次はMIKAさんの仲良しの浅葱アゲハさんを特集します。
今回は、浅葱アゲハさんの観劇レポート「浅葱アゲハの空中ショーと芸術性について」をまとめてみました。
私が現在ホームにしているTS系劇場によく出演される踊り子さんに浅葱アゲハさんがいる。ストリップ業界では空中ストリッパーとして超有名な彼女。
H23年8月中のTSミュージックで、いつものように彼女のポラを買ったら、自作のアゲハ・ニュース(漫画入り)が付録としてついてきた。そのスケジュール表を見て驚いた。ほとんど休みなく年内の公演予定が入っている。おそらく今の業界でこれだけスケジュールが過密で人気のある踊り子さんはいない。空中芸人としての魅せれるステージに加え、かわいらしい容姿からポラが売れ、劇場から引っ張りだこなのだろう。
今週改めて彼女の空中ショーを拝見しながら、今更ながら感動し、今こそ彼女の観劇レポートを書いておかないと、ストリップ評論家(?)としての私の名がすたると思い始めた。
さて、彼女の魅力を私なりに整理・記録しておこう。
アゲハさんは、H16(2004)年4月21日、SMショーで有名な大阪の九条OSにて初舞台。最初は長田スティーブとコンビを組んでいたが、同年10月にソロデビュー。当時はまだ学生だったようだ。
私が始めて彼女のステージを拝見したのは、H18年12月頭のDX歌舞伎だった。SM自吊りショーは栗鳥巣さんを初めとしてこれまで何度か観てきたが、アゲハさんほど切れのいい動きをする方は見たことがなかった。それにSMショーをするにしてはアイドルのように可愛く、このギャップがたまらない魅力にもなっていた。ただ、彼女のステージがSMの自縛ショーの延長であるため、SMショーに関心のない私としては、一日だけの観劇で終わる。
その後、私が仙台の単身赴任から戻ってきて、アゲハさんと再会したのは昨年H22年8月結のTS。それから私がTS系の劇場をホームにしたこともあって、最近では頻繁にお会いするようになる。
アゲハさんの魅力を述べるにあたり、まずは彼女の外見・容姿から話してみよう。
身長157cm、スリーサイズはB82W52H78。ウエスト52cmなんて聞いたことがない。逆に、だからこそ、あれだけの空中ショーができる。体重は不明だが、彼女のショーを見ていると体重を感じさせない。まるで無重力状態。そうなるために、陰でどれだけ腕立て伏せや腹筋運動などの筋トレをしているんだろうかと考えてしまう。右腕には無数の切り傷痕が残っているが、これは自縛ショーで縄などで付いたもので、まさに彼女の勲章と云える。
空中ショーをやるのだから当然細身ではあるが、ガリガリの身体でもなく、また鍛え上げられてはいるが、ボディビルのようでもない。私は、ことストリップにおいては、ガリガリの細身にあまりセクシーさを感じない。また矛盾した言い方ではあるが、ダンスのうまい踊り子さんは大好きではあるものの、鍛え上げられたボディにヌードとしての魅力を感じない。我々ストリップ・ファンはアスリートを求めているわけではない。その点、アゲハさんのヌードはストリッパーとしても十分魅力的であることがまた驚きでもある。筋骨隆々ではなく、女性らしい丸みを感じさせるキレイなヌードなのである。おそらく身体の柔軟さが抜きん出ているのだと思う。その上、優しい柔らかい笑顔が女性らしいいい雰囲気を醸している。
次に、アゲハさんの出し物と芸術性について述べてみたい。
彼女の出し物は、最初は自吊りショーから始まったが、SMからむしろ空中に関心が移り、どんどん進化していった。縄ではなく、布とリングにオリジナリティを見出したのは画期的。演目「宇宙人」あたりから凄くよくなってきたと感じていたが、布とリングを使った今週の出し物はついに頂点を極めた感がある。
アゲハさんの演技は、スポーツで言うと体操の吊り輪などの演技に通じるが、体操というよりはサーカスに近い。またサーカスというより、以前、上海に出張に行ったときに観た中国雑技団により近い。上海雑技団では色んな演目があったが、幼い少女がヨガインストラクターも真っ青のとんでもない身体の柔らかさを披露し、どんどんレベルアップしていく技に感嘆。この極限的な体の柔軟性とバランス感覚はまさにアゲハさんの演技に通じる。また、紬吊(Silk Stripes)という、美男美女が優美に空中を舞う演目があった。これまた実際には鍛え抜かれた筋力がないと絶対にできないポーズばかりに魅了された。アゲハさんの吊り布もこれに通じるか。
ストリップにはこれまで花電車などの芸を売る見世物もあったが、アゲハさんレベルの芸は見たことがない。空中ショーという芸とストリップを融合させたところにアゲハさんのステージの独創性がある。しかも芸というより既に芸術の域に達している。
アゲハさんのステージの最大の魅力は、空中でのポーズの美しさにある。
今回の出し物で私が一番気に入ったポーズは、吊り布での縦開脚のポーズ。なんというか、まるで帆掛け舟が空中に浮いている感じで、爽やかでとてもきれいなポーズだ。さりげなくやっているが、不安定な布で、あの姿勢を決め静止できるのは尋常ではない。他のどのポーズをとっても、美しくポーズを決めるための苦心がよく伝わってくる。
私は昔からオリンピックの体操演技が大好きで、アゲハさんの空中ショーを観ていて興奮するのは体操に通じているからかなとも感じている。ただ体操の場合、アクロバテックな動きと美しいポーズを合わせもつ。一方、アゲハさんの場合はアクロバテックな動きよりも、あくまで美しいポーズにこだわる。そこがアゲハさんの芸術性の根幹にある。
しかし、その美しいポーズは、鍛え抜かれた身体がないと表現できない。英語のArtは、一般的に‘芸術’と訳されるが、実は‘技術’という意味も持つ。つまり、芸術と技術は表裏一体なのである。アゲハさんのステージを観ているとまさにそうだなと実感する。
前にそのことを手紙に書いて渡したとき、アゲハさんから「アートだなんて恐れ多いですー」との返事が返ってきたが、私はその謙虚さに感激した。陰ではどんなに努力しているのかと思わせられるが、決して表に出さない。この謙虚さ・素直さが彼女の芸術の底流にあるんだなと感心させられた。
アゲハさんのステージを観ながら、間違って落下したら大怪我するよなと心配になり、こちらがハラハラしながら手に汗にぎり見守ることがある。ところが実際の彼女はかなり余裕がありそうだ。ま、そうでないと困るが(笑)。今週のTSでは夏風邪からか途中で熱を出したようだが、しっかりと演技をこなしていた。体調が悪い中あれだけ回転しながらよく眩暈がしないものだ。すごい精神力の持ち主なんだと感じる。
それから細かい話ではあるが、リングを見ていて私が気になったのはリングに蔓を巻きつけていること。ふつうならリングを握るのに障害になりそうなものを巻きつけるべきではない。万一手元が滑ったら大変。なのに彼女はリングを飾ることで芸術性を増したいと願うのか。ま、それだけ演技に自信と余裕がないとできないことだ。今では安心してステージを拝見できる。
デビューから7年が経ち、今が最高に脂の乗った時期かもしれない。今後、この演技をいつまで続けられるかなとファンとして思う。
最近、アゲハさんのお顔を見て、ロックの大友輝さんによく似ているなと感じた。輝さんもアゲハさんと同じH16年デビューなのだが‘永遠のロリータ’としてここ一年ほど人気が大ブレイク、‘輝隊’という応援団が組織されるほどの踊り子さん。アゲハさんも‘永遠の空中ストリッパー’を目指してこれからも精進してほしいと願っている。
平成23年8月 TSミュージックにて
童話『海の中のサーカス』
太陽が温かい日差しを海の中に降り注ぎました。
一匹のお魚がぐるりと回転し、その銀色のうろこがきらりと光りました。
お魚の名前はアゲハッチョ。
アゲハッチョは海の中で曲芸をやるのが大好き。
海の中は無重力状態、水の中ではくるくると好きなように体が動きます。
そして、岩場をすいすい、魚たちの間をひょいひょい、と動き回る。
「やぁ~、みんな、おはよう」 アゲハッチョが声をかける。
「アゲハッチョ、今日も元気だねぇ~」
他のお魚たちも皆、アゲハッチョの動きを楽しそうに見ていました。
大きなコンブ君が、アゲハッチョに声をかけました。
「よかったら、ぼくにつかまってごらん!」
コンブ君はアゲハッチョの体をくるくる巻きつけました。そして、勢いをつけてアゲハッチョを投げ上げました。
するとアゲハッチョは美しい姿勢で、いつもより速く、そして大きく回転できました。
「やったー! コンブ君、最高だよ!」 アゲハッチョは大満足!
さらに、二本のコンブを使ったポーズもきれいに決めました。
アゲハッチョはコンブ君との曲芸にはまりました。
たくさんの魚たちが集まってきて、アゲハッチョの曲芸を観て、拍手を送りました。
タコは八本の手を交互に使って大きな拍手をしています。時にどの手を合わせるのか分からなくなり、手が絡まってしまってます(笑)。
エビは腹をかかえ、次に体をのけぞらせて、ケラケラ笑っています。お腹の内臓まで笑いで上下するのが透けて見えます。
周りにタツノオトシゴがたくさん集まってきました。彼らはたくさんの音符♪を作ってコーラスしています。
少し離れたところに、海のギャング・サメもいます。サメは魚を襲うどころか、優しい笑顔をたたえて、楽しそうに曲芸にみとれています。そこは平和の楽園。
そのうち、曲芸好きの魚たちがどんどん参加し出しました。魚たちは色とりどりで、とても華やか。
アゲハッチョの指示のもと、コンブ君を囲んで、みんなで決めのポーズを作りました。まるで、大きな帆掛け舟に見えます。
周りで見ていた魚たちは大喜び。拍手も一段と大きく響きます。
そこは、海の中のサーカス場になりました。
おしまい