川越ゆいさん(東洋所属)の、2019年10月中の大阪東洋ショー劇場における周年模様を、5周年作「Love story」を題材に、「双子の姉妹が一人の王子に恋をする物語」という題名で語りたい。
2019年10月中の大阪東洋ショー劇場に、初日から顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①上野綾(東洋)、②大見はるか(ロック)、③小宮山せりな(ロック)、④川越ゆい(東洋)、⑤赤西涼(ロック) 〔敬称略〕。
以下、愛称のごえちゃんと呼ばせてもらうね。
ごえちゃんとは今年の5月中以来、五か月ぶり。今週は、ごえちゃんの5周年週。
今週の出し物はもちろん5周年作「Love story」一本ではあるが、この作品はなんと二部構成になっている。1,3回目ステージを「~Happy END~」、2,4回目ステージを「~Bad END~」としている。
最初に、二部構成と思っていなかったので、始まりのナレーションで「昔々、とある国に、顔のそっくりな姉妹がいました。二人は仲睦まじくしていましたが、二人同時に隣の国の王子に恋をしてしまいました。」とあり、二人の姉妹(おそらく双子)が登場するのかと思って観ていた。1回目ステージが一人だけで終わってしまったので、あれっ?と思っていたら、2回目のステージで、もう一人が登場したので、これには驚いたし、この二部構成に感激した。さすが周年作だけあって凝っているね。今回の作品は内容も選曲も全て自分で創作したと聞いて非常に感心しました。
着ているドレスの柄は同じだが、姉は白で、妹は黒と極端に違っている(便宜上、一幕を姉、二幕を妹として仮設定して以下を話します)。その後の衣装も、白と黒で合わせて変えている。使っている音楽も感じがずいぶん違う。
初めてステージを拝見した時、タイトルを知らなかったので、私は、この白と黒は二人の性格の違いとか、表裏一体を示すのかなと思っていました。ところが、タイトルが違うことを知り、おやっ!と思いました。
そこで、問題はストーリー。一幕はHappy ENDで、二幕はBad ENDとあるので、当然にストーリーが違ってくるはず。ところが最初ステージを拝見していても私にはその違いがよく分からなかった。一幕のHappy ENDは姉が王子とめでたく結ばれる。ところが二幕のBad ENDも、椅子の上で結ばれているではないか。・・・もしかしたら、妹まで結ばれてしまうことが姉への裏切りとなることを意味しているのかぁ~!? とステージを二回拝見したところで一旦感想を提出した。
すると、ごえちゃんから回答が返ってきた。「捉え方はたくさんあるけど、私のイメージは、Bad ENDは妄想で王子を殺すイメージなんだぁ」
私はハッとした。原作者のごえちゃんが言うのだから、間違いない。そう言われてみると、Bad ENDでは王子(くまのぬいぐるみ)の扱いが非常に雑である。舞台から盆に移動するときに、椅子とくまを運ぶが、くまの片手を掴んでいるだけ。Happy ENDでは抱きしめて運ぶ。また、椅子を使った騎乗位SEXでは王子(くま)を下にして押し潰す感じ。そして最後にくまを盆の上に投げ飛ばし、そのまま置き去りにして舞台に戻る。あっ! 決定的なポーズがあった! 首を搔き切る仕草を見落としていた。これがまさに王子を殺すイメージなのだ。なんと言っても、これを演じているごえちゃんの表情が怖い。ここを感じ取ってあげないといけなかったなぁ~と深く反省↓ペコリ
以上、作品のストーリーを理解した上で、ステージ内容をおさらいしてみましょう。
第一幕の~Happy END~から。
最初に物語風のインスト曲が流れる。ごえちゃんから「ドラクエの曲とか混ぜてる」と教えてもらう。
ステージの舞台構成は、向かって左側に、黒いドレスを着た妹の肖像画が掛けられる。向かって右側に、金の額縁があり、そこから白いドレスを着た姉が現れる。
華やか衣装である。まずは頭にのった丸玉の王冠がステキ。ドレスは上部の袖口が広がり、スカート部は裾広がり。白地に黒い花(すみれ?)が描かれる。その中を紫のフリルが襟元から足元まで二本流れる。
小さな花籠を持ってきて、花道に座っている客に赤とピンクの花を3本配る。
ここで一旦暗転。鳥の鳴き声が聞こえ、音楽が変わる。北欧系(ケルト系)の音楽。神秘的でおしゃれな世界を感じます。舞台は北欧なんですね。
舞台の中央に、椅子に座った王子様(茶色のテディベア)がいる。黄色い王冠に、赤いマントを付けている。
姉が水色のドレスを着て、王子の前で舞い踊る。
音楽が変わり、水色のドレスを脱ぎ、そして衣装を着替える。
今度は、ピンクのフード付きで、花柄の刺繍入りの白いドレス。
音楽に合わせ、銀のハイヒールを履いて、王子様と楽しそうにくるくる踊る。
三曲目は、Weezer の歌う「Take On Me」。とてもリズミカルな音楽。もともと「テイク・オン・ミー」(take on me)はノルウェーのバンドであるa-haが1985年に発表したシングル。作詞・作曲はメンバー3人の共同で行われた。世界的に大ヒットし、バンドの代表曲とされる。
そのまま、盆に移動する。ベッドショーが始まる。白いパンティを脱ぎ、それを一旦王子(くま)の胸の上に置き、そして次に自分の右足首に巻き付ける。王子を抱きしめる。
近くに来たので、アクセサリーを目で追う。頭には銀のヘアバンド。胸にはY字のガラスのネックレス。手には赤いマニキュア。ちなみに銀のハイヒールを履いてるが足にも赤いマニキュアがされている。
ベッド曲は、癒しのディズニーオルゴールで「これが恋かしら(So This is Love)」。
立ち上がり曲は、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)の「Love Story」。演目名と同じタイトルだね。作詞 / 作曲 Taylor Swift
この曲の中に、♪「待っているのはハッピーエンド」という歌詞がある。Taylor Swiftの2ndアルバム『Fearless』からの大ヒットシングル「Love Story」は、両想いの彼と家族との間で揺れる彼女の切ない恋心を歌ったものである。この曲は映画「ロミオとジュリエット」からインスピレーションを得たという。
テイラー・スウィフト(Taylor Swift、1989年12月13日 - 現在29歳)は、アメリカ合衆国のカントリーシンガーソングライター、音楽プロデューサー、篤志家。女優として映画やテレビドラマにも出演している。グラミー賞10回受賞(32回ノミネート)、最優秀アルバム賞を史上最年少(20歳と49日)で獲得した人物。 立て続けにヒット曲を生み出しており、ファン層も広く、しばしば「America's sweetheart」と呼ばれる。
選曲からもハッピーエンドな雰囲気を味わえる。
次は、第二幕の~Bad END~。
ステージの舞台構成は、先ほどと左右対称。向かって右側に、白いドレスを着た姉の肖像画が掛けられる。向かって左側に、金の額縁があり、そこから黒いドレスを着た妹が現れる。
こちらも同じスタイルのドレスである。ただ色彩が白ではなく黒になる。黒地に白い花(すみれ?)が描かれる。
同じように、小さな花籠を持ってきて、花道に座っている客に赤とピンクの花を3本配る。
ここで一旦暗転。
同じように、舞台の中央に、椅子に座った王子様(茶色のテディベア)がいる。黄色い王冠に、赤いマントを付けている。
最初のインスト二曲はHappy ENDと同じであるが、照明が赤く、いかにもものありげ。
先ほどと同じように、まずは水色っぽいドレスで踊る。
音楽が変わり、水色のドレスを脱ぎ、そして衣装を着替える。
今度は、黒っぽいドレスに着替えて踊る。このドレスにも紫の混じったフードが付いている。黒いハイヒールを履く。
三曲目は、HUGEL feat. Amber van Day の「WTF」。Charlie PuthやDavid Guetta、J Balvin、Robin Schulzのような超ビッグスターのリミックスを担当し、名を馳せているアーティストHUGEL。その実力と人気は、世界のダンスミュージックのメッカ・イビザで多くのアーティストや業界関係者から崇拝されているほどだ。
妹は、王子(くま)を連れ、椅子を持って、黒いハイヒールを履いたまま、盆に移動。
黒いドレスを着たままベッドショーが始まる。黒いパンティはTバックで、股割れになっている。パンティには黒色の中に紫色が妖しく混じっている。
妹は王子と椅子に絡み戯れる。
ベッド曲は、ビリーアイリッシュの「Badguy」。 2019年最も話題の新人、17歳の個性派歌姫ビリー・アイリッシュ。デビュー・アルバム『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』全米・全英アルバム・チャート初登場1位獲得!
ビリー・アイリッシュ・パイレート・ベアード・オコンネル(Billie Eilish Pirate Baird O'Connell、[ˈaɪliʃ]、2001年12月18日 - 現在17歳)は、アメリカ合衆国の女性シンガーソングライター、モデル。
立ち上がり曲は、ディズニー系音楽「悪の力を呼びさませ」。 “Ways to Be Wicked”(悪の力を呼び覚ませ) ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービー「ディセンダント2」から。
選曲からも、Bad ENDがイメージできる。
2019年10月 大阪東洋ショーにて
ファンタジー童話『やすらぎ姫とときめき姫』
~川越ゆいさん(東洋所属)の5周年作「Love story」を記念して~
ある国に、立派なお城があり、そこに双子のお姫さまが住んでいました。
一人は、清楚なドレスを着て、いつも穏やかな笑顔をしていました。彼女に接している人たちは皆「やすらぎ」を覚えるため、彼女のことを「やすらぎ姫」と呼んでいました。
もう一人のお姫さまは、常に軽装で、活発な方。なにか楽しいことがないかと、いつも目をきょろきょろさせ、そして面白いことが見つかると目をキラキラさせました。いつも「ときめき」を求めていることから、周りの人たちは彼女のことを「ときめき姫」と呼んでいました。
二人は顔が瓜二つでしたが、性格は全く正反対といえます。
その国は治安が安定し、とても平和で、民衆は穏やかな生活を送っていました。
そんな中、やすらぎ姫はまさに国の象徴的存在でした。
しかし、ときめき姫はそんな平和ぼけな雰囲気が全く面白くありません。
なにか面白いことがないかと時に「奇抜じゃー! なにか奇抜なことはないかー」と大きな声を上げました。
周りの家来たちは彼女の言動を鎮めるため、国に舞踊団を招くことにしました。
舞踊団がテントを張って公演を始めると、ときめき姫は毎日通いました。
最初はわくわくしながら公演の全てが面白いと感じていた姫も、毎日同じ踊りが淡々と続くことに次第に飽き始めました。そんな中、ときめき姫は一人の男性ダンサーに気を惹かれました。彼は毎日同じ踊りをせずに、常に変化をつけていました。彼の目はキラキラ輝いていました。
ときめき姫は彼の中に自分が求めているものを見つけた気がしました。彼に気を寄せた姫は、お城に呼ぶことにしました。
ところが、そのダンサーは、この国で有名なやすらぎ姫に恋心を抱いていました。正直いって、ときめき姫は自分のタイプではないと思いました。だから城に向かう足取りが重く感じました。
城に入った彼は、大きな広間で待たされました。
ときめき姫が現れるのを待っていたら、・・・なんと現れたのはやすらぎ姫でした。
彼は予想だにしないやすらぎ姫の登場に驚くとともに、憧れのやすらぎ姫を前にして動揺してしまいました。
やすらぎ姫は彼に向かって優しく話し始めました。
「驚かせてゴメンなさいね。世間では、やすらぎ姫とときめき姫は別の人間ということで噂されていますが、実は同一人物なんです。
私はふだんは平和で平凡な生活を望んでいるんですが、ときに変化が欲しくてどうしようもなくなるの。こんな私、変でしょうか!?」 やすらぎ姫はニコッと微笑みました。
彼はお姫さまの気持ちがよく分かりました。
彼は迷うことなく返答しました。
「人はいろんな自分をもっているものです。やすらぎ姫もあなた。そして、ときめき姫もあなたです。私はあなたの全てをひっくるめて愛してあげたくなりました。
お姫さまさえ宜しければ、私はずっとあなたのお側にお仕えしたいと思います。」
二人は結婚して、幸せな、そして時にドキドキ・ワクワクする楽しい人生を送りました。
おしまい