浅葱アゲハさんについて、令和元(2019)年9月結のシアター上野の公演模様を、新作「ゴジラ」を題材に、「新作初出しの立ち合い」と題して語ります。
令和元(2019)年9月結のシアター上野に、中日9/26(木)に顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①山口桃華(TS)、②北川れん(道劇)、③虹歩(蕨ミニ)、④浅葱アゲハ(フリー)、⑤南美光(TS) 。今週は大御所ばかりの香盤だなぁ~♪
アゲハさんとは先週、楽日前日9/19にDX東寺でお会いしたばかり。そのときに広島の観劇レポートと新作童話「怪獣がストリップをぶっ飛ばす-ゴジラが踊り子になった!?-」をお届けした。アゲハさんはゴジラとモスラが登場する童話に大喜び。「やばい! ゴジラの話! 感動! うれしい! ありがとうございます。ちょー興奮したー。アゲハッチョ大活躍」とのポラコメを頂く。
私はこの時点では、まさかゴジラのステージ作品を作っているとは思ってもいなかった。
しかし、アゲハさんのこと。ダンボも先に絵をもらい、すぐに15周年作品になった。同じように、ゴジラとモスラも先に絵をもらい、童話を催促された。ということは、ステージ作品になる可能性が高い。なぜなら、絵まで描いてくれ、興味があると明言していて、それを作品にしない手はないからね。踊り子さんは表現者なので、関心のある素材は必ずステージ作品に昇華するはず。
にしても、モスラは10周年作「10」で大体のイメージが湧くが、さすがにゴジラをステージで表現するのは難しい。ゴジラじゃ踊れないからストリップにならないもんね。
ところが、それをステージ作品にしてきた。もう、それだけで脱帽である。
同じく同僚の踊り子さんも興奮していた。虹歩さんのポラコメ「ゴジラの音がなりましたぁー。わぁーい。さすがあげちゃ。お勉強楽しみ」こりゃ、踊り子の間でも評判になるぞー♪
しかも、この新作「ゴジラ」、ちょうど中日ということで、9/26当日が初出しになる。私も驚いたがアゲハさんも驚いていた。「きゃー! すごいー? ゴジラの初出しに立ち会って下さってありがとうございますぅ!!」 きっと、事前にゴジラの絵と童話でやりとりしていたので、ストリップの神さまが初出し日に引き合わせたんだね。私も感激した。
さて、その日のアゲハさんの出し物は、1,2回目ステージは新作「ゴジラ」。新作なので二回連続。お陰で観劇レポートするのに助かる。なお、3回目はKuuさんから譲り受けた作品「女神の光」だった。
さっそく、新作「ゴジラ」のステージ内容をご紹介する。
最初に、最新(2019年5月31日より世界同時公開)の米ハリウッド版ゴジラ映画「King of Monsters」サントラから「Godzilla (feat. Serj Tankian)」が流れる。この曲は、1977年に米ハードロック・グループ、ブルー・オイスター・カルト(Blue Oyster Cult)が映画『ゴジラ』をモチーフとして作った名曲「Godzilla」のカヴァーである。曲を演奏するのは、システム・オブ・ア・ダウンのフロントマン、サージ・タンキアン。彼のバックを固めるのは、ギタリスト、ブレンドン・スモールを含む、ヴァーチャル・メロディック・デス・メタル・バンド、DETHKLOKのメンバーたちである。
私は最初聴いた時、これがゴジラの曲だと分からなかった。曲の出だしに雷の音があるのでおやっ!とは思ったものの、外人が歌っているのに日本語の掛け合いが入っている変な曲だと思った。なにせ、私は昔のゴジラ映画はたくさん観ているが、最近のゴジラ映画は全く見てないので。
アゲハさんの本作品では、ゴジラ映画「King of Monsters」サントラからたくさん選曲されている。2019年に生誕65周年を迎える、日本が世界に誇る唯一無二の怪獣王、ゴジラ。そのハリウッド版『GODZILLA』の第2弾作品が『King of Monsters』である。
そして"ゴジラ映画"を語る上で外せないのは、映像のバックに流れている"音楽"。その中でも1954年のシリーズ第1弾『ゴジラ』から使用されている伊福部昭の"メインテーマ"は、その後のシリーズにもずっと受け継がれ続けており、広く知られている。勿論、この映画『King of Monsters』にも、その伊福部昭が手掛けたスコアへのオマージュがあちこちに登場している。
スコアを手掛けるのは、TVドラマ・シリーズ『ウォーキング・デッド』や『アウトランダー』などを手掛けた音楽監督のベアー・マクレアリー。その彼が手掛けた本サウンドトラックで最高に心憎いところは、描き下ろしのスコアに加え、"ゴジラのメインタイトル・テーマ"だけでなく、モスラやキング・ギドラのテーマへのオマージュも収録されていること。だから、今回のアゲハ作品では、二曲目に「Ghidorah Theme(キングギドラのテーマ)」、三曲目に「Mothra's Song(モスラの歌)」が続く。
アゲハさんがこれらの音楽に合わせて踊る。
最初に、アゲハさんは黒ずくめの衣装で登場。黒い帽子をかぶる。上半身は黒い長袖の衣装、下半身は黒い半ズボンに黒いストッキング。黒い靴。腰に黄土色の布を垂らしている。その上に、キラキラした黒いマントを羽織る。
カッコよく踊っているなぁと思ったが、悲しいかな、私にはそれがゴジラを演じていると分からなかった。今更ながら、キラキラした黒いマントから、ゴジラが背びれを光らせて空へ向かって咆哮している姿を想像しなければならなかったところだ。
音楽が、二曲目の「Ghidorah Theme(キングギドラのテーマ)」に変わるも、私はこの曲を初めて聴いたので、ゴジラやキングギドラの見当がつかなかった。
ここで一旦暗転して音楽が変わる。
三曲目で「Mothra's Song(モスラの歌)」になり、ザ・ピーナッツが歌っていた「モスラの歌」の懐かしいメロディを耳にして、漸く確信した。やっぱりゴジラだー☆ 思わず嬉しくなる私。
案の定、アゲハさんはモスラの恰好をして登場。白っぽいレオタード衣装に、大きな白い羽根を付ける。頭には白い布をかぶる。
音楽が変わり、レオタードのみになり、ティシュー演技に入る。
四曲目は、映画「Pacific Rim(パシフィック・リム)」のSoundtrackから「Main Theme」。これだけゴジラ音楽ではないが、いい選曲でイメージがマッチしている。『パシフィック・リム』(Pacific Rim)は、ギレルモ・デル・トロ監督による2013年公開のSF怪獣映画である。太平洋の海底から次々と現れる巨大怪獣に、兵士2人がペアとなって操縦する巨大ロボットで立ち向かう姿を描く。タイトルのパシフィック・リムとは環太平洋地域のことであり、これらの地域に該当する国の人々が協力して世界的脅威に立ち向かう。
また音楽が変わる。ここで舞台から盆に移動する。
ベッド曲は、[ALEXANDROS]が歌う「Pray」。これは映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の日本版主題歌。人類愛を壮大なロック・バラードで表現している。まさしくゴジラに捧げる祈りの歌である。ここで日本語の歌詞が登場することで作品世界を理解しやすくなる。
[ALEXANDROS](アレキサンドロス)は、日本のロックバンド。2014年3月までの旧バンド名は、[Champagne](シャンペイン)。このバンドは最高だ。私も大好き。リーダーの川上洋平(Vo/Gt)は以前にゴジラをイメージした楽曲を制作するほどの大のゴジラ・ファンでもある。
立ち上がり曲は「Godzilla Main Title」。これこそが映画のメインになる神々しい音楽。これが聴こえたらゴジラが彷彿される。最高のフィナーレ曲である。ふと、この曲が最初に流れたら、すぐにゴジラと分かったのに~と思っちゃう。
初出し作品の一回目ステージを観て、私としては、思わず笑っちゃうほどの感動!
肝心のアゲハさんはというと、初出しの緊張感からか、珍しく脂汗を流していた。しかも、ゴジラ繋がりの私が観ていることも影響しているのか。私がポラで一番先に並んだとき、「わー、太郎さんにダメ出しされるかも~」と叫んだ。その言葉に、まだ作品に100%の自信が無いのだと窺われた。
私はダメ出しなんかしませんよぉ~(笑)。でも、以下に、正直に感想を述べるので参考にしてくれたら嬉しいです。
改めて、ゴジラをストリップで演ずるなんて人間業じゃないと思う。だからこそ、アゲハさんが今回の作品でゴジラをどう演じようとしたのかが注目される。
ゴジラを演ずるなら・・・私として思い浮かぶ方法を挙げてみる。
〔ケースA〕ゴジラを登場させるパターン
ゴジラのミニチュア版を作り、着ぐるみで演ずる。あるいは、ステージの背景として置物にし、逃げ惑う人間とか、ゴジラと戦う自衛隊員を演じてもいい。
これだと、ゴジラが登場するので、観客はすぐにゴジラの演目と分かるメリットがある。ただし、ゴジラ制作の費用がかかるし、運搬が大変だね。
ちなみに余談だが、最近、DX東寺の葵マコさんが、「ブス」という作品を演ずるのに、大きなクマの着ぐるみを着ていた。暑くて大変だが、演出効果としては物凄くインパクトがあった。
〔ケースB〕ゴジラの代替を登場させるパターン
今回のアゲハさんの演出のように、ゴジラに見合う黒い恰好をする。こうすれば、いつものように踊れるメリットがある。ただ、これがゴジラと気づかない客も多いだろう。それでもゴジラのサントラ曲を知っていればゴジラと気づくし、遅くともモスラの登場により分かる。
〔ケースC〕ゴジラを登場させないパターン
不気味な恐怖感だけで、観客にゴジラをイメージさせる。
よくゴジラの映画で、最初に原因不明の異常現象(地震や火山活動など)が起き人々を混乱させ恐怖のどん底に突き落とす。映画が進むにつれ、それがゴジラに因るものと判明。人間はゴジラに対抗するために手立てを考える。時にそれがモスラの登場にも繋がる。恐怖の対象物が具体的に分かった瞬間に、人間の気持ちは恐怖から対抗心に変化する。
最近とくに思うのだが、人間にとって、得体のしれない不気味なものほど恐ろしいものはない。人間は賢いので恐怖の対象が何なのか分かると知恵を働かせて排除しようとする。ゴジラの映画では放映時間内に全てを解決してしまわなければならないわけだが、本当に怖い映画にしたいなら得体を具体化しないのもひとつのやり方ではないかと思う。
そこで、ゴジラをストリップで演じようとするならば、音響に委ね、アゲハさんとしてはそれを怖がる人間を演ずるか、ゴジラと戦う戦闘員を演ずるのもありかもしれない。モスラが出てくれは必ずそれがゴジラであることは誰もが知っている。
以上、あくまで、参考として述べました。マル
最後に、映画『King of Monsters』がいかに凄い映画かを紹介したい。
1954年に日本で「誕生」、これまでに30本以上が製作され、シリーズ累計動員数が日本国内だけで1億人を突破している国民的アイコン「ゴジラ」。ゴジラが誕生して65年の今年2019年、世界同時公開の超大作映画として『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開される。『X-MEN2』、『スーパーマン リターンズ』などの脚本で知られるマイケル・ドハティがメガホンを握り、前作『GODZILLA ゴジラ』から引き続き、芹沢猪四郎博士役を演じた渡辺謙が出演するほか、第89回アカデミー賞2冠に輝いた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のカイル・チャンドラー、『トレイン・ミッション』に出演したヴェラ・ファーミガ、大人気ドラマ「ストレンジャー・シングス」などの代表作で知られ、本作にてスクリーン・デビューのミリー・ボビー・ブラウン、第90回アカデミー作品賞他4冠受賞の『シェイプ・オブ・ウォーター』主演のサリー・ホーキンス、日本でも馴染みのある中国人女優 チャン・ツィイーなど豪華俳優陣が出演している。
最後の最後に、ひとこと。日本のゴジラがアメリカに上陸するにあたり、英語のスペルをGodzillaにした。あえてdを加えて頭をGodにした話は有名。今回のアゲハさんの作品「ゴジラ」はまさに神業である。
2019年9月 シアター上野にて
2019.9
童話『怪獣がストリップをぶっ飛ばす-ゴジラが踊り子になった!?-』
~浅葱アゲハさんの新作「ゴジラ」を記念して~
ストリップの特別企画として双子の美人姉妹がデビューすることになった。それが驚くことに身長30㎝の小人であった。
彼女たちは、日本の悪徳業者により、南洋の孤島インファント島から連れてこられた。見世物とされるにはあまりにも美しい容姿をしていたのでストリップ劇場が譲り受けることになったのだった。
彼女たちは‘小美人’としてデビューした。身体が小さくてステージ映えしなかったので、3Dの特撮技術を駆使してスクリーンに拡大した。最初のうちは、物珍しさが先行したが、彼女たちの容姿の美しさに加え、その二人の歌声は観客を魅了した。
一方、小美人が連れ去られたインファント島は大騒ぎになっていた。彼女たちは島に住む怪獣たちの護り神であった。
インファント島は、かつて原水爆実験場にされたために動物たちが突然変異し、巨大な怪獣と化していた。他の原水爆実験場にされた島からも怪獣が集められ、今やそこは怪獣ランドとなっていた。人間たちが原水爆実験などで自分勝手に怪獣を作り出し、それを時に映画の撮影に利用し、それ以外は邪魔にならないように人間界から隔離していたのだった。
そこには映画でお馴染みの怪獣たちが勢ぞろいしていた。東宝三大怪獣と称されるゴジラ、モスラ、ラドン。三つの首をもつキングギドラ。キングコングやガメラもいた。
島内では、ときに怪獣たちがお互いに喧嘩をすることもあるが、小美人の存在が彼らをうまく共存させていた。
特に小美人と親しくしていた怪獣モスラは、小美人が放つテレパシーにより、彼女たちが日本のストリップ劇場にいることを知っていた。ところが、怪獣にはパワーはあるが知恵がない。身体が大きい割に脳が極めて小さいからである。怪獣たちは力任せに小美人を奪還するわけにもいかず困っていた。
そんなとき、魔女っ子アゲハッチョがインファント島の上空を飛んでいた。日本のストリップ劇場で小美人がデビューしたことを知り、インファント島の状況が気になっていたのだった。
アゲハッチョは怪獣モスラに近づいた。アゲハ蝶の妖精でもあるアゲハッチョは蛾の怪獣であるモスラとコミュニケーションがとれた。アゲハッチョは怪獣たちの要請を受けて、小美人を取り戻す計画を練った。
彼女の計画は次のとおり。魔法で怪獣たちを小さくして、ストリップ劇場に出演させる。それに乗じて、小美人を奪還するというものだった。
怪獣たちは、自分たちがストリップ劇場に出演しても問題がないか心配した。
ゴジラは言う。「オレは、もともと力強いゴリラと巨大なクジラから名付けられた。パワーには自信があるが、エロスには縁がない。」
それに対して、アゲハッチョは答える。「大丈夫よ。あなたは元々ビキニ環礁で生まれたのだから、ビキニの水着を着たらセクシーになれるわよ。」
モスラは言う。「わたしは所詮、醜い蛾なの。あなたのように美しい蝶にはなれないわ。」
それに対して、アゲハッチョは答える。「小美人を助けたいんでしょ⁉ つまらないコンプレックスに悩むことはない。最後はあなたの特技の鱗粉攻撃で観客の目を曇らせたらいいわ。」
キングギドラも何か言いたそうな顔つきをしていたが、頭が三つあるので考えがまとまらなかった。
とにかく、魔女っ子アゲハッチョは怪獣たちを魔法のステッキを振って小さくした。
♪ねるねるねるねー
怪獣たちはみるみる小さくなり、怪獣のミニチュア版となった。そして、空飛ぶ怪獣ラドンの背にのって、日本に向かった。日本に到着してからラドンも小さくされた。
魔女っ子アゲハッチョはストリップ劇場の経営者と交渉した。こうして‘ストリップ怪獣ランド’の特別企画が催された。
怪獣たちは‘ストリップをぶっ飛ばせ!’とばかりにステージに駆け上がった。その瞬間、観客たちは大歓声。そうか、観客たちはみなゴジラの映画を観て育った世代。馴染みの怪獣たちがステージに上がって盛り上がらないはずがない。エロスなんて問題は、モンスターパワーの前に吹き飛んだ。
モスラは得意の鱗粉攻撃。合わせて、連れてきたモスラの幼虫たちが観客に糸をはき絡み付ける。観客は悶絶状態!!! それに加え、小美人が歌う「モスラの歌」♪モスラーや、モスラー♪ この歌を聴いた観客たちは数日間そのメロディが頭から離れなくなる。
ちんぽ三兄弟も駆け付けた。彼らの三つの顔を見つけたキングギドラは、急に元気になり、三つの頭を振って張り切りだした。ファイヤー!!!と雄叫びを上げて口から火を噴いた。
それを見たゴジラも負けじと口から火を履く。まさにファイヤー合戦。観客の髪の毛はチリジリ状態!!!
ちょとしたテーマパークのアトラクションよりはるかに迫力がある。この‘ストリップ怪獣ランド’の特別興行は大当たり。
劇場は連日超満員。
お陰で、魔女っ子アゲハッチョは小美人を解放してもらい、怪獣たちと一緒にめでたくインファント島に帰還することができた。
おしまい
を題材に、「新作初出しの立ち合い」と題して語ります。
令和元(2019)年9月結のシアター上野に、中日9/26(木)に顔を出す。
今週の香盤は次の通り。①山口桃華(TS)、②北川れん(道劇)、③虹歩(蕨ミニ)、④浅葱アゲハ(フリー)、⑤南美光(TS) 。今週は大御所ばかりの香盤だなぁ~♪
アゲハさんとは先週、楽日前日9/19にDX東寺でお会いしたばかり。そのときに広島の観劇レポートと新作童話「怪獣がストリップをぶっ飛ばす-ゴジラが踊り子になった!?-」をお届けした。アゲハさんはゴジラとモスラが登場する童話に大喜び。「やばい! ゴジラの話! 感動! うれしい! ありがとうございます。ちょー興奮したー。アゲハッチョ大活躍」とのポラコメを頂く。
私はこの時点では、まさかゴジラのステージ作品を作っているとは思ってもいなかった。
しかし、アゲハさんのこと。ダンボも先に絵をもらい、すぐに15周年作品になった。同じように、ゴジラとモスラも先に絵をもらい、童話を催促された。ということは、ステージ作品になる可能性が高い。なぜなら、絵まで描いてくれ、興味があると明言していて、それを作品にしない手はないからね。踊り子さんは表現者なので、関心のある素材は必ずステージ作品に昇華するはず。
にしても、モスラは10周年作「10」で大体のイメージが湧くが、さすがにゴジラをステージで表現するのは難しい。ゴジラじゃ踊れないからストリップにならないもんね。
ところが、それをステージ作品にしてきた。もう、それだけで脱帽である。
同じく同僚の踊り子さんも興奮していた。虹歩さんのポラコメ「ゴジラの音がなりましたぁー。わぁーい。さすがあげちゃ。お勉強楽しみ」こりゃ、踊り子の間でも評判になるぞー♪
しかも、この新作「ゴジラ」、ちょうど中日ということで、9/26当日が初出しになる。私も驚いたがアゲハさんも驚いていた。「きゃー! すごいー? ゴジラの初出しに立ち会って下さってありがとうございますぅ!!」 きっと、事前にゴジラの絵と童話でやりとりしていたので、ストリップの神さまが初出し日に引き合わせたんだね。私も感激した。
さて、その日のアゲハさんの出し物は、1,2回目ステージは新作「ゴジラ」。新作なので二回連続。お陰で観劇レポートするのに助かる。なお、3回目はKuuさんから譲り受けた作品「女神の光」だった。
さっそく、新作「ゴジラ」のステージ内容をご紹介する。
最初に、最新(2019年5月31日より世界同時公開)の米ハリウッド版ゴジラ映画「King of Monsters」サントラから「Godzilla (feat. Serj Tankian)」が流れる。この曲は、1977年に米ハードロック・グループ、ブルー・オイスター・カルト(Blue Oyster Cult)が映画『ゴジラ』をモチーフとして作った名曲「Godzilla」のカヴァーである。曲を演奏するのは、システム・オブ・ア・ダウンのフロントマン、サージ・タンキアン。彼のバックを固めるのは、ギタリスト、ブレンドン・スモールを含む、ヴァーチャル・メロディック・デス・メタル・バンド、DETHKLOKのメンバーたちである。
私は最初聴いた時、これがゴジラの曲だと分からなかった。曲の出だしに雷の音があるのでおやっ!とは思ったものの、外人が歌っているのに日本語の掛け合いが入っている変な曲だと思った。なにせ、私は昔のゴジラ映画はたくさん観ているが、最近のゴジラ映画は全く見てないので。
アゲハさんの本作品では、ゴジラ映画「King of Monsters」サントラからたくさん選曲されている。2019年に生誕65周年を迎える、日本が世界に誇る唯一無二の怪獣王、ゴジラ。そのハリウッド版『GODZILLA』の第2弾作品が『King of Monsters』である。
そして"ゴジラ映画"を語る上で外せないのは、映像のバックに流れている"音楽"。その中でも1954年のシリーズ第1弾『ゴジラ』から使用されている伊福部昭の"メインテーマ"は、その後のシリーズにもずっと受け継がれ続けており、広く知られている。勿論、この映画『King of Monsters』にも、その伊福部昭が手掛けたスコアへのオマージュがあちこちに登場している。
スコアを手掛けるのは、TVドラマ・シリーズ『ウォーキング・デッド』や『アウトランダー』などを手掛けた音楽監督のベアー・マクレアリー。その彼が手掛けた本サウンドトラックで最高に心憎いところは、描き下ろしのスコアに加え、"ゴジラのメインタイトル・テーマ"だけでなく、モスラやキング・ギドラのテーマへのオマージュも収録されていること。だから、今回のアゲハ作品では、二曲目に「Ghidorah Theme(キングギドラのテーマ)」、三曲目に「Mothra's Song(モスラの歌)」が続く。
アゲハさんがこれらの音楽に合わせて踊る。
最初に、アゲハさんは黒ずくめの衣装で登場。黒い帽子をかぶる。上半身は黒い長袖の衣装、下半身は黒い半ズボンに黒いストッキング。黒い靴。腰に黄土色の布を垂らしている。その上に、キラキラした黒いマントを羽織る。
カッコよく踊っているなぁと思ったが、悲しいかな、私にはそれがゴジラを演じていると分からなかった。今更ながら、キラキラした黒いマントから、ゴジラが背びれを光らせて空へ向かって咆哮している姿を想像しなければならなかったところだ。
音楽が、二曲目の「Ghidorah Theme(キングギドラのテーマ)」に変わるも、私はこの曲を初めて聴いたので、ゴジラやキングギドラの見当がつかなかった。
ここで一旦暗転して音楽が変わる。
三曲目で「Mothra's Song(モスラの歌)」になり、ザ・ピーナッツが歌っていた「モスラの歌」の懐かしいメロディを耳にして、漸く確信した。やっぱりゴジラだー☆ 思わず嬉しくなる私。
案の定、アゲハさんはモスラの恰好をして登場。白っぽいレオタード衣装に、大きな白い羽根を付ける。頭には白い布をかぶる。
音楽が変わり、レオタードのみになり、ティシュー演技に入る。
四曲目は、映画「Pacific Rim(パシフィック・リム)」のSoundtrackから「Main Theme」。これだけゴジラ音楽ではないが、いい選曲でイメージがマッチしている。『パシフィック・リム』(Pacific Rim)は、ギレルモ・デル・トロ監督による2013年公開のSF怪獣映画である。太平洋の海底から次々と現れる巨大怪獣に、兵士2人がペアとなって操縦する巨大ロボットで立ち向かう姿を描く。タイトルのパシフィック・リムとは環太平洋地域のことであり、これらの地域に該当する国の人々が協力して世界的脅威に立ち向かう。
また音楽が変わる。ここで舞台から盆に移動する。
ベッド曲は、[ALEXANDROS]が歌う「Pray」。これは映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の日本版主題歌。人類愛を壮大なロック・バラードで表現している。まさしくゴジラに捧げる祈りの歌である。ここで日本語の歌詞が登場することで作品世界を理解しやすくなる。
[ALEXANDROS](アレキサンドロス)は、日本のロックバンド。2014年3月までの旧バンド名は、[Champagne](シャンペイン)。このバンドは最高だ。私も大好き。リーダーの川上洋平(Vo/Gt)は以前にゴジラをイメージした楽曲を制作するほどの大のゴジラ・ファンでもある。
立ち上がり曲は「Godzilla Main Title」。これこそが映画のメインになる神々しい音楽。これが聴こえたらゴジラが彷彿される。最高のフィナーレ曲である。ふと、この曲が最初に流れたら、すぐにゴジラと分かったのに~と思っちゃう。
初出し作品の一回目ステージを観て、私としては、思わず笑っちゃうほどの感動!
肝心のアゲハさんはというと、初出しの緊張感からか、珍しく脂汗を流していた。しかも、ゴジラ繋がりの私が観ていることも影響しているのか。私がポラで一番先に並んだとき、「わー、太郎さんにダメ出しされるかも~」と叫んだ。その言葉に、まだ作品に100%の自信が無いのだと窺われた。
私はダメ出しなんかしませんよぉ~(笑)。でも、以下に、正直に感想を述べるので参考にしてくれたら嬉しいです。
改めて、ゴジラをストリップで演ずるなんて人間業じゃないと思う。だからこそ、アゲハさんが今回の作品でゴジラをどう演じようとしたのかが注目される。
ゴジラを演ずるなら・・・私として思い浮かぶ方法を挙げてみる。
〔ケースA〕ゴジラを登場させるパターン
ゴジラのミニチュア版を作り、着ぐるみで演ずる。あるいは、ステージの背景として置物にし、逃げ惑う人間とか、ゴジラと戦う自衛隊員を演じてもいい。
これだと、ゴジラが登場するので、観客はすぐにゴジラの演目と分かるメリットがある。ただし、ゴジラ制作の費用がかかるし、運搬が大変だね。
ちなみに余談だが、最近、DX東寺の葵マコさんが、「ブス」という作品を演ずるのに、大きなクマの着ぐるみを着ていた。暑くて大変だが、演出効果としては物凄くインパクトがあった。
〔ケースB〕ゴジラの代替を登場させるパターン
今回のアゲハさんの演出のように、ゴジラに見合う黒い恰好をする。こうすれば、いつものように踊れるメリットがある。ただ、これがゴジラと気づかない客も多いだろう。それでもゴジラのサントラ曲を知っていればゴジラと気づくし、遅くともモスラの登場により分かる。
〔ケースC〕ゴジラを登場させないパターン
不気味な恐怖感だけで、観客にゴジラをイメージさせる。
よくゴジラの映画で、最初に原因不明の異常現象(地震や火山活動など)が起き人々を混乱させ恐怖のどん底に突き落とす。映画が進むにつれ、それがゴジラに因るものと判明。人間はゴジラに対抗するために手立てを考える。時にそれがモスラの登場にも繋がる。恐怖の対象物が具体的に分かった瞬間に、人間の気持ちは恐怖から対抗心に変化する。
最近とくに思うのだが、人間にとって、得体のしれない不気味なものほど恐ろしいものはない。人間は賢いので恐怖の対象が何なのか分かると知恵を働かせて排除しようとする。ゴジラの映画では放映時間内に全てを解決してしまわなければならないわけだが、本当に怖い映画にしたいなら得体を具体化しないのもひとつのやり方ではないかと思う。
そこで、ゴジラをストリップで演じようとするならば、音響に委ね、アゲハさんとしてはそれを怖がる人間を演ずるか、ゴジラと戦う戦闘員を演ずるのもありかもしれない。モスラが出てくれは必ずそれがゴジラであることは誰もが知っている。
以上、あくまで、参考として述べました。マル
最後に、映画『King of Monsters』がいかに凄い映画かを紹介したい。
1954年に日本で「誕生」、これまでに30本以上が製作され、シリーズ累計動員数が日本国内だけで1億人を突破している国民的アイコン「ゴジラ」。ゴジラが誕生して65年の今年2019年、世界同時公開の超大作映画として『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が公開される。『X-MEN2』、『スーパーマン リターンズ』などの脚本で知られるマイケル・ドハティがメガホンを握り、前作『GODZILLA ゴジラ』から引き続き、芹沢猪四郎博士役を演じた渡辺謙が出演するほか、第89回アカデミー賞2冠に輝いた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のカイル・チャンドラー、『トレイン・ミッション』に出演したヴェラ・ファーミガ、大人気ドラマ「ストレンジャー・シングス」などの代表作で知られ、本作にてスクリーン・デビューのミリー・ボビー・ブラウン、第90回アカデミー作品賞他4冠受賞の『シェイプ・オブ・ウォーター』主演のサリー・ホーキンス、日本でも馴染みのある中国人女優 チャン・ツィイーなど豪華俳優陣が出演している。
最後の最後に、ひとこと。日本のゴジラがアメリカに上陸するにあたり、英語のスペルをGodzillaにした。あえてdを加えて頭をGodにした話は有名。今回のアゲハさんの作品「ゴジラ」はまさに神業である。
2019年9月 シアター上野にて
2019.9
童話『怪獣がストリップをぶっ飛ばす-ゴジラが踊り子になった!?-』
~浅葱アゲハさんの新作「ゴジラ」を記念して~
ストリップの特別企画として双子の美人姉妹がデビューすることになった。それが驚くことに身長30㎝の小人であった。
彼女たちは、日本の悪徳業者により、南洋の孤島インファント島から連れてこられた。見世物とされるにはあまりにも美しい容姿をしていたのでストリップ劇場が譲り受けることになったのだった。
彼女たちは‘小美人’としてデビューした。身体が小さくてステージ映えしなかったので、3Dの特撮技術を駆使してスクリーンに拡大した。最初のうちは、物珍しさが先行したが、彼女たちの容姿の美しさに加え、その二人の歌声は観客を魅了した。
一方、小美人が連れ去られたインファント島は大騒ぎになっていた。彼女たちは島に住む怪獣たちの護り神であった。
インファント島は、かつて原水爆実験場にされたために動物たちが突然変異し、巨大な怪獣と化していた。他の原水爆実験場にされた島からも怪獣が集められ、今やそこは怪獣ランドとなっていた。人間たちが原水爆実験などで自分勝手に怪獣を作り出し、それを時に映画の撮影に利用し、それ以外は邪魔にならないように人間界から隔離していたのだった。
そこには映画でお馴染みの怪獣たちが勢ぞろいしていた。東宝三大怪獣と称されるゴジラ、モスラ、ラドン。三つの首をもつキングギドラ。キングコングやガメラもいた。
島内では、ときに怪獣たちがお互いに喧嘩をすることもあるが、小美人の存在が彼らをうまく共存させていた。
特に小美人と親しくしていた怪獣モスラは、小美人が放つテレパシーにより、彼女たちが日本のストリップ劇場にいることを知っていた。ところが、怪獣にはパワーはあるが知恵がない。身体が大きい割に脳が極めて小さいからである。怪獣たちは力任せに小美人を奪還するわけにもいかず困っていた。
そんなとき、魔女っ子アゲハッチョがインファント島の上空を飛んでいた。日本のストリップ劇場で小美人がデビューしたことを知り、インファント島の状況が気になっていたのだった。
アゲハッチョは怪獣モスラに近づいた。アゲハ蝶の妖精でもあるアゲハッチョは蛾の怪獣であるモスラとコミュニケーションがとれた。アゲハッチョは怪獣たちの要請を受けて、小美人を取り戻す計画を練った。
彼女の計画は次のとおり。魔法で怪獣たちを小さくして、ストリップ劇場に出演させる。それに乗じて、小美人を奪還するというものだった。
怪獣たちは、自分たちがストリップ劇場に出演しても問題がないか心配した。
ゴジラは言う。「オレは、もともと力強いゴリラと巨大なクジラから名付けられた。パワーには自信があるが、エロスには縁がない。」
それに対して、アゲハッチョは答える。「大丈夫よ。あなたは元々ビキニ環礁で生まれたのだから、ビキニの水着を着たらセクシーになれるわよ。」
モスラは言う。「わたしは所詮、醜い蛾なの。あなたのように美しい蝶にはなれないわ。」
それに対して、アゲハッチョは答える。「小美人を助けたいんでしょ⁉ つまらないコンプレックスに悩むことはない。最後はあなたの特技の鱗粉攻撃で観客の目を曇らせたらいいわ。」
キングギドラも何か言いたそうな顔つきをしていたが、頭が三つあるので考えがまとまらなかった。
とにかく、魔女っ子アゲハッチョは怪獣たちを魔法のステッキを振って小さくした。
♪ねるねるねるねー
怪獣たちはみるみる小さくなり、怪獣のミニチュア版となった。そして、空飛ぶ怪獣ラドンの背にのって、日本に向かった。日本に到着してからラドンも小さくされた。
魔女っ子アゲハッチョはストリップ劇場の経営者と交渉した。こうして‘ストリップ怪獣ランド’の特別企画が催された。
怪獣たちは‘ストリップをぶっ飛ばせ!’とばかりにステージに駆け上がった。その瞬間、観客たちは大歓声。そうか、観客たちはみなゴジラの映画を観て育った世代。馴染みの怪獣たちがステージに上がって盛り上がらないはずがない。エロスなんて問題は、モンスターパワーの前に吹き飛んだ。
モスラは得意の鱗粉攻撃。合わせて、連れてきたモスラの幼虫たちが観客に糸をはき絡み付ける。観客は悶絶状態!!! それに加え、小美人が歌う「モスラの歌」♪モスラーや、モスラー♪ この歌を聴いた観客たちは数日間そのメロディが頭から離れなくなる。
ちんぽ三兄弟も駆け付けた。彼らの三つの顔を見つけたキングギドラは、急に元気になり、三つの頭を振って張り切りだした。ファイヤー!!!と雄叫びを上げて口から火を噴いた。
それを見たゴジラも負けじと口から火を履く。まさにファイヤー合戦。観客の髪の毛はチリジリ状態!!!
ちょとしたテーマパークのアトラクションよりはるかに迫力がある。この‘ストリップ怪獣ランド’の特別興行は大当たり。
劇場は連日超満員。
お陰で、魔女っ子アゲハッチョは小美人を解放してもらい、怪獣たちと一緒にめでたくインファント島に帰還することができた。
おしまい