大阪東洋ショー劇場のH30(2018)年お正月興行における、荒木まいさん(東洋所属)の模様を、新作「My Lucky」を題材に語りたい。ちなみに今回は荒木まいレポの「ピンクに染まっちゃう」シリーズ(その13)になります。
H30年1月頭の大阪東洋ショー劇場に、年末年始の挨拶に初日から顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①荒木まい(東洋)、②渚あおい(東洋)、③榎本らん(東洋)、④せいの彩葉(ロック)、⑤水元ゆうな(東洋) 〔敬称略〕。
お正月に新作を出すと聞いていたので楽しみにしていた。
アメリカンポップス系の懐かしのスタンダードナンバーが並んでいる作品。曲名は知らないものの、聴き覚えのある曲ばかり。耳心地よく安心して観ていられる作品である。これまでアイドル系の作品が多いまいさん自身としても、アダルトな演目として、いい持ち駒ができたなと感じた。
いつもながら華やかな衣装に身を包む。
最初は、白い日傘をもって、白い豪華な衣装で登場。ふわっとした長い袖、裾広がりのワンピースドレス。緑のリボンが点在。首筋、両肩、胸元に三つ、そしてスカートに沢山。
頭には緑の王冠の上に豪華な白い花飾り。足元は銀のハイヒールを履く。華麗に踊る。
曲が変わって着替える。
今度は肩出しの軽装。上半身は、タンクトップの白いシャツ。その胸元に銀色のキラキラ模様。両手に白い手袋。首輪と手首に緑のリボン。下半身は膝上丈のスカート。白と緑の布が縦に並ぶ。頭には白と緑の髪飾り。銀のハイヒールを履いて軽快に踊る。
曲が変わり、舞台にガラス玉の簾がかかる。
最後に、足元まで流れる薄いナイトドレスで登場。緑の花柄模様で、首輪に小さな緑のリボンと、胸元には大きな緑のリボン。髪は後ろに垂らす。
そのまま、盆に移動してベッドショーへ。衣装を脱ぐ。白いパンティを左足首に巻く。
アクセサリーとしてはガラス状にきらきらしたウエストチェーン。
いつもはピンクピンクしている衣装が多いのだが、今回の演目ではグリーンがポイントになっている。アダルトな感じでよく似合っているよ♪
平成30年1月頭 大阪東洋ショーにて
『緑のうさぎ ―緑の少年(?)― 』
~荒木まいさんの新作を記念して~
どんよりとした朧月夜。全てが緑色に覆いつくされているような重ったるい空気に包まれている。
私は呑兵衛横丁にある一軒の酒場で一人手酌で酒を飲んでいた。
五十を越えた中年男が一人淋しく物思いに耽って酒を呑んでいるのだから、誰も近寄ってはこないはず・・・そう思っていたら、変な男の子が声を掛けて来た。
髪の毛が緑色している。染めているのかと思ったら、眉毛も緑色。瞳も緑色。肌が真っ白なので余計に緑色が目立つ。
私がじろじろ見るため、彼は「おじさん、ぼくは先天性の染色体異常なんだ。だから身体の毛や眼球が緑色なんだ。とくに病気じゃないから安心して。」と説明した。
彼は高校生みたいに若い。しかも、かわいい顔立ちをしている。男にしておくのがもったいないほどの美少年だった。ある意味、緑色の髪が似合っていて、よその星から来た異星人みたくも思えた。
「よかったら奢ってくれないかな。おじさんと話がしてみたい。」そう言って絡んできた。どうせ一人で呑んでいたから話し相手をしてもらおうか、そう思う。
私は50歳を越えて事業に失敗してしまった。信頼していた部下に裏切られて、先祖代々受け継いできた家業を手放すことになった。そのため家族も崩壊した。大学に入ったばかりの娘も中退を余儀なくされ、妻は酒浸りになった私に愛想をつかして、高校生の息子を連れて家から出て行った。「俺はどうしようもないダメな男だ。もう死にたい。」と自暴自棄な気分で酒を吞んでいた。
そんなところに、ひょっこり変な髪の男の子が現れ、酒の相手をしてくれたわけだ。ついつい愚痴をこぼしながら深酒をしてしまった。
ふと、意識が戻ったら、そこはホテルの一室だった。男の子が私をホテルに連れて来たのだ。
私には男色の趣味はない。「そうか、彼はそういう趣味なのか。まぁ~死ぬ前に、一度そういうのも味わってみるか。」ふと、そんなふうに頭を過ぎる。
すると男の子が私に抱きついてきた。なんか若い女の子の匂いがした。今どきの男の子はオシャレだからそうなんだと思った。
唇を合わせてきた。そして私のズボンの中に手を入れ、私のものをまさぐりフェラを始めた。絶妙なテクニックに私は身をのけぞった。私は条件反射的に彼の下半身に手を伸ばした。
「えっ!? ない?」あるべきものが無かった。私の頭は混乱した。
ところが、私の思考回路を無視して、別の神経回路に快感が走り抜けた。
ぐったりした私の側に横たわって、彼は、いや彼女は話し出した。
「私はもともと女の子なの。小さい頃から、緑色の髪だったので‘緑のうさぎ’と呼ばれて虐められたの。」うさぎとは可愛い象徴であるが、本来うさぎは赤い目をしているので‘緑のうさぎ’とは差別用語なのだった。女の子ではあまりに辛すぎたので、途中から男の子になろうと決心したようだ。
「私ね、不思議な能力を持っているの。髪の毛が緑色のせいか、緑色にどんより落ち込んでいる気持ちの人の心が読めるの。おじさんは自殺したいと思っていたでしょ。だからビーンと感じたのよ。それで声をかけたの。
おじさんはとってもいい人だわ。元気にしてあげたいと思ったの。」
私たちはホテルから出て別れた。
私は、緑の少年のお陰で、どんよりした気持ちが吹っ切れた。「明日から、もう一度ゼロからスタートだ!」そう思えた。
空を見上げたら、満月になった月の中で緑のうさぎが餅つきをしているように見えた。先ほどまで居た少年は月から降臨してきたのかな、とふと感じた。
おしまい