今回は、ロックの踊り子・黒崎優さんについて「黒崎優ワールド 多才なる芸域」と題して語ります。

 

 

 11月に入り肌寒くなってきた。朝方は寒くて目が覚めるようになる。しかし、日中はぽかぽかした秋晴れ陽気。ここ栗橋の劇場は周りが閑散とした田んぼに囲まれ、爽やかな秋の風が頬を撫でる。

H28年11月頭のライブシアター栗橋公演。私にとって久しぶりの栗橋になった。石原さゆみさんが栗橋初乗りになり追いかけてきたわけだが、昨年H27年4月に来た記憶があるから一年半ぶりかな。ずいぶん来ていなかった。栗橋は一時、今年の五月に閉館するという騒ぎがあったが、継続になって本当に良かった。最近はロック大会もあるようだし、これからはもっと来ようと思う。

今週の香盤は次の通り。①黒崎優(ロック)、②さくらみみ(フリー)、③多岐川美帆(道劇)、④大見はるか(ロック)、⑤石原さゆみ(道劇)〔敬称略〕。

 

今週はロックの黒崎優さんとの久しぶりの再会を楽しみにしていた。

 今年はロックのお姐さんがたくさん引退した。辞めた踊り子さんの観劇レポートをいくつか渡した。優さんがほろりとしたらしい。「加瀬あゆむ姐から作品もらいました・・・本当にやめた人が多いですね。」「懐かしい姐さん・・そしてショウコちゃんとか、もう私の好きな踊り子さん達のいなくなった人たちのことばかり書いてあったので、涙が出そうになりました・・・友坂麗姐さん、あゆむ姐さん、吉沢姐は、今でも仲良し!」

 昔話に花が咲くと同時に、私の近況も聞いてもらった。優さんは今のストリップ業界で最も私のことを理解してくれる太郎チルドレンの一人である。優さんは私の「ストリップ戦友」であると今回改めて感じた週だった。

 

 さて、今回の演目は、10周年作「8時だヨ!全員集合」と「ボヘミアン」の二個出し。

 なお、二日目までは荷物が間に合わなくて「ボヘミアン」の一個出しだった。

 なにはともあれ、10周年作「8時だヨ!全員集合」はインパクトが大きい。バラドル優さんのギャグの集大成というべき内容である。いつもポラタイムに面白い格好で登場し爆笑の渦を巻き起こしているが、それを周年作としてドリフの演目に纏め上げたのだから大したものである。他の人には絶対マネできない(笑)。

 ご存知、ザ・ドリフターズの「8時だヨ!全員集合」は1969年から1985年にかけて16年という長い間TBS系で土曜日8時からTV放映された国民的人気番組。最高視聴率50.5%、平均視聴率27.3%というお化け番組と呼ばれたほど凄い人気だった。日本のバラエティ番組を代表する存在であり、記録にも記憶にも残る伝説の番組として現在でも語り継がれている。これに挑戦するのだから、優さんの芸域も大したものである。

 早速、内容を紹介しよう。

 舞台に、白い大きな時計があり、針が8時を指している。(この時計が後で「金ダイル」になる)

 オープニング。優さんの「よ~し、行ってみよう」の掛け声。この後で「8時だヨ!全員集合」との音に合わせ、オープニングテーマ曲「ちょっとだけヨ! 全員集合」(北海盆唄の替え歌)が流れる。

 優さんが、いかりや長介に扮して(長い下唇が付いている)登場。白い鉢巻きに赤いたすきというお祭りのはっぴ姿で踊る。

「よ~し、次、行ってみよう!」と叫んで、ヒゲダンスの曲が流れる。優さんが黒い口ひげを付け、白いシャツに赤い蝶ネクタイを付け黒いタキシードを着る。加藤茶と志村けんのヒゲダンスは番組の名物コーナーだった。

優さんが、黄色いバケツを振り回す。もちろん中に水は入っていない(笑)。コップを乗せたお盆を運んできてひっくり返す。コップは盆に貼り付けてあり、もちろん中には水が入っていない(笑)。たくさんの提灯を吊した秋田竿灯の小型版を出してきてお客を脅かす。しかし、お客は笑わない。優さんが観客に向かって「きた。きた。冷たい視線!」と言う。ようやくお客の笑いを誘う。

 このヒゲダンスの時に、今週のメンバーである大見はるかさんやさくらみみさんが協力参加したときもあったなー。なかなかうまくいってなかったけど(笑)。

 

 次に、ラジカセをポチッと押す。「ちょっとだけよ」の音楽が流れる。

 加藤茶のストリップもの『ちょっとだけよ』が始まる。優さんが、はげ鬘とメガネとひげ面という「はげづら親父(加糖茶太郎)」に扮す。ピンクのネグリジェを着て、客席に「もっと見た~い?」と言ってはガバッと見せたり、「いい男ばかりだね」と言い、笑いを誘う。最後に「なに見ているのよ!」と言って締める。

ラジカセから音楽が流れると風情があるねぇ~。やっぱりコントとストリップは相性がいいよ。思えば、この頃がストリップの全盛時代であり、今以上に市民権を得ていた。ちなみに、この「ちょっとだよ~。あんたも好きねぇ~。」という言葉は当時PTAの槍玉に上がっている。

 

 次に、キン肉マンの上半身で、白い白鳥を頭と股間に付けて登場。そして「早口言葉」のコーナーが始まる。お客さんも参加して定番の早口言葉にチャレンジ。これもTV番組の「少年少女合唱団」のコーナーとして、ゲストと共に歌うもので、いかりや長介が神父の格好、他のメンバーが白いベレー帽をかぶった少年聖歌隊の格好で登場していたことを懐かしく思い出す。

 

 最後に、カラスが登場。小さなカラスのぬいぐるみを棒に紐付けし振り回す。志村けんの掛け声「カラスなぜ泣くの~カラスの勝手でしょ~♪」はギャグ名言である。この童謡「七つの子」の替え歌フレームも、当時のPTAの槍玉に上がっている。

 一転して、研ナオコの曲「カモメはカモメ」の音楽が流れる。カラスがカモメになったのかな。優さんが裸体に布一枚を腰に巻き、盆に移動し、しんみりとベッドショーを演ずる。曲とベッド演技にうっとり酔い、このままムーディなエンディングかと思いきや、やはり最後の最後には、ドリフの名物小道具である金ダライで優さんが頭を打ち目を回すシーンで終わる。ドリフらしい終わり方である。

 

 このドリフの演目は投光泣かせらしい。「(三日目から)ドリフ解禁して、朝早く起きて投光さんに指示書だしたんだけど、やっぱり指示ありすぎて抜けてたり。。竜馬とドリフは凝ってるから難しそうです。」との優さんのポラコメ。

 ちなみに、一緒に出演しているお姐さん方も優さんの演目ドリフに興味津々でお勉強に来ていた。石原さゆみさんも、かなり気になる様子で、六日目に「ドリフのちょっと見た笑。楽しそう笑。」、そして七日目に「ドリフ見た♪面白すぎた!笑」とポラコメにあったよ。

 

 次に、1,3回目のステージで演じていた「ボヘミアン」を紹介しよう。

 こちらは本格的な和物である。「これ実は、かすみ玲ちゃんから借りてます(苦笑)」しっとりと着物を着て、日本女性の顔になっている。優さんにとって想い入れの強い作品であるようだ。

 内容を紹介しよう。

 ボヘミアンの音楽が流れる。優さんが着物姿で現われる。黒地と白地の柄が左右に交わる。黒地には白い花がプリントされている。銀の帯を巻いている。頭には銀の髪飾りで、その中に赤・青・白の色が宝石のようにキラキラしている。

ピンクの和傘を持って優雅に舞う。

 和傘から扇子に持替える。扇子は金と銀の表裏。その上に金銀の紙片を数枚置いて吹き飛ばす。まさに一幅の絵になっている。桑田佳祐の歌う「りんごの花びら」が渋い。

 銀の帯を解く。裏地は金色。下に緑の帯が現れる。お客に緑の帯を持たせ、くるくると解く。

 着物を脱ぎ、襦袢姿に。ピンクと白のそぼろ柄。白い帯を巻いている。

 場面が暗くなる。優さんが蝋燭の火を持って、二つの行灯に点ける。行灯のひとつは盆の上にある。そのままベッドショーが始まる。暗がりの中に優さんの裸体が浮かび上がる。女の色香が放たれる。長い黒髪を振り乱し、激しいオナニーショー。そして果てる。

女の情念を感じさせる素晴らしい和物のステージである。

 

 一転、この演目の時のオープンショーでは、「くろさきんに君」が登場。赤いパンツを履いてボディビル・ポーズ。その次が最高のパフォーマンス。なんと赤いパンツのお尻部に割り箸を挟んで尻圧で見事まっ二つに割る。優さんがお尻を痛がる。そして、その割り箸をお客に配る。お客は嬉しそうに頂く。

 全く違った趣向の演技をこれだけ見事に演じ分けられるのは黒崎優さんしかいないな。彼女の多才な芸域に脱帽である。

 

 

平成28年11月                        ライブシアター栗橋にて