人のママ、男の子と女の子、そして一匹のチワワ犬がいた。長椅子の足には、やんちゃな犬に噛まれた傷が残っていた。長椅子にとっては、平和な家族の思い出の傷であった。

 ところが、景気のいい話は長くは続かない。バブルが崩壊し、会社の事業がうまくいかなくなり、とうとう家を手放すはめになる。仲良くしていた家具たちは散り散りになる。長椅子は質屋に引き取られることになった。

 長椅子は倉庫の奥に長い間しまいこまれた。

 ようやく、骨董品の展示会が催され、日の目を見ることになった。そこで、今の家族のパパに引き取られることになったというわけです。

 

 会社社長の家族もとても仲のいい家族でしたが、家を手放す前はよく夫婦喧嘩をしていました。子供たちと楽しく遊んだことを思い出すと犬に噛まれた傷が疼きました。

今の家族はみな、長椅子がプレゼントした初夢に、とても幸せそうな笑顔を見せました。

 長椅子は思いました。「家族の幸せはささやかでいい」と。

 

                                    おしまい