フリーの踊り子・浅葱アゲハさんについて、2020年6月中の京都DX東寺&2020年6月結の大和ミュージックでの公演模様を、新作「しんせかい」を題材に、「コロナ明けの新世界へ」という題名で語ります。

 

 

2020年6月中の京都DX東寺に6/14,15の二日間通う。

その週の香盤は次の通り。①神崎雪乃(晃生)、②レイ(DX東寺)、③蘭あきら(晃生)、④浅葱アゲハ(フリー)、⑤小宮山せりな(ロック) 〔敬称略〕。

東寺では二個出しで、1,3回目に演目「めもめも」、2,4回目に新作「しんせかい」。

私は二日とも三回目までしかいなかったので新作を2回目のみ、二日間で二度しか拝見していない。アゲハさんから「今回の新作『しんせかい』は、コロナ明けの気持ちの出し物」というコメントを頂いたにもかかわらず、よく理解できなかった。次の関東では、そういうアゲハさんの気持ちをどうにか汲み取らなければと思いながら、大和に足を運んだ。

2020年6月結の大和ミュージックに6/23,24の二日間通う。

今週の香盤は次の通り。①新井見枝香(フリー)、②浅井ひなみ(栗橋)、③柳るい(道劇)、④アキラ(道劇)、⑤浅葱アゲハ(フリー)、⑥山口桃華(TS) 〔敬称略〕。

 今週大和でも同じ作品の二個出し。しかし順番は1,3回目に新作「しんせかい」、2回目に演目「めもめも」。私は6/23に二度拝見することができた。これがラッキーで、漸くなんとなくアゲハさんの気持ちが見え始めた。最後にじっくり感想を述べてみたい。

 

 まずは、新作「しんせかい」のステージ内容について紹介する。

 最初に、白と水色のミックスした妖精のような衣装で登場。白い髪飾りと白いブーツを履いて、音楽に合わせて踊る。

 一曲目は、RADWIMPSの「新世界」。作詞作曲:野田洋次郎。

(歌い出し)♪「僕と君なら きっと越えて行けるさ そう言った君の声が 細く震えていたんだ あといくつの『夜』と 『空っぽ』噛み締めたら辿りつけるのかも 知る人さえ皆無 『当たり前』が戻って来たとして」

まさしく、今回の新作のタイトル名にもなっている、本作の核となる曲だね。ネットで調べた。・・・同曲は、2020年5月8日に放送されたテレビ朝日系『ミュージックステーション』出演のために書き下ろし、初披露された新曲。「番組にぜひメッセージを届けてほしい」という出演オファーに賛同した野田洋次郎(Vo・G・Piano)は、「最初にお話をいただいたとき、みんなが前を向けるような曲を作ろうと思い制作を始めました。ですが、段々とそれだけでいいのかと違和感が生まれていきました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は僕たちからたくさんのものを奪っていったと同時に、たくさんの気づきも与えてくれています。日常がいつか戻って来たとして、それは今までとは違う新しい世界なんだと思います。企業や社会の仕組み、教育現場、政治のあり方。これからを生きる僕たちが、どんな世界にしていくのか。みんなが想像し、創造できるようにと願って作りました」と楽曲制作について明かしている。

音楽が変わり、衣装から水色の部分を取る。髪飾りも取る。ビニールの部分が露出。

そのまま、白いティシューで演技。東寺では高い天井でくるくる回る。

二曲目は、小説を音楽にするユニットYOASOBIの楽曲「ハルジオン」。2020年5月11日にリリース。作詞・作曲・編曲:Ayase 。

(歌い出し)♪「過ぎてゆく時間の中あなたを思い出す物憂げに眺める画面に映った二人笑っていた 知りたくないほど知りすぎてくことただ過ぎる日々に呑み込まれたのそれでもただもう一度だけ会いたくて あなたの ...」る2人組の音楽ユニ

原作は橋爪駿輝の小説『それでも、ハッピーエンド』で、イラストを仕事にしている若い女性が失恋した後、カンバスに絵を描いて傷心から立ち直るまでを書いている。軽やかな文体で青春の機微を綴ってきた作者らしい、爽やかな読後感の短編小説だ。「ハルジオン」は、そのポジティブな感情を表現した楽曲になっている。

YOASOBI(ヨアソビ)は、ボーカロイドプロデューサーとしてコンポーザーするAyaseとボーカルである女性シンガーソングライターのikura(幾田りら)による2人組の音楽ユニット。

音楽が終わり、ここで一旦暗転し、着替える。

 水色が混じった白い優雅な襦袢姿。ベッドショーに移動し、水色の帯を解く。

 ベッド曲はAURORAの「Exist For LOVE」。

 更に、立ち上がり曲もAURORAの「Animal」で、全裸にてティシュー演技で締める。

アゲハさんから「AURORAちゃんは去年からすごい好きなシンガーです。やっと使えたー! MVかわいいので見て下さい!」とのコメントをもらう。私もAURORAは知っている。昨年映画「アナと雪の女王2」の主題歌「Into the Unknown」に、エルサを導く‘不思議な声’という役で参加し一躍世界中で有名になったシンガーである。彼女の声質はまさに天使の歌声。色白で物憂げな雰囲気があり、その美しい歌声は一度聞いたら忘れられない魅力がある。しかもエンヤやビョークを彷彿とさせるような北欧風のノスタルジックな雰囲気で、とても心地の良いサウンドである。今回の演目で、彼女の曲を二曲もじっくり聴けてとても幸せな気持ちになる。MVを見たら、あどけない笑顔がとても可愛いですね!!これもアゲハさんの云う「コロナ明けの気持ち」のひとつなのかなと思わせられる。

アウロラ・アクスネス(Aurora Aksnes、1996年6月15日- 現在24歳)は、ノルウェーの歌手、作詞作曲家、音楽プロデューサーである。2015年に「Running with the Wolves」でデビュー。2016年3月に発売されたファースト・アルバム「All My Demons Greeting Me As A Friend」は、2016年のUSビルボード200で最高位150位に、オルタナティブミュージックアルバム部門で21位にランクイン。

 

 

 最後に、私なりに本作の感想を述べたい。

 このコロナ禍で、私はストリップ通いし出してから20年間で初めての経験をした。一か月以上もストリップ無しの生活を余儀なくされたのだ。これは私のストリップ人生最大の危機だった。一体このことは何を意味しているのかとずっと自問自答していた。それを徒然に文章に記してみた。その一部をアゲハさんにも読んでもらっているね。

 アゲハさんの云う「コロナ明けの気持ち」とラップするかどうか分からないが、この新作「しんせかい」を観ながら感じたことを述べてみたい。

 

後半の水色の着物を着たアゲハさんを眺めていたら、ビーナスの妖精のようにも見えた。また別の見方をすると、私が最近凝っている妖怪シリーズの雪女にも見える(笑)。ここでは、神様や妖精と、人間と、妖怪などの異世界のものまで全てが共生しているような気になった。

更に、アゲハさんが空中ショーを始める。それを観ていると、アゲハさんや白いティシューは天上の世界と地上の世界の架橋のようにも感ずる。天国も地上も地獄もみんな繋がっている錯覚をおぼえる。

 アゲハさんの美しいヌードを眺める。男性にとって、現実の世界で女性のヌードをたっぷり観れるところなんて無い。劇場はその夢が叶う非現実空間である。そういう意味では、ストリップというのは、現実の世界と夢の世界を繋ぐところでもある。女に縁のない男に、女を感じさせてくれるところがストリップ劇場なのである。

 ストリップというのは、すべてのものを混沌とさせてくれる時空間なのである。

いまさら言うまでもないが、この世には男も女も、いやLGBTも含めて、一緒に生きている。いや人間に限らず、さまざまな生き物が一緒に生きている。コロナのような菌類も例外でない。我々と同じ生き物なんだ。それらが皆この地球号に乗っている。この世は、みんなが仲良く生きていかなければならない箱舟なんだ。

 

先に私が別のコロナの話で述べているように、人間というのは、神様も妖精も妖怪も、コロナウイルスのような菌まで全てのものを含めて、共に生きていかなければならない。我々人間は万物の長として、そのために知恵を使わなくてはいけない。そういう使命を負っているのである。

昔の人はそのことが分かっていた。人間には生きる上で決められたテリトリーが存する。人間は明るい昼の世界で生きればよく、夜の世界を侵してはいけないと考えていた。人間は夜には寝ていればいいのだ。夜には夜を生き場とした生き物たちの世界がある。だから、子供たちに夜遊びをさせないように、夜には怖いお化けがいる話を作った。これが昔の人の、大人の知恵だったのだ。ところが人間は電気を発明して、夜の世界を侵してしまった。共存共栄を人間がぶち壊したのである。ましてや、科学技術で自然を破壊したり操作しようとまでしている。そうしたことは他の生き物が生きていくうえで邪魔以外の何物でもない。もっとお互いが生きていくうえでのテリトリーを尊重しなければならない。つまり同じひとつの地球号に乗っている乗組員として、人間以外の生き物とのお付き合いの仕方を学んでいかなければならない。コロナ禍はそのことを我々に警告しているのだと私は感じてならない。

コロナ明けの新世界をそんなイメージで捉えたいと心から思う。

 

 

2020年6月                  京都DX東寺&大和ミュージックにて