平成28年5月結のTSレポートのデータが消滅。童話のデータのみある。
このとき荒木まいさんの新作「strawberry Fields 」 初披露された。
~荒木まいさん(東洋)&石原さゆみさん(渋谷道劇)に捧げる~
天上の世界に、二人の姉妹がいました。二人ともとってもかわいい女の子です。
姉はいちごの天使。妹はさくらんぼの天使。二人とも甘い香りを振りまき、周りの人をうっとりさせました。
ところが、二人はどうも相性が悪いのか、口喧嘩ばかりしています。
今日も、いちごとさくらんぼのどちらが赤いかを言い争ってます。妹は「いちごは表面につぶつぶがあるわ。その点、さくらんぼはつるつるよ。」と言う。姉は「つぶつぶがあるから味があるのよ。分からないの。」と反論する。そして、どちらが美味しいかを争う。姉は「いちごの方が甘くて美味しいわよ」と言えば、妹の方が「いいえ、さくらんぼの方が甘酸っぱくて美味しいわよ」と言い返す。こんな他愛無い口喧嘩が続きます。
天上の神様は、二人を見かねて、地上に降臨させて鍛えようと考えました。二人の美貌を考えてストリップの世界に送ることにしました。
姉のいちごの天使は、西日本を代表する大阪東洋ショー劇場でデビューさせました。
劇場側の宣伝効果もよくて、デビューすると同時に人気が爆発しました。若くてかわいいアイドルを熱望していたので彼女の登場はストリップファンを喜ばせた。劇場側としては彼女を頻繁にステージに立たせて稼ぎたい思惑。
ところが、天上の世界でのんびり育ったこともあり、いちごの天使は体力がもちません。そこで2~3か月に一度のマイペースでステージにのることになりました。
いちごの天使がステージに立つたびに熱狂的なファンが増えました。彼女はポラを買ってくれたお客にいちごを配りました。そのいちごは天使の愛でした。いちごを食べた客の両目はいちごの形になりました。お陰で劇場の中にどれだけいちごの天使のファンがいるか一目瞭然。
いちごの天使のファンは西日本を中心に徐々に増えていきました。
ちちろん、関東から大阪東洋ショーに遠征してくるストリップファンもいましたから、その評判は東日本にも広がっていきました。
一方、妹のさくらんぼの天使は、東日本を代表する渋谷道頓堀劇場からデビュー。
劇場側は、あまり宣伝はせず、ふつうの新人として売り出しました。そのせいか、さくらんぼの天使は最初のうちは面白そうと思ってステージに立ったものの、段々なんかつまらなく感じました。客入りがよくなかったせいもあります。中には応援してくれそうな方もいましたが、人気が出るのか不安になりました。
結局、デビュー週が終わって、さくらんぼの天使は忽然と姿を消しました。それを知った天上の神様が驚き、さくらんぼの天使を探しだし、四か月後に再デビューさせることにしました。
さくらんぼの天使はしぶしぶストリップを続けることにしました。ところが、デビュー週に会った人たちが応援に駆け付け、次第に元気になり、ストリップの楽しさが分かってきました。
さくらんぼの天使は、ポラを買ってくれた客に、さくらんぼをあげました。このさくらんぼは天使の愛で、これを食べた客は両目がさくらんぼになりました。
さくらんぼの天使は、どんどん関東の劇場にのり続けたので一躍人気が出てきました。
さくらんぼの天使の人気を聞きつけて、西日本の劇場からオファーが入り、早速のることになりました。運よく、いちごの天使とバッテングすることはありませんでした。
姉妹はお互いの人気を意識するようになりました。
そして、いちごの天使がデビューしてから約半年後、とうとう、いちごの天使は関東に初上陸することになりました。場所は新宿のTSミュージック。東洋の期待の新人がのることでその興行は大盛況になりました。
これで気をよくしたTSミュージックは、二か月後の開館記念興行に、このいちごの天使とさくらんぼの天使を共演させる企画を組みました。
いよいよ、二人の直接対決が実現します!
ステージの出し物がどうかと言う前に、まずは、それぞれのファンたちがどういう応援をすべきか、やきもきしました。いちごの天使のファンは両目がいちごの形をしています。さくらんぼの天使のファンは両目がさくらんぼの形をしています。お互いにいがみ合うかと思われましたが、そんなことはなく、お互い協力し合うことになりました。というのは、ストリップ界は狭いので、アイドル好きのファンであれば、結局のところ、いちごの天使もさくらんぼの天使もどちらも応援したがったのです。
そこでお互いのファンが、ある提案をしました。
いちごの天使とさくらんぼの天使は久しぶりにTSミュージックで再会しました。天上で別れて以来です。それぞれの活躍は耳にしていましたが、一目見た瞬間に、お互いの成長に目を見張りました。素敵なストリッパーの顔になっていたのです。それでも、お互い応援隊がいたので負けるわけにはいかず、ライバル心を表に剥き出しにしてステージに臨みました。
出場者全員の舞台挨拶のため、二人は揃って舞台に上がりました。
二人の応援隊が一斉に立ち上がり声援を送りました。
二人の姉妹は彼らの姿を見て驚きました。というのは、いつもなら、いちごの天使の応援隊は両目がいちご。さくらんぼの天使の応援隊は両目がさくらんぼ・・・のはずが、いずれの応援隊も右目がいちごで左目がさくらんぼ♪ みんなで肩を組んで声援しているのです。
姉妹は目を合わせました。「応援隊が仲良くやっているのに私たちがいがみ合うことはないわね」二人は手を取り合って、両手を高く挙げました。応援隊は大歓声。
こうして二人は、ストリップ界を大いに盛り上げました。
おしまい