今回は、H25年10月の晃生ショー劇場の観劇レポート「晃生パラダイス」(その15)を掲載します。
この週は、三連休10/11-13と土日10/19-20と二回大阪に遠征した。
香盤は次の通り。 ①萌(晃生)、②山口桃華(TS)、③青山はるか(晃生)、④目黒あいら(晃生)、⑤HIKARU(ワラビ)〔敬称略〕。
晃生の二枚看板、目黒あいらさんと青山はるかさんの二人が嬉しい。
トップの萌さんはボラがないが、ベテランらしいいいステージを魅せてくれる。
前回はしっとり着物を着た和ものだったが、今回は洋もので、インディアンのような羽根を付けた衣装。メイン色の黒に緑色の羽根が浮かぶ、おどろおどろした雰囲気。女版デビルマンのイメージを受けた。
彼女のステージはとっても重厚なので、トップはもっと軽めの方がいいのでは、と晃生常連がつぶやいていた。そうかもしれないね。
二人目の山口桃華さん。引退する方が続出しているTSの中で、エース的存在になってきた。これからは、きよ葉さんとTS「ももきよ」の時代を築いていくことだろう。
桃華さんの出し物は名前のとおりピンクの衣装が多い。
今回の演目「Jポップロック」を紹介しよう。最初に、ピンク系のウエディング・ドレスで登場。ドレスに水色のポイントあり。顔の周りまでピンクの花。清楚で超かわいい♡
一転、レオタードで超セクシーに舞う。白い首飾りが光る。ハイヒールを履く。髪をアップにし、ラルクの曲にのり軽快に踊る。次は私のカラオケ得意の川村隆一の曲にのりベッドイン。全体の構成として、清楚から淫靡への流れがいい。
三番手は、青山はるかさん。いつもトリなのに今回は三番目に入ったのに驚く。
前の週に、東寺で足の指の爪を剥がす怪我をした。かなり無理をして出演しているようだ。投光さんが怪我のことを放送「足が悪いのでうまく踊れなくてもアシからず」。でも怪我を感じさせないほど頑張って踊っていた。
そのため、今回は潮吹きは中止。楽しみにしていたが仕方ないね。早く万全な体調になってほしいとファンとして願う。
トリはなんとHIKARUさん。彼女はロックの若みほさんと同期と云うから私のスト歴と同じ。もう15年近い大ベテラン。その割にはデビュー当時と容姿は変わっていない。
流石な、かっこいいステージを演ずる。根強いファンが多い。最近になりロックのステージにものるようになり人気・実力が認められている。
さて、今回の私のお目当ては、あいらさんの新作。最近、あいらさんの童話を書いていないので今回は是非とも創作したいと私自身かなり意気込んでいた。少し詳しく記載する。
一回目ステージは新作「ハートビート」。
最初に、黒縁のメガネをして男の子っぽい服装で登場。黒い帽子、黒縁メガネ、黒いスーツ、白いワイシャツ(ブラウス)、シルバーのズボン、黒いブーツ、と全体をモノトーン色でラフな格好にまとめている。あいらさんの衣装へのこだわりが伝わる。男の子っぽくはあるがやはり女の子の衣装だね。コミカルな踊り。
次の曲では、白いブラウスとシルバーのズボンという軽装になり、栗色の髪を後ろにひとつ結んで、軽快な踊りを披露。
最後のベッドでは、黒いシュミーズ姿でセクシーに演ずる。
今回の作品は、「ハートビート」という演目名のとおり心に響くステージであるが、センスある衣装、いつものナイスなダンスとセクシーなヌードから、どういう童話を展開していけばいいか全く閃かなかった。最初の黒縁メガネから、ドラえもんののび太の顔がふと思い浮かんだ。それに、ハートビートという言葉にこだわってストーリーを巡らしてみた。
たまたま、一緒に出演していたHIKARUさんがドラえもんのボラ着で何度もフィナーレ時に現れた。お蔭で、ドラえもんの話に一気に拍車がかかった(笑)。しかし、初日には話をまとめ切れず、二日目に大体のストーリーは完成した。童話「のび太の夢」は翌週また来たときに渡す。
もうひとつの演目は「カリフォルニア」で、2,4回目に披露。
あいらさんは今年前半に一か月ほどカリフォルニア週ロスアンゼルスにダンス留学している。帰国後に創った演目がこの「カリフォルニア」。
衣装が面白い。フード付きの灰色(グレイ)の衣装で登場。ねずみ男ちっくかな(失礼!)。胸元に赤・青・黄、そしてズボンの方に黄・茶・水色・紺のボタンが付いている。そして、蛍光色の黄緑の手袋。黒いシューズを履く。
カリフォルニア仕込のナイスダンス。選曲がいいよね。ノリノリだぁ~♪
次は、その衣装を脱いで、上半身は黒いブラになる。下は白い紐がついている灰色のトレパンズボン。ヒョウ柄のポケットがユニーク。ほんと衣装に凝っているよね。
最後は、ズボンを脱ぎ、赤いパンティ。ヒョウ柄のスカートを巻き付けてベッドへ。
私は、この作品を観ながら、カリフォルニアに行ってダンスの練習をしているあいらさんの姿が浮かんだ。それをそのままポエム「新しい君を感じて~カリフォルニアの風~」にした。これはすぐに仕上げたので翌日あいらさんに渡した。喜んでくれたが、童話も書いてほしいと言われたので、翌週までの宿題にした。
ともあれ、あいらさんのお蔭で、今回の公演で、ポエムと童話をひとつずつ書くことができた。
翌週10/19(土)には、新作の和ものを披露。前二作とは対照的な作品だね。軽快なダンス作品の次は、しっとりとした日本舞踊をしたくなったのかな。
ちなみに、この前日10/18に左肩を負傷したようでバンテージが痛々しかった。一回目はベッドのみ。しかもトリと順番を入れ替えたくらいだから出演が危ないほど悪い様子。それでも二回目からはフル・バージョンで踊っていた。あいらさんの踊り子魂も大したものだ。
内容を紹介する。演目名はまだ付けてないらしい。
最初は「紫の傘」。赤を基調にした着物で、黄色の縁取り、裏地は銀のラメ。花模様の刺繍入りの白い帯。その下には黒い帯が見える。着物だけでも十分に鑑賞できる。それにしても~着物姿がやけに艶っぽく、よく似合う♪ 渦巻き模様の紫の傘を持って、しっとり舞う。
そして着物を徐々に脱いでいく。一枚一枚取っていくたびにカラフルな色調を楽しめる。最初に赤い羽織りを脱ぐと、また赤を基調にした着物が現れる。右側は赤で、左側は多くの色彩が混じった生地で華やかな模様。白い足袋も色っぽい。
次は「赤い傘」。赤い襟がついた黒い衣装。透け透けなので色っぽい♡ 黒い衣装と白い肌のコントラストが妖しい色香を放つ。
この週は三つの作品を通して、あいらワールドに酔いしれた。ストリップを楽しめるだけでなく、あいらさんは私の創作意欲を掻き立ててくれる貴重な踊り子である。彼女のストリップに取り組む熱意が、私にパワーとエネルギーをくれる。
さて、この週のおまけ話。
ひとつは、晃生ショー劇場横のスナック「ふくろう」に初めて入ったこと。ママさんにも初めて挨拶した。先に、Tぽんが居て待ち合わせ。知っている人がいないと、ふくろうデビューはなかなか叶わない。カウンター越しのはるかさんも新鮮♪煙草を吸っていたので驚く(笑)。
今回のふくろうは待ち合わせ場所に使った。三番手のはるかさんが終わると、Tぽんが先にふくろうへ。その後、目黒あいらさんが終わり、私がふくろうへ。そして、トリのHIKARUさんまで観たH君とTー君と合流。ふくろうは晃生終演までやっている。それから四人で飲みに行く。
ふくろうから出るときに、あいらさんと桃華さんがオシャレして夜の街へお出かけしていった。どこに行ったのかなぁ~
我々は近くの焼き肉「天鵬」へ。はるかさんから心臓が美味しいと聞いていた。私は初めて心臓を食し、めっちゃ美味しいのに驚く。お店の人が焼いてくれたので丁度いい焼き頃で、最高に美味しかった。
お気に入りの踊り子、気の合う仲間、そして美味しい郷土料理。遠征ならではの最高の贅沢である。
平成25年10月 大阪晃生にて
~目黒あいら(晃生所属)の「カリフォルニア」「ハート・ビート」を記念して~
君は何を求めてカリフォルニアに向かうの?
カリフォルニアの眩しい太陽 輝く海 清清しい空気 美味しい食べ物・・・
それとも愛を求めて
それとも夢を求めて
そうか 新しい自分を探しに行ったのか
君はステージの上でカリフォルニアを踊る
カリフォルニアの風を感じる
カリフォルニアの光も 潮の香りも 土の匂いも 汗も 愛も 夢も・・・
新しい君を感じる
斬新な衣装
進取な振付
新しい表情(かお)
新鮮なエロス
そのひとつひとつに新しい君を感じる
ぼくのハートは激しく鼓動(ビート)する
ぼくらはいつもステージに新しい君を見つけては 喜び 興奮する
君を感じてストリップを楽しむ
そしてストリップの奥深さを知る
君が新しくなればストリップも新しくなる
君とともにぼくらもストリップも高まる
カリフォルニアの風に乾杯!
新しい君に乾杯!
おしまい
『のび太の夢』
~目黒あいらさん(晃生所属)の作品「ハートビート」「カリフォルニア」を記念して~
「のび太くんの将来の夢はなに?」ドラえもんは、いつも退屈そうにぶらぶらしているのび太くんに聞いた。
黒ぶちメガネの奥にあるのび太くんの目はなんだか生気を感じません。「そうだなぁ~・・・ぼくの夢は大好きなしずかちゃんのお婿さんになることかな。」
ドラえもんは「のび太くんさぁ~。女の子が○○さんのお嫁さんになりたいと夢見るのは聞くけど、男の子が○○さんのお婿さんになりたいなんて夢は聞かないよぉ~。
せめて、しずかちゃんの伴侶として相応しい立派な男になる!とかさぁ~。もっと主体的に取り組んでいこうという目標がないと男として情けなくないかい。
そもそも、しずかちゃんがのび太くんのことを選んでくれなかったらどうするんだい?
しずかちゃんはみんなの憧れの的だから、つね夫もジャイアンもしずかちゃんを狙っているよ。のび太くんが選ばれる確率は決して高くないと思うよ。」
のび太くんはハッと顔つきが変わり、縋るような目つきで「ドラえもん。ぼくが将来しずかちゃんと結婚できるかどうかタイムマシンで調べたいんだけど。お願いをきいてくれないかな!」
ドラえもんは最初困惑気味だったが、意を決したように「わかった!将来に連れていってあげよう!」と二人で机の引き出しの中に入っていきました。
10年後にタイムスリップ。
二人はある劇場にいました。
ステージのうえに色っぽい綺麗な大人の女性が現れました。彼女は華麗なダンスを披露し、そして衣装を脱ぎ、素敵なヌード姿になりました。そこはストリップ劇場でした。
息を止めて見とれていた二人はハッと気づき、お互いの顔を見て頷きました。ステージの女性は紛れもなくしずかちゃんでした。
しずかちゃんは小学生の頃からバレエを習っていましたが、ダンスを極めたくて米国カリフォルニアのダンス・スクールに勉強に行っていたようです。チャーミングなルックスに、ナイスなプロポーション。とても背が伸びてモデルのようになっていました。彼女は自分の容貌とダンス・センスを活かした職業としてストリッパーの道に入りました。彼女はたくさんの男性の熱い羨望の眼差しで見つめられ、たくさんの拍手に酔いました。ストリッパーはまさにしずかちゃんの天職だったのです。
しずかちゃんには結婚願望はありませんでした。‘みんなのしずかちゃん’として応援してほしいと思っていました。
最初は鼻の下を長くして見とれていたのび太でしたが、ようやく現実に戻りました。
「なんでストリッパーになんかなっちゃったんだよー。もう僕のお嫁さんにはなってくれないんだね。・・・」夢が砕けたのび太は項垂れ(うなだれ)ました。
顔をあげて、もう一度ステージの上のしずかちゃんを見つめました。・・・太陽のような笑顔。ダイヤモンドのような汗。躍動感あふれるステップ。ビーナスのエロス。
「なんてキレイに輝いているんだろう・・・」 のび太の心臓が激しく鼓動しました。しずかちゃんの魂とのび太の魂が共振する。これが“ハートビート”か!?
「僕は大好きなしずかちゃんが輝けるように応援したい!これを将来の夢にしたい。」
のび太はステージ・コーディネーターになろうと考えました。そのためには、舞台の演出だけでなく、ダンスも音楽も照明も、衣装などのデザインも幅広く勉強しなければなりません。のび太は今や世界的に人気があるテクノポップユニットPerfume(パフューム)のステージをイメージし、あんなステージをプロデュースできたらなと考えました。一人では難しいので、友達のつね夫やジャイアンにも相談しました。二人とも憧れのしずかちゃんのためにのび太の夢にのりました。
それからは、しずかちゃんは踊り子への夢に向かい、のび太を始めつね夫やジャイアンもしずかちゃんの夢に掛けて、みんなで夢を実現するために走り出しました。
ドラえもんは思いました。
将来のことを知ることは決して幸せなことではない。むしろ将来なんて知らないほうがいいのかもしれない。のび太くんが将来しずかちゃんと結婚できないことが分かったらどんなに失望するかと杞憂した。
運よく、のび太くんは、しずかちゃんの夢を知り、自分も将来の夢を見つけることができた。自分単独で夢を見つけて努力するもいいし、人の夢に掛けてチームでサポートしていく夢もある。夢にはいろんな形がある。
大切なことは、将来がどうかということではなく、将来のために今をどう生きるか、ということなんだ。
おしまい