H24年8月結~9月中までの、大阪晃生ショー所属の踊り子さんが出演したTS三公演を、晃生パラダイス(その8)として観劇レポートしておく。

 

私はTSの受付にあるリクエスト掲示板に、晃生の新人さんも是非TSにのせてほしいと書いておいた。その願いは早くも叶えられた。

H24年8月結、待ちに待った青山はるかさんの来演が実現した。11日間皆勤した。このときの彼女のレポートはいつものように別にまとめてある。

その週の香晩は次の通り。①山口桃華(TS)、②咲(TS)、③近藤愛菜(渋谷道劇)、④なたね(晃生)、⑤さくら(TS)、⑥水咲カレン(TS)、⑦青山はるか(晃生)〔敬称略〕。

今回の公演が晃生のなたねさんの引退になるとは知らなかった。引退の話は本人から聞いて知っていたが、引退公演はもっと先の晃生でやるものと思っていたので驚いた。

なたねさんは先週2周年を迎えたばかりで本当に早い引退にファンが皆がっかりしている。今回の公演で初めてなたねさんのステージを観て、なんでもっと早く出会わなかったのかと地団太を踏んでいたロック常連さんがいた。彼がこんなことを言っていた。なたねさんは、晃生のダンスの先生があのスーパーダンサーの宮内りょうこ以上と評したという噂。昨年惜しまれて引退した宮内りょうこさんは、マイケル・ジャクソンのムーン・ウォークを華麗に決めることができた。その宮内さん以上の踊り子というのだから是非ステージを見たいと前々から思っていた。今回ステージを見て納得。海賊風の出し物「海を越えて」の中でコサック風の踊りをしているが、あの踊りは玄人を唸らせる。なたねさんはバレエをかなり本格的にやっていたようだが納得する。ロック常連の彼はもっともっと素敵なステージを拝見したかったと後悔仕切りだった。その週TSに三回ほど来ていた。

青山はるかさんも、今回の公演で初めて、晃生の先輩であるなたねさんと会い、そしてこの公演でお別れとなることに驚き失望していた。なたねさんのステージの魅力については別のレポート「魂が揺さぶられるステージ」と題してまとめさせてもらった。

 

次のH24年9月頭には、晃生の新人、吉田蓮さんと七海セーラさんが来演。

この週は、篠崎ひめさんの引退シリーズ、TSラスト公演のため連日超満員。

香晩は次の通り。①KAERA(TS)、②多岐川美帆(渋谷道劇)、③吉田蓮(晃生)、④七海セーラ(晃生)、⑤伊吹千夏(東洋)、⑥早瀬みな(TS)、⑦篠崎ひめ(東洋)〔敬称略〕。この週はメンバーが本当に良過ぎて、お蔭でなかなか食事タイムがとれないほどだった。

 

蓮さんは7月結の池袋ミカド以来の二度目の関東上陸。見るたびにどんどんかわいくなっている。今回の公演で会えるのを楽しみにしていた。

彼女に接していて嬉しく感じるのが、私の手紙をしっかり読んでくれて毎回コメントを返してくれること。私の手紙は私自身そのもの。もしかしたら実際の私以上に美化された私である。しっかり読んでくれるということは、私を受け入れてくれていること。ストリップに関することを書いているので、興味があったり、面白く読めたりすることもあろうが、随所に私の哲学が盛り込まれている。それを敏感に感じるかどうかは相性の問題。蓮さんとは相性が合うことを今回の公演で感じた。TSは狭い劇場であり、蓮さんとも距離を一歩縮めた気になっている。ファンとして精力的に応援したくなる踊り子さんである。

今回の出し物は「キャンディ」。蓮さんらしい、かわいさを前面に押し出した素敵な作品に仕上がっている。ひとつ童話にしてみたくなった。最初に『王子とキャンディ』という題名で、王子とキャンディが一緒に溶けて消えてしまうラストシーンを書いて、蓮さんに一度渡した。もちろん、蓮さんは喜んでくれた。ところが、蓮さんのステージを観ているうちに、もう少し蓮ちゃん色を加えた内容にしたいと考えた。蓮さんにもう一度書き加えるねと話したら、続きが読みたいと言ってくれた。翌日『キャンディの願い』に題名を修正して渡した。もうできたのと目を輝かせてくれ、「ハッピーエンドにしてくれてありがとう」と感想が返ってきた。

 

もう一人の新人、七海セーラさん。初関東上陸なので、緊張するのかと思いきや、笑顔が映えてとてもいいステージだった。ファンも出来て、ポラもそこそこ売れていた。とてもいい関東デビューになったと思う。

背の高いセーラさんは予想通り、狭いTSをセーラ・カラー一色に染めてくれた。ダンスでもベッドでも凄い迫力を感じた。今回の出し物は「晃生物語」という。なんと晃生の先輩、目黒あいらさんが作ってくれたものらしい。

この作品も童話にしてみたくなった。セーラさんは身体が大きいのでガリバー旅行記がイメージされる。私はこの発想から抜け切れず、ガリバーにしたらセーラさんに失礼かと悩む。セーラさんに童話を書くけどガリバー旅行記にしていい?とさりげなく聞いてみた。すると、目を輝かせて「私のことを童話にしていただけるんですか? ガリバーでも全然OKです。是非、童話にして下さい。」と返答してくれた。私は気を良くして現代版ガリバー旅行記『女神セーラとセーラーマンたち』を書き上げた。こちらはユーモアたっぷりに楽しく読めるものにした。主人公セーラにジャンヌ・ダルクのイメージを重ねた。

蓮さんとセーラさんに同時に童話をプレゼントできた。二人とも喜んでくれたので私も幸せである。晃生が童話の玉手箱と書いたが、晃生の劇場にいなくても、これは続いてくれている。

 

最後に、H24年9月中には、晃生の新人、楓りこさんとあすか苺さんが来演。

この週の香晩は次の通り。①きよ葉(TS)、②鏡乃有栖(TS)、③あすか苺(晃生)、④楓りこ(晃生)、⑤雛形ひろ子(TS)、⑥御幸奈々(林企画)、⑦宮坂レイア(TS)〔敬称略〕。

あすか苺さんはTS初乗り。既に関東の他劇場にのっているが、ようやくMYホームTSにのってくれ、私としては楽しみにしていた。それに、先月の大阪晃生のお盆興行で苺さんの新作披露のお蔭で私は童話『ネバーランドの美人コンテスト』を書いていたので、初日にようやく本人に渡すことができた。苺さんは滅茶苦茶喜んでくれた。「ステキな童話、ありがとおー。太郎さんはすごいっ!」「本当おもしろい童話っ!! 楽しいー! (中略)太郎さんの文章力すごいっ!!!」

先に披露していた『晃生の花園』と共に、私の童話を絶賛してくれた。『晃生の花園』は楓りこさんに私の童話を書いてほしいと言われ、二人の新人、楓りこさんとあすか苺さんを主人公にして書き出したものだった。二人の掛け合いで、トマトとイチゴのどちらが赤いかを話すことからスタートした。いつの間にか、晃生の全メンバーの名前が登場するものに変化していき、晃生みんなのお話になっていく。お蔭で晃生メンバー全員から評判がいい。

翌日から、平日会社帰りに寄ると、だいたい三回目のフィナーレで会うのだが、苺さんは私を見つけると深く敬礼してくれる。私も大きく敬礼して応える。童話のお蔭で、苺さんの心の扉を開けることができたという実感を覚えた。晃生パラダイスに傾倒する私としては嬉しい瞬間である。

 

楓りこさんは二度目のTS出演。かわいい笑顔を振りまく。りこさんの人気もTSで定着し出しており、ポラも売れている。

今回の出し物は、ディズニーのシンデレラもの。一曲目が『シンデレラなんかになりたくない』(林原めぐみ/斉藤小百合)。これは藤子不二雄さんのTVアニメ「チンプイ」(1989年)のエンディング主題歌。なんか童話にできそうだなぁ~、今週中に書き上げてプレゼントしてあげようと考えていた。

そうしたらポラのコメントに「私の作品のお話も読みたいです。」とある。おそらく、私が苺さんに童話を書き下ろしてプレゼントしたのを聞いたんだろうな。りこちゃんの童話もちゃんと考えているよ。休日の間に『みんなのシンデレラ ~踊り子になったシンデレラ~』を書き上げた。気に入ってくれると嬉しい。

 

今週は、鏡乃有栖さんへの宿題として残っていた童話『カガミ劇場』も完成した。

童話のお蔭で、充実したストリップLIFEが楽しめている。

 

平成24年9月                             TSにて