今回は、渋谷道劇の新人、小町れのさんの四週目の模様を「すべてを輝かせて(その2)」と題してレポートします。

 

 

 渋谷期待の新人・小町れのさんが二カ月振りに渋谷に登場。

 昨年10月結にデビューし、翌月11月中と続いた時には、まさにストリップ界に新星現ると注目され、これからはれのさんの快進撃が続くものと予想された。ところが、それから出演のペースがスロウダウンし二カ月に一度の頻度になる。次は、二か月後のH27年1月中、そして今回二か月後の3月中になる。更に、次は二か月後の5月頭が予定されている。しかも、渋谷道劇オンリーの出演のため、ファンの広がりに限界が出ている。

 今週、客入りがあまり良くなかった。れのさん目当てに来ている客もいたが総じて少なかった。一番熱心に通っていたのは私だったと思う(笑)。

 劇場の意向で、期待の新人を育てようと最初のうちはホーム渋谷道劇で月一ペースの出演を続けることは前にもあったが、せいぜい三回くらいで後は他劇に出演させていた。五週連続で渋谷のみというのは異例。れのさんの場合は何か事情がありそう。

 ストリップだけでなく他のことをやっているのだろう。昨年デビューした同僚の水鳥藍さんも他の舞台をやっていたようで最初はなかなかスケジュールが決まらなかったが、いまではかなり出演頻度が上がって来て、踊りがうまいのであちこちの劇場から引っ張りだこで、かなり売れっ子になってきた。れのさんの場合、二カ月に一度のペースではストリップで食べていけない。彼女の踊りのうまさを拝見するに、ダンス・舞台関係の仕事をされているのは容易に想像がつく。

 今週、外人のお客さんが入ってきたときに、れのさんが流暢に英語を話し出したときには驚いた。よく聞きとれなかったが、ハリウッド帰りとか、外国のオーディションとか、お客さんとのやりとりが耳に入る。一体、れのさんはどんなことをやっているのかなぁと興味を引く。いずれにせよ、れのさんは普通の踊り子さんとは違う次元のものをもっている。

 

 

H27年3月中の香盤は次の通り。①六花ましろ(道劇)、②華月蓮(札幌ニューカジノ)、③心愛(DX東寺)、④小町れの(道劇)、⑤KAERA(TS)、⑥多岐川美帆(道劇)〔敬称略〕。

れのさんは、なんとデビューから四週続けて新作を披露する。こんな踊り子さん、観たことも聞いたこともない。驚くばかりである。

今週のれのさんの出し物を紹介しよう。今回の演目は、すでに持っていた演目ではなく、今回新たに作って来た感じがするが果たしてどうだろうか。

演目名は「人形 身代わり夏子」。

なんと、長い黒髪を金髪に染めてきたー☆ だいぶイメージが違うね。黒髪だと清純な感じがするが、金髪だと重さが抜ける。

白い衣装を着て、カクカクとした人形っぽい踊り。気のせいか、れのさん、肉付きがよくなった。オーディションのためかジムで身体を鍛え直したような印象を受ける。

舞台に、白い椅子。その傍らに、同じく白い衣装を着たパンダのぬいぐるみ。

おそらく、そのパンダの魂が抜けだして踊っているというストーリーだろう。

次に、紫の衣装で登場。ワンピースで黒い帯を腰に巻き、余った帯が前に垂れている。裸足で人形っぽく踊る。紫の衣装を脱ぐと、下に赤いドレス。それも脱いで、全裸になって後ろ向きで盆に移動。れのさんのお尻がぷりぷりしながら盆に近づく。かわいいお尻にドキドキ♪

若さはじける眩しい白い肌、艶めかしいベッドショーへ。

れのさんはアクセサリーを付けないタイプだが、今回は手足のマニュキュアが目につく。青色をベースにして交互に白や金が配置されている。

ベッドを終えて、椅子の横にいるパンダに寄り添って、幕は閉まる。

魂がパンダのもとに戻って行ったのであろう。

 

「テーマは『人形』ですが、夏子さん登場により、どう捉えるかはお任せです!! 色々な見方があると思うので・・・(笑) 」とのれのさんのコメント。

今回の出し物で登場するパンダのぬいぐるみは、水鳥藍さんが前に本人の演目で使用していた小道具。「夏子ママは今DX歌舞伎に出演中」というから藍さんから頂いた(預かった?)ものに間違いない。ちなみに、なんでパンダを夏子というのだろうか!?

今週、私は水鳥藍さんの応援にDX歌舞伎に3/13一日顔を出している。「藍ちゃん、元気にやっていたよ!」とれのさんに伝える。「夏子ママの演目まだ観たことないから観てみたいです。」

私は藍さんとれのさんの若手二人を一押しで応援している。藍さんは頻繁に出演してくれるようになったが、れのさんは二カ月に一度の出演ペースなので、またしばらく会えないと思うと無性に淋しく感じ、今週会っておかねばと、結局五日間通った。

 

今回、あえて書きたいと思うのが、オープンでのサービス向上。かぶりのお客さんに大接近しながらエロス爆弾を落としている。私は眩暈がするほどクラクラ~♡ 正面席の隣にいた顔馴染みのおじさんが「れのちゃん、たまらないスよねぇ~♪」と絶賛していた。同感!これだけかわいい娘に、これだけのサービスをしてもらえればストリップファン冥利。

デビュー当時から物怖じせず、サービス精神旺盛に振る舞ってきていたが、ここにきてまた一皮剥けた感じがする。ダンスやステージの良さに加え、一粒で何味も出している。すごい逸材である。

ただ、今週通い続けながら、客席にデビュー当時のあの勢いがないと感じた。れのさん目当てで来ていた客もいたが、毎日のように通い詰めるファンが少ない。人気がブレイクしていない感じを受ける。なぜか? 

おそらく出演頻度が少ないからだ。また渋谷道劇だけで、他劇に出演していないせいだ。

たまたま大阪晃生に遠征したとき、同じ道劇の先輩、北川れんさんの追いかけが来ていて話した。れんさんは晃生だけでなく、大阪東洋にも乗り、熱心な関西ファンがたくさん付いた。彼らが関東にも遠征するため、人気が全国区になってきたと話していた。また、晃生常連から、小町れのさんを晃生に乗せたいとママが話していたと耳にした。れのさん好評の噂は関西にも流れているようだ。もし、れのさんが関西にのれば私も遠征するつもりだよ。

ただ、れのファンの私としては、渋谷だけでも出演してくれるのがすごく嬉しく思っていて、あまり過度に要求するつもりはありません。あくまで、れのさん自身の事情を尊重したいと考えています。

れのさんに出会えたこと、そしてこうやって会えること、それがとても大事なんです。

 

 

平成27年3月                         渋谷道頓堀劇場にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『愛を知ってしまった人形』 

 

 

 マジシャンの姿をした気まぐれな神様が現れました。

「人間になりたいという人形はおまえか?」と、椅子の上に座っている可愛らしい人形の方を向きました。

 人形は答えました。「はい。人間になって、オシャレがしたいの。たくさんの綺麗なドレスを着て、歌やダンスをやりたいの。」人形の瞳は真剣でした。

 神様は人形の願いを叶えてあげようと思いました。「ひとつだけ条件がある。人間界の男性を愛してはいけない。おまえは人形と言う無機質の物体なので、それに命を与えることは自然界の法則に反していることになる。今回、無理やりに魔法で望みを叶えるが、万一、人間界の男性との間で恋愛が生ずると、魔法は解けてしまう。そのことに十分留意しなさい。」 

人形は頷きました。そして、神様がマジシャンのステッキを人形の頭の上に振った瞬間、人形は素敵な女性に変わりました。

 

 人形はナツコという名前を神様からもらいました。ナツコは自由に動く身体が面白くてたまりません。大きな声で歌いながらダンスをしました。

 ふと、ストリップ劇場の看板が目に入りました。中をのぞくと、綺麗な女性が華やかな衣装に身を纏い、光と音の中を楽しそうに踊っていました。しかも、たくさんの観客の拍手を浴びて。「これだわ。それに、お金ももらえるし、これなら一人の男性に恋することはなさそう。」 

可愛らしい容姿をもったナツコは一躍人気者になりました。

 

 ある日のこと。一人の青年がストリップ劇場にやってきました。

 彼は一目でナツコを見初めました。それから毎日のように劇場にやってきました。ナツコは最初のうちは熱心なストリップ客の一人として応対していました。

 いつしかナツコは彼の熱い視線を感じるようになりました。彼に見つめられると身体の奥の方が熱くなりました。彼の視線は、熱いキスのシャワーとなって降り注ぎ、ときに見えない手となって、優しくナツコの身体を抱きしめました。ナツコは身体の奥がとろけ出し、激しいエクスタシーを覚えました。

 

運命の日がやってきました。ナツコは彼の顔が劇場に入ってきた瞬間に、胸が高鳴りました。そして、ベッドショーのときに身体が動かなくなりました。

青年の目が自分のことを見つめています。ナツコの瞳から涙がこぼれました。

「さようなら。私のことを愛してくれてありがとう。人間になれて幸せでした。」

 ナツコは意識が遠のく中で、マジシャンが微笑むのが見えました。

 

                                 おしまい