水鳥藍さん(道劇所属)について、演目「Jazz」を題材に、「こじゃれた(小洒落た)感じがいい」という題名で語りたい。
H31年3月中のシアター上野に顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①水鳥藍(道劇)、②栗鳥巣(フリー)、③さつき楓(晃生)、④玉(TS)、⑤水咲カレン(TS)〔敬称略〕。今週は、玉さんの二周年週。
水鳥藍さんとは昨年10月結の渋谷道劇以来なので5月ぶりになる。随分お久になってしまった。
10月結のときには初の和物「蝶々夫人」を演じていて、さすがと感じ入った。藍さんの作品はどれも本当に見応えがある。
今回の作品「Jazz」は、スタンダードなジャズ・ナンバーをバックにさりげなくカッコよく踊る。
私はジャズについて音楽も踊りも全く無知なので専門的な話はできない。
今回の選曲を調べてみて、どの曲も制作された年次は1960年前後と古いのだが、古さを全く感じない。多くの歌手にカバーされ、演奏され続けることでアレンジが変わってもいる。しかし、スタンダードな良さは消えず、さらに洗練される。
音楽にしろ踊りにせよ、歴史があればあるほど、それだけ奥深さがあるだろう。しかし、押し付けがましさが全くない。さらりと味わえる。
なぜかな。どんどんプラスして付け加えていくのではなく、逆にどんどん余計なものを引いていったマイナスの美学があるのかな。シンプルだから心地いいのかな。
藍さんのステージから感じる、この‘さらり感’が素晴らしいと感じる。ジャズ本来の魅力もあるだろうが、なにより藍さんのダンスの実力があるからこそ、このさりげなさに味わいが出るのだと思う。言葉の本来の使い方ではないが「こじゃれた(小洒落た)感じ」と言いたくなる。洒落をがんがん前面に押し出すと押し付けっぽいので、それを少し抑えた感じかな。
変な感想を言ったかもしれません。素人感覚なのでご了承下さい。
さて、ステージを見たままをご紹介します。
茶色の毛の短いコート(カーディガン)を羽織る。下には黒いシャツに紫のマフラーを巻く。オレンジの膝丈スカート。ショートヘアに大きな金の鈴がついたイヤリングが見える。
赤いロングブーツを履いて、音楽に合わせて軽快に踊る。ステップがかっこいい。
一曲目は、Halie Lorenが歌う「Fly Me to the Moon」。ジャズのスタンダード・ナンバー楽曲。日本語で「私を月に連れて行って」といった意味になる。原題は「イン・アザー・ワーズ」(英: In Other Words)。
1954年に、作詞家・作曲家のバート・ハワードによって制作されたもので、初演はニューヨークのキャバレー "Blue Angel" において披露、ヴォーカルのフェリシア・サンダーズ(英語版) の歌唱によるものであった。ただし、この時の曲のタイトルは "In Other Words"(対訳「言い換えると」)であり、拍も3⁄4拍子で、現在広く認知されているアレンジとは装いをかなり異にしていた。現在多く耳にする「Fly Me to the Moon」が完成するのは、1962年のことである。作曲家・編曲家のジョー・ハーネル(英語版)が4⁄4拍子のボサノヴァ風に書き直したものが、現在よく知られているアレンジの一つである。
Halie Loren(ヘイリー・ロレン) 生年月日:1984年10月23日 (34歳)。幼少期からナット・キング・コールやエラ・フィッツジェラルドを愛聴し、15歳でプロ活動を開始。日本では2008年のアルバム『青い影』で大ブレイク、2011年のアルバム『ハート・ファースト』収録曲「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」はiTunesで1位を獲得した。最新作ではジェイミー・カラムやグレゴリー・ポーターを手がけるトロイ・ミラーをプロデューサーに迎え、よりコンテンポラリーなジャジー・ポップを披露。さらに美しく輝き、羽ばたくヘイリーの世界を見逃すわけにはいかない。
曲が終わり暗転。
音楽が変わり、黒い帽子を小粋にかぶって再登場。音楽に合わせて踊る。手の振りがユニーク。左手首に黒い時計が見える。
二曲目は、ピアノ曲「Cleopatra’s Dream」。「クレオパトラの夢」というタイトルがいいね。モダンジャズ・ピアノの元祖と言われるバド・パウエルのオリジナル曲。1958年に録音された「シーン・チェンジス」の冒頭の曲です。 バド・パウエル(1924~1966)はディジー・ ガレスピー、チャーリー・パーカーと並んで、バップ時代が生んだ最大の天才と言われている。
また曲が終わって暗転。
音楽が変わって、着替える。黒地に白い花柄のドレス。
音楽に合わせて裸足で踊る。
三曲目は、『ワルツ・フォー・デビイ』(Waltz for Debby)。ジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスが、1961年にヴィレッジ・ヴァンガードで行ったライブを収録したアルバム。
そのままベッドショーに移行。
ベッド曲は、arlie Ray が歌う曲「Fly me to the moon」。一曲目と同じだが、こちらはとてもリズミカル。arlie (アーリー、1984年2月22日 - 現在35歳)は、日本の女性歌手、DJ。DJ arlieとして歌手以外でDJプレイのみの活動も行う。
最後に小洒落た余談をひとつ。
藍さんに他の踊り子さんの絵を見せるとすごく喜ぶ。絵が好きなようだ。しかし、自分では描けないと言う。「ちんぽは描けるよー」と言って私のポラ袋に描いてきた。このちんぽの絵を見ていたら勝手に童話が浮かんできた。勢いで「金太の大冒険」ばりに童話『ちんぽ三兄弟』を書いて藍さんにプレゼント。藍さんが大喜び。最高に楽しい思い出になった。ただ今、この童話をシリーズ化しようかなと密かに企んでいるよん。笑
平成31年3月 シアター上野にて
『ちんぽ三兄弟』
~水鳥藍さん(道劇所属)に捧げる~
ある劇場に、‘ちんぽ三兄弟’と呼ばれる名物常連客がいた。
今日も、いつものフィナーレ時の「お姐さんといっしょ」の時間になると、ちんぽ三兄弟のテーマソングが聞こえてくる。
♪ 串にささって ちんぽ ちんぽ (串にささったら痛そうだなぁ)
3つならんで ちんぽ ちんぽ
しょうゆぬられて ちんぽ ちんぽ ちんぽ三兄弟 (しょうゆは沁みるかなぁ)
一番上はビンビンくん、
一番下はフニャチンくん、
あいだにはハンダチくん、
ちんぽ3兄弟 ・・・♪
さて、このちんぽ三兄弟の劇場での様子を話そう。
三人はいつもかぶり席に並んで座る。踊り子さんがオープンショーで近づいてくると、さっとプレゼントを掲げる。そのプレゼントとは、黄色いバナナ。にょきっとしたバナナの付け根には赤いサクランボが二つぶら下がる。
ビンビンくんが差し出すバナナは、青みがかった硬いバナナ。ハンダチくんの差し出すバナナは、黄色くて丁度いい食べごろ。フニャチンくんの差し出すバナナは、少し茶色の斑点が付いた柔らかいバナナ。踊り子さんは黙って三人からバナナをもらった。楽屋でどれを食べたかは分からない。
この三人の特徴を詳しく述べてみる。
ビンビンくんは、筋骨隆々とした身体つきで、一番元気がいい。だから踊り子さんに一番人気があるかと言うとそうでもない。彼は観劇するときは、目をギラギラさせていた。性欲が強いのか、少し若ハゲ気味。彼の雰囲気は、お姐さんには少しうざく感じられる。
肉食系男子のビンビンくんに対して、ハンダチくんは草食系男子。優男(やさおとこ)で二枚目風。今のご時世はハンダチくんのようなタイプが好かれる。少し前に、野球界ではハンカチ王子、ゴルフ界ではハニカミ王子がもてはやされた。それにあらかって、彼はストリップ界のハンダチ王子と呼ばれるようになった。ところが、ハンカチ王子もハニカミ王子も人気が先行して実力がともなわず人気が低迷した。ストリップ界のハンダチ王子も同じ傾向からか、一時期の人気はなくなってきた感じ。
フニャチンくんはどうか。彼は踊り子には人気がなかったが、常連のおじいちゃん達にめっぽう人気があった。もちろん理由(わけ)がある。ストリップというのは年をとってからの遊びと言われる。若い頃は見るだけでは我慢できず直接的な遊びを求めがち。ところが男性も歳をとり性欲が廃れだすと、直接的な遊びは求めなくなり、見るだけのストリップが良くなる。彼ら高齢者にとって、フニャチンくんは仲間意識を高める存在。仲間うちのシンボルとして人気を博したのだ。
フニャチンくんは踊り子に対して全くガツガツしていない。しかし、性欲がないかというとそんなことはない。しっかりストリップを楽しんでいる。まさに人生を楽しむかのごとく。
そのため次第に、踊り子の間では、フニャチンくんは人畜無害な男として(?)、彼こそがストリップ向きな男とみなされるようになっていった。
このように、それぞれ特徴のある三兄弟ではあったが、お互いに兄弟思いのいいやつだった。結果として、三人で踊り子さんのステージを盛り上げようと意気投合した。
彼らは、いつものように、フィナーレの「お姐さんといっしょ」の時間になると、ちんぽ三兄弟のテーマソングを揃って歌い出す。時に、三人はEXILEばりに一列になって千手観音のようにぐるぐる回るダンスをしたり、マイケル・ジャクソンのムーンウォークを決めたりして、やんやの歓声を浴びる。そして、最後は山本リンダばりに「(ストリップ通いは)どうにもとまらない~ちんぽバージョン~」で締めた。
このちんぽ三兄弟の活躍で劇場は大いに盛り上がった。
おしまい
【補足】童話「ちんぽ三兄弟」とポラ袋の絵について
2019年3月中のシアター上野にて、水鳥藍さん(道劇所属)と次のようなやりとりをした。
藍さんは私の童話の昔からのファン。最近は私の童話に踊り子さんの絵が添付されているのを興味深く見ていた。絵に興味があって、誰それの絵が気に入ったとよく話してくれる。ところが藍さん本人は「申し訳ないけど私は絵が全くダメなの。絵心がないのね。」と言う。私は無理に描いてもらうつもりはない。絵は踊り子さんからの過剰サービスと認識しているので、描いて頂けなくても全く問題はない。今まで通り応援させて頂く。
そんな中、藍さんが「私はちんちんの絵だけは描ける」と言ってポラサインにちんちんの絵を描いてくる。「太郎さん、ちんちんの童話、書けないかな。そうしたら絵が描けるかも。」と言う。
私はこういうリクエストにはすぐ乗る。ちなみに、このとき藍さんが私のポラ袋に大きなちんちんの絵をひとつ描いてくれた。大きく立派なちんぼだった。
私はこの絵を見ながら、カラオケでよく聞く「金太の大冒険」に負けない、「ちんぽの大冒険」でも書いてみようかなと考える。結局、「ちんぽ三兄弟」を書いて翌日届ける。
藍さんは「えっ! もう書いたの」と驚いていた。でも、ちんちんの童話と聞いて興味津々だった。私は手紙で「ちんぽ三兄弟なので、ポラ袋の絵の横にもう二人追加して描いてほしい」とメッセージを入れていた。
この童話を読んだ藍さんは大喜びしてくれた。ところが、ハンダチくんとフニャチンくんのイメージが湧かないと言う。たしかに、ハンダチは感覚の問題でもあり、これを視覚的に表現するのは難しそう。なるほど・・・と私はいったん諦めた。藍さんは「絵の上手な京はるな姐さんに相談してみようかな」などと呟いている。
私は翌週3月結のミカドに行く。そこに、京はるなさんも榎本らんさん(東洋所属)も出演していた。二人とも童話「ちんぽ三兄弟」を読んで大ウケしていた。合わせて、藍さんが描いてくれたちんちんの絵のポラ袋を見せて、手紙で事情を説明した。そうしたら、らんさんがささーっとハンダチくんとフニャチンくんを描いてくれた。こうして、ポラ袋のちんぽ三兄弟の絵が完成した。
童話「ちんぽ三兄弟」が踊り子さんに大ウケしている。ついつい続編を考えている。ちんぽ三兄弟に対して「まんこ三姉妹」がふと浮かぶ。「おしりちゃん」「パンプレマン」も登場させたい。妄想が広がる。
いやいや待てよ!こんなのを書いたら私の紳士としてのイメージが崩れてしまうかな。
まぁ~「ストリップの紳士」と思えばいいかな(笑) 書いちゃおうかな・・・